最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(04/30, 2000)


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 04/21@<PTSD>英国防省を相手どり損害賠償訴訟へ 英国の元軍(毎日新聞)
 04/21@◇ロシア安保会議が新軍事ドクトリンを承認◇(朝日新聞)
 04/21@<ロシア>プーチン外交 英露接近で、欧州政治の潮流に変動(毎日新聞)
 04/21@<和蘭風情書>400年目の姿 軍、PKO向けに転換(毎日新聞)
 04/21@アレキサンダー大王の父は人違い 遺骨分析で判明(共同通信)
 04/22@<イスラム>影響力強める「宣教国家」 サウジアラビア(毎日新聞)
 04/22@セルビア人が住民登録拒否(共同通信)
 04/22@<社説>視点 「三国人」発言の核心は差別より扇動だ 金子(毎日新聞)
 04/22@◇ベトナムの旧日本人町ホイアンが世界文化遺産に◇(朝日新聞)
 04/22@<露核軍縮>コジョーキン・ロシア戦略問題研究所長インタビ(毎日新聞)
 04/22@薬草医療が人気ビジネスに 国連経済制裁下のイラク(共同通信)
 04/22@◇NPT派遣団が米ネバダ核実験場で抗議の座り込み◇(朝日新聞)
 04/22@◇ジンバブエ問題を南部アフリカの4大統領が議論◇(朝日新聞)
 04/22@<ジンバブエ>南アなど3国大統領、ムガベ大統領支持を表明(毎日新聞)
 04/22@南部3国はムガベ氏支持 農地占拠問題、欧米と落差(共同通信)
 04/22@◇イタリア次期首相にアマート氏を指名◇ (朝日新聞)
 04/23@<コソボ>選挙に向けた住民登録開始 セルビア人は拒否(毎日新聞)
 04/23@<社説>米21世紀戦略 タブーなき論議を求める(毎日新聞)
 04/24@米、防衛協力で秘密協定を提案(読売新聞)
 04/24@<特報・NPT>再検討会議 非同盟諸国が特別委設置を要求(毎日新聞)
 04/24@枯渇寸前だった英軍弾薬(共同通信)
 04/24@コソボで女性売買が横行 国際部隊が救出と米紙(共同通信)
 04/24@◇NPT再検討会議に合わせ、NYで「原爆展」開催◇(朝日新聞)
 04/24@◇NPT再検討会議が24日に開会、無期限延長後初めて◇(朝日新聞)
 04/25@元ブラジル代表で磐田にも所属したドゥンガが孤児に寄付(共同通信)
 04/25@<記者の目>エリアン君 「自由」「家族」の間で翻弄(毎日新聞)
 04/25@チェチェン人権決議を審議 国連人権委員会(共同通信)
 04/25@<NPT>ミサイル防衛構想批判に反論 再検討会議で米国務(毎日新聞)
 04/25@◇核保有国は「さらなる一方的削減を」 日本政府が提案◇(朝日新聞)
 04/25@NPT再検討会議、米NMDに非難集中(読売新聞)
 04/25@米長官がNMD正当化 日本は豪と8項目提案へ NPT会議(共同通信)
 04/25@◇サッカーくじの愛称は「toto(トト)」◇(朝日新聞)
 04/26@<モンテネグロ>ユーゴ連邦が外交断絶のアルバニアと関係強(毎日新聞)
 04/26@<暗殺>国営ユーゴ航空社長が銃撃され死亡(毎日新聞)
 04/26@<論外ですか?>露新政権、路線継承は疑問(毎日新聞)
 04/26@◇ユーゴ航空の社長が射殺される 大統領と親しい間柄◇(朝日新聞)
 04/26@ミロシェビッチ大統領側近、また1人暗殺される(読売新聞)
 04/26@ユーゴ航空社長暗殺 大統領の腹心(共同通信)
 04/26@連邦承認受けず協定調印 モンテネグロ(共同通信)
 04/26@<中国>知識人の間で政治改革論議 指導部は影響力を危険視(毎日新聞)
 04/26@平和維持軍の配備受け入れ レバノン首相が表明(共同通信)
 04/26@対リビア制裁を全廃 政府、外交姿勢を評価(共同通信)
 04/26@<アフガニスタン>進出めざす外国企業の思惑(毎日新聞)
 04/26@NPT会議の本格討議開始 核軍縮委で日本が提案説明(共同通信)
 04/26@◇ロシア外相、ABM条約順守求める 米大統領と会談◇(朝日新聞)
 04/26@<核拡散防止条約>再検討会議、仏など米ミサイル防衛構想に(毎日新聞)
 04/26@常設国連軍できれば日本も参加…加藤氏(読売新聞)
 04/26@◇イタリア次期首相が閣僚名簿発表、26日に新内閣発足◇(朝日新聞)
 04/26@NMD配備費また倍増 米議会調査局が見積もり(共同通信)
 04/26@<ジンバブエ>黒人の野党党員、2人撲殺される(毎日新聞)
 04/26@<米露関係>訪米の露外相、米大統領にプーチン親書(毎日新聞)
 04/26@国連人権委、チェチェン疑惑で露を非難(読売新聞)
 04/26@NMD配備費用は6兆円以上…米議会予算局見積もり(読売新聞)
 04/26@ロシア非難決議を採択 チェチェンで国連人権委(共同通信)
 04/27@チェルノブイリ原発事故、700万人に後遺症(読売新聞)
 04/27@<ベトナムの光と影>枯れ葉剤 被害者なお100万人(毎日新聞)
 04/27@<ジンバブエ>白人農場不法占拠 「不満そらし」貧農は冷淡(毎日新聞)
 04/27@江沢民主席、南アなど歴訪終え28日帰国 (読売新聞)
 04/27@<コソボ>ユーゴ大統領が露中のユーゴ駐在大使と会談(毎日新聞)
 04/27@統治機構職員がスト突入 ディリで待遇改善求め(共同通信)
 04/27@各国連携し海賊根絶を 東京で15カ国が対策会議(共同通信)
 04/27@イタリアのケーブル切断事故で和解 遺族に42億円の賠償金(共同通信)
 04/27@米国務省のルービン氏が“産休”退職(共同通信)
 04/27@◇膨れ上がる米のミサイル防衛費、見積もり600億ドルに◇(朝日新聞)
 04/27@高校グラウンドでW杯予選 トラブル続きのアフリカ(共同通信)
 04/28@◇コソボ自治州で住民登録始まる◇(朝日新聞)
 04/28@<NATO>クラーク欧州連合軍最高司令官 退任会見(毎日新聞)
 04/28@共同指揮所の設置検討を…米国防次官補代理(読売新聞)
 04/28@ABM制限条約改定めぐり米露外相会談は平行線(読売新聞)
 04/28@英・ジンバブエの協議決裂、情勢緊迫化(読売新聞)
 04/28@ヒズボラの攻撃が激化 レバノン南部で11人死傷(共同通信)
 04/28@<草の根資金>対象国・地域数、資金総額とも過去最高 外務(毎日新聞)
 04/28@<カンボジア>特別法廷設置 突然の方針転換で暗礁に乗り上(毎日新聞)
 04/28@◇フランスが核軍縮に消極的な米国を批判◇(朝日新聞)
 04/28@最後の生粋コー人死去 カンザスの語源消える(共同通信)
 04/29@非核保有「急進派」が5大国に核廃絶を迫る(読売新聞)
 04/29@世界で36人の記者殺害(共同通信)
 04/29@ABM条約改定、米が追加議定書提案(読売新聞)
 04/30@<コソボ>視察団のカナダ国連大使が中露両大使を批判(毎日新聞)
 04/30@◇ベトナム戦争終結25周年式典で解放戦線旗が復活◇(朝日新聞)
 04/30@<ベトナム>サイゴン陥落25年 豊かさが生む社会主義離れ(毎日新聞)
 04/30@不法滞在の外国人ら約200人がデモ(読売新聞)
 04/30@◇「ビザを!」 銀座で不法滞在外国人が在特求めパレード◇(朝日新聞)
 04/30@◇国連やユネスコが報道の自由の保障求める共同声明◇(朝日新聞)
 04/30@石原発言で抗議の集会 文化人らがリレートーク(共同通信)
 04/30@日本の支援をアピール 外相、東ティモール入り(共同通信)
 04/30@南アジアがテロ活動の拠点 国務省報告書を米紙が報道(共同通信)
 04/30@25億人が不衛生な水 子供の犠牲、年2百万人 国連委報告(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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 04/21@<PTSD>英国防省を相手どり損害賠償訴訟へ 英国の元軍(毎日新聞)

 【ロンドン21日笠原敏彦】湾岸戦争などの体験から「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」に苦しんでいる英国の元軍人約300人が、英国防省を相手どり損害賠償を求める訴訟を起こすことが21日、明らかになった。PTSDは日本でも阪神大震災などで問題になっており、訴訟の行方が注目される。
 集団訴訟の原告は、フォークランド紛争(1982年)でアルゼンチン軍機の攻撃を受け炎上した戦艦の生存兵40人のほか、湾岸戦争、ボスニア内戦などに参加した元兵士ら。フォークランド紛争の炎上艦では同僚50人が戦死し、生き残った兵士らは心的外傷から不眠や不安に悩まされ働くこともできない状態が続いている、という。
 原告団のジョン・マッケンジー弁護士は、元兵士らは症状を訴えてきたが国防省は真剣な対応を示していないと批判。これに対して、国防省は「可能な限りの策を取ってきた」と話している。
 自然災害や戦争などの被災者に多く見られるPTSDは、1980年に米国精神医学協会により正式に認知された。[2000-04-21-21:45] 3
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 04/21@◇ロシア安保会議が新軍事ドクトリンを承認◇(朝日新聞)

 ロシアの国家安全保障会議は21日、今後の包括的な軍事・国防政策の基本方針をまとめた新しい軍事ドクトリンを承認した。プーチン次期大統領が同日中にも署名して正式決定する。1993年策定の軍事ドクトリンの見直しで、昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア空爆を受けて、欧米への対抗姿勢を打ち出している。
 また、核戦力について「通常戦力による侵略でもロシアと同盟国の安全保障に危機が迫れば核兵器を使用する権利を持つ」と、先制使用の方針を明確にしたのも特徴だ。
 しかし、イワノフ安保会議書記は同日、「ドクトリンはあくまで防衛的性格のもので、侵略防止と平和の維持が最大の目的だ」と語り、西側の懸念をぬぐう発言をした。[2000-04-21-21:42] 4
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 04/21@<ロシア>プーチン外交 英露接近で、欧州政治の潮流に変動(毎日新聞)

 ロシアのプーチン次期大統領は17日、大統領選後、欧米では最初に英国を訪問、露英関係を強化した。エリツィン前大統領時代に対露関係で英をリードしていたドイツやフランスは後れをとった。この対露外交の異変は、欧州大国間の外交的な「力比べ」に影響を与え、欧州政治の潮流に変動が生まれそうだ。【欧州総局・岸本卓也】
 ●はずされたドイツ
 欧州政界ではプーチン氏が欧州の中で最初に訪問する国はドイツとする見方が強かった。ロシアと地理的にも歴史的にも関係が深いうえに、ロシア経済再建の資金面での最大支援国でもあるからだ。だが、プーチン氏はドイツを敬遠した。
 シュレーダー政権は社会民主党と90年連合・緑の党との連立政権だ。反戦主義の90年連合・緑の党は、チェチェン共和国へのロシア軍の攻撃を厳しく批判している。また、KGB(旧ソ連国家保安委員会)出身のプーチン氏が冷戦時代に旧東独でスパイ活動をしていたことに国民の反感が強い。
 ●米国との距離
 さらに、シュレーダー政権は米国との関係が悪い。先月には国際通貨基金(IMF)の専務理事の選考でドイツが最初に推したコッホウェザー大蔵次官が米国の反対で落選した。ロシアの経済再建で重要なIMFに限らず、さまざまな面で米国への影響力が弱いドイツは目下のロシアにとって魅力がない。
 米国との関係から言えば、フランスもよくない。米国に頼らない欧州独自の安保構想には熱心だが、昨年のユーゴスラビア・コソボ紛争では米国の軍事力が欧州諸国を圧倒した。また、保守のシラク大統領は左派のジョスパン内閣を抱えて動きが十分にとれない。
 ●英国の巻き返し
 露のエリツィン、独のコール、仏のシラクと露独仏の三首脳は定期的に会談をもったが、英国首脳は大陸欧州の「巨頭会談」からはずれていた。「欧州政治に関与することが英国の国益」と宣言するブレア首相は独仏のプーチン新政権への対応の遅れを突いた。
 ブレア首相は「ロシアと欧米との懸け橋になる」という言葉を使ったが、コール前独首相はエリツィン前大統領と会見するたびに同じ言葉を使った。欧州を代表してロシアと交渉する権威を主張するブレア首相に対して、シュレーダー、シラク両首脳の不快感が募る可能性がある。
 ●倫理外交への不信
 南ドイツ新聞は「ブレア首相は得意の倫理外交から3回転も後退した曲芸外交を披露した」と皮肉った。「人権侵害は許せない」とコソボ紛争ではセルビア空爆の旗振り役を演じたのに、チェチェン攻撃で「血塗られた手」と悪評のプーチン氏と平気で握手した。
 このブレア外交の現実主義的転換は、最近の欧州外交の流れに影響を与えた「倫理」や「人権」から現実主義的な「国益」が前面に出る可能性がある。人権を柱にしていたはずのブレア外交への不信感と抜け駆け的な対露外交への羨望から、欧州各国に反英感情が生じかねない。
 ●重要な英国の役割
 英国の「欧州からの孤立化」による独仏連携よりも英国の「欧州政治への介入」を嫌う独仏連携の方が欧州全体にとっては厄介である。米国との関係が深く、簡単に大陸欧州と溶け込まない英国のスタンドプレーはかえって欧州の結束を乱す可能性があるからだ。
 プーチン新政権が英国との関係強化を選択した背景に、米英と独仏の分断を遠謀しているとすれば欧米にとっては一大事である。ブレア政権は先行した対露外交について、独仏に十分な理解を求めることが必要になるだろう。[2000-04-21-18:01] 5
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 04/21@<和蘭風情書>400年目の姿 軍、PKO向けに転換(毎日新聞)

 ちょうど1年前の今ごろ。オランダ軍は北大西洋条約機構(NATO)の一員として、ユーゴスラビア連邦への空爆作戦に追われていた。圧倒的な軍事力を誇る米軍の陰ではあったが、同国空軍はNATO軍機の出動回数の8%、攻撃回数の16%を支え、米軍以外で唯一、ユーゴ軍機を撃墜した。
 「中規模の国にしては成果を上げた方でしょう。でも、決してオランダは攻撃的な国ではないんです。オランダにはオランダの役割があります」
 NATO本部(ブリュッセル)に常駐するビーゲマン・オランダ大使がこう言った。さて「オランダの役割」とは何か。
 オランダ国防省は昨年末、中期的な防衛計画を示す「国防白書」を発表した。コソボ紛争介入の教訓を基に今後10年の軍事目標を掲げたものだが、その中で戦闘攻撃力を大きく削減し、国連平和維持活動(PKO)を重視する政策を打ち出した。
 例えば戦車部隊や戦闘機を減らす一方で、輸送船や海兵隊を充実させて緊急派遣能力を高める。議会の一部には「軍をPKOに特化させては」という意見まであったほどだ。冷戦終結後、欧州の安全保障体制が紛争対応型を重視するようになった変化を正面から受け止めた方針転換と言えるだろう。
 オランダは1960年代のキプロスをはじめ、レバノンや西サハラ、カンボジアと、国連がPKOを決めるたびに積極的に参加してきた。カナダやオーストラリアと並ぶ世界のPKO大国である。
 「我々の活動は常に国際社会の枠組みの中で行われています。地域安定のために貢献するのは、当然の役割です」。北海を望むデンヘルデル海軍基地で、補給艦アムステルダムのメツェラー艦長がそう言った。
 オランダ軍の今年の春は穏やかだ。昨年、何隻もの軍艦がバルカン沖のアドリア海にたったこの港から、今年はアムステルダムなど4隻が日蘭修好400周年の記念行事のため日本に向かった。【デン・ヘルダーで森 忠彦】[2000-04-21-16:05] 6
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 04/21@アレキサンダー大王の父は人違い 遺骨分析で判明(共同通信)

 【ワシントン20日共同】ギリシャ北部のベルギナ古墳から発掘されアレキサンダー大王の父、フィリップ二世(在位・紀元前三五九―前三三六)とされていた遺骨が人違いと分かったと、ギリシャの人類進化研究所が二十一日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 遺骨はフィリップ二世やアレキサンダー大王(同・前三三六―前三二三)に比べ歴史上の役割がはるかに小さい、大王の異母兄弟フィリップ三世らしいという。
 遺骨がフィリップ二世とされていた根拠は、頭骨の右目の部分に残った傷。生前に受けた有名な矢傷だとみられていた。
 しかし、一九七七年の発掘後、副葬品の年代がフィリップ二世が暗殺された紀元前三三六年より新しいことが分かり、同研究所が再度、遺骨を分析。矢傷とされていたのは、骨を焼いた時のひび割れなどと判明した。さらに、遺骨は肉がついた状態で焼かれたのでなく、既に骨になってから焼かれたものと分かった。
 これは、いったん埋葬され白骨化してから火葬されたと伝えられるフィリップ三世の特徴と一致した。
 古代マケドニアの王フィリップ二世はギリシャ全土を征服し、アレキサンダー大王の東方遠征の基礎を築いた。一方、大王の異母兄弟フィリップ三世は、大王の母オリンピアスのねたみを受けて毒を盛られ、大王の死後、王位を継承した時には精神や健康に異常を来していたとされる。[2000-04-21-10:19]
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 04/22@<イスラム>影響力強める「宣教国家」 サウジアラビア(毎日新聞)

