最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(04/20, 2000)


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 04/13@米兵30人を拘束 マケドニア(共同通信)
 04/13@◎“大トラ米兵”30人拘束=非番中に市民とトラブル−マケ(時事通信)
 04/13@<九州沖縄サミット>プレスツァーの狙いと効果にずれも(毎日新聞)
 04/13@<チェチェン>露外相「チェチェン側と直接交渉を行っている(毎日新聞)
 04/13@白人農場の占拠広がり、ジンバブエと英の対立高まる(読売新聞)
 04/13@<ジンバブエ>白人農場占拠で黒人側の指導者が会見(毎日新聞)
 04/13@◇G77首脳会合始まる 対外債務や貧困問題などを討議◇(朝日新聞)
 04/13@入居差別解消へ統一書式 兵庫県が業者に配布(共同通信)
 04/14@◎ユーゴ首都で反政府集会=野党勢力、政権打倒へ初の共闘(時事通信)
 04/14@<START2>ロシア下院が賛成多数で批准=替(毎日新聞)
 04/14@<START2>批准の動きはプーチン氏の権威と実行力を証(毎日新聞)
 04/14@◇豪の新駐ユーゴ大使がミロシェビッチ大統領に信任状提出◇(朝日新聞)
 04/14@野党が統一反政府集会 政権交代と早期選挙を要求 ユーゴ(共同通信)
 04/15@セルビア各地で集会開催へ(共同通信)
 04/15@ユーゴで初の反政府集会に10万人(読売新聞)
 04/15@<ユーゴ情勢>ユーゴスラビア連邦の野党陣営が反政府合同集(毎日新聞)
 04/15@ユーゴが日本人記者らの入国を拒否(読売新聞)
 04/15@<START2>賛成多数で批准 ロシア下院=2替(毎日新聞)
 04/15@<重債務貧困国問題>日本もODA以外の債権を100%削減(毎日新聞)
 04/15@<ジンバブエ>住民は「大統領の陰謀」と冷静 占拠支持広が(毎日新聞)
 04/15@◇G77首脳会合、グローバル化の新秩序求める宣言採択◇(朝日新聞)
 04/15@<爆弾テロ容疑者>身柄引き渡しは適切に対処したい 臼井法(毎日新聞)
 04/16@<変容するイスラム>アフガニスタン 戦火絶えぬ悲劇の歴史(毎日新聞)
 04/16@<変容するイスラム>タリバン政権外務次官代理に聞く(毎日新聞)
 04/16@<変容するイスラム>アフガニスタン タリバンに米中露苦慮(毎日新聞)
 04/16@CIA関与の全体像示す イラン政変の秘密文書(共同通信)
 04/16@紛争終結宣言で自治復活も 北アイルランド(共同通信)
 04/17@<カフェテラス>花の下には…… 石川貴章 ローマ(毎日新聞)
 04/17@◇プーチン氏に抗議の洗礼も 在英人権団体などが批判◇(朝日新聞)
 04/17@コソボで住民登録開始 自治の第一歩の地方選向け(共同通信)
 04/17@◇石原「三国人」発言に総連と民団の地方組織が共同抗議◇(朝日新聞)
 04/17@<変容イスラム>ウサマ氏守る私兵200人 難攻不落の砦(毎日新聞)
 04/17@<START2>ロシア下院批准 米NMD阻止が狙い(毎日新聞)
 04/17@重債務貧困国の債務救済問題でNGOが攻勢強める(読売新聞)
 04/17@◇NGO支援の国連機関を東京に設立へ 緒方弁務官が方針◇(朝日新聞)
 04/17@消滅危機の「満州語」の保存活動がスタート(読売新聞)
 04/17@紛争予防をサミットで議論を…緒方貞子氏 (読売新聞)
 04/17@<UNHCR>緒方貞子高等弁務官 森首相と河野外相と会談(毎日新聞)
 04/17@<英露首脳会談>プーチン次期大統領 ブレア首相と会談(毎日新聞)
 04/17@NGO支援センターに協力 外相が高等弁務官に表明(共同通信)
 04/17@<メールボックス>国連で寝る場所ランキングが人気(毎日新聞)
 04/17@チェチェン仲介ちらつかす 司直の手迫るロの大物政商(共同通信)
 04/17@◇ロシア大統領代行、国際機構でベラルーシと共同歩調◇(朝日新聞)
 04/17@◇ジンバブエで黒人による農地占領拡大 白人農場主射殺も◇(朝日新聞)
 04/17@<ジンバブエ>無法地帯化した農場占拠事件現場(毎日新聞)
 04/17@米下院議員がイラク訪問 子供の健康影響を調査(共同通信)
 04/18@<欧州合同軍>KFORの指揮権移管 独自軍の実現に第一歩(毎日新聞)
 04/18@広島の「被爆瓦」、イタリアに寄贈(読売新聞)
 04/18@イラク国防相がロシア訪問 軍事協力を協議(共同通信)
 04/18@●A・リント氏死去 元国連難民高等弁務官(共同通信)
 04/18@<英露会談>両首脳「特別な関係」の構築に向けた大きな一歩(毎日新聞)
 04/18@分裂保守陣営の再結束なるか、パリ市長選へ重要局面(読売新聞)
 04/18@<国連人権委>中国の人権弾圧を批判の決議案が不審議に(毎日新聞)
 04/18@◇国連人権委で中国非難決議案は採択されず◇(朝日新聞)
 04/18@<ダライ・ラマ>敏感過ぎると日本政府を批判  ビザ発給で(毎日新聞)
 04/18@プレステ2に輸出許可 手続き簡素化で通産省(共同通信)
 04/18@◇イスラエル、7月7日までにレバノンから撤退完了を言明◇(朝日新聞)
 04/18@<イスラエル>国軍を7月までにレバノンから撤退 国連に通(毎日新聞)
 04/18@「軍事作戦」完了とロ外相(共同通信)
 04/18@チェチェンに人権調査委、英露首脳が会談 (読売新聞)
 04/19@◎ユーゴ独立系通信社に罰金=「誤報」理由に圧力−ミロシェ(時事通信)
 04/19@コソボで住民登録実施 自治政府へ向け第一歩(共同通信)
 04/19@コソボ平和維持活動、欧州合同軍に指揮権移管(読売新聞)
 04/19@145人の集団裁判開始 セルビアの裁判所(共同通信)
 04/19@トルコと中国首脳、貿易拡大などで合意(読売新聞)
 04/19@◇「内戦の資金源」アンゴラのダイヤ密売阻止で安保理決議◇(朝日新聞)
 04/19@◇「窓」―トルコの鞄◇(朝日新聞)
 04/19@人種間緊張の緩和呼び掛け アナン国連事務総長(共同通信)
 04/19@<ジンバブエ>政治学者、ジョナサン・モヨ氏、報復容認の考(毎日新聞)
 04/19@<国連安保理>アンゴラ反政府勢力制裁の効果的実施を求め決(毎日新聞)
 04/19@NATO拡大に強硬姿勢 プーチン氏(共同通信)
 04/19@◇独CDU―「女の子」だからこそ◇(朝日新聞)
 04/20@◇米国防長官の諮問委が2正面戦略見直しを提言◇(朝日新聞)
 04/20@中国海軍司令官が訪米 兵器売却見送りで圧力?(共同通信)
 04/20@コソボに安保理調査団(共同通信)
 04/20@<セルビア人>コソボ内で内部分裂 国連仲介への参加波紋(毎日新聞)
 04/20@<変容するイスラム>「故郷」に散った息子が誇り チェチェ(毎日新聞)
 04/20@強制送還取り消し求め提訴 迫害恐れるエチオピア人(共同通信)
 04/20@<江沢民主席>過激派のテロ防止でトルコと共同声明(毎日新聞)
 04/20@「朝鮮」統一に備えた戦略の必要性指摘…米国防委(読売新聞)
 04/20@<米世界戦略>2正面作戦は時代遅れと指摘 21世紀安保委(毎日新聞)
 04/20@国連レバノン軍増強へ(共同通信)
 04/20@<「ポト派法廷」>カンボジア政府と国連、主導権争い(毎日新聞)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