 サウジアラビア西部の保養地タイフ。標高1500メートルの高原では、アラブ人にまじってアジア系の顔立ちの住民が目立つ。旧ソ連や中国などから「安住の地」を求めて亡命・移住したイスラム教徒だ。
 「年かい?戸籍もないし、分からんね」。白いあごひげをたくわえ、白髪のMさんは古靴で埋まった1畳もない狭い靴修理屋を営む。現在の中国・新彊ウイグル自治区にあるカシュガル生まれだ。
 「(1949年の中華人民共和国成立で)共産主義者がやってきてイスラム教徒は追放され、住みづらくなった。31歳の時に仲間5人と国を出て、チベット、カシミールを経てインドから海路サウジにたどり着いた」。同郷の女性と結婚し、2女1男をもうけた。故郷の親族とは50年近く音信不通だが、「サウジは神の国。砂を食べてでもここで死にたい」と、永住の決意を固めている。
  ◆  ◆  ◆
 サウジはイスラム法(シャリア)に基づき国王が統治する政教一致のイスラム国家だ。イスラムの中でも最も厳格な戒律で知られるワッハーブ派が主流を形成、イスラムを広める「宣教国家」の役割も果たしている。
 ファハド国王は、王立コーラン印刷所で各国語に翻訳されたコーランを印刷、世界中に無料で配布している。さらに、ユーゴスラビア・コソボ自治州など紛争地のイスラム教徒をチャーター機でメッカ巡礼に招待するなど、宣教に余念がない。
  ◆  ◆  ◆
 東京都渋谷区のビルの一室に宗教法人「日本ムスリム協会」が事務所を置く。98年に来日したアブドラ・サウジ皇太子が数千万円を寄付し、新しい礼拝場を作った。運営費の大半はメッカに本部を置く世界最大のイスラム団体「ラービタ」(世界イスラム連盟)からの支援だ。
 ラービタはサウジのイスラム布教の実戦部隊で約1000人の宣教師を各国に派遣、昨年だけで231のモスク(イスラム礼拝堂)を建設した。財源はサウジ王族の寄付などでまかなわれている。
 難民救援、教育・医療支援にあたるラービタ傘下の非政府組織(NGO)「国際イスラム救援機関」の活動は、コソボ、ソマリア、チェチェン、アフガニスタンと世界の紛争地に及ぶ。「天災、戦争などで必要とされれば、どこにでも飛んで行く」とアドナン事務局長が力説する。
  ◆  ◆  ◆
 特別許可を得て、サウジの海外戦略の拠点とされるリヤドのイマーム大学を訪れた。約4万平方メートルの広大な敷地にイスラム法学部、イスラム法廷判事養成所などが並ぶ。
 学生約8000人中、外国人留学生は約90カ国から1000人を数える。寮や食事、書籍が無料で供与され、手当てまで支給される。留学生受け入れは「世界に真のイスラムを広め、コーランの教えに立ち返るため」(ムハメッド・アルサレム学長)だ。
 「メッカ巡礼もでき、とても幸せだ。国民にイスラムについて伝えるため、帰国したらモスクの導師になるつもりだ」。ロシア出身のジャミル・ユスカフさん(23)が留学生寮で抱負を語る。
 イスラムを旗印に影響力拡大を目指すサウジアラビア。ヒト(宣教師・神学生)、モノ(モスク、コーラン、救援物資)、カネ(義援金)を通じた宣教の機能的なシステムができあがっている。【「宗教と政治」取材班】 =つづく[2000-04-22-23:19] 3
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 04/22@セルビア人が住民登録拒否(共同通信)

 【ウィーン22日共同】欧州安保協力機構(OSCE)は二十一日、ユーゴスラビア・コソボ自治州で十九日から始まった住民登録に、セルビア人住民が一人も参加していないことを明らかにした。
 OSCEによると、今秋の地方選挙実施のために四カ所に設置した登録事務所のうち、アルバニア系住民が大半を占める地域に設けられた三カ所では二十一日までにアルバニア系の住民計四百五十九人が登録した。しかしセルビア人が多い村の事務所には一人も現れなかった。
 OSCEは、国連によるコソボ暫定統治に反発するユーゴ政府からの指令がセルビア人の足を遠のかせているとみている。[2000-04-22-10:10] 6
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 04/22@<社説>視点 「三国人」発言の核心は差別より扇動だ 金子(毎日新聞)

 東京都の石原慎太郎知事が「三国人」発言を不適切と認める文書を出した。だが、これで一件落着では、肝心なところを素通りしてしまわないか。
 石原発言の核心は、騒がれているような差別性ではなく、扇動性にある。
 知事は「『第三国』とは外国のことだ」と釈明したが、「第三国」は、外国一般のことではない。「第一」と「第二」があってこそ成り立つ「第三国」なのである。
 この言葉が生まれたのは敗戦直後だった。当時、「第一」と「第二」は、日本を占領した連合国と、敗戦国である日本を指していた。
 しかし日本には、植民地から解放された朝鮮半島や台湾出身の人たちがいた。その人たちは戦勝国である「第一」でも、敗戦国である「第二」でもないから「第三」に分類された。
 無条件降伏をした日本にとって戦勝国の命令は、オールマイティーであり、おとなしく従うほかなかった。
 そんな時代、昨日まで「劣等国民」と見下していた旧植民地出身者のなかには、「おまえたちは敗戦国民だ」と言って、横暴に振る舞う者がでてきた。
 焼け跡闇市(やみいち)の時代、暴力が支配する無法空間を闊歩(かっぽ)した一部の「三国人」たちを、弱い立場に置かれた日本人は、屈辱的な無力感と恐怖感で眺めていた。だから、ほかの差別語と違って「三国人」という言葉には、憎悪のにおいがするのだ。
 日本が独立を回復してからしばらく、「三国人」という言葉は残ったが、戦後の記憶が薄らぐとともに廃れた。
 このような死語を、石原知事は、突然使った。ある世代以上の日本人には、忘却の闇に埋もれていた憎悪の火を呼び覚ます危険な言葉だ。憎悪は復讐(ふくしゅう)の感情に結びつく。それを、なぜわざわざ持ち出したのか。
 「『三国人』発言は、在日韓国人、朝鮮人、中国人に対する差別語である」というのが石原批判の決まり文句になっている。これでは、当時の日本人が「三国人」という言葉に込めた被害者意識による憎悪が抜け落ちてしまう。
 しかも知事は「三国人」の意味を、旧植民地の人々から、「外国人一般」に拡大して使った。
 憎悪を呼び覚ます言葉は、論理を超える。これは政策演説ではなく、扇動である。聴衆は、知事が軍と見なす自衛隊員だった。政治家が軍を扇動する。恐ろしいことではないか。
 都知事が、密入国を取り締まり、首都の治安を確保したいというのは、当然の主張である。だが、それを理性の言葉で語らず、扇動した。ここに危うさがある。
 扇動の構造を見ずに、差別性ばかりを批判するのは、ピントがずれていないか。
 日本の差別批判をそのまま引用した香港の「明報」紙は、「三国人」をわざわざ「三等国人」と訳して報道した。日本人は、朝鮮、韓国、中国の人たちを「三等国民」だと見下す無礼な連中で、その代表が石原知事だと理解したのだ。ほかの外国報道も、五十歩百歩の理解をしているようだ。
 石原知事は、差別批判にはあっさり遺憾の意を表明した。痛いところを突かれていないからではないだろうか。[2000-04-22-23:19] 14
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 04/22@◇ベトナムの旧日本人町ホイアンが世界文化遺産に◇(朝日新聞)

 ベトナム通信が伝えたところによれば、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は21日、江戸時代に日本人町があった同国クアンナム省ホイアンの町と、同省ミーソンにあるチャンパ遺跡の2つを世界文化遺産として公式に指定した。
 ホイアンは16世紀から17世紀ごろ最も栄えた交易港だった。最初に中国人たちが住みつき、交易などをしていたが、のちに日本人も渡来するようになり、大きな日本人町ができたという。
 江戸時代の日本人の墓や、「日本橋」と呼ばれる石橋や古い街並みが残る歴史的な町として知られる。
 チャンパ遺跡は海洋民族のチャム人が築き、インド系ヒンドゥー文化の寺院建物などが特色。
 ベトナムでは、古都フエと、北部のハロン湾がすでに世界文化遺産に指定されており、今回で計4つになった。[2000-04-22-21:11] 35
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 04/22@<露核軍縮>コジョーキン・ロシア戦略問題研究所長インタビ(毎日新聞)

 ロシアは第2次戦略兵器削減条約(START2)に続いて、核実験全面禁止条約(CTBT)も批准した。その意義と背景、さらには今後の軍縮条約の見通しなどについて軍縮・戦略問題専門家のコジョーキン・ロシア戦略問題研究所長(46)に聞いた。【モスクワ・石郷岡建、写真も】
 ――ロシア議会の相次ぐ軍縮条約批准の背景は。
 ◆1991年のソ連崩壊とロシア誕生以後、初めて行政府と立法府の間で、対外・軍事政策が一致した。効率的、現実主義的な対外・軍事政策の始まりといえる。
 ――その意義はどこにあるのか。
 ◆核拡散防止条約(NPT)再検討会議を直前に批准したことは、露が核拡散防止への寄与を証明したことになる。核大国は段階的に核兵器を削減する義務を持つ。露はこの義務を実現し、核軍縮政策の継続性を実証したが、米国は核実験全面禁止条約やSTART2の議定書、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に関する合意書などの批准を拒否している。論理的な説明を求められるだろう。
 ――露の批准は米国が進める米本土ミサイル防衛システムの阻止が狙いではないか。
 ◆露のSTART2批准の理由は、(1)核拡散防止などの国際条約遂行の義務(2)ロシアの財政・経済的に困難な状況にあり、軍拡を行う余裕がない(3)弾道弾迎撃ミサイル制限条約の維持ーの三つがある。露は現在の核兵器制限システムを維持したいと考えている。米国との対決は求めていない。
 ――ロシアはなぜミサイル防衛の開発に反対するのか。
 ◆現在の核軍縮は攻撃兵器と防御兵器、つまり矛と盾の二つの兵器の制限からなっており、防御兵器、つまり、盾の制限を取ると、無制限な核軍拡が始まる。米本土ミサイル防衛はイラン、イラク、北朝鮮など一部の国が対象であるとの論理は通じない。露だけでなく、中国など他の国が安全保障を脅かされたと考え始めるだろう。
 ミサイル防衛システムは政治的必然性がない。米大統領選挙の影響を強く受けている。
 ――ミサイル防衛に関しての米露の合意はあり得るか。
 ◆米国は露の深刻な懸念を理解しておらず、近い将来、露に対して大きな圧力をかけるだろう。エリツィン前大統領は大きな声で反対を叫びながらも、米国の要求に応じてきた。プーチン次期大統領もそのような行動をとるかどうか。まもなく分かるだろう。[2000-04-22-18:25] 43
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 04/22@薬草医療が人気ビジネスに 国連経済制裁下のイラク(共同通信)

 一九九○年八月のクウェート侵攻以来、国連の経済制裁下にあるイラクで、医薬品や収入の不足から、伝統的な薬草を買い求める市民が増えている。
 紀元前約三○○○年のバビロニア地方に起源を持つというイラクの薬草医療を、経済苦境がビジネスとしてよみがえらせた格好だ。
 「薬草は効用が幅広く副作用が少ない。原料がほとんど国内で安定的に調達できるのが利点だ」。バグダッド市内のサラ・アルシェクさん(52)の薬局には、薬草がずらりと並ぶ。内臓系の痛みなどに効くというアニスや、けん怠感や性的機能不全に効くナッツ類など約四十種類を販売している。市販薬に比べ半額から十分の一の値段だ。
 アルシェクさんは「イラクの薬草は五千年の歴史を持つ。伝統的な調合法と現代医学の臨床効果を組み合わせている」と胸を張る。
 腎臓(じんぞう)の機能を助ける薬草を四百イラク・ディナール(約二十五円)で買い求めた男性客は「継続的な服用が必要なわたしには薬草が一番。原料を輸入に頼る薬は品切れすることも度々だ」と話す。
 石油施設関連の部品輸入枠拡大など国連経済制裁は緩和されてきているが、イラクではトップクラスの病院ですら基礎医薬品が不足しているのが実情。病院関係者によると、乗用車や工場の老朽化による公害の影響で気管支、皮膚などに疾患のある患者が増えている。
 別の薬草専門店主カーレッド・シムランさん(49)は「生活環境の悪化で病気が増えているためか、店の売り上げは着実に伸びている。しかし、市民の一番の願いは経済制裁がなくなること」と複雑な表情を見せた。(バグダッド共同=半沢隆実) [2000-04-22-16:51] 85
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 04/22@◇NPT派遣団が米ネバダ核実験場で抗議の座り込み◇(朝日新聞)

 24日から米ニューヨークの国連本部で開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて渡米した原水禁などの「NPT再検討会議派遣団」約20人が21日、ネバダ核実験場を訪れた。地元のネバダ州やカリフォルニア州、アリゾナ州などから集まってきた反核運動家らとともに抗議の行進をした後、「立ち入り禁止」と書かれた標識の前で、地元の警察官らの監視の中、米の未臨界核実験や核兵器開発に対する抗議の座り込みをした。
 派遣団のほか、集まった在米の反核運動家や市民グループのメンバーは約30人。うち約10人は、意識的に境界線を越え、拘束されることによって抗議の意を示した。先祖代々の土地の中に核実験場が位置する先住民族ウエスタン・ショショーニ族のコービン・ハーニーさん(80)は、警察官に詰め寄って、「これ以上我々の土地を汚染するな」と訴えた。NPT派遣団のメンバーで被爆者の坪井直・広島県被団協事務局長(74)は「核兵器廃絶を願う心に、国境や民族の壁はない。互いに協力し合ってがんばっていきましょう」と呼びかけた。[2000-04-22-11:28] 97
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 04/22@◇ジンバブエ問題を南部アフリカの4大統領が議論◇(朝日新聞)

 南アフリカ、モザンビーク、ナミビアとジンバブエの4大統領が21日、ジンバブエの保養地ビクトリアフォールズで、同国の農場占拠問題について話し合った。現地からの報道によると、各首脳は白人農場を占拠した土地を持たない黒人たちの定住化のために、英国をはじめとする各国が資金を提供すべきだとの意見で一致した。
 会談後に南アのムベキ大統領は「問題は再定住に必要な資金をどう集めるかだ」と記者団に語った。シサノ・モザンビーク大統領も「英国をはじめとする供与国が、資金を提供しなくてはならない」と話した。
 同じような事態が周辺国に広がる可能性について、3人の大統領はいずれも否定した。ジンバブエのムガベ大統領は、記者会見では発言しなかったという。[2000-04-22-10:27] 100
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 04/22@<ジンバブエ>南アなど3国大統領、ムガベ大統領支持を表明(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク21日藤原章生】白人所有の農場が「元解放闘士」らの率いる黒人武装集団に不法占拠されているジンバブエで、南部アフリカ3カ国の大統領が21日、同国のムガベ大統領と協議した。南アフリカなど3カ国の大統領は国際社会の期待に反しムガベ大統領を軟化させることはできず、逆に土地補償問題などを指摘し、ムガベ大統領支持の姿勢を表明した。
 この日ジンバブエのビクトリアフォールズに集まったのは南アのムベキ、ナミビアのヌジョマ、モザンビークのシサノの各大統領。3人はムガベ大統領と9時間にわたり協議した。
 現地からの報道によると、シサノ大統領は会見で「ジンバブエの真の問題は土地問題だ。ムガベ氏は国民を鎮められる」とムガベ大統領を全面支持した。ムベキ大統領も「(英国や世界銀行などが合意した土地補償に関する)98年末の合意に立ち返ることが重要だ」と語った。
 2月から始まった農場占拠騒動では5000人を超す暴徒が農場を襲い、少なくとも白人農場主ら7人が死亡、100人以上が重傷を負った。ムガベ大統領は「私は止める気はない」「白人農民は国家の敵だ」と発言。便乗組によるレイプ事件など「人種犯罪」をあおっている。
 占拠事件は5月に予定される議会選を前に、ムガベ氏率いる与党が企てたものと英国など欧米諸国は非難してきた。
 協議に参加した各大統領の中でムガベ氏は黒人解放闘争の最古参で、ムベキ大統領ら若手の意見を聞き入れない傾向が強い。ムガベ氏はムベキ大統領を「英国(留学)かぶれ」と軽視し、これまでも地域大国の南アに和平会議などでの主導権を与えなかった。[2000-04-22-10:14] 103
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 04/22@南部3国はムガベ氏支持 農地占拠問題、欧米と落差(共同通信)

 【ヨハネスブルク21日共同】ジンバブエからの報道によると、黒人による白人農民殺害にエスカレートした同国の農地占拠問題をムガベ大統領と協議したシサノ・モザンビーク大統領など南部アフリカ三カ国首脳は二十一日、協議終了後に記者会見し、シサノ大統領は「ムガベ大統領は白人農民、黒人側双方に対応しており満足している」と述べ、同大統領支持の姿勢を明らかにした。
 欧米諸国は白人農民を「ジンバブエの敵」と呼んで対立をあおったムガベ大統領を強く批判しており、意識の違いが鮮明になった。
 シサノ大統領はまた、農地収用の際の補償金は「英国を含む国が拠出すべきだと考えている」と指摘し、旧宗主国である英国に補償金支払い責任を負わせることを決めたジンバブエ政府と同様の考えを示した。
 英国などは一九九八年、ジンバブエの農地再分配計画を支援するための資金提供を決めたが、ムガベ政権が当初計画を大幅に上回る農地収用を求めたことから実施されないままになっているという。
 協議にはこのほか、ムベキ南アフリカ大統領とヌジョマ・ナミビア大統領が出席した。[2000-04-22-10:11] 109
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 04/22@◇イタリア次期首相にアマート氏を指名◇(朝日新聞)

 イタリアのチャンピ大統領は21日夜、国庫・予算企画相のジュリアノ・アマート元首相(61)を大統領官邸に呼び、次期内閣首班に指名した。アマート氏は留保付きで指名を受諾、与党・中道左派連合の指導者らと協議し、早ければ復活祭休暇明けの26日にも組閣できるかどうか大統領に報告する。順調に閣僚名簿が整えば、大統領は閣僚を正式に任命し、戦後58代目のアマート内閣が発足する。
 地方選での敗北の責任を取ってダレーマ前首相が辞任したことを受け、大統領は20日から各党代表者らと協議を進めていた。その結果、中道左派連合が全会一致で推したアマート氏が、一部野党の賛成も得て、与野党の議席が伯仲している下院で過半数の支持を得られると判断した。次期政権は、規定により、上下両院で10日以内に実施される信任投票で承認を得なければならない。[2000-04-22-09:57]
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 04/23@<コソボ>選挙に向けた住民登録開始 セルビア人は拒否(毎日新聞)

 【ウィーン23日福井聡】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州内で、北大西洋条約機構(NATO)による空爆後初めて今秋に予定されている地方選挙を実施する全欧安保協力機構(OSCE)は、選挙に向けた住民登録をすでに開始したことを明らかにした。しかし、アルバニア系住民が登録に応じる一方、セルビア人は登録をボイコットしている。このままセルビア人が登録拒否を続けると、全民族参加を掲げた選挙の実施自体が危ぶまれる。[2000-04-23-18:46] 6 [このページの最初に戻る]


 04/23@<社説>米21世紀戦略 タブーなき論議を求める(毎日新聞)