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 04/13@米兵30人を拘束 マケドニア(共同通信)

 【ウィーン12日共同】マケドニア内務省は十二日、ユーゴスラビア・コソボ自治州に展開する国際治安部隊の米兵三十人が酒に酔って暴れたため拘束したと発表した。
 声明によると、米兵は同日未明、首都スコピエのカフェで騒ぎ、通行人とけんかをするなど暴れた。マケドニア警察と国際部隊警察が取り押さえる際、マケドニア警察官一人が負傷したという。
 昨年のコソボ紛争で、同じスラブ系のセルビアを空爆した米国への反感が高まったマケドニアでは、国際部隊兵士とのいざこざが何度も起きている。[2000-04-13-08:25] 21
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 04/13@◎“大トラ米兵”30人拘束=非番中に市民とトラブル−マケ(時事通信)

 【ウィーン12日時事】ユーゴスラビア・コソボ自治州に駐留している平和履行部隊(KFOR)の後方支援基地となっているマケドニアの内務省は12日、首都スコピエで酒を飲んで暴れた非番中の米兵約30人を拘束したと発表した。
 内務省声明によれば、これら米兵は11日夜、首都中心部の飲食店で酒を飲み、居合わせた客に嫌がらせをしたほか、街頭で市民とも言い争いをしたという。その際、仲裁に入ろうとしたマケドニアの警官一人が軽傷を負った。ただし、米軍スポークスマンは、拘束された兵士の数を6人としている。[時事通信社][2000-04-13-07:15] 142
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 04/13@<九州沖縄サミット>プレスツァーの狙いと効果にずれも(毎日新聞)

 「小渕首相がサミット会場を沖縄に決めたのは、米軍基地(問題)をとやかく言わせないための“贈り物”じゃないんですか」
 3月31日、沖縄県庁知事応接室。県が主催する「海外プレス沖縄ツアー」の記者会見で、ドイツの日刊紙「ディ ベルト」のバーン・ウィラー記者が、稲嶺恵一知事に質問した。
 知事はややムッとした表情になり、通訳の言葉を遮るように答えた。「いや、私は全くそう考えておりません」。穏やかだった口調が早口に変わっていた。
 ◇
 サミット取材で沖縄を訪れる予定の外国報道陣は約1000人(外務省調べ)。沖縄の現状が世界に発信されることで基地問題の解決につながり、自然や文化が残る島の良さが伝わることで観光客増など産業振興ができる――こんな期待から、県は外国報道陣向けの英語版パンフレットや地図、CD―ROMなどを作り「オキナワ」のPRに努めている。「沖縄ツアー」もそのひとつだ。
 ツアーには欧米やアジアなど計10カ国の在京記者25人が参加。2泊3日でサミット会場となる万国津梁(しんりょう)館や米軍普天間飛行場などを視察した。知事や岸本建男名護市長との記者会見では基地問題に質問が集中。岸本市長は「皆さんがサミットの記者団でなく、基地の記者団に思えてきた」と苦笑した。
 サミット参加国ではない韓国の「朝鮮日報」東京特派員、朴正薫さんもツアーに参加したが「沖縄サミットへの韓国の関心は低い。実際に取材する韓国の新聞記者は各社に1人いるかどうか……」と話す。
 同じく韓国の「東亜日報」東京特派員の沈揆先さんはツアーで配られたサミット関連のイベントを見て意外に感じた。政府は「アジアのサミット」をPRするのに、アジア関係の催しがほとんどなかったからだ。「金持ち同士の会議ではないか。アジアの若者を招くなど、アジアを象徴するサミットにすべきだ」
 県は外国の報道機関へのPR活動をはじめとする情報発信事業に昨年度1億2000万円、今年度1億5000万円の予算を組んだ。今後も「政治問題だけではなく、違う沖縄も見てほしい」とリゾートや芸能などテーマ別のツアーも数回開催する予定という。
 だが「とりあえず見てもらう」というツアーにどれほど実効性が期待できるのだろうか。
 ◇
 「『基地に苦しむオキナワ』ではなく、『極東の平和安定に貢献するオキナワ』が世界に発信されるのでは」と話すのは、沖縄の英文週刊誌「ディス ウィーク オン オキナワ」の記者、安次嶺(あしみね)寿さんだ。安次嶺さんには、欧米の記者から電子メールで「県民は本当に基地に反対なのか」などと基地関係の問い合わせは来るが、沖縄の自然や文化などの質問はほとんどないという。
 「(プレスツアーは)短い日数で表面だけを見せる発想。もっと地元ボラティアら県民と交流する機会を設けるなど、本当の沖縄の姿を知ってもらう工夫が必要だ」。保坂広志・琉球大教授(マスコミ学)は指摘する。=つづく
 満天の星が広がる沖縄本島南端の喜屋武(きゃん)岬。沖縄戦では1945年4月1日、本島中西部に上陸した米軍に南北に分断され、南へ逃げた人々はこの岬まで追い詰められ、崖から飛び下りて亡くなった人もいた。同年6月23日、沖縄守備軍司令官が自決、組織的戦闘は終わったが、その後も住民は山野を逃げまどった。[2000-04-13-23:58] 143
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 04/13@<チェチェン>露外相「チェチェン側と直接交渉を行っている(毎日新聞)

 【モスクワ13日石郷岡建】ロシアのイワノフ外相は13日、チェチェン紛争を終結させるため、「チェチェン側代表と直接交渉を行っている」と発言、和平に向けての話し合いが進んでいることを初めて明らかにした。モスクワを訪れた全欧安保協力機構(OSCE)議長のフェレロワルト・オーストリア外相との会談後、語った。
 一方、マスハードフ・チェチェン共和国大統領はここ数日、欧州のマスコミの電話インタビューで、ロシアとの和平交渉の開始を訴えた。その中で、今回の紛争はロシアの新興財閥と共和国内部のバサーエフ、ハタブ指揮官らの強硬派グループが挑発したものだと批判し、強硬派グループと距離をとる姿勢を示した。
 これに対し、ヤストルジェムスキー・チェチェン問題報道担当官は和平交渉の条件は(1)武装解除(2)テロ行為の参加者の身柄引渡しーの2点で、条件が整わない限り、話し合いには応じられないと説明した。
 しかし、マスハードフ大統領とは一切話し合いをするつもりはないとの強硬姿勢を和らげており、同大統領への批判を差し控えた立場を示した。
 また、チェチェン共和国に隣接するイングーシ共和国のアウシェフ大統領は12日、ロシア連邦政府とチェチェン武装勢力との間で話し合いが開始されるために全力をあげていると説明し、プーチン次期大統領は紛争解決のための話し合いに賛同するだろうと述べた。[2000-04-13-23:32] 147
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 04/13@白人農場の占拠広がり、ジンバブエと英の対立高まる(読売新聞)

 【ロンドン13日=原野喜一郎】アフリカ南部のジンバブエで黒人が白人所有の農場を占拠する事件が広がり、これを強く非難する旧宗主国イギリスとの対立が急速に高まっている。ジンバブエ政府が白人農場を強制収用し、黒人に再分配する政策を打ち出したためだ。同国のムガベ大統領は反対する白人に「出ていく道は開けてある」と強硬姿勢を見せており、英国内では「独裁者ムガベによる民族純化」との厳しい非難も出ている。
 ジンバブエは、白人少数政権が支配した旧ローデシア。一九八〇年にジンバブエとして独立。人口約千二百万人のうち白人は英国系を中心に1%前後だが、農地では約四千五百人の白人が約千百万ヘクタールの土地を所有。これに対し、黒人は約百万人が千六百万ヘクタールの土地を所有している状況で、白人優位が今も残っている。
 白人農場の強制収用は九七年に打ち出された政策で、白人に対する補償金は旧宗主国英国が負担するとされ、これを可能にする憲法修正案が今月六日の議会で可決された。しかし、こうした動きと並行して、すでに今年二月から黒人市民の一団が各地の白人農場を占拠する事件が相次ぎ、英国の報道によると、五百以上の農場が占拠されている。
 ジンバブエ高裁は占拠は違法との判断を示しているが、ムガベ大統領は「必要なのは平等な土地所有だ」と事実上容認、警察も取り締まる様子はなく、占拠する黒人と白人の間で流血事件も起きている。
 白人農場収用強行は、来月中旬に予定される総選挙を控え、ムガベ政権が最近の経済疲弊で下がり続ける支持率を回復させ、政権安定を狙ったとされる。
 一方、英政府はジンバブエ内に英国パスポートを持つ約二万人の白人がいることから、彼らが出国を余儀なくされれば国内問題になると事態を深刻に受け止め、占拠の放置に抗議するとともに白人の安全確保と「法の尊重」を訴えている。
 英国とムガベ政権は以前から険悪な仲。独立以来政権の座にあるムガベ大統領について、英国では腐敗した独裁政権者との見方が強く、英政府は九二年、ジンバブエの土地改革に出していた支援金が政府高官の不正に使われているとして支援金の供与を停止している。英メディアも「ムガベ氏は長い間隠していた白人差別の感情と専制主義をあらわにした」などムガベ非難一色だ。
 これに対し、ムガベ大統領は「白人が黒人から土地を取り上げた時、補償金など払われなかった」「もし必要なら、我々はまた戦う」とジンバブエ独立時のナショナリズムをあおり、譲る気配はまったくない。[2000-04-13-22:33] 153
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 04/13@<ジンバブエ>白人農場占拠で黒人側の指導者が会見(毎日新聞)

 【ハラレ(ジンバブエ)12日藤原章生】500カ所もの白人農場が「元解放闘士」と名乗る黒人武装団に占拠されている南部アフリカ・ジンバブエで、黒人側の指導者は12日、ハラレで記者会見し「我々は先祖伝来の土地を奪還するため白人を打倒する」と発言した。人気の落ちたムガベ大統領に支援された黒人過激派と、国土の4割を所有する白人農民による新たな人種対立は日増しに悪化している。
 1980年の独立を導いた元ゲリラらで構成されるジンバブエ解放戦争退役軍人協会のチェンジェライ・ハンズビ会長は同日の会見で「もし白人がまだおかしなことを続けるのなら、我々は先祖の土地を奪い続ける」と語った。白人主体の「農場経営者組合」が「土地の明け渡しにはあくまでも抵抗する」と述べたのに対抗した形だ。
 ジンバブエでは2月中旬、国民投票で、大統領権限の拡大を図った憲法改正が否決された。直後から、与党のジンバブエ・アフリカ民族同盟の支援者が白人農場を占拠する事件が多発している。暴徒はこん棒などで武装して農地に乗り込み、これまでに警官1人を含む3人が死亡、100人以上が負傷している。
 ジンバブエ高裁は占拠を違法と判断し4月初め、退去命令を出したが警察や軍は出動せず、農場は無法状態となっている。チナマサ検事総長は10日、「占拠者が多過ぎ、警察が介入すれば内戦に発展する」と、事件を静観する意向を明らかにした。国が暴徒による私有地強奪を黙認した形だ。
 98年からコンゴ内戦への参戦などで経済が悪化し、国民の不満が事実上の独裁者・ムガベ大統領に集中している。5月に予定される議会選を前に、人種問題や植民地主義のからむ農地問題に大衆の目を向けさせるため、政府が暴徒を動員したものとみられる。
 英国のクック外相は、ジンバブエが5月に選挙を行わない場合、欧州連合(EU)と共に援助停止を検討する意向を明らかにした。一方、駐ジンバブエ日本大使館は毎日新聞に対し「援助停止などを考える段階ではない」との見方を示した。[2000-04-13-21:17] 163
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 04/13@◇G77首脳会合始まる 対外債務や貧困問題などを討議◇(朝日新聞)

 キューバ・ハバナで行われている途上国グループ(G77)サミットは、12日から初の首脳会合に入った。経済のグローバル化でますます先進国中心の世界になっていくという危機感が強く、冒頭、議長国ナイジェリアのオバサンジョ大統領は、「(途上国が抱える)対外債務問題については北(先進国)との新たな取り決めが必要だ」と語り、債務帳消しを促進するために国連内の最大勢力としての結束を強調した。
 アナン国連事務総長は「南の諸国の声は、大きいだけでなく、堅実で、建設的でなければならない」と述べ、今回のサミットの提言を、秋の国連2000年サミットにつなげることに意欲を示した。
 インターネットを中心とする情報技術(IT)の発展のあり方も大きな論点で、キューバのカストロ国家評議会議長は、(1)地球人口の15%がいる先進国に、インターネット利用者の88%が集中(2)先進国が、世界レベルの特許の97%をコントロールしているとの統計を示し、「南北の技術格差が増大している」などと指摘した。
 G77には133カ国が加盟しているが、12日までに122カ国が代表団を派遣、うち42カ国から大統領や首相が参加。中国は李嵐清・副首相が出席したほか、アラファト・パレスチナ解放機構議長も加わった。[2000-04-13-19:20] 394
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 04/13@入居差別解消へ統一書式 兵庫県が業者に配布(共同通信)

 外国人であることを理由にアパートやマンションを借りるのを断られるケースが後を絶たないことから兵庫県は十三日までに、本籍や国籍を記入する欄のない入居申込書の統一書式をつくり、県内の不動産業者に配布を始めた。
 家主に提出する入居申込書は業者が個別に作成しているのが現状で、本籍を記入するのが一般的。同県は「自治体が統一書式を用意するのは全国で初めてではないか」としている。
 県の書式は、本籍欄がなく、必要書類を「住民票」ではなく「身分を明らかにする書類」としたのが特徴。「保証人は、保証要件があれば、国籍は問いません」とした注意書きもある。
 兵庫県の定住外国人は韓国・朝鮮人や中国人、ベトナム人ら約十万人。
 在日本大韓民国民団兵庫県地方本部(神戸市)が県内の在日韓国人を対象に一九九八年十月に実施したアンケートで、約四割が「入居差別の経験がある」と答えていたことが分かり、同本部が県などに対策を求めていた。
 これを受け、県は今年二月に独自の書式をつくり、県宅地建物取引業協会などを通じて約六千四百業者に配布。今後は統一書式に切り替えるよう求めている。
 民団県本部の金相英国際部副部長は「これだけで入居差別が完全になくなるわけではないと思うが、県が姿勢を見せてくれた意味は大きい」と評価している。[2000-04-13-11:26]
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 04/14@◎ユーゴ首都で反政府集会=野党勢力、政権打倒へ初の共闘(時事通信)