 米国防長官の諮問機関として、2025年の世界を見通した米国の安全保障戦略を検討している「21世紀国家安全保障委員会」は、二つの大規模地域戦争に同時対応する能力を想定した「二正面戦略」の見直しを勧告する報告を公表した。
 21世紀委員会は3年がかりで綿密な国家安全保障戦略の再構築作業に取り組んでいる。今回は昨年9月の初報告に次ぐ第2次報告だ。来年2月に公表される最終報告と共に、3部作で包括的勧告をまとめる。
 軍事専門家として知られる超党派の元有力議員が共同座長を務め、軍や官民の有識者、専門家を網羅した報告は、米国が描く21世紀の未来像を示すものとして注目せずにはいられない。とりわけ北東アジアに関する部分は、中国、朝鮮半島、日本を含めて大胆な長期予測に踏み込むなど、日本の安全保障にも重要な示唆をはらんでいるからだ。
 報告は「大規模紛争の恐れは減るが、紛争は多発する」という予測に立って、複雑多様化する有事に即応できる能力を求めている。朝鮮半島と中東・湾岸の有事だけを想定した二正面戦略では不十分とする理由はここにあるのだろう。「米国の時代は永遠に続かない」ため、同盟・友好国との協力が不可欠だが、欧州・アジアの前方展開基地はテロや奇襲の脅威と削減圧力にさらされ、伝統的同盟には頼れなくなる。「臨機応変型の有事同盟すら相手を見つけるのは難しくなる」といい、日本にも「より対等な戦略的パートナーシップ」を求めている。新たな国際秩序を築いてロシア、中国、インドを取り込む重要性も説いている。
 両次の報告で最も興味深いのは北東アジアの将来予測だ。2025年までに「大規模戦争が起こる可能性が高い」と指摘、地域経済崩壊、中国の大動乱、日中韓の地政学的変動を3大危機要因に挙げている。中国の将来を「だれにもわからないが、現状が続かないのは明白だ」として「最も不吉で、論議を呼ぶ問題」と位置づけている点は、米中関係の将来に微妙な示唆が読み取れる。
 25年後の中国が戦略核戦力や外洋性海軍力を備える可能性は少なくない。経済発展の中で権威主義体制が続いて、国家主義的な新中国が米国と敵対するシナリオが一つ。また政治体制の暴力的崩壊で、軍閥の復活や人道的災害、大量破壊兵器流出が起きるシナリオも想定しており、妙にリアルに感じられる。
 日本に関しても、経済危機で国威発揚を求める国家主義が台頭すれば「日米安保条約が破棄される」と警告し、朝鮮半島統一後の情勢が変質すれば日本が核武装の圧力にさらされるとみる。半島統一後の事態に備えて「地域の安定と非核化のために一部の米軍を残留させる」よう勧告しているのはこのためだろう。
 米国では専門家、有識者の見解を大胆に世論に問い、現実政策に反映する努力を忘れない。同盟国である日本の評価や、中国の将来像には異論もあるだろう。読み方しだいでは「米1極支配打破」を唱える中露に対抗する姿勢が強くにじむ。
 だが、刺激的な将来像を率直に語り、国民的討議にゆだねる姿勢は、日本の政治に欠けているものだ。冷静な予測と分析をタブー視してよいはずはない。報告の評価は別としても、日本は長期的安全保障について腰を据えた論議を急ぐべきだ。[2000-04-23-23:24]
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 04/24@米、防衛協力で秘密協定を提案(読売新聞)

 【ワシントン23日=内田明憲】日米防衛協力の指針(ガイドライン)に基づく在外邦人救出などの非戦闘員退避活動(NEO)をめぐって、米政府が日米間の協力を具体化する秘密協定の締結を提案したのに対し、日本側がこれを拒否し、交渉が暗礁に乗り上げていることが二十三日、明らかになった。日米双方の主張の隔たりは大きく、早期の交渉進展は困難な情勢で、ガイドラインの重要な柱であるNEOの実施計画策定や関連法整備を含めた態勢作りが一層遅れる恐れも指摘されている。
 NEOは、日本周辺有事の際、米軍や自衛隊の航空機・艦船により、第三国にいる日米両国の一般市民を安全な場所に退避させる活動。日本は現行法上、自衛隊による危険な紛争地域からの邦人移送・救出が困難なため、米軍に依存せざるを得ない事情がある。米国も、朝鮮半島など日本周辺に滞在する米国人が一時的に日本に退避する態勢を確保できるため、「日米両国のメリットは大きい」(米政府当局者)とされる。
 九七年九月に合意したガイドラインでは、この点、「両政府は自国民の退避におのおの責任を有する」としたうえ、「適切な場合、輸送手段の確保、輸送及び施設の使用を含め、退避計画を調整し、実施に協力する」と明記された。
 これを受け、日本側は当初、九八年四月の日米物品役務相互提供協定(ACSA)改正に合わせ、NEOの新協定締結を働きかけたが、米側が「政府内調整に時間が必要」と主張し、継続協議になっていた。
 その後、米国務省が一年以上かけて関係機関と調整した結果、九九年秋ごろ、協定の存在や内容を一般に公表しない「秘密協定」とすることを条件に、在外邦人らを米軍機・艦船で輸送する際の手順の大枠、日本側の受け入れ体制などに関する協定案を提示した。しかし、日本側は「国会承認が必要な協定を秘密にすることは不可能」との理由から、これを拒否した。
 米側は、既に一部の旧西側諸国とNEOの秘密協定を結んでいるため、「他国との兼ね合いから、日本だけを特別扱いし、公開の協定とすることはできない」と秘密協定に固執し、妥協の見通しは立っていない。
 日本では昨年五月、ガイドライン関連法が成立し、周辺有事における自衛隊による米軍への後方地域支援や捜索・救難活動の法的根拠が整備されたが、NEOについては日米間の取り決めがないため、法整備が手つかずで、実施計画の作成にも影響が出ている。
 ◆米側「安全保障は非公表」 日本「国家の承認が必要」◆
 【解説】日米両政府が在外邦人救出などの非戦闘員退避活動(NEO)に関する秘密協定に合意できなかったのは、両国の立法制度の違いによる要因が大きい。
 米国の連邦議会は、国家の安全保障などに関する問題は秘密公聴会で扱う制度が確立している。米国が数十年前から一部の欧米諸国と結んでいるNEOの秘密協定は秘密公聴会を通じて議会の了解を取っている。
 しかし、日本にこうした制度はなく、「国民の権利・義務に関する約束を国会承認なしに政府が行うことはできない」(政府筋)との立場から、秘密協定を拒否せざるを得なかった。
 米側は「協定がなくても米軍は邦人救出にできる限り協力する」(国防総省筋)との立場だが、協定がないと、日本は米軍の協力を前提にした邦人救出の計画策定を進めにくいのも事実。日米防衛協力の指針(ガイドライン)の大半が米軍への支援や施設提供で占められる中、NEOは「日本の得るものが大きい、数少ない項目」(自民党筋)だけに、日本は引き続き実効性が確保できる協定か覚書を結ぶよう求める方針だ。ただ、秘密協定という条件を翻すのは極めて難しいとの見方が少なくない。(ワシントン 内田 明憲)[2000-04-24-03:07] 2
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 04/24@<特報・NPT>再検討会議 非同盟諸国が特別委設置を要求(毎日新聞)

 【ジュネーブ23日福原直樹】24日からニューヨークの国連本部で開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、エジプトなど非同盟諸国が、核軍縮と中東非核化を集中的に話し合う「特別委員会」の設置を新たに求めることが23日、会議筋の証言で分かった。これらの分野は1995年の前回会議以降ほとんど進展がなく、議論の深まりが期待されている。だが米国など核保有国の反発も予想され、「特別委」設置の成否が会議の行方を大きく左右しそうだ。
 NPT会議は、核軍縮一般▽核不拡散の保障措置▽核の平和利用――をそれぞれ話し合う委員会で構成される。会議筋によると非同盟諸国は、このほか今回の会議に限り、(1)核実験全面禁止条約(CTBT)の発効促進や兵器用核物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉促進を求める「核軍縮特別委」(2)中東の非核地帯化などを話し合う「中東特別委」――の創設を求めるという。
 NPT無期限延長を決めた前回会議では、CTBT発効までの核実験抑制やカットオフ条約の早期妥結を求める文書を採択。中東など緊張地域の非核化を「優先課題」とした。だがCTBTは米、インド、パキスタンなどが参加せず発効のめどが立っていない。ジュネーブ軍縮会議のカットオフ条約交渉も停滞したままだ。また「中東非核化」の議論もほとんど進んでいない。
 今回の提案は、これらの停滞を打開するために集中討議を促すのが目的だ。だが特別委設置は核保有国や潜在的核保有国・イスラエルへの非難にもつながり、米などが否定的だ。会議筋は「設置が否決される場合、非核保有国などが反発し、会議が進展しない可能性も強い」と懸念している。
 【ことば】NPT再検討会議
 核不拡散・核軍縮などについて、核拡散防止条約(NPT)の実施状況や今後の方策を検討するため5年に一度開催される。今回は24日から約1カ月にわたり開催される。再検討会議の3年前から毎年、準備会議を開き、再検討会議に勧告するが、今回は具体的な勧告を採択できなかった。[2000-04-24-03:00] 3
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 04/24@枯渇寸前だった英軍弾薬(共同通信)

 【ロンドン24日AP=共同】昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア空爆の際に、英軍部隊の武器や弾薬がほとんど底をついていたことが二十四日、英BBC放送が入手した会計検査院の報告書から明らかになった。
 同放送によると、五月に発表される報告書は、精密に誘導できる弾薬の不足は「危機的だった」と指摘。空爆がさらに長引いていたら、英軍の弾薬は底をついただろうと述べている。国防省は報告書についてのコメントを拒否した。
 報告書はまた、英政府が古くなった装備や医薬品を部隊に支給していたと批判しているが、食料補給や宿泊施設、財政運営の体制には改善がみられたとして、空爆作戦はおおむね成功だったと結論づけている。[2000-04-24-17:22] 4
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 04/24@コソボで女性売買が横行 国際部隊が救出と米紙(共同通信)

 【ワシントン24日共同】二十四日付の米紙ワシントン・ポストは、ユーゴスラビア・コソボ自治州で女性の人身売買が横行しており、過去六カ月間に国際治安部隊などが約五十人の女性を売春宿から救出したと報じた。
 女性たちはモルドバ、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニアなどの出身。コソボに隣接するマケドニアに連れてこられ、売春組織に一人千―二千五百ドルで売られ、プリシュティナなどの不衛生な売春宿で働かされていた。
 中には一晩に十六人の客の相手をさせられながら、金を全く受け取っていない女性もいた。関係者は売られた女性がまだ数百人いるとみている。
 国連関係者らによると、売春組織はアルバニア系住民の武装組織、コソボ解放軍(KLA)ともつながりがある。保護された女性らは、客にはアルバニア系住民のほか国際治安部隊の隊員もいたと証言している。[2000-04-24-16:07] 56
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 04/24@◇NPT再検討会議に合わせ、NYで「原爆展」開催◇(朝日新聞)

 米ニューヨークの国連本部で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれるのに合わせた連合、原水禁、核禁会議による「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」が23日、国連本部近くの多目的ホールで始まった。26日まで開かれる。
 会場には、やけどを負った子どもの写真や、放射線被害を示すパネルなど約60点が展示された。資料は、被爆地の広島、長崎市からの提供で、両市の市長から寄せられた平和と核兵器の廃絶を願うメッセージも張り出された。反核の象徴とされる折りづるをつくるコーナーも設けられている。
 開会の式典で、野沢雄三・連合副事務局長(59)は「再検討会議に合わせて集まるたくさんの軍縮問題の専門家や非政府組織(NGO)関係者に、『悲劇を繰り返してはならない』と訴えたい」とあいさつした。
 この日は、市民や旅行者らが次々に訪れ、熱心に見入っていた。地元の会社員ポールライリーさん(42)は「教科書に載っていない写真ばかりだ。アメリカ人はもっと核の問題に関心を持っていい」と話した。[2000-04-24-11:09] 66
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 04/24@◇NPT再検討会議が24日に開会、無期限延長後初めて◇(朝日新聞)

 核兵器の拡散を防ぎ、究極的な核廃絶に向け軍縮をすすめる国際条約、核不拡散条約(NPT)の再検討会議が24日(日本時間25日未明)からニューヨークの国連本部で開かれる。1995年に条約の無期限延長を決めて以来、初の再検討会議。核軍縮は進まず、非加盟のインド、パキスタンが核実験を強行するなど、危機的な現状をどう打開するか、が問われる。非政府組織(NGO)代表たちが本会議で発言できる初の再検討会議でもある。
 この5年間、ブラジル、チリなど9カ国が新たに加わってNPT加盟国は187カ国。再検討会議は5月19日まで各国代表による本会議と(1)核軍縮・安全保障(2)核不拡散・非核地帯(3)原子力の平和利用、の3主要委員会で討議される。
 最大のテーマはやはり核不拡散と核軍縮だ。核保有国を巻き込んでの現実的軍縮を目指す日本。核軍縮を怠る核保有国への非難を強める新アジェンダ連合(ブラジル、エジプト、メキシコなど)。これに米、ロ、英、仏、中の核保有5カ国がどこまで軍縮に応じるか。特に米国は包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准しないまま、新たなミサイル防衛構想を進め、非核国ばかりかロシア、中国からの非難を浴びている。
 ここにきて注目を集めているのが昨年4月に発表された北大西洋条約機構(NATO)新戦略概念だ。そこには、加盟国防衛のため「予見できる将来において、核・通常の混合戦力を欧州に維持する」とある。NGOは、(1)英、仏以外の欧州の非核国への「核配備」は、核兵器の移動を禁じたNPT第1条に違反する(2)ドイツ、イタリアなどのNATO軍基地には米国の核爆弾が貯蔵されている、と反発している。[2000-04-24-06:52]
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 04/25@元ブラジル代表で磐田にも所属したドゥンガが孤児に寄付(共同通信)

 国際サッカー連盟(FIFA)は二十四日、元ブラジル代表でJリーグの磐田にも所属したドゥンガが、ボスニア・ヘルツェゴビナの戦災孤児のために、二十万六千ドル(約二千二百万円)を寄付したと発表した。
 二十五日にサラエボで、世界選抜―ボスニア・ヘルツェゴビナの親善試合が行われる予定で、ドゥンガも元イタリア代表ロベルト・バッジョらとともに出場する。(サラエボ、ロイター=共同)  [2000-04-25-12:09] 7
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 04/25@<記者の目>エリアン君 「自由」「家族」の間で翻弄(毎日新聞)

 エリアン・ゴンサレス君(6)がキューバ人でなければ、こんなにさまざまの大人たちの願いや思惑やかけひきの間で翻弄されることはなかっただろう。そして、救助されたのが米国でなければ、こんなに関心を集めることもなく、解決していたかもしれない。昨年11月25日、カリブ海で漂流中に発見されてから、今月22日、米政府武装部隊が急襲して父親に引き渡すまで5カ月間のエリアン君の物語。その向こうに透けて見えるのは、米・キューバの奇妙な冷戦であり、米国という移民国家の原理のぶつかりあいだった。
 ゴンサレス家で、キューバから米国に向かい150キロのフロリダ海峡を渡ったのは、エリアン君が最初ではない。エリアン君の祖父には8人の兄弟がいるが、そのうち5人がカストロ体制を嫌って米国に移り、3人が残った。父親・フアン・ミゲルさん(31)のいとこのうち、少なくとも8人は米国に、5人はキューバに住む。キューバの多くの家族と同じように海峡で分断された一族だ。
 マイアミでエリアン君を預かっていたラサロ・ゴンサレスさん(49)はエリアン君の父のおじにあたる。兄姉を頼って83年、米国に渡っていた。
 ラサロさんは病院で初めて会った坊やを引き取った。米政府移民帰化局も移民法による行政決定を出すまで、一時預かりを認めた。ここまでは家族内の問題だったかもしれない。
 問題がこじれたのは、マイアミのキューバ系組織が、反カストロ政治闘争のシンボルにエリアン君をかついだからだ、と思う。
 1959年の革命後、カストロ体制を嫌って「自由の国」米国に逃げてきた人々は、エリアン君の運命を自分の人生と重ねて受け止めた。私がラサロさん宅前で会った男性は「他人事ではない」と話した。
 カストロ体制打倒を掲げるキューバ系組織が、こうした雰囲気の中でエリアン君と反カストロを結びつけるのは容易だった。
 米政府は歴代、カストロ敵視政策で経済制裁を続けてきたが、冷戦が終わり、制裁緩和の主張は経済界や政治家に広がっている。中国やベトナムとは交流や接触が広がるのに、隣のキューバだけが永遠に敵であるのは疑わしい。キューバ系の中でも米国育ちの若い世代になると、父親たちの反カストロ感情は薄れる。
 反撃の材料が必要だった反カストロ組織は、エリアン君に飛びついた。失業中のラサロさんに自動車修理工の仕事を紹介し、弁護団を組織した。「父親に渡せば独裁国で育ち、悲惨な人生となる」との論法だった。この動きに政府は振りまわされた。政府だけでなく米国の原理が揺れたのだ。
 「自由」はこの国の国家原理だ。アメリカ人とは自由を求めてほかの国から移り住んだ人々の子孫だ。エリアン君はキューバ系だけでなく、あらゆるアメリカ人と重なるはずだ。反カストロ派の「自由か独裁か」の問いかけはそこをついた。
 もうひとつの国家原理は「家族」だろう。弱肉強食、競争重視の社会で個人が最後に頼れるのは家族のはずなのに、離婚や家族崩壊が広がっている。エリアン君が父親の元に戻れば、家族のきずなの再確認となる。
 米政府は1月、父親の親権を認め、キューバに帰すと決定した。移民法の原則を適用したというが、より深いところでは「家族原理を優先した」と読める。
 私が意外だったのは、全米世論調査で6割が「キューバ帰国」に賛成し、「米国残留」派の3割を上回ったことだ。いまのアメリカ人には自由原理より家族原理がより切実らしい。カストロ・アレルギーがそれほど強くないことも示した。
 米政府は自由にも配慮した。キューバ帰国決定を即時、実行せず、親類側に訴訟の時間を与えたのだ。話はややこしくなり長期化した。親類側は次々に訴訟を起こし、妥協を拒否、彼らの冷戦を貫こうとした。
 3番目の国家原理「法の支配」が最後は制圧した。価値観も文化も違う多民族国家を束ねるのは法律だ。ところが政府の「父親への引渡し命令」を親類は拒否し、違法状態が長引く。
 最後の強制執行は「違法を見逃せば国家の威信が揺らぐ」との危機感から発動されたのではないだろうか。銃を子供に向ける荒っぽさむきだしの写真は、グローバリズムやインターネットの時代でも国家の基本装置は昔ながらの「暴力の独占」にあることを示した。
 「法が維持された。正しい行為だった」とクリントン大統領は自賛した。自由か家族か、の価値論争は棚上げになり、最後は法の支配を押し付ける国家意思が冷徹に実行された。
 エリアン、という珍しい名前は母エリサベトの最初と父フアンの最後を合わせて作られた。7回流産した後、やっと誕生した子供だった。個人の熱い思いと国家の冷たい原理は重なる時があるのだろうか。奇跡の子の物語は私に苦い後味を残した。[2000-04-25-23:27] 37
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 04/25@チェチェン人権決議を審議 国連人権委員会(共同通信)