 【ウィーン14日時事】昨年6月の北大西洋条約機構(NATO)の空爆終了後も、ミロシェビッチ大統領が政権を握っているユーゴスラビアの首都ベオグラードで14日、野党勢力の共闘による初の反政府集会が始まった。開始早々、約3万人の市民が参加し、最終的には20万人に膨れ上がりそうだ。集会は「暴力停止、民主的選挙実施を」のスローガンで開催され、ミロシェビッチ大統領退陣を目標に総選挙の早期実施を呼び掛けた。[時事通信社][2000-04-14-22:56] 12 [このページの最初に戻る]


 04/14@<START2>ロシア下院が賛成多数で批准=替(毎日新聞)

 【モスクワ14日田中洋之】ロシア下院は14日、1993年に米露間で調印された第2次戦略兵器削減条約(START2)を賛成多数で批准した。下院での批准を受け、上院も19日の審議で批准するのは確実で、プーチン次期大統領の署名を経て批准手続きが完了する。ロシアが条約調印から7年目でようやく批准にこぎつけたことで、さらなる核軍縮をめざす米露の第3次戦略兵器削減条約(START3)交渉が本格化するものとみられる。
 下院(定数450)での投票結果は賛成288、反対131、棄権4で、賛成票が条約批准に必要な過半数を大きく上回った。
 下院は同時に、米本土ミサイル防衛(NMD)開発を進める米国が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を順守しない場合、ロシアがSTART2から脱退するという付帯決議を採択し、米側を強くけん制しており、米露間の軍縮交渉は今後も曲折が予想される。
 START2は2007年末までに米露双方の戦略核弾頭総数を3000〜3500個に制限するもの。米上院は96年に批准したが、ロシア側では核戦力低下に対する懸念や、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大やユーゴスラビア空爆への反発などから批准作業が遅れていた。しかし、昨年末の下院選で共産党など批准反対派が後退し、批准の機運が高まっていた。
 START3は核弾頭総数を各2000〜2500個に削減するもので、98年に米露で予備交渉が始まったが、本格交渉はロシアのSTART2批准後に行われることになっていた。[2000-04-14-22:28] 13
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 04/14@<START2>批准の動きはプーチン氏の権威と実行力を証(毎日新聞)

 【モスクワ14日田中洋之】7年間も進まなかった第2次戦略兵器削減条約(START2)のロシア下院での批准の動きは、プーチン次期大統領の権威と実行力を証明するものだ。プーチン氏は16日に大統領当選後初めての外国訪問として英国を訪れ、国際社会へのデビューを果たすが、西側諸国との積極外交を進めるうえで大きなポイントとなるのは間違いない。
 START2批准はエリツィン前政権時代からの懸案事項だった。これまで政府側は下院に再三批准を求めてきたが、批准反対派の共産党が下院の多数を占める一方、米国のイラク空爆や北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア空爆などでロシア国内での対米批判が高まるなか、審議は大幅に遅れていた。
 しかし、昨年12月の下院選で共産党など批准反対派が後退、プーチン氏を支持する中間・右派勢力が多数派となり条約批准の障害が取り除かれた格好だ。先月26日の大統領選で当選したプーチン氏はこの機会を逃さず、一気に批准実現に動いたわけだ。
 13日の下院公聴会にはセルゲーエフ国防相やイワノフ外相が出席。ロシアがSTART2を批准すれば、米本土ミサイル防衛(NMD)開発を進める米国に弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の順守を迫るカードになることや、予算を老朽化した戦略核維持に使うより、新型ミサイルの開発に回した方がいい、などと議員に訴えた。「(START2を批准すると)ロシアは核の盾を失う」という共産党の反対論は完全に押さえ込まれたといえる。
 財政的に厳しいロシアにとってはSTART2が規定する3000〜3500個の核弾頭維持も難しいといわれる。ロシアは2000〜2500個までの核弾頭削減をめざすSTART3交渉で、さらに1000〜1500個まで大幅削減するよう提案している。START2批准で今後の米露軍縮交渉でロシア側が主導権を握ろうという、したたかな戦略も見える。[2000-04-14-21:55] 14
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 04/14@◇豪の新駐ユーゴ大使がミロシェビッチ大統領に信任状提出◇(朝日新聞)

 オーストラリアのスチュワート新駐ユーゴスラビア大使が13日、ベオグラードの大統領官邸にミロシェビッチ大統領を訪ね、信任状を提出した。新大使が着任すると、その国の元首に信任状を提出するのが決まりだが、ミロシェビッチ大統領が昨年5月にコソボのアルバニア系住民虐殺を指示したとして国連旧ユーゴ戦争犯罪法廷から起訴されているため、米国政府などは「外交官が犯罪者と接触すべきではない」として、オーストラリア政府に自重を求めていた。[2000-04-14-20:00] 17 [このページの最初に戻る]


 04/14@野党が統一反政府集会 政権交代と早期選挙を要求 ユーゴ(共同通信)

 【ベオグラード14日共同】ユーゴスラビアの野党連合「変革のための同盟」など約四十の主要野党すべてが参加し、ミロシェビッチ政権退陣と早期の選挙実施を求める統一集会が十四日、ベオグラード中心部で行われる。
 「同盟」のデドビッチ報道官は十三日、参加人数は不明としながらも「この四年間で最大規模」になると述べ、一九九七年の反政府デモや昨年八月の「十万人集会」を上回る大規模集会を予測。
 これに対し地元警察は「事故があれば野党の責任」として、デモ隊の暴徒化に懸念を表明する一方、集会への妨害工作を強化した。
 野党側はセルビア共和国の地方、議会、大統領の三レベルの選挙を同時に行うよう求めているが、政府は地方選だけの実施にとどめたい考え。集会時間帯に政府系テレビで人気映画を連続放映したり、集会地域への私営バス運行の禁止や非政府系テレビへの妨害電波強化などで集会への動員阻止を図っている。十二―十三日には五カ所の国境で外国人記者の入国拒否と国外退去を求めた。
 コソボ紛争に絡むユーゴ空爆終了後の昨年夏から反政府街頭デモが行われたが、参加者は徐々に減少し十二月に中断。今回の集会には、昨年のデモに参加していなかった最大野党のセルビア再生運動など主要野党すべてが参加を表明した。[2000-04-14-16:05]
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 04/15@セルビア各地で集会開催へ(共同通信)

 【ベオグラード14日共同】ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権退陣と選挙の早期実施を求めてベオグラードで大規模反政府集会を開いた野党連合「変革のための同盟」は十四日、セルビアの各市町村で十七日から小規模な集会を順次開催する意向を表明した。
 地元の各通信社は十四日の集会に十―二十万人が集まり、過去最大規模になったと伝えた。参加者は集会後に解散し、政権側との大きな衝突はなかった。
 「同盟」を構成する有力野党、民主党のジンジッチ党首は会見で「集会は大成功だった」と総括。遠方のため参加できなかったり、政府の妨害でテレビ中継が見られなかった国民のために「こちらから出向く」と述べ、地方都市で順番に反政府集会を開催するとしている。[2000-04-15-12:01] 4
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 04/15@ユーゴで初の反政府集会に10万人(読売新聞)