 【ジュネーブ25日共同】国連人権委員会は二十五日、ロシア南部チェチェン共和国で起きている民間人虐殺などをめぐり、ロシアに対し中立の国内調査委員会を設置するよう求めた決議案を審議する。
 決議案はロシア連邦軍による民間人攻撃に「深刻な憂慮」を表明。ロシア政府に対し、国際的水準に基づき「広範な参加者から成る中立の国内調査委員会」を速やかに設置するよう要求している。また、国際機関などに「チェチェンへの自由な立ち入り」を認めることも求めている。
 決議案を提出した欧州連合(EU)は、調査委設置などでロシア側から譲歩が得られた場合は、決議案を取り下げ、代わりに議長声明案を提出する方針。
 EU議長国ポルトガル高官によると、議長声明は決議より非難の色彩が弱いという。[2000-04-25-15:05] 38
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 04/25@<NPT>ミサイル防衛構想批判に反論 再検討会議で米国務(毎日新聞)

 【ニューヨーク24日上村幸治】ニューヨークの国連本部で24日午前に開幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議は同日午後から各国外相ら代表が演説を開始、米国のオルブライト国務長官は批判を集めているミサイル防衛構想についてロシアを対象にしたものではないなどと反論した。米国のミサイル防衛構想については、会議冒頭にアナン国連事務総長が「新たな核軍拡を招くものだ」と批判、大きな焦点として浮上してきている。
 オルブライト長官は、ミサイル防衛構想について「ロシアの核抑止力を減少させようというものではなく」「(ロシア以外の国から)飛んでくる、せいぜい十いくつかのミサイルを対象としたものだ」などと述べた。
 この構想の実現のため、ロシアに対して弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正を求めている問題についても「(米露以外の)第三国による(ミサイル開発という)新たな脅威が生じている」時に、条約を修正できないというのは根拠がないと反論した。
 しかし、直後に演説した中国の沙祖康・外務省軍縮局長は、米本土ミサイル防衛(NMD)構想を「自国の絶対的な安全を得ようとしている」ものであり、「一方的な核軍拡であり、ABM制限条約を損なう」と米国を批判した。
 米国は、中露両国以外の国にミサイル技術が拡散している現状を踏まえ、こうした国に対処するためにミサイル防衛構想を進めているが、中露両国は同構想が実現すれば、自国の核戦略が崩されかねないとの懸念を強めている。[2000-04-25-13:11] 41
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 04/25@◇核保有国は「さらなる一方的削減を」 日本政府が提案◇(朝日新聞)

 24日、ニューヨークの国連本部で開幕した核不拡散条約(NPT)無期延長決定後初の再検討会議で、日本代表の山本一太・外務政務次官は核軍縮にむけた8項目の提案を出した。(1)米ロによる第2次戦略兵器削減条約(START2)の完全実施とSTART3を超えた核軍縮プロセスを継続する(2)国際原子力機関(IAEA)による核査察の強化措置を多くの国が受け入れるといった内容で、今後4週間にわたる協議のなかで「中間的な立場」を代表した提案になりそうだ。
 日本提案はこのほか、(3)包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効、発効までの核実験停止(モラトリアム)(4)兵器用核分裂性物質の製造禁止(カットオフ)条約の、遅くとも2005年までの交渉終了、同条約発効までの同物質生産停止(モラトリアム)(5)カットオフ条約の次をにらんだジュネーブ軍縮交渉計画(6)中央アジア非核地帯(ウズベキスタン、カザフスタンなど5カ国)交渉の早期終結(7)すべての核保有国は一方的核削減にさらに努力する(8)核軍縮にともなってだされる余剰の核分裂性物質を国際的保障措置のもとで処分する、の8項目。
 代表演説した山本次官は記者会見で「核問題をめぐる状況は難しいが、核兵器国と(核兵器国に強く核廃絶を求める)新アジェンダ連合の橋渡し役は日本をおいてできない。実りある合意を取り付けたい」と述べた。[2000-04-25-12:22] 45
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 04/25@NPT再検討会議、米NMDに非難集中(読売新聞)

 【ニューヨーク24日=松浦一樹】五年に一度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は二十四日午前(日本時間二十五日未明)、ニューヨーク国連本部で始まった。
 開会あいさつに立ったコフィ・アナン国連事務総長は、米政府が開発を進める全米ミサイル防衛(NMD)網について「戦略的安定のかなめとされる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)条約を危機に陥れ、新たな軍拡競争をもたらす可能性がある」と、NPT体制強化に逆行するものとして批判した。また、一般演説では、非核保有七か国で構成される核廃絶急進派グループ「新アジェンダ連合」を代表するメキシコのロサリオ・グリーン外相が、米国を含む、核保有五か国が核軍縮を遅滞させていると批判。まず「核先制不使用」を宣言するよう迫った。
 これに対し、同日夕に演説したオルブライト米国務長官は、「米国が軍縮の動きに反しているとの指摘は当たらない。NMDは、核不拡散体制を突き崩すものではない」と反論。また、演説後、「米国の核問題への取り組みは十分に理解されていない」と記者団に語り、会期中、反論を続けていく意向を示した。
 昨年、NPT体制を支える核実験全面禁止条約(CTBT)の批准法案が米上院で否決されたことで、今会議では、米国が批判の矢面に立たされるのは必至。二十五日以降も続けられる一般演説では、非核保有国からの批判が相次ぐと見られている。[2000-04-25-11:51] 53
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 04/25@米長官がNMD正当化 日本は豪と8項目提案へ NPT会議(共同通信)

 【ニューヨーク24日共同=近沢守康】オルブライト米国務長官は二十四日、ニューヨークの国連本部で開幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議で演説し、米本土ミサイル防衛(NMD)構想について「ロシアの核抑止力をそぐ意図はない。同盟諸国だけでなくロシアや中国とも話し合いを続けている」と述べ、今後も計画を推進する米国の立場を正当化した。しかし、中国など各国からは批判が集中した。
 日本の山本一太・外務政務次官は唯一の被爆国の立場から、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効とそれまでの核実験凍結、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の早期開始のための各国の譲歩を呼び掛けた後、記者会見し、オーストラリアとの共同による八項目の包括的提案を説明した。国際原子力機関(IAEA)に申告していない核施設の査察を可能とする措置拡大も含まれる。会議への正式提案は二十五日。
 各国演説では「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の効果を著しく損ねる」(中国外務省の沙祖康・軍縮局長)、「ミサイル防衛は複雑で困難な問題を呼び起こす」(英国代表)と、米国のNMD構想に批判が相次いだ。
 国務長官はまた「ABM制限条約が調印されて約三十年の間に世界は激変した」と述べ、同条約を再修正する必要性を強調するとともに、NMD構想がABM制限条約を危機にさらすと指摘したアナン国連事務総長に反論した。
 先にロシア議会がCTBTを批准したことを称賛。同条約批准を否決した米上院を説得するため、米政府として今後も努力する方針を示した。[2000-04-25-11:07] 11
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 04/25@◇サッカーくじの愛称は「toto(トト)」◇(朝日新聞)

 サッカー・Jリーグの勝敗を予想するスポーツ振興投票(サッカーくじ)の愛称が「toto(トト)」に決まったことが、24日、運営主体の日本体育・学校健康センターと業務委託先の大和銀行から発表された。黄色地に、勝ち負けとサッカーボールをイメージした白黒のロゴマークも披露された。今年11月に「サッカーどころ」の静岡県全域で試験販売をし、2001年春の第1ステージ開幕から販売を始める予定だ。
 「トト」に決まった理由は、短くて覚えやすいことや、耳や目に新鮮なこと。イタリアでトトカルチョ、ドイツでトトと呼ばれており、「サッカーくじを表す国際的な名前」という。
 「トト」は、指定された13試合の勝敗、引き分けなど3通りの予想をし、全試合的中の1等などに当選金が払い戻される。購入は19歳以上に限られ、ガソリンスタンドやコーヒーショップなどで販売される予定。試合会場では販売せず、青少年に悪影響があると指摘を受けたコンビニエンスストアでは当面売らない。収益は国庫納付金やスポーツ振興事業の資金となる。[2000-04-25-00:34]
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 04/26@<モンテネグロ>ユーゴ連邦が外交断絶のアルバニアと関係強(毎日新聞)

 【ウィーン26日福井聡】ユーゴスラビア連邦を構成する共和国でありながらミロシェビッチ政権と対立しているモンテネグロは25日、ユーゴ連邦が外交関係を断絶しているアルバニアと2国間関係を強化する外交協定を結んだ。
 ユーゴ連邦が国際的孤立を深める中、モンテネグロは周辺諸国との間で次々と独自の外交関係を結んでおり、ユーゴが敵視するアルバニアとの協定樹立でユーゴとの対立姿勢は一層鮮明となった。
 モンテネグロのルコバッツ外相と同共和国訪問中のミロ・アルバニア外相は、欧州連合(EU)が提供している「南東欧州安定化協定」の計画の一部として道路、鉄道、発電所建設などの分野で共同事業を進めるなど、経済・貿易・文化協力に関する協定に調印した。[2000-04-26-18:48] 2
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 04/26@<暗殺>国営ユーゴ航空社長が銃撃され死亡(毎日新聞)

 【ウィーン26日福井聡】要人の暗殺事件が多発しているユーゴスラビアで25日夜(日本時間26日未明)、国営ユーゴ航空のペトロビッチ社長(60)がベオグラード市内の自宅で銃撃され、死亡した。同社長はミロシェビッチ大統領と同郷で側近とされる。2人組が逃走したという目撃証言があり、警察で調べている。
 政府側要人では2月に起きたブラトビッチ国防相に次ぐ暗殺事件となった。同社長は1992年から社長を務めていた。[2000-04-26-18:22] 3
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 04/26@<論外ですか?>露新政権、路線継承は疑問(毎日新聞)

 先月の大統領選で当選を決めたウラジミル・プーチン氏はエリツィン前大統領の意中の人物だった。しかし、プーチン次期大統領がエリツィン氏の意向に沿った政策を展開する保証はない。むしろ、エリツィン離れに向かうのではないか。
 大統領代行になったプーチン氏が最初に行ったのは、エリツィン氏への刑事免責と特権の保障であったが、この時から「脱エリツィン」が始まったのではなかろうか。エリツィン氏が最も恐れていたと思われる引退後の訴追の可能性を打ち消すことで、大きな貸しを作った。あえて言うならば、これでプーチン氏はフリーハンドを握った。
 クレムリンに執務室を維持したエリツィン氏は「前大統領」と呼ばれるよりも「初代大統領」という呼称を好み、過去の人と見なされるのを嫌がっているようだ。しかし、権力を握る人は一人しかいない。大統領になるプーチン氏と大統領を退いたエリツィン氏の力の差は歴然としている。エリツィン院政はありない。共産党と敵対したエリツィン氏と、共産党と一定の協力関係を保持するプーチン氏の違いも無視できない。
 プーチン氏は昨年末の論文で、90年代(つまりエリツィン時代)の経済政策を「当てずっぽうで長期戦略がなかった」と批判的に総括した。経済改革の推進に強い決意で臨むだろうが、それは前政権の無秩序的な放任主義から国の監視の目を厳しくする手法に変わるだろう。汚職、腐敗の撲滅をアピールすることは間接的にエリツィン批判に通じる。
 ロシア国民は北大西洋条約機構(NATO)の拡大、金融破たん、ユーゴ空爆などを通じ、国としての自尊心を失い、西側依存の限界を思い知った。「失われた10年」と感じているのは日本だけではないのだ。
 プーチン氏が常に強調するのは「強いロシア」「愛国心」「国家主義」などだ。本来なら、権威主義的だった前大統領に似合う言葉だ。しかし現実には、これらのキーワードの意味するところは「エリツィン時代とは違う」という新政権の姿勢を国民に示すことにあり、政権基盤強化につなげようとするプーチン氏の意図が読み取れる。
 今週末に森喜朗首相がプーチン氏と首脳会談を行う。首脳同士が個人的に親密になることは有意義なことだ。ただ、エリツィン前大統領の後継者ではあってもプーチン氏がエリツィン流とは違う手法をとることも小淵路線継承を自認する森首相は知っておくべきだろう。【三瓶良一】[2000-04-26-14:07] 5
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 04/26@◇ユーゴ航空の社長が射殺される 大統領と親しい間柄◇(朝日新聞)

 ベオグラードからの報道によると、国営ユーゴスラビア航空(JAT)のジボラド・ペトロビッチ社長が25日夜、何者かに銃で撃たれて死亡した。警察は捜査について発表しておらず背景は不明だが、ユーゴ・セルビアでは今年に入ってから、民兵指導者や国防相など要人暗殺が相次いでいる。
 独立系メディアが伝えた目撃者の話では、ペトロビッチ社長はこの夜、市内にある両親の自宅から散歩に出たところを、待ち受けていた2人組に撃たれたらしい。
 ペトロビッチ社長はミロシェビッチ・ユーゴ大統領とは同郷で親しい間柄とされてきた人物。ユーゴ航空は欧米による制裁の影響で業績が低迷しており、同社長は最近、民営化による経営再建計画を発表していた。[2000-04-26-10:59] 6
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 04/26@ミロシェビッチ大統領側近、また1人暗殺される(読売新聞)

 【ウィーン26日=佐々木良寿】ユーゴスラビアからの報道によると、ベオグラードで二十五日夜、国営ユーゴスラビア航空のジカ・ペトロビッチ社長が二人組の男に頭などを撃たれて死亡した。
 ペトロビッチ氏は、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領と同じユーゴ中東部ポジャレバツ出身で、大統領の腹心といわれる。
 ユーゴでは一月、民兵組織のボスで、政権とも関係が深いとされた戦犯のジェリコ・ラジュナトビッチ被告(通称アルカン)が暗殺され、二月には大統領側近のパブレ・ブラトビッチ国防相が暗殺された。
 いずれも真相は不明だが、マフィアが権益争いを激化させ、大統領周辺を標的にしているとも指摘されている。大統領自身も危険を避けるため所在を転々と変えているといわれている。[2000-04-26-10:54] 8
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 04/26@ユーゴ航空社長暗殺 大統領の腹心(共同通信)

 【ウィーン25日共同】ユーゴスラビアのベタ通信によると、国営ユーゴスラビア航空(JAT)のジカ・ペトロビッチ社長が二十五日夜、ベオグラードの自宅前で銃撃され間もなく死亡した。
 同社長はミロシェビッチ・ユーゴ大統領の腹心とされている。これまで政治やビジネスで事件に巻き込まれたことはないという。
 同通信によると、ペトロビッチ社長は自宅の建物を出た直後に二―三人の男から銃撃され、頭部に銃弾二発を受けた。近くの住民は銃声を聞いていないと証言した。犯人は逃走した。
 国営航空は先月、欧州連合(EU)による制裁を解除されて西欧各国への運航を再開している。
 ユーゴではことし一月以降、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦の戦犯ジェリコ・ラズニャトビッチ被告(通称アルカン)やブラトビッチ国防相ら著名人の暗殺事件が相次いでおり、犯罪組織の内部対立、政府や外国情報機関の陰謀説などの憶測が流れている。[2000-04-26-09:26] 9
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 04/26@連邦承認受けず協定調印 モンテネグロ(共同通信)

 【ウィーン25日共同】ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国からの報道によると、同共和国と隣国アルバニアの両外相は二十五日、共和国の首都ポドゴリツァで、貿易や文化協力促進などをうたった協定に調印した。
 連邦の承認なしにアルバニアとの協定調印に踏み切ったことで、モンテネグロはあらためて連邦離脱の動きを進めたことになる。
 アルバニア外相として約五十年ぶりにモンテネグロを訪問したミロ外相は記者会見で「両国の新たな時代の始まり」と述べ、モンテネグロを国家と表現した。
 ユーゴ連邦は昨年、北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆を受け、アルバニアと断交した。[2000-04-26-09:01] 19
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 04/26@<中国>知識人の間で政治改革論議 指導部は影響力を危険視(毎日新聞)

 【北京26日坂東賢治】中国の知識人の間で、政治改革の実現を強く訴える著名な老学者の論文が密かに回し読みされている。中国指導部は影響力を危険視して引き締めにかかっているが、腐敗のまん延や硬直した体制構造への不満は根強い。論文の流布は共産党内にも政治改革を求める声が少なくないことを浮き彫りにしている。
 「風雨の続いた50年―国慶節夜の独り言」と題した論文は約7000字のエッセイ風の内容で、故トウ小平氏の外交顧問を務めるなど著名な米国専門家として知られる李慎之・元社会科学院副院長(76)が昨年10月1日(国慶節)の建国50周年直後に執筆したとされる。今年に入って改革派知識人らの間に出回り、当局もすでに「ブルジョア自由化思想を鼓吹した」と李氏を批判したといわれる。
 毎日新聞が入手した論文のコピーによると、1949年の建国式典時にソ連代表団の接待を命じられ、間近で中華人民共和国建国を宣言する故毛沢東主席の声を聞き、感動に震えたことから書き起こし、自らの体験に触れながら50年の歴史を総括している。
 論文は57年の反右派闘争や66年からの文化大革命が続いた建国以来30年を「血なまぐさい歴史だった」と表現し、故トウ小平氏についても「改革開放路線の確立は歴史的功績だが、部隊を動かして学生を鎮圧したこと(89年の天安門事件)は許しがたい罪だ」と指摘した。
 その上で昨年10月の建国式典を「ヒトラー、スターリンが死んだ後、世界にこうした壮観な場面を求める国家は多くない。おそらく金正日指導下の朝鮮ぐらいだろう」と皮肉り、「50年の全ての歴史を偉大で栄光にあふれ、正確な歴史だったと宣伝し、最も重要なできごとを覆い隠してしまった」と批判している。
 さらに「民主政治、人権の向上は世界の潮流だ。流れに従うものは栄え、逆らうものは滅びる」と指摘して、報道の自由や政党活動の自由化に踏み切る時期に来ていると主張、江沢民国家主席に「大胆に改革してこそ自らを守り、共産党を守ることができる」と訴えている。[2000-04-26-22:24] 26
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 04/26@平和維持軍の配備受け入れ レバノン首相が表明(共同通信)

 【カイロ26日共同】ベイルートからの報道によると、レバノンのホス首相は二十六日声明を発表し、レバノン南部の国境沿い地域からのイスラエル軍の撤退に伴い、「国際的な軍隊」が配備されるとの考えを明らかにした。これは、同地域への国連平和維持軍の配備を受け入れる方針を示したと言える。
 イスラエル政府は「安全保障地帯」として実効支配しているレバノン南部の国境沿い地域から今年七月までに完全撤退することを表明。
 これに対し、レバノン政府は和平合意のない撤退は地域の不安定化を招くとしていたが、ホス首相の声明は「イスラエルの撤退は安全保障と安定を脅かすような空白にはつながらない。国連決議に従い、イスラエル撤退後の地域は国際的な軍隊によって保護される」としている。
 イスラエル軍の撤退後は、反イスラエルの民兵組織ヒズボラなどによる対イスラエル攻撃の激化も懸念されており、国連のアナン事務総長は、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の大幅増強が必要になるとの見解を示している。
 UNIFILはレバノン南部の平和維持のため、現在、約四千五百人の兵員が監視活動を展開している。[2000-04-26-20:08] 31
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 04/26@対リビア制裁を全廃 政府、外交姿勢を評価(共同通信)