 【ウィーン14日=佐々木良寿】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで十四日、野党勢力共闘による初の反政府集会が開かれ、大統領選やセルビア共和国議会選の繰り上げ実施を求めて気勢を上げた。現地からの報道では、事前の予想を超える約十万人の市民が参加し、今後の野党勢力の出方次第では、ミロシェビッチ大統領退陣に向けた運動に弾みがつく可能性も出てきた。
 これまで野党勢力の主導権争いを演じてきた最大野党「セルビア再生運動」のドラシュコビッチ党首と、野党連合「変革のための同盟」参加の「民主党」のジンジッチ党首がようやく共闘に合意、この日の集会ではそろって、「今年は変革の年だ」などと訴えた。
 ただ、選挙実施に関しては、統一候補者リスト策定の是非について野党各党間に見解の相違があるほか、ドラシュコビッチ、ジンジッチ両党首間の個人的な確執も依然くすぶっている。
 今回の集会をめぐっては、ミロシェビッチ政権側は、地方からの参加を阻止するためバス会社に圧力をかけたほか、国営テレビで最新の外国映画を連続放映するなど妨害工作に出ており、「政権側が追いつめられている」との印象も与えている。[2000-04-15-10:36] 5
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 04/15@<ユーゴ情勢>ユーゴスラビア連邦の野党陣営が反政府合同集(毎日新聞)

 【ウィーン15日福井聡】ユーゴスラビア連邦の野党陣営は14日午後(日本時間同日夜)、首都ベオグラードでミロシェビッチ大統領の退陣を目標に選挙の早期実施を求める反政府合同集会を開き、参加者は過去最大の約15万人に上った。ユーゴの野党はセルビア再生運動と野党連合「変革のための同盟」の両派が反目を続けて来たが、今年1月に総選挙の早期実施要求で合意。8カ月ぶりに実現した合同集会を「大成功」と評価したものの、この動員数を見てミロシェビッチ政権は選挙実施を先送りするとの見方も強く、野党側は今後どう運動を展開するかが課題となる。
 ベオグラードからの報道によると、集会は同市中心部の共和国広場で開かれ、セルビア再生運動のドラシェコビッチ党首と「変革のための同盟」の中核である民主党のジンジッチ党首が握手して始まった。広場は各地から集まった市民、労働者、学生ら約15万人で埋め尽くされ、野党各党の党首ら16人が3時間にわたって演説した。
 野党陣営は1月、(1)早期選挙実施要求(2)合同集会開催(3)選挙での野党候補統一リスト作成――で合意し、この日の集会を迎えたが、政府側は「野党側が統一リストで選挙に臨めば情勢不利」とみて、野党分裂を画策しながら今秋予定の連邦・地方選挙の実施を先送りする構えをみせている。この日の集会が過去最大規模の動員数となったことで、選挙実施は一層遠のくとの見方が強まっている。[2000-04-15-10:20] 7
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 04/15@ユーゴが日本人記者らの入国を拒否(読売新聞)

 【ベオグラード14日=佐々木良寿】ユーゴスラビア政府は十四日、取材のため首都ベオグラードの空港に到着した日本人記者五人を含む外国人記者七人の入国を拒否、国外へ強制退去させた。ベオグラードでは同日午後三時(日本時間同午後十時)から、野党による大規模な反政府集会が行われており、取材阻止が目的と見られる。
 入国拒否されたのは、本紙記者(佐々木、小西太郎)、共同通信、日本経済新聞、東京放送(TBS)の各社記者一人の五人とカナダ人、ドイツ人記者の計七人。十三日にはロイター通信記者一人、十二日にはスペイン紙記者もそれぞれ入国を拒否された。[2000-04-15-01:51] 8
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 04/15@<START2>賛成多数で批准 ロシア下院=2替(毎日新聞)

 【モスクワ14日田中洋之】ロシア下院は14日、1993年に米露間で調印された第2次戦略兵器削減条約(START2)を賛成多数で批准した。下院通過を受け、上院も19日の審議で批准すると予想され、プーチン次期大統領の署名を経て批准手続きが完了する。ロシアが条約調印から7年目でようやく批准にこぎつけたことで、さらなる核軍縮を目指す米露の第3次戦略兵器削減条約(START3)交渉が本格的に動き出すとみられる。
 下院(定数450)での投票結果は賛成288、反対131、棄権4で、賛成票が条約批准に必要な過半数を大きく上回った。下院は同時に、条約発効にあたっては米本土ミサイル防衛(NMD)開発を進める米国が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を順守するかどうかを見極めるよう勧告するなど米国側を強く牽制しており、米露間の軍縮交渉は曲折も予想される。
 START2は2007年までに米露双方の戦略核弾頭総数を3000〜3500個に制限する条約。米上院は96年に批准したが、ロシア側では核戦力低下に対する懸念や、核弾頭の廃棄費用の不足、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大やユーゴスラビア空爆への反発などから批准作業が遅れていた。しかし、昨年末の下院選で共産党など批准反対派が後退し、批准の機運が高まっていた。
 START3は核弾頭総数を各2000〜2500個に削減するもので、98年に米露で予備交渉が始まったが、本格交渉はロシアのSTART2批准後に行われることになっていた。[2000-04-15-00:48] 12
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 04/15@<重債務貧困国問題>日本もODA以外の債権を100%削減(毎日新聞)

 7月の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)で、議題の一つになる重債務貧困国問題で、政府は14日までに、多額の債務を抱える貧困国に対し、政府開発援助(ODA)以外の債権も100%削減することを決めた。先進7カ国(G7)ではドイツを除く5カ国が既に同様の措置を取っている。これまで日本は「貧困国のモラルハザード(倫理の欠如)を招く」と100%削減に慎重だったが、方針転換によって、サミット議長国として、貧困国問題でリーダーシップを発揮したい考えだ。
 G7による重債務貧困国の債権削減については、昨年6月のケルンサミットで、ODA債権は100%削減、非ODA債権は原則90%削減することで合意した。その後、米国やカナダなどは、非ODA債権の100%削減を決めた。
 重債務貧困国はアフリカを中心に40カ国あり、経済的回復が可能なベトナム、イエメンなどを除く36カ国が債務削減の対象国。債務削減の適用を受けるには、病院や学校の建設など具体的な貧困対策を世界銀行と国際通貨基金(IMF)に示すことが条件だが、実現可能な対策を提示できるケースは少なく、ケルンサミット後に債務削減が認められたのは5カ国に過ぎず、貧困国の救済促進が課題となっている。
 九州・沖縄サミットでは貧困国救済に向けた先進国の「負担の公平」が論点となり、日本政府は「議長国として自ら汗をかかなくてはいけない」(外務省)との立場でサミットに臨む。【川口 雅浩】[2000-04-15-20:39] 14
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 04/15@<ジンバブエ>住民は「大統領の陰謀」と冷静 占拠支持広が(毎日新聞)