 政府は二十六日、リビアへの制裁措置を全面的に廃止することを決めた。リビアがテロ活動から決別する意向を示すなど国際社会との融和を図っていることを評価したもので、青木幹雄官房長官が同日午後の記者会見で発表した。
 廃止するのは(1)リビア向け送金の規制(2)石油関連機材、航空機部品などの輸出禁止―で、政府部内の手続きを経て来月中旬ごろに適用される見通しだ。
 政府は昨年、三年ぶりに駐リビア大使を派遣、リビア側も一九七五年以来となる駐日大使を近く赴任させる意向を表明しており、外務省は今回の制裁廃止で日・リビア関係を促進させたいとしている。
 リビアに対しては、八八年のパンナム機爆破事件に関与したとして、九二年に国連が在外資産凍結や送金規制などの制裁措置を決定。しかし、容疑者をオランダに引き渡したため九九年に国連制裁が停止された。
 日本はこれを受け、制裁措置のうち、外交官の行動制限を解除。送金規制と輸出禁止も、「申請があった場合、原則として許可する」措置に緩和していたが、全面的に「看板」を下ろすことにした。[2000-04-26-19:40] 37
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 04/26@<アフガニスタン>進出めざす外国企業の思惑(毎日新聞)

 イスラム原理主義勢力のタリバン政権が実効支配するアフガニスタンに、外国企業が進出の足掛かりを探り始めている。内戦終結のメドが立たない中、手つかずの地下資源や、破壊された道路や通信の整備を狙う。国民の大半が極貧にあえぐ中、国家復興策の行方は、タリバンにとっても政権の求心力を維持するうえで重要なカギとなる。だが企業の背後には政治的な思惑もちらつく。水面下の動きを探った。【カブールで春日孝之、写真も】
 アフガン東部のパキスタン国境の町トルハムから首都カブールに向かう。全長250キロ。乗用車で10時間、物資満載のトラックだと3倍以上はかかる。1979年のソ連侵攻に始まるアフガン戦争、それに続く92年来の内戦で、道路は破壊と風化が進んでいるからだ。
 タリバンは、米国が「国際テロの黒幕」とみなすウサマ・ビン・ラディン氏を保護し、国連の経済制裁を科せられている。外国航路は閉鎖され、トラックが唯一の物流手段だ。「密輸経済」と呼ばれるアフガン経済を支えている。
 アフガンの道路網は全長1万8000キロ。タリバンにとって道路補修は最優先課題だが、財源になる産業も外国の経済援助もない。そんな中で接近してきたのが中国企業だった。
 「地下資源とのバーター取引(物々交換)でどうか、と提案された。最近、南部カンダハルで有望油田が発見されたが、アフガンでは長く資源探査が行われていないので、どこにどんな資源が眠っているか想像もできない。中国は希少鉱物に関心を示している」とアバス厚相が明かす。
 道路補修は第1期として、カブール―西部ヘラート―北部マザリシャリフ―南部カンダハルの4大都市と、周辺国の国境をつなぐ5000キロ。2月、パキスタンの首都イスラマバードで本格交渉が始まったが、この動きを察知したカナダの企業が゛参戦゛した。アフガン戦争以前に資源探査で実績があるという。
 パキスタン軍情報筋は「中国は(アフガニスタンと国境を接する)新彊ウイグル自治区にイスラム原理主義が波及し、分離独立運動が活発化することを極度に警戒している。タリバンへの接近は予防措置の一環でもある」と指摘する。中国は石油精製、セメント分野でも進出を検討しているという。
 一方、タリバンにとり通信手段の整備も急務だ。米国とドイツの衛星電話会社がしのぎを削る。カブールには、国際衛星回線が中央郵便局に2本あるだけだ。米、独両企業がそれぞれ1本ずつ、進出の足掛かりに設置したものだという。
 独社駐在員によると、米社は98年9月、衛星電話事業で15年間の独占契約をタリバンと締結。これまでに1万5000ドルを投じた。
 しかし最近、米社が自ら契約を破棄するような動きに出ているという。「タリバンの機密情報を得るための傍受システム導入だけが本来の目的だったのでは」。そんな憶測が流れている。
 これに対し、独社はカブール空港の最新航空管制システム導入で技術協力するなどタリバンへの食い込みを続けている。駐在員は「5年、10年先の和平を視野に投資している。リスクは大きいが、今さら撤退できない」と苦笑する。
 ファザアル・サビル外務次官代理によると、タリバンと敵対するイランの企業が国内電話回線分野に進出、ヘラートで4000本を設置し、マザリシャリフでも事業展開する計画だという。サビル外務次官代理は「政治と経済は別。アフガンに投資してくれる企業なら大歓迎。駐在員の安全は保障する」と強調した。[2000-04-26-18:21] 45
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 04/26@NPT会議の本格討議開始 核軍縮委で日本が提案説明(共同通信)

 【ニューヨーク26日共同】ニューヨークの国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は二十六日午前(日本時間同日夜)、三主要委員会の一つである「核軍縮委員会」で米国、ロシアなど核保有五カ国に核兵器削減などをどのように促すかなど本格的討議に入る。
 冒頭で日本の登誠一郎ジュネーブ軍縮会議大使が、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や兵器用核分裂物資生産禁止(カットオフ)条約交渉の即時開始などオーストラリアと共同提案した八項目の詳細について説明。
 さらに、一九九八年のインド、パキスタンによる相次ぐ核実験に対して、昨年のNPT準備委員会が何ら見解を出せなかったことに懸念を表明し、今回の会議で態度を明らかにするべきだと主張。
 二十六日午後に核不拡散、二十七日には原子力平和利用の各委員会がそれぞれスタートし、前回会議以降の核軍縮・不拡散の進展具合を評価する「最終文書」の採択を目指した折衝が来月十九日まで続くことになる。[2000-04-26-16:42] 53
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 04/26@◇ロシア外相、ABM条約順守求める 米大統領と会談◇(朝日新聞)

 クリントン米大統領は25日、ワシントンを訪問したイワノフ・ロシア外相とホワイトハウスで約1時間にわたり会談した。同外相は、米国による本土ミサイル防衛(NMD)配備のための弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しは「ロシアの安全を弱める」として同条約の順守を改めて同大統領に求めた。ホワイトハウスは「NMDはロシアの脅威とならない」としている。一方で、同外相は会談後に「クリントン大統領からどんな提案が出ても我々は聞く用意がある」と強調、ABM条約問題の解決を目指して米国側と交渉を続けることに意欲を示した。
 プーチン大統領代行が大統領選で当選した後、ロシアの政府高官がクリントン大統領と会談するのは初めてとなる。大統領に同外相は、「建設的な米ロ関係の一層の発展にロシアは関心を持ち、安全保障、地域紛争、経済協力で対話を継続していく」と表明する同代行の親書も手渡した。
 米国側によると、クリントン大統領は会談で犯罪や汚職の対策や「法支配の強化」に重点を置いたプーチン代行の経済政策に関心を示し、「経済改革の一層の加速化」を強くロシア側に求めたという。会談では6月4、5両日に予定される同大統領のモスクワ訪問も協議され、「21世紀の米ロ関係に積極的な刺激を与えるものとする」よう両国政府が入念な準備を進めることで一致した。
 また同外相はこの日、ワシントン訪問前にニューヨークの国連本部での核不拡散条約(NPT)再検討会議で演説、戦略核の照準外しや戦術核の一方的削減といったロシア独自の核軍縮努力を継続するほか、米ロの戦略核弾頭を1500発まで削減することなどで「核軍縮の質的、量的な新たな突破口をロシアは目指す」との方針を表明した。[2000-04-26-14:17] 57
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 04/26@<核拡散防止条約>再検討会議、仏など米ミサイル防衛構想に(毎日新聞)

 【ニューヨーク25日上村幸治】ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で25日、フランス、カナダ、スウェーデンなどの代表が相次いで演説し、米国のミサイル防衛構想に疑問を示した。米国と関係の深い国にまで批判が広がっていることで、米国としても何らかの対応を迫られることになりそうだ。
 フランスのドラフォルテル軍縮大使は「米国は他の核保有国と比べ、不釣り合いなほど多くの核兵器を保有している」と指摘。弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約などを通じて「戦略的な安定」を維持することが最も重要と説明し、ABM制限条約の修正を求める米国を批判した。
 カナダのアクスワジー外相も、ABM制限条約の順守を訴えるとともに、米本土ミサイル防衛(NMD)構想について「NPT体制を強化するものなのか損なうものなのか強い関心を抱いている」と述べた。スウェーデンのリンド外相は「NMDは、大量破壊兵器の拡散を止めようとする努力に逆行するものだ」と批判した。
 米政府はミサイル防衛構想について「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイラン、イラクなどに拡散したミサイルから米国を守るため」だと説明し、構想の障害となるABM制限条約の修正を求めている。
 しかし条約の修正にはロシアが反発。中国も兵器用核物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉開始の条件として「宇宙での軍拡競争禁止」を求めるなど、ミサイル防衛構想を念頭においての対応を示している。
 カットオフ条約の交渉促進については、加盟国の中でコンセンサス作りが進んでおり、日本やオーストラリアなどは、新たな目標として策定するようNPT再検討会議に提案している。しかし、このままでは中国が米国批判の波にのって妥協を拒否する可能性が強い。[2000-04-26-13:05] 59
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 04/26@常設国連軍できれば日本も参加…加藤氏(読売新聞)

 【ニューヨーク25日=柴田岳】訪米中の自民党の加藤紘一元幹事長は二十五日夜(日本時間二十六日朝)、コロンビア大学東アジア研究所で講演し、国連の軍事活動への日本の貢献について、「国連憲章に基づく常設の国連軍ができれば、日本も憲法九条を変更して参加できるだろう」との見解を示した。
 加藤氏は、同大学の関係者ら数百人を前に約一時間にわたり、英語で講演と質疑応答を行った。
 加藤氏は、日米安保条約について、「日本は周辺に北朝鮮や中国などの脅威を抱えており、米国の核の傘が必要だ。米国にとっても中国と良好な関係を持つ日本はアジア政策の『要石』として重要だ」と強調。当面の中台関係については「台湾側も現実的で柔軟な対応をするだろうし、軍事的緊張が起きる可能性があるとは思わない」との見通しを示した。
 また、北朝鮮について、「包容政策を取っていくが、最も難しいのは日本人拉致(らち)問題だ。北朝鮮は(拉致した)人々を日本に返すための名分を考える必要がある」と指摘した。
 一方、内政については、国や地方の財政事情の悪化などを指摘したうえで、「次期衆院選後、森首相は厳しい現実に直面し、再び構造改革に取り組まなければならなくなる。我々もそれを支援していく」と強調した。[2000-04-26-11:54] 63
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 04/26@◇イタリア次期首相が閣僚名簿発表、26日に新内閣発足◇(朝日新聞)

 統一地方選敗北の責任をとって辞任したイタリアのダレーマ前首相の後任として、チャンピ大統領から次期首相に指名されていたアマート国庫・予算企画相(元首相)は25日夕、次期政権の組閣を終了し、新政権の閣僚名簿を同大統領に提出した。アマート新内閣は26日昼(日本時間同日夜)、認証式を行い、戦後58番目の政権として正式に発足する。
 新政権は、発足後上下両院の承認を得ることが必要。与野党の勢力が伯仲している下院では、28日に信任投票が実施される見通し。下院では、与党・中道左派連合がかろうじて過半数を上回る議席しか持っていないため、予断を許さない情勢となっている。
 チャンピ大統領は次期首相指名の際、アマート氏に対して行政改革の取り組み強化、とりわけ新政権の閣僚数の削減を求めていた。しかし、与党陣営内が閣僚ポスト争いを始める結果になり、人選をめぐる対立が最後まで尾をひいた。
 また結局、ポスト数は前政権にくらべて1つしか減らせず、アマート氏の指導力の弱さも見せつけた。与党には、アマート新政権の当面の最大の政治日程となる、5月21日の国民投票をめぐっても不協和音が生まれている。投票では現行選挙制度の中で比例代表制部分の全廃の是非を問うだけに、存立がかかる小政党の反発が強い。
 次期内閣の顔ぶれは、ディーニ外相やメランドリ文化相らが前政権から引き続き務めることになった。また財務相だったビスコ氏が国庫・予算企画相に横すべりするなど、大きな顔ぶれの変化はなかった。[2000-04-26-11:10] 65
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 04/26@NMD配備費また倍増 米議会調査局が見積もり(共同通信)

 【ワシントン25日共同】米議会予算局は二十五日、米政府が構想を進めている米本土ミサイル防衛(NMD)の開発・配備費として二○二五年までに五百九十四億ドル(約六兆二千四百億円)が必要となるとの見積もりをまとめた。
 これは今月に国防総省が発表した三百二億ドルの倍額。議会予算局は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などNMDの“仮想敵国”が進める可能性がある多弾頭化やおとり弾頭などの技術で、NMDが無力化する懸念も示しており、配備反対派を勢いづけそうだ。
 NMD配備費は昨年まで百二十七億ドルとされていた。
 国防総省は数字のぶれはインフレなど予測しがたい要素が多いためと指摘。議会予算局の見積もりは、百発の迎撃ミサイルをアラスカ州の基地に配備する構想に加えて、百五十発のミサイルをノースダコタの基地に配備するという米政府がこれまでに明らかにした構想を念頭に置いており、同省は「当然、額は膨らんでいる」と説明した。[2000-04-26-10:52] 68
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 04/26@<ジンバブエ>黒人の野党党員、2人撲殺される(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク25日藤原章生】白人経営の農場が「元解放闘士」と名乗る暴徒に占拠されているジンバブエで24日、野党「民主変革運動」の黒人メンバー2人が、ムガベ大統領支持派の武装集団に撲殺された。白人農場主の大半が都市部へ避難したこともあり、暴徒たちの標的は黒人の野党員へ広がっている。
 民主変革運動はムガベ大統領に真っ向から異を唱える唯一の野党。勢力を強めており、5月に予定される議会選での躍進は確実とみられる。ムガベ大統領率いる与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟は野党弾圧を繰り返してきた。2月末から農場を占拠している暴徒の大半は与党員だ。
 一方、北部ムブルウィ地域にある同国最大のタバコ農場で23日から暴徒200人に拘束されている男性1人と女性2人は25日現在、解放されていない。[2000-04-26-10:35] 69
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 04/26@<米露関係>訪米の露外相、米大統領にプーチン親書(毎日新聞)

 【ワシントン25日布施広】6月の米露首脳会談の準備のため、25日ワシントンを訪れたロシアのイワノフ外相は、ホワイトハウスでクリントン大統領と会談、プーチン次期大統領の親書を手渡した。会談後、イワノフ外相は記者団に、米露関係が世界に与える影響を強調し、米本土ミサイル防衛(NMD)の配備や弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約修正に反対するロシアの立場を確認した。
 プーチン氏の大統領当選以来、ロシア高官がクリントン大統領と会談したのは初めて。米国家安全保障会議(NSC)のハマー副報道官によると、会談は「良好かつ前向きな雰囲気」で行われた。クリントン大統領は、プーチン次期大統領が計画する経済改革や犯罪・腐敗対策などに関心を示し、「経済改革加速の機会をつかむことが重要」と外相に語った。チェチェン共和国情勢は話し合われなかった。
 親書の内容は明らかにされていないが、イワノフ外相によると、プーチン次期大統領は米国との建設的な関係を望み、安全保障や地域紛争、二国間関係などについて討議することを求めた模様だ。クリントン大統領は6月4、5の両日、モスクワを訪問し、エリツィン前大統領の退陣後初めての米露首脳会談を行う。
 両国が対立するABM条約修正問題について、イワノフ外相は「条約を今のまま保てば、我々の安全はより良く守られる」と記者団に語り、「米露関係は世界の(政治)環境を決定する大きな要素。ロシアとしては静かで適切な環境を保ちたい」として、修正問題の成り行き次第では、米露関係の悪化もあり得ることを示唆した。
 これに対しハマー副報道官は、米国が配備を検討するNMDは、「ならず者国家」のミサイル攻撃に対抗するもので、ロシアを念頭に置いたものではないと強調、NMD配備に欠かせないABM条約修正に向けてロシア説得を続ける方針を示した。[2000-04-26-10:35] 73
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 04/26@国連人権委、チェチェン疑惑で露を非難(読売新聞)

 【ジュネーブ26日=大内佐紀】国連人権委員会は二十五日、ロシア・チェチェン共和国での大量虐殺疑惑などを巡り、ロシア政府を非難する決議案を賛成二十五、反対七、棄権十九の賛成多数で採択した。
 同決議は欧州連合(EU)が提出したもので、ロシア政府に、<1>独立の調査機関を設置し、チェチェンでのロシア連邦軍による大量虐殺、拷問などの疑惑を調査する<2>国連人権委の調査団を受け入れる――ことなどを求める内容。決議に強制力はない。
 採決に先立ち、EU議長国、ポルトガルのモーラ大使は「ロシア側は、我々の最低限の要求さえ拒んだ」と述べ、ロシアの対応を批判した。これに対し、ロシアのシードロフ大使は「だれのせいでチェチェン紛争が始まったのか。ロシアでどれほどの(チェチェン人によると見られる)テロが続発しているのか。決議案は、こうしたことを無視し、バランスを欠いている」などと反論した。[2000-04-26-10:08] 74
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 04/26@NMD配備費用は6兆円以上…米議会予算局見積もり(読売新聞)

 【ワシントン25日=内田明憲】米連邦議会予算局は二十五日、全米ミサイル防衛(NMD)構想について、米国内二か所に計二百五十基の迎撃ミサイルを配備する場合、総額六百億ドル(約六兆三千億円)以上の費用が必要となるとの見積もりを公表した。
 一方、国防総省のベーコン報道官は同日の記者会見で、米政府が検討しているのは二〇二六年までに迎撃ミサイル百基を配備する計画で、費用は総額三百二億ドル(三兆二千億円)にとどまるとの見解を強調しながらも、二十年以上の長期にわたる計画の費用見積もりが困難であることも認めた。
 NMDは、国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議でも、軍拡競争を再燃させるとして各国から非難が相次いでいるが、米国内でも、「費用がますます膨らむのは間違いない」(ピート・ドメニチ共和党上院議員)との懸念が出ている。[2000-04-26-10:08] 86
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 04/26@ロシア非難決議を採択 チェチェンで国連人権委(共同通信)