 【チダカンウェジ(ジンバブエ北部)15日藤原章生】黒人の元解放闘士らが白人農場を占拠する南部アフリカの農業国ジンバブエ。一見、「人種対立」に映る騒動を、住民たちは「大統領の陰謀」と冷静に見すえ、占拠支持の声は広がっていない。長く人種問題で揺れた国だったが、白人を攻撃すればすんだ時代から脱却しつつあるようだ。
 日焼けした赤い肌、カーキ色の半ズボン、澄んだ目。ジンバブエに暮らす白人農民はヨーロッパ人とは明らかに違う。そんな1人、ニール・ハモンドさん(30)は怒りを込める。「我々は4代も前からここにいる。なぜ、いまだに侵入者呼ばわりされるのか」
 首都ハラレから北へ100キロの高原、チダカンウェジ村のハモンド家は今月3日、急襲された。タバコ、トウモロコシの収穫の最中だった。赤土の道を詰めた最奥の農場を中心に小さな村ができ、一家が造ったダム、学校、教会もある。
 町から来た元解放闘士ら50人の武装団はニールさんの父、ジェイさん(60)の家を囲み、一家は丸10日間、軟禁状態に置かれた。黒人農夫らは「白人と我々、どっちの味方だ」と問われ、10人がこん棒やおのの柄などで袋だたきになり重傷を負った。連絡を受けた地元警察は「我々はムガベ大統領の命令がなければ動けない」と占拠を黙認し、救出にも来なかった。
 テンバと名乗る武装団代表は「白人が盗んだ土地を奪いに来た」「野党を支持する者は殺す」と叫んだ。
 現在、ジンバブエではムガベ大統領率いる与党・ジンバブエ・アフリカ民族同盟の独裁が続く。だが5月に予定される議会選では、野党「民主変化運動」の躍進は明らかだ。98年のコンゴ内戦への無理な介入で経済は疲弊し、インフレ、燃料の高騰に国民の不満が募っているためだ。
 2月末からの累計で1000カ所以上の農場が襲撃された「占拠事件」は、与党が仕組んだ「選挙運動」の一環とみられる。「民衆から搾取する白人」という仮想敵を攻めることで、与党は独立時の人気を取り戻せると図ったらしい。
 ニールさんの曾祖父は1903年、英国から宣教師として移住した。祖父は未開の地でタバコ農場を始め、現在に至る。1000ヘクタールのニールさんの農場は95年に隣家から2500万円相当で購入したもので「盗んだ」という表現には当たらない。日本で言えば明治から代々この地に暮らした一家は、「ここを離れることなどできない」と言う。
 ジンバブエに4500を数える大農場の多くは白人が経営し、国内総生産の18%、総輸出額の4割を担い、約30万人の黒人労働者の暮らしを支える。「白人を追い出す新たな革命」(元解放闘士代表)が国益にならないのは明らかだ。
 「昨日、町で見知らぬ黒人たちから『踏みとどまってくれ』と励まされた」とニールさんは言う。独立から20年。「黒対白」という構図で住民を扇動するのは、もはや現実味がないように見える。[2000-04-15-19:52] 32
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 04/15@◇G77首脳会合、グローバル化の新秩序求める宣言採択◇(朝日新聞)

 ハバナで開かれていた途上国グループ(G77、133カ国)サミットの首脳会合は14日、グローバル化が途上国のためになるような新たな国際秩序の構築を求めるハバナ宣言と、行動計画を採択して閉幕した。
 首脳会合では、先進国中心のグローバル化の現状が、国家間や国内の貧富の差をさらに拡大させ、途上国の発展を妨げる恐れがあるという認識で一致。国際金融秩序の改革や途上国の対外債務削減など、途上国側の声が世界貿易機関(WTO)などの場に十分反映されるべきだという主張が相次ぎ、採択文書に盛り込まれた。
 G77は、貧富の差や対外債務の重圧に危機感を抱いて初の首脳会合をもった。対外債務の帳消し問題は、さきの欧州連合(EU)・アフリカ諸国首脳会議でも重要テーマになり、「7月の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)で討議するよう(途上国側からも)日本に提案している」(ムベキ・南アフリカ大統領)とされる。非政府組織(NGO)の国際的な運動にもなっている。G77は、こうした流れを今秋の国連ミレニアム・サミットなどにつなげたい考えだ。[2000-04-15-12:46] 59
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 04/15@<爆弾テロ容疑者>身柄引き渡しは適切に対処したい 臼井法(毎日新聞)

 イタリア・ミラノで起きた爆弾テロ事件の容疑者として、イタリア政府が日本国籍を取得しているデルフォ・ゾルジ被告(53)の身柄引き渡しを要求している問題で、臼井日出男法相は14日の衆院法務委員会で「テロ事件の内容や証拠を検討して適切に対処したい」と述べた。保坂展人議員(社民)の質問に答えた。
 保坂氏は「日本国籍の取得を申請する際、虚偽申告した」と指摘。法務省の細川清・民事局長は「一般論として、テロの真犯人と認められる者が犯行後、日本国籍を取得し、外国から引き渡しを求められれば、国籍の取り消しを検討する用意がある」との見解を示した。
 ゾルジ被告は1969年12月、ミラノの銀行に爆弾を仕掛け、数十人が死傷したテロ事件に関与した疑いが持たれている。身柄引き渡し要請は先月30日に同国大使館を通じて外務省に書面が届き、6日、法務省に送付された。ゾルジ被告は、89年12月に日本国籍を取得し、日本でファッション関係の貿易業をしているため、逃亡犯罪人引渡法の適用外となっている。[2000-04-15-02:18] 343
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 04/16@<変容するイスラム>アフガニスタン 戦火絶えぬ悲劇の歴史(毎日新聞)

 アフガニスタンはイラン、パキスタン、中央アジア諸国にはさまれ、古くから国際的な力学がぶつかり合う場所だった。政治的にも文化的にも、インド、イラン(ペルシャ)、トルコ・中央アジアやアラブなど様々な地域の影響を受け、近代に入ってもその傾向は続いた。特に現代になって繰り返されたクーデターと内戦は、周辺諸国の思惑を鋭く反映してきた。
 アフガンでは19世紀になって、インドを支配していた英国と、中央アジアからの勢力拡大を目指すロシアが対立。親英の態度を明確にしないアフガンと、それにいらだった英国との間で戦争に突入した。1838年から3次に渡る対英戦争の末独立し、1973年には共和制に移行したが、社会主義勢力とイスラムの伝統主義勢力が対立し混乱。そして79年9月、民族主義的色彩が濃いアミン首相がクーデターで革命評議会議長に就任すると、危機感を強めたソ連が軍事侵攻した。これが、現代まで続くアフガンの悲劇の序章となる。
 当時、アミン政権は反政府イスラム勢力との紛争が抜き差しならない状態になっていた。さらに、同年初めに隣国イランがイスラム革命を成功させていた。アフガン侵攻はイスラム勢力拡大の気配がみえる中、中央アジア諸国への「イスラム革命の輸出」を恐れたソ連が武力でこれを抑え込もうとしたものだった。
 その後、ソ連軍と親ソ政府軍に対して、イスラム勢力各派が対抗する図式が定着。この地域の覇権を目指すソ連は軍を駐留し続ける一方、米国もイスラム勢力の反政府軍に武器を供与、米ソの代理戦争の様相を深め、戦闘は泥沼化した。
 結局、ゲリラ戦に消耗したソ連軍は89年に撤退。ソ連邦解体の翌年、ナジブラ政権が崩壊すると、今度は反政府勢力各派の路線対立が激化した。反政府イスラム勢力各派には、厳格なイスラム法による支配を目指すグループと比較的穏健なグループがあり、しかも、それぞれがパシュトゥン人(アフガン人)、タジク人、ウズベク人など異なる民族で色分けされていた。大国からの武器供与で各派の戦闘能力が高まっていたことも、戦闘が長引く要因になった。
 混乱の中、突如出現したのがタリバンだった。パキスタンの影響を強く受け、次々と支配地域を広げたタリバンは、98年には全土の約90%を支配するまでになった。タリバン政権を正式に承認しているのはパキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の3カ国だけ。国際社会はタリバンと反タリバン連合による連立政権を模索しているが、戦闘は止んでいない。【小倉 孝保】
 ◆アフガニスタン近・現代の歩み◆
1838―42年 第1次英・アフガン戦争
  78―80年 第2次英・アフガン戦争
1919年  第3次英・アフガン戦争
1933年11月 ザヒル・シャーが国王即位
  73年 7月 無血クーデターで国王を追放し共和国に
  78年 4月 軍事クーデターでタラキ左翼政権誕生
  79年 9月 アミン副首相がクーデターで政権を奪取
   12月 ソ連軍がアフガン侵攻。アミン革命評議会議長が処刑され、親ソ派のカルマル前副議長が議長就任
  82年 6月 国連仲介でパキスタンとアフガニスタンが初の和平交渉開始
  85年 5月 反政府ゲリラ7組織がムジャヒディン・イスラム同盟結成
  86年 5月 カルマル議長が解任され、ナジブラ氏が実権掌握
  86年 7月 ゴルバチョフ・ソ連書記長がソ連軍の一部撤退を発表
  87年11月 ナジブラ氏大統領に
  88年 4月 ジュネーブでソ連軍撤退合意
  89年 2月 ソ連軍の撤退完了
  91年 3月 反政府ゲリラ7派が東部で攻勢
  91年12月 ソ連邦崩壊
  92年 4月 ナジブラ大統領が解任され、共産政権崩壊。反政府勢力が暫定評議会を設置
  93年 1月 ラバニ氏が大統領就任。大統領派と反大統領派で戦闘状態に
  94年 1月 内戦が首都カブールから全土に拡大
  94年 夏  タリバン出現、反タリバン連合と戦闘拡大
  96年 9月 タリバンが首都制圧
  98年 9月 タリバンが全土の90%を掌握
  99年 3月 国連の仲介でタリバンと反タリバン連合が連立政権樹立で合意。その後も戦闘は継続[2000-04-16-23:49] 344
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 04/16@<変容するイスラム>タリバン政権外務次官代理に聞く(毎日新聞)

 国際的に孤立しているアフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバン。国際社会が抱く数々の疑念をどう受け止めているのか。ファザアル・サビル外務次官代理(37)にタリバンの論理を聞いた。【アフガン南部カンダハルで春日孝之】
 ――タリバンは国連で政権承認されていない。
 ◆我々は(結成から)6年間でアフガンに平和と秩序を回復させた。内戦下のテロや略奪などあらゆる悪を終焉させ、国土の9割を統治下に置いた。人々は安全を享受している。承認に向けた努力は続けているが、問題は、我々にではなく国際社会ある。
 ――米国が「国際テロの黒幕」とみなすウサマ・ビン・ラディン氏を保護している理由は。
 ◆彼は「客人」であり、「難民」として暮らしている。テロには関与していない。アフガンの地から他国や他者に対しテロ行為をすることは、我々が許さない。ウサマ氏から通信機器を取り上げ、行動を制約している。我々がウサマ氏(の思想と行動)を支持している(から保護している)わけではない。
 ――タリバンは「テロ支援勢力」とみられ、麻薬栽培の黙認や女性差別でも非難されている。
 ◆我々こそテロと対決してきた。麻薬に関しては、広い範囲でケシ畑を焼き払い、精製工場を破壊した。アフガンは貧しく、経済は機能していない。麻薬栽培を、生き残りの最後の手段にしている極貧農民に止めろとは言えない。女性に関しては、イスラムの教えの範囲内で十分な権利を与えている。非難の大半は西欧の宣伝だ。
 ――米国はウサマ氏引き渡しを要求、タリバンが拒否したため国連は昨年末、経済制裁を発動した。
 ◆米国に対し、ウサマ氏の犯罪を立証する証拠を示せば我々が公正な裁判を開き、厳正に裁くと言っている。制裁は極貧農民をいよいよ窮地に追い込んでいるだけだ。
 ――米国は永久にタリバンを承認するつもりはないとみているのか。
 ◆米国は、我々がイスラム本来のあり方(原理主義)に基づく統治を行っていることに脅威を感じているのだ。我々は米国に敵意はないが、米国は我々に敵意を抱いている。タリバンのイメージが悪いとすれば、それゆえだ。
 ――米国はタリバンがイスラム原理主義を「輸出」しているとみている。
 ◆我々はアフガンを治めるだけで手一杯だ。戦闘は続いているし、行政機構の整備もこれからだ。他国へのイスラム革命の輸出など考える余裕もない。[2000-04-16-23:49] 345
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 04/16@<変容するイスラム>アフガニスタン タリバンに米中露苦慮(毎日新聞)

 関係国の利害が衝突する舞台アフガニスタンは、戦乱に翻弄されてきた。アフガンにイスラム原理主義勢力、タリバンが誕生して6年。イスラム台頭への警戒の高まりに、中央アジアの資源争奪戦が絡み、周辺国や米中露の思惑が交錯の度を深めている。【「宗教と政治」取材班】
 1998年8月20日、アラビア海に展開する米艦から巡航ミサイル「トマホーク」がアフガンに向けて発射された。米大使館同時爆破テロに対し、「黒幕」ウサマ・ビン・ラディン氏の拠点を狙った報復だった。
 数日後、タリバンの本拠地、アフガン南部カンダハルに中国代表団24人の姿があった。「トマホークの不発弾がある」との情報を得ての極秘訪問だった。タリバンに近い筋が証言する。
 中国側「不発弾を譲ってほしい。代わりに道路を補修し、ダムを造ろう」
 タリバン側「米国、ロシアがあなた方の敵なら、我々は良い関係を築ける」
 戦乱でアフガンの道路は破壊されている。補修の見返りに中国側は不発弾2発を持ち帰ったという。
  ◆  ◆  ◆
 「新彊ウイグル自治区にゲリラを送り込まないでほしい」。不発弾取引の際、中国側は注文を付けるのを忘れなかった。中国は、イスラム教徒のウイグル族の独立問題に、アフガンのイスラム運動が波及する事態を警戒しているのだ。
 「宗教過激主義、民族分裂主義が活発化し、聖戦を唱える勢力までいる」。3月30日、中央アジアと中露5カ国の国防相会議で、遅浩田国防相はイスラム過激派の脅威を強調した。
  ◆  ◆  ◆
 4月8日、タジキスタン・ドゥシャンベ。地域会議の席上、ロシアのイワノフ安保会議事務局長が「タリバンに警告のため、空爆もあり得る」と言い放った。南方に広がるイスラム・ベルト地帯の中核、タリバンへのけん制といえる。
 チェチェンのイスラム教徒との紛争を抱えるロシアもまた、イスラムの浸透に神経をとがらせている。中央アジア諸国と連携、イスラム過激派に対抗しようと重い腰を上げ始めたのだ。
  ◆  ◆  ◆
 「アフガン和平がパキスタンの国益だ。中央アジアとの交易路をアフガン経由で開き、石油や天然ガスのパイプラインを敷きたい」
 パキスタンの第2次ブット政権(93年〜96年)内相として和平工作を推進したババル氏(70)が語る。タリバン政権樹立による和平を目指したパキスタンには、中央アジアの経済権益確保の思惑があった。
  ◆  ◆  ◆
 98年8月、タリバンによるイラン外交官殺害事件を受け、イランは27万の兵力を展開してアフガン国境を閉鎖、緊張が高まった。
 だが、イランは昨年11月に国境を再開。ハタミ大統領はタリバンと反タリバン勢力の仲介に乗り出し、タリバン接近の動きを見せ始めている。「アフガンの安定抜きにイランの安全はない。反タリバンに肩入れした失政に気付いた」。バルジャバン元テヘラン大学教授(65)が指摘する。
  ◆  ◆  ◆
 アフガンへのイランの影響力阻止のため、米国は当初、タリバンとの友好関係を模索した。しかし人権侵害などを理由に97年からタリバン批判を強め、トマホーク攻撃へとつながった。
 それでも米政府はサウジアラビアなど親米イスラム諸国に配慮、タリバンとの決定的対立を避けている。イスラム原理主義勢力の中心に位置するタリバン。地域への影響力確保をもくろむ各国指導者は、彼らとの距離の取り方に苦悩している。[2000-04-16-23:49] 361
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 04/16@CIA関与の全体像示す イラン政変の秘密文書(共同通信)