 【ジュネーブ25日共同】国連人権委員会(五十三カ国で構成)は二十五日、ロシア南部チェチェン共和国での民間人虐殺などをめぐり、ロシアに中立の国内調査委員会を設置するよう求めた欧州連合(EU)のロシア非難決議案を賛成二五、反対七、棄権一九(欠席二)で採択した。
 決議案はロシア政府に「国際機関によるチェチェンへの自由な立ち入り」などを求めた。決議案に強制力はないが、国際社会がチェチェンの状況に「深刻な憂慮」を表明、残虐行為中止を求めた形で、ロシアには外交的痛手となった。
 採決では、欧米諸国が決議案に賛成する一方、ロシア、中国、インド、キューバなどは反対。日本など多数が棄権に回った。日本の外交当局者は「人権面での懸念は共有するが、ロシアも状況改善へ努力している」と説明した。
 EU議長国ポルトガルの高官によると、EUはロシア側の譲歩が得られれば、決議案を取り下げる方針だった。しかし、ロシアがあくまで決議案に反対する姿勢を貫いたため、採決に持ち込まれた。
 ロシアは最近、非政府系の人権調査組織を発足させたが、EU側は中立性などの面で不十分と判断したとみられる。[2000-04-26-08:35]
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 04/27@チェルノブイリ原発事故、700万人に後遺症(読売新聞)

 【ジュネーブ26日=大内佐紀】国連人道問題調整事務所は二十五日、ロシア、ウクライナ、ベラルーシなどで、七百万人以上が旧ソ連チェルノブイリ原発事故の後遺症に苦しんでいるとする報告書を発表した。
 報告書は、現在に至る間の死亡者数は明記していない。だが、後遺症に苦しむ約七百万人の中には、事故の事後処理に従事した作業員約六十万人や、約三百万人もの児童が含まれているとした。
 報告書によると、後遺症が出る期間には個人差があるため、早くとも二〇一六年までは、同事故の被害の全体像は判明しないという。
 同事故に関連しては、インターファクス通信が今月二十日、ロシア保健省担当官の話として、事後処理にあたった作業員のうち三万人がこれまでに死亡したと報じている。[2000-04-27-01:31] 6
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 04/27@<ベトナムの光と影>枯れ葉剤 被害者なお100万人(毎日新聞)

 旧南ベトナムの首都サイゴン(現ホーチミン市)が陥落し、ベトナム戦争が終結してから30日で25年になる。冷戦時代のさなか、小国・北ベトナムの「革命精神」と大国・米国の「物量」との戦いといわれたこの戦争は、インドシナ半島の勢力版図を変えただけでなく、米国をはじめ中国、韓国など関係国にも様々な影響を残した。「その後のベトナム」を追う。
 「サイゴン陥落は、わが軍人人生で最も幸福な時だった。外国の侵略から祖国を守り、解放したのは愛国心を備えた人民の力の結集だった」
 抗米救国戦争(ベトナム戦争)の勝利記念日を前に戦勝ムードが高まるハノイ。ボー・グエン・ザップ将軍(88)は今月初め、記者会見で当時をこう振り返った。
 ザップ将軍は、故ホー・チ・ミン大統領の右腕として軍事面を担当、ベトナム戦争を指揮し、勝利に導いた。
 しかし、「天才戦略家」の戦歴とは裏腹に、ベトナム人だけで約250万人ともいわれる犠牲者を出した戦争の傷跡は深い。
 ハノイ市内の施設に収容されているラプさん(19)は、枯れ葉剤の影響とみられる脳障害を持つ。農業を営むラプさんの父(51)は、70年代の初め、タイニン省の密林に駐屯、戦闘で南ベトナム軍の捕虜になり、密林で猛毒のダイオキシンを含んだ枯れ葉剤を浴びた。
 タイニン周辺は南ベトナム解放民族戦線に物資を補給した「ホーチミンルート」の一部にあたり、米軍は空から大量の枯れ葉剤をまいたのだった。
 政府の枯れ葉剤影響研究委員会のメンバーであるグエン・ティ・ミーエン医師(55)によると、ラプさんのような枯れ葉剤被害者は、全土で推定約100万人にのぼる。新生児への影響、因果関係の解明は十分になされていないが、今年末には全国的な調査報告書が出される予定だという。
 毎日新聞が入手したバグザン省(約150万人)の調査報告書によると、南部地域に動員された元軍人を調査したところ、その子供のうち4000人が障害を持ち、うち2800人に枯れ葉剤との関係が疑われた。同省は、ハノイ北方にあり、散布地域ではない。しかも帰還軍人だけの調査である。中部高原など散布地域での調査が進めば、被害の膨大さが立証されるとみられる。
 だが、市場経済化を目指した86年の「ドイモイ(刷新)政策」の導入以降、発展を続けるハノイやホーチミンの「二都」では、表面上、戦争後遺症を探すのは難しい。アジア経済危機は、ベトナム経済にも影響を及ぼしているが、ドイモイにより、市民の生活は確実に豊かになった。
 昨秋、ハノイ市内に日越合弁の初めてのスーパー「ハノイ西友」が開店した。在留邦人や欧米駐在員らの客層を見込んでいたが、「ふたを開けてみたら客の9割がベトナム人、いまもその傾向が続いている」(同店)という。
 さらに、昨年11月からは政府機関が週休2日制になった。戦勝記念日やメーデーをはさむ4連休を前にハノイ市民の表情は、生き生きとしている。ドイモイが呼び込んだ繁栄と、長引く戦争後遺症。ベトナムのふたつの表情が交錯する。【ハノイで薄木秀夫】
 [2000-04-27-00:31] 8
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 04/27@<ジンバブエ>白人農場不法占拠 「不満そらし」貧農は冷淡(毎日新聞)

 農業国ジンバブエには2つの世界がある。「ハイランド」と呼ばれる国土の2割の豊かな地に白人経営の大農場4500カ所がある。一方、国土の半分、主に荒れ地に数百万の黒人農民がひしめく。そんな国では農地の再分配が最大の関心事だ。5月に予定される議会選挙を前に、「元解放闘士」ら与党支持者が「貧農の解放」を掲げ1000カ所の農場を占拠した。だが、過去20年のムガベ政権下、貧しい黒人農民は常にかやの外に置かれてきた。【セケ(ジンバブエ北部)・藤原章生】
 「政府も元解放闘士も白人も来ない。だれも我々に土地を分ける気などない」。首都ハラレから東に50キロ、セケ村の首長、セケ・ヌナカさん(78)は2月末に始まった農場占拠を他人事のように見ている。「大統領は選挙や党大会で土地の再分配を口にするが、実際、前に約束した肥料も補助金も届いていない」
 人口1万人ほどのセケ村。トゲのある低木だらけの野原は白人の住む湿った高地に比べやせている。白人入植が始まった今世紀初め、先祖は近くの土壌豊かな村から移住させられた。
 農場経営者組合によれば、国内白人の農場は平均2000ヘクタール、約4・5キロ四方だ。中には2万ヘクタールを持つ富豪もいる。対してセケ村民の農地は1世帯24アール、約50メートル四方だ。20人家族のセケさんの場合、月収約1万円で、息子たちが耕す土地はないため「白人の土地の端でも分けて欲しい」というのが本音だ。
 1980年に独立したジンバブエは言わば「出遅れた国」だ。60年代、各国に吹き荒れた民族主義による白人追放がこの国には起きなかった。ムガベ大統領はモザンビークを拠点に反政府活動をしていた79年末、英国を仲介役に当時の白人政権と停戦交渉を結んだ。その際、恩師の故マシェル・モザンビーク大統領から「白人を残した方が良い」と助言された。75年に独立したモザンビークは白人経営者の逃避で当時、苦しんでいた。
 ムガベ氏はやむなく、白人農民を残留させ「技術、富の伝授」を目指してきた。だが結局、失敗した。
 政府はこれまで白人の土地の4分の1、350万ヘクタールを政府高官や農民に与えてきたが、ノウハウも資本金もないため大半は荒れ放題だ。「1億8000万ドルの供与」という80年の口約束を「不況、緊縮財政」を理由に破った英サッチャー政権にも一因はある。しかし、ムガベ政権の無策が最大の原因だ。
 首都ハラレのラントン・ガチ神父(50)は「都市に住めなくなった者は自給自足を目指し農村に帰るが、土地がない。不満がたまった矢先に今回の農場占拠が始まった」と語る。
 農場を占拠する元闘士たちと大統領の密接さは公にはなっていないが、貧民の不満をそらす格好の標的は常に白人だ。「白人は敵だ」という古臭い民族主義をムガベ氏は持ち出してきた。しかし、貧しい農民も単純ではない。りゃく奪に便乗する者はいても、武装集団の元闘士らをたたえる声は一向に広がらない。
 セケ首長は言う。「強奪という手段では良い結果は生まれない。政府は白人、我々農民と交渉し、土地をどう有効利用するか、まず話し合うべきだ」[2000-04-27-00:22] 1
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 04/27@江沢民主席、南アなど歴訪終え28日帰国(読売新聞)

 【北京27日=石井利尚】中国の江沢民国家主席は、十二日からのイスラエル、パレスチナ自治区、エジプト、トルコ、ギリシャ、南アフリカ訪問を終え、二十八日に帰国する。特に中国は、九八年一月に国交樹立したアフリカの地域大国・南アとの関係強化に成功、米国の一極支配けん制と台湾外交へ圧力をかけるため、アフリカ外交を重視していくことになろう。
 江主席は二十五日、ムベキ大統領と、世界政治の多極化と両国の連携強化をうたった「プレトリア宣言」に調印した。大統領との会談で江主席は「中国は、南アの地域大国としての地位、国際舞台での独特の役割に期待している。覇権主義と強権政治が世界平和を脅かしている今、両国関係強化の意義は大きい」と述べた。
 中国は今年十月、初の「中国アフリカ協力閣僚会議」を、北京で大々的に開催する準備を進めている。江主席も、大統領の歓迎晩さん会で「協力会議は、中国とアフリカの友好と協力関係に新たな活力を注入しよう」と売り込み、中国のアフリカ重視を強調した。アフリカ大陸は、チャドやリベリア、スワジランドなど八か国が台湾と外交関係を有しており、中国は「協力会議」を機に、外交攻勢を強めていきそうだ。
 さらに、江主席は訪問先で、台湾問題で「一つの中国」の支持表明を取り付け、少数民族問題も念頭に、国家主権擁護と内政干渉反対の立場を訴えた。
 ギリシャでは、北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴ空爆を取り上げ、「新たな人道的災難を引き起こし、バルカン半島情勢は一段と緊迫している」と述べ、米国を念頭に人道主義を理由にした干渉を批判。トルコでは「民族間の分裂をあおる行為は、歴史の潮流に逆行したもの。領土保全や民族団結での重要性の認識をともに深めることが重要」とし、民族問題への外国の干渉に強く反対した。[2000-04-27-22:29] 2
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 04/27@<コソボ>ユーゴ大統領が露中のユーゴ駐在大使と会談(毎日新聞)

 【ウィーン27日福井聡】国連安保理8カ国代表によるユーゴスラビア連邦コソボ自治州の視察が27日から始まったが、これに先立つ26日、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領は同視察団に参加するロシア、中国のユーゴ駐在大使とベオグラードで急きょ会談した。ロシアと中国の両政府は国連のコソボ暫定統治を規定した安保理決議の実施状況に強い不満を表明しており、6月の統治更新期に向けた3国の動きが注目されている。
 ベオグラードからの報道によると、ミロシェビッチ大統領は両大使に「国連は全住民の安全な環境作りに失敗した」と語り、統治更新への拒否権行使を要請した。両大使はコソボでの少数派セルビア人の苦境などに理解を示した。
 視察団はアルバニア系住民とセルビア人の対立が続くミトロビツァなどを訪れ、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の資金不足や治安警察官不足の現状を見たうえで報告書をまとめる。アルバニア系住民は歓迎姿勢だが、セルビア人は国連の役割を非難しており、セルビア人居住地域を訪問する際には厳重な警備体制が敷かれる。[2000-04-27-19:16] 37
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 04/27@統治機構職員がスト突入 ディリで待遇改善求め(共同通信)

 【ディリ27日共同】国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の現地職員が、中心都市ディリで給与見直しなどの待遇改善を求め、連日座り込みストを実施している。
 ストは二十七日で三日目に入り、復興計画の推進に影響が出始めるなど、昨年十一月以降、東ティモールに展開中の同機構は大きな試練に直面している。
 同機構で働く東ティモール人職員は約七百人。職種は一般事務、車両運転、警備などに分かれ、経済機能が破壊された現地では、貴重な就職機会だ。
 ところが最近では物価高も加わり給与水準に不満が高まっていた。生活苦を訴える現地職員たちは「就業を中止せよ。給与はたった百四十四ドル」などと書いたプラカードを掲げ、敷地内で座り込みストを続けている。職員の間にある給与格差も不透明だとしている。
 給与は、法定通貨の米ドルで支払われるが、日常生活で流通するインドネシア通貨ルピアに交換する際、実際の受取額が目減りするのも問題となっている。同機構の交換レートは一ドル=七○○○ルピアだが、市中レートは同六八○○ルピア前後となるからで、職員は差額補てんを求めている。[2000-04-27-18:37] 58
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 04/27@各国連携し海賊根絶を 東京で15カ国が対策会議(共同通信)

 東南アジア近海で多発している海賊被害の根絶を目指し、日本や東シナ海沿岸の計十五カ国の海上警備や海事政策当局の長官クラスが集う「海賊対策国際会議」が二十七日、東京都港区のホテルで始まった。二十八日まで、海上パトロールや捜査の強化策、国同士の協力関係などを協議する。
 冒頭、日本政府代表として森喜朗首相があいさつ。「海賊事件は広域化しており、各国の連携や協力態勢強化の必要性が高まっている」と呼び掛けた。
 また江崎鉄磨・外務総括政務次官は「事件多発の背景には貧困などもあり、アジア地域の繁栄と安定の観点から国際的な取り組みを展開しなければならない」と訴えた。
 海賊情報を収集している日本財団(東京)によると、日本籍船や日本の船会社が運航する貨物船などが世界の海で被害を受けた件数は、一九九七年に十五件、九八年二十件、九九年には三十四件と年々増加。今年も三月末までに既に十三件発生している。
 小渕恵三前首相が昨年十一月の東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大首脳会議で国際的な海賊対策の会合開催を提唱、各国首脳が合意していた。[2000-04-27-12:30] 71
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 04/27@イタリアのケーブル切断事故で和解 遺族に42億円の賠償金(共同通信)

 【ワシントン26日共同】一九九八年二月、イタリアで米軍機が低空飛行中にケーブルを切断、ゴンドラが落下しスキー客二十人が死亡した事故の補償をめぐり、米、イタリア両政府が犠牲者一人当たり二百万ドル(約二億一千万円)、総額四千万ドル(約四十二億円)を遺族側に支払うことで和解が成立した。
 米ABCテレビなどによると、遺族の代理人が二十六日、明らかにした。賠償金は北大西洋条約機構(NATO)協定に基づき、米政府が七五%、イタリア政府が二五%を支払う。
 一部の遺族が一人四百万ドルの賠償を求めて、米バージニア州の裁判所に損害賠償訴訟を起こしていた。和解の成立で、訴訟は取り下げられた。
 この事故で、操縦士は過失致死罪で軍法会議に起訴されたが、無罪評決を受け、航空士(ナビゲーター)も同罪を途中で取り下げられた。しかし、両者とも飛行記録のビデオテープを違法に処分した司法妨害罪では有罪となった。[2000-04-27-10:21] 84
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 04/27@米国務省のルービン氏が“産休”退職(共同通信)

 【ワシントン26日共同】コソボ紛争などで連日テレビに登場、世界的に有名になった米国務省のルービン報道官が二十六日の記者会見を最後に退職、CNNテレビの著名な戦争特派員で妻のクリスチャン・アマンポールさんとの間に最近生まれた子供と三人で英国で暮らすため、しばらくは職に就かず“産休”入りする。
 記者会見に参加した妻のアマンポールさんは「息子は父親がおむつを換えてくれるかどうか疑わしいと考えていると思うが、あなたはそれに『関与』するつもりはあるのか」と、まるで外交問題についてのような言い回しで質問。これに対しルービン氏は「必要で適切な措置は講じるつもりだ」と答え、周囲の笑いを誘った。
 ルービン氏は今後の身の振り方について「民間企業、マスコミ、政府機関を問わず、国際情勢にかかわる仕事を続けていきたい」と話している。[2000-04-27-08:44] 90
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 04/27@◇膨れ上がる米のミサイル防衛費、見積もり600億ドルに◇(朝日新聞)

 核不拡散条約(NPT)再検討会議で各国の批判を浴びている米国の本土ミサイル防衛(NMD)構想をめぐり、米議会予算局は25日、2015年までの開発・配備費は594億ドルにのぼる、と発表した。国防総省は、敵のミサイルを迎え撃つ迎撃体の配備数を100発とする第1段階の費用しか明らかにしていない。この日の報告書は、最終的に250発まで増やす第3段階までの総見積もりに初めて踏み込み、国防総省が先に発表し直した数字の倍近くになる、と結論づけた。膨れ上がる一方の費用に、反対派は「値札を何回付け替えればいいのか」と批判している。
 国防総省は今月、迎撃体100発の配備や、2026年までの兵器の維持などに少なくとも302億ドルかかる、と修正したばかり。
 クリントン大統領は6月の米ロ首脳会談で、(1)撃ち落としをめざすのは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの長距離ミサイルで、ロシアの核ミサイルではない(2)当面は、アラスカの基地1カ所だけで、大規模な展開はしない(3)配備に伴う弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しも小幅にする――といった案で、ロシアの理解を得たい考えだ。
 しかし、共和党は「限定的な配備でロシアと妥協すれば、将来の開発の手足を縛る」と反対する。しかも、地上配備の迎撃体を250発にする、という国防総省の最終目標でさえ、国土防衛には不十分だ、と唱えている。ロシアの説得のために規模を抑えれば共和党が反発し、大規模な配備に道を開けば、ロシアと折り合えないだけでなく、開発費もさらに膨れ上がる、というクリントン政権の板挟みが、浮き彫りになってきた。
 中立的な立場の議会予算局が、1996年から2015年までのコストを試算したところ、第1段階は、国防総省の見積もりを39億ドル上回る295億ドル。地上のXバンド目標捕そくレーダーや早期警戒衛星などを増やす第2段階で61億ドル、早期警戒機能を高め、ミサイル基地を2カ所にする第3段階には133億ドルが、それぞれ必要となる。これに、衛星の運用費などを加えると、総額で600億ドル近くになる。
 NMD構想を支持しているドメニチ上院議員(共和党)も「最終的にいくらかかるのか、国防総省がつかんでいるとは思えない」と疑問を呈した。NMDは軍拡競争の再燃につながるとして反対する「核の危険削減連合」や「憂慮する科学者連合」などの民間団体は「技術的に不確かな兵器にこれほどの巨費を投じるのは無駄だ」「2階建ての家を建てるのに土台の費用しか明らかにしてこなかったのはおかしい」と勢いづいている。
 NMDは6月に予定されている迎撃実験を経て、国防長官が実戦配備について大統領に勧告。クリントン大統領は、脅威、コスト、技術、ロシアとの軍備管理交渉の4点を踏まえ、夏から秋にかけて、正式に導入するかどうかの結論を出すことになっている。[2000-04-27-03:00] 45
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 04/27@高校グラウンドでW杯予選 トラブル続きのアフリカ(共同通信)

 アフリカ一次予選は、ナイジェリアなど前回フランス大会出場チームが順当に最終予選へ進んだ一方で、さまざまなトラブルにも見舞われた。
 一九九四年米国大会、九八年フランス大会と連続出場し、九六年アトランタ五輪でも金メダルを獲得したアフリカの強国ナイジェリアの初戦は四月九日。アウエーの戦いで、紅海に面したエリトリアの首都アスマラへ乗り込んだ。しかし、国立競技場が改修中のため、試合会場は何と高校のグラウンド。結果は0―0の引き分けに終わった。
 「ひどい、ひどいフィールド」と、ナイジェリアのボンフレール監督。「非常に狭いし、とても硬くてボールがどこに弾むか分からない。パスができない。相手以上にフィールドが問題だった。こんなところでわれわれとワールドカップ予選をするなんて信じられない」と、怒りをぶちまけた。
 しかし、二十二日のラゴスでの第2戦は、ナイジェリアがカヌのゴールなど4―0で快勝した。
 リベリアの首都モンロビアでは観客三人が死亡する悲劇が起きた。二十三日のチャドとの試合は約三万三千人収容の競技場に、五万人から六万人が詰め掛けた。観客がフィールドに乱入しようとし、警官隊が逆にこん棒などを使って押し返したため、後ろからの観衆に押しつぶされて圧死。試合は0―0で終わり、2試合合計得点1―0でリベリアが最終予選へ進んだが、関係者にとってはやりきれない事故だった。[2000-04-27-15:51]
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 04/28@◇コソボ自治州で住民登録始まる◇(朝日新聞)

 ユーゴスラビア・コソボ自治州で28日、今秋実施予定の地方選に向けて住民登録が全土で始まった。選挙を実施する欧州安保協力機構(OSCE)と国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)が共同で実施するもので、昨年6月にUNMIKが活動を開始して以来、初めて。
 今も避難民生活を続ける住民のために、郵便でも受け付けている。多くの住民が証明書などを持たずに逃げ出したことなどから、登録作業は時間がかかることが予想される。登録期間は3カ月の予定。[2000-04-28-19:00] 2
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 04/28@<NATO>クラーク欧州連合軍最高司令官 退任会見(毎日新聞)

 【ブリュッセル28日森忠彦】昨年春の北大西洋条約機構(NATO)軍の対ユーゴスラビア空爆作戦を指揮したクラーク欧州連合軍最高司令官が27日、来週の退任を前にベルギー・カストーの司令本部で最後の記者会見を行った。
 司令官はNATOの軍事介入の成果は大きかったとしながらも、「バルカン半島の民主化という大きな問題が残っている。ミロシェビッチ(ユーゴ大統領)は軍事力で脅すことしか知らない人物だ」と発言。空爆停止後1年近くたっても、大統領退陣に追い込めないことに無念の意を示した。
 一方、NATOの今後については「域内の安定化のためにさらに防衛力を高めることが必要だ。欧州諸国が責任を果たすことの意味は大きい」として、欧州諸国の戦力増強によるNATOの防衛力強化に期待を示した。
 司令官は空爆作戦中、地上部隊の派遣など積極的な軍事介入策を提示し、地上軍投入に慎重な米国防総省側との間で一時対立したこともあった。来週には後任としてラルストン・米統合参謀本部副議長(空軍大将)が着任する。[2000-04-28-17:51] 3
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 04/28@共同指揮所の設置検討を…米国防次官補代理(読売新聞)

 【ワシントン27日=内田明憲】カート・キャンベル米国防次官補代理は二十七日、国防総省で読売新聞のインタビューに答え、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の実効性確保に関連し、自衛隊と米軍が活動する際の指揮権を一本化する「共同指揮所」の設置を検討すべきだとの見解を明らかにした。日本側は集団的自衛権などの制約上、指揮権の統合には消極的だが、今後、日米間で議論を呼びそうだ。また、キャンベル代理は、日本周辺有事の際などに日米間で作戦行動や政策をすり合わせる「調整メカニズム」の早期設置に向けて、日本側の努力を求めた。
 五月一日付で民間研究機関に転出するキャンベル代理は、日米ガイドラインについて、「素晴らしい政治的成果だが、運用面では膨大な仕事が残っている」と指摘。そのうえで「個人的見解だが、将来的な日米同盟の成功には統合された調整が必要だ。人道的な救援活動や国連平和維持活動(PKO)に限定すれば、集団的自衛権の問題は生じない」と述べ、共同指揮所の設置の必要性を強調した。
 在韓米軍と韓国軍は有事に指揮権を在韓米軍司令官に一本化する取り決めを交わしている。しかし、日本は、集団的自衛権が行使できないとする憲法上の制約に加え、自衛隊の自主性尊重のため、自衛隊と米軍はあくまで別の指揮権を持ち、両者の作戦行動は「共同調整所」で協議して決めていく、との立場を取っている。
 キャンベル代理の発言は、米軍内に根強い「効率的な作戦行動には指揮権の統合が不可欠」(海軍当局者)との意見を踏まえ、当面は戦闘行為に発展する可能性が少ない活動に限定して指揮権統合の検討を求めたものだ。
 また、キャンベル代理は、〈1〉危機発生時の政治・軍事両面での緊密な連絡〈2〉国家機密情報の共有〈3〉周辺有事などへの事前準備――などを行う調整メカニズムの構築を急ぐべきだとの考えを示した。
 日米両政府は九八年一月、周辺有事の際の相互支援計画などを策定する「包括的メカニズム」を設置したが、日本の関係省庁の調整の遅れにより、調整メカニズムはまだ設置されていない。
 一方、キャンベル代理は、沖縄の米軍普天間飛行場返還問題について、「沖縄サミット(主要国首脳会議)は重要なイベントであり、両国は(普天間問題の進展に)慎重になっている」と述べたうえ、「サミット後には集中的に普天間問題に取り組まなければならない」と強調した。
 代替施設の使用期限を十五年とする沖縄県の要求については、「沖縄県とも協議し、最大限のことをする必要がある。沖縄県を日米協議に可能な限り加える考えを支持する」と語った。
 ◆米国防長官が7月に訪中へ◆
 【ワシントン27日=柴田岳】カート・キャンベル米国防次官補代理は二十七日の読売新聞のインタビューで、コーエン国防長官が七月に中国を二年半ぶりに訪問するとの見通しを明らかにした。コーエン長官の訪中は、昨年五月の北大西洋条約機構(NATO)軍の在ユーゴスラビア中国大使館誤爆事件のため延期されており、米中軍事関係の正常化を象徴するものとなる。[2000-04-28-14:30] 2
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 04/28@ABM制限条約改定めぐり米露外相会談は平行線(読売新聞)

 【ワシントン28日=坂元隆】オルブライト米国務長官とイワノフ・ロシア外相は二十七日、当地で二日間にわたった会談を終了した。しかし、米国の全米ミサイル防衛(NMD)配備に必要な弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の改定をめぐっては、両者の主張は平行線をたどり、議論は六月四、五両日にモスクワで開かれる米露首脳会談に持ち越されることになった。
 会談後行われた共同記者会見で、オルブライト長官はABM条約を「二十一世紀の必要性に合わせて改定する」ことの重要性を強調したが、イワノフ外相はABM条約は「世界の戦略的安定の礎石だ」と述べ改定に真っ向から反対した。
 イワノフ外相は会見で、ABM条約改定の不要な戦域ミサイル防衛(TMD)での米露協力を米側に提案したことを示唆した。しかし、オルブライト長官は北朝鮮など「ならず者国家」による「大陸間弾道弾(ICBM)の脅威にどう対処するかが我々の懸念だ」とし、TMDでは懸念を解消できないと主張した。
 一方、両外相は地域問題にも言及し、南北朝鮮の首脳会談を歓迎し、今後(朝鮮半島における)双方の共通の懸念事項に対処するため協力することで合意したことを明らかにした。オルブライト長官はまた、チェチェン問題に触れ、ロシア軍による人権侵害に注意を喚起するとともに、武力によらない政治的解決を早期に図るようロシア側に促した。[2000-04-28-23:17] 13
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 04/28@英・ジンバブエの協議決裂、情勢緊迫化(読売新聞)

 【ロンドン28日=渡辺覚】アフリカ南部ジンバブエでムガベ政権支持派の黒人在郷軍人が白人農場の不法占拠や農場主らを殺害している事件で、ジンバブエと旧宗主国・英国の関係が危機的な状況に陥った。両国は二十七日、事態打開に向けて初の二国間協議を行ったが、決裂した。一方、ムガベ政権は国内の反政府勢力を標的とした取り締まり強化策を発表、英側もジンバブエ在留の英国人保護を目的に、軍主導の救出作戦発動を示唆。アフリカ南部周辺国はムガベ政権支持で共同歩調を取るのに対し、欧州諸国は英国を支持しており、ジンバブエ情勢は両地域が対立する事態を招いている。
 英外務省に二十七日、ジンバブエのヌコモ地方政府・住宅相を代表とする三閣僚を迎え、クック英外相との間で行われた協議の焦点は、<1>白人に対する暴力の停止と治安回復<2>黒人への農地再配分を核とした土地改革への協力――に絞られた。
 英側は土地改革の財政支援に向け、今後二年間に三千六百万ポンド(約六十億円)の資金拠出の用意があることを表明したが、「暴力停止と不法占拠の停止が、資金提供の基本的な条件」(クック外相)と主張。これに対しジンバブエ側は「背景には英国による植民統治時代の不公正な土地政策があった」(ムデンゲ外相)と切り返し、資金協力を先決とする姿勢を強く打ち出し、対立を鮮明にした。
 約八時間にわたったこの日の協議では結局、具体的な妥協点は見いだせず、英側が事態収拾のない限り、再協議にも応じない考えを通告、外交努力は物別れに終わった。英外交筋によると、ジンバブエ代表団は「白人農場主はジンバブエの敵」と呼ぶムガベ大統領の主張を繰り返し、「用意したペーパーを読み上げるだけで、もとより交渉の姿勢に欠けた」という。
 決裂を受けて、英国は軍事行動を示唆する動きに出ている。フーン国防相は同日、英BBC放送に対し、「事態がさらに悪化すれば、在留英国人の救出作戦が用意される」などと語り、軍主導の作戦展開の可能性を表明した。
 二十七日付の独紙によると、英国の救出作戦では欧州諸国が軍事協力するという。英国内では「事態の深刻さと英国の屈辱は、フォークランド紛争を上回るものがある」(英外務省筋)との指摘も出ており、ジンバブエ情勢の展開は、予断を許さない状況を迎えている。
 ◇
 【ジンバブエの農地占拠問題】 今年二月から武装した黒人在郷軍人集団が、国内各地約千か所の白人所有農場を占拠し、暴力で白人農場主らを立ち退かせている問題。今月に入り、白人農場主らの殺人事件にも発展。ムガベ大統領は、白人敵視を表明し、黒人の人種感情をあおっている。英国の植民地だった同国では、人口約千二百万人の1%前後の白人が、約千百万ヘクタールの土地を所有している。ムガベ政権は九七年、白人農場を政府が強制収用し、黒人に再分配、その際の白人農場主に対する補償金は英国が負担する、との方針を打ち出していた。[2000-04-28-20:52] 14
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 04/28@ヒズボラの攻撃が激化 レバノン南部で11人死傷(共同通信)

 【カイロ28日共同】イスラエルが実効支配するレバノン南部の「安全保障地帯」で二十八日、親イスラエルの民兵組織、南レバノン軍(SLA)の陣地にイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラによる爆弾テロがあり、兵士四人が死亡、三人が負傷した。
 ベイルートからの情報によると、ヒズボラは同時に安全保障地帯の他のイスラエル側の陣地にも激しい砲撃を加え、SLA兵士三人とイスラエル軍兵士一人が負傷した。イスラエル軍は報復のため、ヒズボラの根拠地とみられる地域を空爆した。
 イスラエル軍はレバノン南部から七月七日までに一方的に撤退する方針を表明しているが、ヒズボラはイスラエルの安全を保障するようないかなる措置にも反対しており、撤退を前に攻撃を強化、緊張が再び高まっている。
 ヒズボラのテロ攻撃があったのは安全保障地帯東部のアラムタにあるSLAの陣地。治安当局者らの説明では、ヒズボラの砲撃が加えられている最中に、爆弾を積んだ無人の小型トラックが陣地内に突っ込み、ヒズボラ側が遠隔操作で爆破。陣地の大半が破壊されたという。
 イスラエル軍のレバノン南部からの撤退に際しては、ヒズボラなどによる対イスラエル攻撃の激化が懸念されており、国連のアナン事務総長は、四千五百人の国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の大幅増強が必要との見方を示している。
 今年に入り、レバノン南部での戦闘によるSLA兵士の死者はこれで二十二人、負傷者は三十三人。イスラエル軍兵士の死者は七人、負傷者二十三人となった。[2000-04-28-20:20] 21
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 04/28@<草の根資金>対象国・地域数、資金総額とも過去最高 外務(毎日新聞)

 外務省は28日、1999年度の「草の根無償資金協力」として、アジアやアフリカを中心とする107カ国・地域の開発プロジェクト1264件に総額69億9744万円を供与したと発表した。対象国・地域数、資金総額とも過去最高を更新した。
 99年度の対象国・地域は新たにイラン、スーダン、ベネズエラが加わり、資金総額は98年度に比べ22・8%増えた。地域別の供与額では、アジア(23カ国)が約28億円と最も多く、中南米(24カ国)約15億円、アフリカ(31カ国)約14億円――などが続いた。
 支援の分野別では、現地の小学校建設など初等教育を中心とする教育研究支援が約28億円でトップで、エイズ対策や病院建設など医療保健支援が約18億円、飲料水供給など民生環境支援が約14億円――などだった。供与先は非政府組織(NGO)が716件で全体の6割近くを占め、地方公共団体226件、教育・研究機関198件、医療機関88件などとなった。
 草の根無償資金協力は開発途上国の地方公共団体やNGOなどの要請に基づく小規模な「草の根レベル」のプロジェクト支援として、89年度にスタート。年々、対象国や支援規模を拡大している。【川口 雅浩】[2000-04-28-19:51] 27
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 04/28@<カンボジア>特別法廷設置 突然の方針転換で暗礁に乗り上(毎日新聞)

 【バンコク28日小松健一】カンボジアのポル・ポト派元幹部を裁く特別法廷設置問題で、カンボジア政府筋は28日、フン・セン首相が27日に国連のアナン事務総長に書簡を送り、かつてポル・ポト派を支援した国連や米国、中国などの責任を法廷で問う意向を伝えた、と明らかにした。これまで、カンボジアと国連は「ポル・ポト政権時代の1975年〜79年のポル・ポト派による虐殺」を裁くことでほぼ合意していた。カンボジア側の突然の方針転換が国際社会の反発を招くのは必至で、特別法廷設置をめぐる交渉は長期化が避けられなくなった。
 フン・セン首相は、訴追対象期間を交渉材料にして、カンボジア側に有利な形で特別法廷問題に決着をつけたい構え。こうした政府側の動向を見すえて、今月に行われる予定だった特別法廷設置法案の国会審議は来月以降に延期され、年内の法廷設置は困難とみられる。
 カンボジア政府筋が明らかにしたフン・セン首相の書簡は「訴追対象を70年から99年までの犯罪」と期間を拡大。そのうえで「この期間に人道に対する罪、虐殺に対する罪を犯したすべての者を裁く。ポル・ポト派指導者だけでなく、ポル・ポト派に関わった者も含まれる」と強調している。
 つまり、▽70〜75年のロン・ノル政権を軍事支援し、カンボジア内戦を激化させた米国▽79年にベトナム軍の侵攻で政権の座を追われたポル・ポト派を支援し、内戦を長引かせた中国、米国――などを裁く意向を明確にしたものだ。
 1年以上に及ぶ国連とカンボジア政府の交渉では、カンボジア側が、既に政府に投降、協力しているポル・ポト派元幹部の離反を恐れて数人程度の元幹部の訴追を主張。国連側はできるだけ多くの元幹部の訴追を求めている。このためだれを起訴するか、カンボジア人検察官と外国人検察官の権限が、これまで最大の課題となっていた。
 ここにきて、3月末の国連代表団とカンボジア政府の交渉でも議題にならなかった訴追対象期間を持ち出したことで、フン・セン首相は、カンボジア政府が特別法廷の主導権を握り、国連に譲歩しない姿勢を鮮明にしたといえる。野党サム・レンシー党のサム・レンシー党首(元財政経済相)は「(書簡の内容は)フン・セン首相が法廷そのものを望んでいないことを見せつけた」と批判している。[2000-04-28-18:46] 33
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 04/28@◇フランスが核軍縮に消極的な米国を批判◇(朝日新聞)

 「英国とフランスは独自に核軍縮している。約3万発の世界の核弾頭の97%から98%は米ロが持っている。軍縮の行方は米国とロシアにかかっている」――フランスのデュラフォルテール軍縮大使は27日、国連内で記者会見し、欧州に比べて核軍縮に消極的な米国を批判した。
 フランスは欧州連合(EU)としての核軍縮政策に合わせて米国の防衛ミサイル網計画に反対しているが、同大使は防衛予算についても「フランスは過去10年間で国防費を国民総生産(GNP)比2.9%から2.1%に減らし、特に核関連支出は60%も減らした。しかし、米国はいっこうに減らそうとしてない」。
 米政府は昨年、冷戦末期から減少傾向にあった国防費を初めて持続的に増やしていく方針に転換した。こうした米国の姿勢を皮肉るように「われわれは軍拡競争には決して参加しないし、軍事態勢を最低限の状態にしておこうとしている」と米国と欧州の違いを強調した。[2000-04-28-17:57] 69
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 04/28@最後の生粋コー人死去 カンザスの語源消える(共同通信)

 【ニューヨーク27日共同】米国中西部カンザス州の語源となったコー・インディアンの最後の一人といわれるウィリアム・メホジャさん(82)が二十三日、ネブラスカ州オマハの病院で死去したことが分かった。
 オマハの地元紙が二十七日に伝えた。同紙によると、約二千五百人とされる同民族の中で、メホジャさんは生粋のコー人としては最後の生き残りだった。
 コー・インディアンは、かつてカンサ、カンザなどと呼ばれ、一八二○年代には今のカンザス、ネブラスカ、ミズーリの三州にわたる二千万エーカーの平原に居住する大勢力だった。
 しかし白人の西部開拓に伴い、一八七三年に北オクラホマの居留地に集められた後、天然痘などの病気で人口が急激に減少。混血していないコー人は、五年前にはメホジャさんと兄弟、おい二人の四人だけとなり、メホジャさんの死去でだれもいなくなった。
 メホジャさんは九七年のインタビューで「最後の“純血”という真実は、悲しく寂しい」と語っていた。[2000-04-28-09:39]
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 04/29@非核保有「急進派」が5大国に核廃絶を迫る(読売新聞)

 【ニューヨーク29日=松浦一樹】ニューヨーク国連本部で開会中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、南アフリカやエジプト、スウェーデンなど非核保有七か国で構成する核廃絶急進派グループ「新アジェンダ連合」(NAC)が米、英、露、仏、中の核保有五か国に対して厳しい核軍縮要求を突きつけている。「少数の大国が核兵器を独占することによって核不拡散・核軍縮体制の信頼性が揺らいでいる」(南ア代表)との考え方から、保有国に核廃絶を迫る動きだ。実現性は低いものの、利害が複雑に絡み合い核軍縮のピッチがなかなか上がらない核保有国にとっては、厄介な存在になっている。
 メキシコのアントニオ・デイカサ軍縮大使は二十六日に行われたNPT再検討会議の第一委員会(核軍縮)で、「NPTの無期限延長は、核兵器の永久保有を正当化するものではない」と発言、NACを代表して主に核保有国を対象とする核軍縮提案を提示した。
 NAC提案は、核保有国に▽次回再検討会議が開かれる二〇〇五年までに核軍縮を加速化する▽五か国の軍縮プロセスを統合し、核の完全廃絶を目指す▽核の先制不使用宣言を行い、現在配備されている核弾頭を取り外してすべての核戦力を撤収する――などを要求。デイカサ大使は「いずれも達成可能な目標」とした。
 NACにとって、加盟国中で最大勢力となる非同盟諸国(百十四か国・地域)の支持が頼みだ。九八年の国連総会では、その支持を取りつけ核の究極廃絶を目指す総会決議の採択にこぎ着けた実績もある。
 ただ、非同盟諸国は今会議で、より穏便な独自提案を提示しており、NACと一線を画している。「核保有国がNPT体制に背を向けるような事態になれば、元も子もない」(国連外交筋)との政治的判断が働くからだ。
 しかし、NAC提案には「非同盟諸国の間で同情する国も多い」(同)とされる。核保有国に対する非核保有国の“本音”が最も鮮明に表れていると受け止められているからだ。
 核保有国に対する圧力を強めるため、「二〇〇五年」の具体的な目標達成期限を設定したことがNAC提案の最大の特徴とされるが、「核ドクトリン」を掲げ、核兵器を自国防衛の中核にすえる核保有国にとっては、どれも受け入れがたい要求ばかりだ。
 再検討会議は、五月十九日の会期末までに各国・機関の提案を取りまとめ、NPT体制強化をうたう最終文書の採択を目指すが、全加盟国(百八十七か国)の総意が前提とされるため、NAC提案が受け入れられる可能性は低い。ごり押しすれば、最終文書がまとまらなくなる可能性もあり、NACは微妙な立場にあるといえる。
 【新アジェンダ連合(NAC)】原爆を製造後に自主廃棄した経験から「核廃絶は可能」と力説する南アフリカを中心に、九八年に結成された。当初、南米からブラジル、欧州からアイルランド、スウェーデン、スロベニアの三か国、中東からエジプト、アジア太平洋からニュージーランドが名を連ねた。しかし、その後、スロベニアが脱退し、メキシコが新たに加わった。結成時には、唯一の被爆国日本も参加を求められたが、日本政府は「主張の内容が現実味を欠く」(外交筋)との理由で断った。[2000-04-29-23:07] 24
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 04/29@世界で36人の記者殺害(共同通信)

 【パリ29日AP=共同】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF)は二十九日までに発表した年次報告で、一九九九年に殺害されたジャーナリストは全世界で三十六人となり、前年の二倍近くに増えたと発表した。
 西アフリカのシエラレオネで九人、コロンビア、ユーゴスラビアでそれぞれ六人が殺された。行方不明も六十九人に上っている。
 また、ことし一月一日の時点で八十五人の記者がミャンマー、シリア、中国などで拘束されているという。
 RSFは、二十カ国以上で報道の自由が確立されていないと非難している。[2000-04-29-18:52] 469
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 04/29@ABM条約改定、米が追加議定書提案(読売新聞)

 【ワシントン28日=大塚隆一】二十八日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国は今年一月、ロシアに対し、全米ミサイル防衛(NMD)網配備の前提となる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の改定問題で、条約に付属する議定書の作成を提案するとともに、その草案を示した。
 同紙が入手した議定書の草案は、〈1〉北朝鮮の長距離ミサイル攻撃を想定した百発の迎撃ミサイル基地をアラスカに建設する〈2〉別の地域に百発の迎撃網を配備するための交渉を来年三月から開始できる――とする二段構えの構成になっている。二つ目の迎撃ミサイル基地はイラン、イラクなど中東諸国からの脅威に備えるためという。
 米国が求めるNMD網配備とABM条約改定に対し、ロシアは「新たな軍拡競争に火をつける」として強く反発。一方、米国内では共和党強硬派が「アラスカに百基配備するだけでは不十分」と批判し、クリントン政権は板挟みになっている。
 クリントン政権の提案は、追加議定書の作成により、ロシアには受け入れ困難とみられる条約本体の改定を回避するとともに、来年一月に発足する次期政権がNMD網拡大の交渉を行えると明記することで、共和党の反発も和らげようとするものだ。
 ただ、ロシアはABM条約のいかなる修正にも反対する立場は変えておらず、米提案にも難色を示した模様だという。[2000-04-29-00:15]
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 04/30@<コソボ>視察団のカナダ国連大使が中露両大使を批判(毎日新聞)

 【ウィーン30日福井聡】国連安全保障理事会8カ国代表によるユーゴスラビア連邦コソボ自治州の視察団に参加したカナダのデュバル国連大使は29日、同視察団に参加した中国とロシアの両国連大使が視察直前にミロシェビッチ・ユーゴ大統領と会談したことに対し「視察団全体の印象がユーゴ寄りと受け取られた」と強く批判した。
 デュバル大使は中露両大使が旧ユーゴ戦犯法廷から起訴されているミロシェビッチ大統領と28日、ベオグラードで会った行動に「国連の役割について事実関係を究明するために来たのであって、ユーゴ大統領との会見は中立性を損なうものだった」と非難した。
 これに対し、ロシアのラフロフ国連大使は「我々2人は政府代表として大統領と会見したにすぎない」と反論したが、両国政府は国連のコソボ統治を規定した安保理決議どおりに統治が行われていないと強い不満を表明している。
 視察団は3日間の視察後、国連コソボ暫定統治機構の活動の弱点を補う警察機構への支援増加と、少数派セルビア人など脱出した難民の帰還を促進させる特別計画の策定について安保理に報告すると発表した。[2000-04-30-19:35] 297
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 04/30@◇ベトナム戦争終結25周年式典で解放戦線旗が復活◇(朝日新聞)

 ホーチミン市内の旧南ベトナム政府大統領官邸(現在の統一会堂)広場で行われたベトナム戦争終結25周年の記念式典で参加者を驚かせたのは、戦後20数年間も姿を消していた南ベトナム解放民族戦線の赤と青の2色旗がよみがえったことだ。
 戦争直後から解放戦線幹部と北ベトナムから来た党幹部との間で確執があり、解放戦線旗は公式の場から長く影をひそめ、近年は国旗の金星紅旗のみが使用されていた。だが、数年前から「解放戦線兵士として命をささげた南の人たちの功績を見直すべきだ」という声が高まっていた。
 解放戦線旗の復活について式典に参加した早稲田大学の坪井善明教授(ベトナム政治近代史)は「経済的にもベトナムの屋台骨である南部の主体性をもう一度、重んじようという指導層の新しい考えでしょう」と見ている。[2000-04-30-23:44] 301
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 04/30@<ベトナム>サイゴン陥落25年 豊かさが生む社会主義離れ(毎日新聞)

 ホーチミン市(旧サイゴン)で30日行われたベトナム戦争終結25周年記念行事。会場の統一会堂にはレ・カ・フュー共産党書記長らにまじり、グエン・ティ・ビン副大統領の姿も見えた。同副大統領は戦争当時、解放戦線・革命政府のリーダーの1人として国際的に知られた女性だ。記念パレードでは約50の少数民族や各宗教の代表らも参加し、共産党のもとでの「団結」を確認した。
 しかし、実際は国民の共産党に対する意識は、確実に変わってきている。ベトナムの人口は約7600万人、うち党員は約230万人。「農村部で党員になる青年が増えている」(党関係者)というが、実際は1986年の「ドイモイ(刷新)政策」導入以来、若い世代を中心に党や社会主義が「遠い存在」になりつつある。
 いま「思想オリンピック」というコンテストが話題になっている。「ホーチミン思想」などに関する問題を出し、大学生に競わせるというものだ。
 党あげての企画だが、コンテスト方式まで使って国家基盤の思想を覚え込まさなければならないほど、若者の「社会主義離れ」が進んでいる、といえよう。
 ベトナムは、25歳以下が人口の約60%を占める。戦争を知らずに育ち、西欧文化、情報革命の波に洗われ、社会主義を身近に感じないのは、当然なのかもしれない。ホーチミン市の商店経営者は「若い世代だけではなく、豊かさ、便利な生活を求める傾向は、市場経済化の進行ととも強くなるだろう」と話す。
 ベトナム指導部が懸念するのは、そうした風潮に入り込む「和平演変」の動きである。資本主義勢力が軍事介入ではなく、民主化、人権尊重などで揺さぶり、ベトナム社会を内部から崩壊させようとしている、との意味である。
 資本主義勢力のリーダーである米国は、95年の国交正常化以降も複数政党制の採用や人権問題の解決などをたびたび要求している。米越間でいまだに通商協定が正式に調印されないのもベトナム側が「和平演変」を警戒しているとの見方が有力だ。
 ベトナムは、反共ブロックとして敵対してきた東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟(95年)、安保上、最大課題の隣国カンボジア、ラオスとの友好関係も深まっている。
 「この10年でベトナムは、コメの輸出国になり、国民総生産も2倍になった」と中央経済研究所のレ・ダン・ドアン所長が胸を張るように、確実に「平和で豊かさが感じられる社会」へと移行している。
 だが、この豊かさが作用した国民の意識変化により、今後も党主導の社会が安定するとの保障はない。米国に勝ったベトナムの「新しい戦い」が始まっている。【ホーチミンで、薄木 秀夫】[2000-04-30-23:28] 306
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 04/30@不法滞在の外国人ら約200人がデモ(読売新聞)

 不法滞在の外国人ら約200人が30日、日本在留の権利を求めて東京・銀座から日比谷公園までの約2キロをデモ行進した。
 ビザの期限切れなどで不法滞在となった中国、イランなど8か国の外国人と、在日外国人の支援団体「APFS」(東京都板橋区、吉成勝男代表)のボランティアたちで、色とりどりの民族衣装に身を包み、通行人らに「過酷な労働に従事し、日本経済を底辺で支えてきた私たちを見捨てないで」などと呼びかけた。
 夫(44)が在留特別許可を認められず、入管施設に収容されたミャンマー女性(34)は、「娘は日本語しかしゃべれず、このまま日本で暮らしたい。生活も苦しい」と訴えていた。[2000-04-30-22:12] 319
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 04/30@◇「ビザを!」 銀座で不法滞在外国人が在特求めパレード◇(朝日新聞)

 「ビザをください!」。これまで摘発を恐れてひっそりと生活してきた不法滞在外国人約200人が30日、在留特別許可(在特)を求めて、東京・銀座をパレードした。約200人は「素顔を見せて差別や偏見を無くしてもらおう」と願い、プラカードを手に、民族衣装などを着て行進した。日本で働いて生活しながら在留許可が得られず、劣悪な労働環境にさらされたり、十分な医療を受けられなかったりする不法滞在外国人は、25万人超といわれる。
 パレードにはパキスタンやミャンマー(ビルマ)、フィリピンなど11カ国から日本に働きに来ている外国人とその家族らが参加。在日外国人の相互扶助に取り組んでいる市民団体「APFS」(東京都板橋区・吉成勝男代表)が主催した。京橋から銀座を通り日比谷公園までの約2キロを、自転車に乗ったり、ベビーカーを押したりしながら、練り歩いた。
 参加者の1人、東京都北区に住むイラン人男性(36)は、来日してもうすぐ10年。溶接工として働いていたが、作業中に左目にけがをした。会社が労災と認めてくれなかったため、労働基準監督署に相談したら、不法滞在を理由に突然解雇されたという。現在は皿洗いなどアルバイトでしのいでいる。
 国ではプロレスラーだった。来日してから柔道を学び、今は3段。指導員として12人の子供たちに教えている。「10年で日本が私の文化、故郷となった。住み続けたい」。プラカードには、「ビザが欲しい イラン人」と書いた。
 昨年9月、在特を求めてイラン人ら21人が一斉に東京入国管理局に出頭。これまで日本人と結婚した外国人らにしか認められていなかった在特が、今年2月までに4家族、16人に認められている。[2000-04-30-20:45] 340
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 04/30@◇国連やユネスコが報道の自由の保障求める共同声明◇(朝日新聞)

 国連のアナン事務総長と国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長、ロビンソン国連人権高等弁務官は28日、世界中の紛争状態にある地域の指導者らに対して「信頼できる情報をすべての市民が享受できる権利と、生命などが危険にさらされることなくジャーナリストが情報を提供する権利を引き続き保障することを求める」などとする共同声明を発表した。
 報道の自由の日にあたる5月3日を前に出された声明。
 [2000-04-30-18:23] 342
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 04/30@石原発言で抗議の集会 文化人らがリレートーク(共同通信)

 石原慎太郎東京都知事の「三国人発言」に抗議する集会「『万国人』が大騒ぎ 私たちはなぜ石原発言に怒るのか」が三十日、東京都千代田区で開かれ、ジャーナリストや在日の文化人ら十八人がリレー形式で意見を述べた。
 集会は市民団体「ピースボート」が主催、中国や韓国、英国などの在日外国人を含め約二百人が傍聴した。
 石原知事の辞任運動を起こしている人材育成コンサルタントの辛淑玉さんは「発言は扇動的で不誠実。不法入国や犯罪という言葉で日本人が外国人から何かの被害を受けているかのような意識をあおっている。新しい戦前の始まりだ」と批判した。
 在日の中国人民主化運動家の男性も「人を見れば泥棒と思えという感情が露出している。こういう人物が知事をしていること、都民が選んだことに危機を感じる」と話した。
 また外国人労働者の権利運動を支援している全統一労組の鳥井一平書記長は「失業や不安定雇用の増加で不満や不安がまん延している。民族や国籍の違いに、はけ口を求めやすい社会状況がある」と指摘した。[2000-04-30-17:59] 345
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 04/30@日本の支援をアピール 外相、東ティモール入り(共同通信)

 【ディリ30日共同】河野洋平外相は三十日、日本の閣僚として初めて東ティモールに入り、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のデメロ特別代表、独立運動指導者のグスマン氏と会談したほか、現地の小学校を視察し、国づくりへの日本の支援姿勢をアピールした。
 河野外相は草の根無償資金協力として、地域情報入手のためのラジオ約八千台を贈ることを表明。七月の主要国首脳会議(沖縄サミット)の前に宮崎市で開く主要八カ国(G8)外相会合の際に行われるチャリティーコンサートで、宮崎市などが収益金の一部を東ティモールの小学校修復に充てることを披露した。
 デメロ代表、グスマン氏との会談で、河野外相は二十九日に行われたシンガポールのゴー・チョクトン首相との会談で、両国が東ティモールの人材育成に共同で取り組むことに合意したと早速報告した。
 小学校では約二百人の子どもたちを前に「しっかり勉強して東ティモールのために活躍してください」と激励し、文房具をプレゼントした。
 外相は記者団に「建物を直すことも大事だが、人材を育てることも非常に重要だ。G8外相会合の時には東ティモールの問題を説明し、積極的な支援をお願いしたい」と述べた。[2000-04-30-17:22] 352
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 04/30@南アジアがテロ活動の拠点 国務省報告書を米紙が報道(共同通信)

 【ニューヨーク30日共同】三十日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、アフガニスタンとパキスタンを中心とする南アジアが国際テロ活動の拠点になったとする米国務省の世界テロ活動に関する報告書の概要を報じた。報告書は五月一日に公表される。
 報告書は、アフガニスタンのタリバン政権はアフリカの米大使館同時爆破事件の黒幕とされるウサマ・ビン・ラディン氏をかくまい続け、パキスタンはインドとの領有権争いの場であるカシミール地方で活動するテロリストを支援していると非難。
 米国内法に基づいて制裁対象となる「テロ支援国家」には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、リビア、イラン、イラク、シリア、スーダン、キューバの七カ国を引き続き指定し、アフガニスタン、パキスタン両国の指定は見送った。
 その理由として国務省当局者は、米国はタリバン政権を承認しておらず、パキスタンは「(テロ問題解決に)取り組んでいる友好国だからだ」と説明している。
 報告書はまた、テロの動機が政治的なものから宗教的、思想的なものに移り、形態もサイバーテロなどへの志向が強まっていると指摘。
 さらに中東地域のテロが大幅減少したとして、テロの中心地は「中東から南アジアに移りつつある」と総括している。[2000-04-30-15:31] 354
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 04/30@25億人が不衛生な水 子供の犠牲、年2百万人 国連委報告(共同通信)

 現在、きちんと消毒した安全な飲み水の供給を受けられない人は世界で二十五億人近くにも上り、発展途上国を中心に、不潔な水が原因とみられる感染症などで死亡する子供の数は、毎年二百万人に達するなどとする国連の報告書が三十日までに明らかになった。
 今後、途上国で予想される人口増加で、不衛生な水供給の問題が一層深刻になると指摘、各国政府に対し、この問題についての取り組みの強化を求めている。
 報告書は国連の持続可能開発委員会がまとめた。世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)が中心になって行った各国政府への調査や人口のデータを基に、十分な量や質の水の供給を受けている人の数などを推計、一九九○年の同種の調査と比較した。
 消毒した飲み水の供給を受けられないでいる人の数は、アジア地域で約十九億四千五百万人と最も多く、アフリカの約三億二千六百万人がこれに次ぎ、世界全体では約二十四億五千六百万人と推定された。
 アジアとラテンアメリカは、この十年間でこれらの人数は減ったものの、アフリカでは六千万人も増えていた。
 この結果、飲み水や調理用の水に不衛生な水を使うことで起こる感染症による子供の死者は毎年約二百万人に達すると指摘。アジアの一部ではヒ素やフッ素など有害物質による水の汚染も深刻だとした。
 また、現在でも水不足が深刻な途上国で急激な人口増加が予想されるため、このままでは二○二五年に、安全な水の供給が受けられない人は四十億人に膨れ上がる可能性があると試算した。
 報告書は「二○二五年までにすべての人に安全な水を供給するためには最低でも毎年、百十億ドルの投資が必要になるとの試算もある」と指摘。各国政府に、資金援助や投資の増大などを通じて十分な消毒設備の普及に積極的に取り組むよう求めた。[2000-04-30-14:56]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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