 【ニューヨーク16日共同】十六日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、特ダネとして、一九五三年に米中央情報局(CIA)が関与したイランのモサデク政権転覆工作の全体像を示す秘密文書の内容を伝えた。
 親共民族主義のモサデク首相政権を倒し、パーレビ国王を樹立したこのクーデターは、同国王を放逐したイスラム革命を経て現在の米イラン関係の悪化の遠因となった。
 文書は、クーデターを立案し、実行に関与したCIAの当時のイラン担当者ドナルド・ウィルバー氏が書き残した秘史。米国と英国の情報部が政権転覆で緊密に協力したとしている。
 具体的な転覆計画は、CIA関係者が直接、王政復古派の軍部とクーデターを画策、次期首相候補を選び、共産党の仕業に見せかけた爆弾事件を指導するなどしたという。
 文書はまた、パーレビ国王が「優柔不断な弱虫」で、クーデターに参加させるのに苦労したと指摘。作戦は土壇場で、CIAが抱き込んだ士官の組織したパーレビ支持のデモが成功、モサデク政権を打倒できたとしている。
 ウィルバー氏はクーデター直後の五四年に秘史を執筆、非公開となっていたが、コピーをタイムズ紙が入手した。[2000-04-16-16:25] 373
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 04/16@紛争終結宣言で自治復活も 北アイルランド(共同通信)

 【ロンドン16日共同】カトリック系過激組織アイルランド共和軍(IRA)の武装解除拒否で難航する北アイルランド和平プロセスの進展に向け、IRAが紛争終結を宣言すれば、一時停止している自治政府の機能を復活させることを英政府が検討していることが分かった。十六日付の英日曜紙オブザーバーが報じた。
 同紙によると、英政府は「IRAが紛争の恒久的終結を宣言した時点で、自治政府を復活させる」と新たに提案、自治機能停止に強く反発しているIRAに譲歩した形となっている。
 また英政府は、「プロテスタント側が提案に同意すれば、英国とアイルランド両政府がIRAに武装解除を確約させる」としている。しかしプロテスタント勢力は「武装解除日程の明示」を大前提としており、英政府の提案を認めるかどうかは微妙だ。[2000-04-16-10:23]
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 04/17@<カフェテラス>花の下には…… 石川貴章 ローマ(毎日新聞)

 エルサレムからイスラエル北部のガリラヤ湖畔に向け車を走らせた。3月下旬、フロントガラスの向こうは春の花が満開だった。群生する黄色は、たぶん菜の花か。随所に真紅、紫もある。
 その絶妙な自然の配色に目を奪われているうち、ふと昨春を思い出した。北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆下、ユーゴスラビア連邦コソボ自治州から大量難民が押し寄せたマケドニア北部の山間を彩っていたのも、その色合いといい種類といい、同じような花だった。コソボ国境付近で会った老人のつぶやきがよみ返った。「あの花畑の下で3歳の子が眠っている。地雷にやられたんだ」。
 その約2か月後、空爆停止とともに入ったコソボ。硝煙が鼻を刺す焼けただれた戦車の周囲を埋めていたのは、群生する高原の花のだった。息を飲むほど美しかったが、油断したのがいけなかった。
 「死にたいのか」
 花畑に足を踏み入れようとしたその時、国際平和維持部隊の英軍兵の鋭い声が飛んだ。足元に目を落すと、地雷原であることを示すドクロのマークがあった。「花の群生地は近寄らないことだ。人が土を踏み固めていないから、花が咲く」。英兵は、そんなことを言っていた。
 いやな記憶ばかりが浮かんでは消え、気が滅入ったころ、ガリラヤ湖畔に着いた。ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が、野外ミサで世界の若者約10万人を前に、宗教の違いを超えた世界平和の実現を訴えていた。そのメッセージに、草原の花は似合っていた。
 帰途、シリア国境付近のゴラン高原に足を伸ばした。道路から数百メートル先に有刺鉄線が張り巡らされ、その先は一面、花畑だった。「花の下は、やっぱり地雷かな」。運転手に尋ねると、運転手は無言でうなずいた。[2000-04-17-23:48] 24
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 04/17@◇プーチン氏に抗議の洗礼も 在英人権団体などが批判◇(朝日新聞)

 ロシアのプーチン次期大統領の訪英に反対する在英のイスラム教徒団体や人権団体のメンバー約100人が17日、英首相官邸前に集まり、「プーチンは犯罪者」「チェチェンに人権を」などと気勢を上げた。プーチン氏訪問には与党・労働党内にも「英国が封じ込めを主導したミロシェビッチ・ユーゴ大統領への対応と大きく矛盾する」との批判が強まっている。
 訪問を前に、英国の弁護士がロシア国外に脱出したチェチェン女性の代理として、ロシア軍による人権侵害の解明を欧州人権裁判所に申し立てた。人権団体アムネスティ・インターナショナルもブレア首相に公開書簡を提出。国際人道法の順守と調査団の受け入れに向けてプーチン氏に圧力をかけるよう求めた。[2000-04-17-20:54] 25
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 04/17@コソボで住民登録開始 自治の第一歩の地方選向け(共同通信)

 【ウィーン17日共同】ユーゴスラビア・コソボ自治州の自治政府樹立の第一歩となることし秋の地方選挙に向けた住民登録が十七日、州都プリシュティナなど一部で始まった。
 作業を進める欧州安保協力機構(OSCE)によると、来月初めには自治州全土で登録作業が始まる予定で、八月末までに自治州の人口や有権者数が明らかになる。
 昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆の間に国外に逃げたアルバニア系住民約八十万人の大半は帰還したが、昨年六月の停戦後にコソボを追われたセルビア人の帰還は困難な情勢。大量帰還に積極的なNATOと、慎重な国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の対応にずれが出ており、セルビア人の扱いをめぐって混乱も予想される。
 OSCEは一九九八年一月時点でのコソボ在住者に選挙権を与えるとしており、国外にとどまったままのセルビア人に対してはオーストリアや米国などに設置した連絡事務所を通じて登録を呼び掛けている。[2000-04-17-16:04] 264
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 04/17@◇石原「三国人」発言に総連と民団の地方組織が共同抗議◇(朝日新聞)

 石原慎太郎・東京都知事の「三国人」発言問題について、在日本朝鮮人総連合会兵庫県本部(李文伊委員長)と在日本大韓民国民団兵庫県地方本部(李且守地方団長)は17日、神戸華僑総会(林同春会長)と連名で、発言の撤回と謝罪、排外的差別観を改めることを求める抗議文を石原知事あてに郵送した。
 阪神大震災の被災地に住む経験をふまえ、抗議文は、震災では民族と国境の壁を越え、在日アジア人や日本人らが助け合って友情と連帯感を深めたと指摘。共生の実現に向けた努力が必要な時に、「発言は歴史の流れに逆行しようとするもの」などとしている。[2000-04-17-23:51] 266
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 04/17@<変容イスラム>ウサマ氏守る私兵200人 難攻不落の砦(毎日新聞)

 アフガニスタン南部カンダハル郊外に「難攻不落の砦」がある。米国が「最も危険なテロリスト」とみなすウサマ・ビン・ラディン氏の隠れ家だ。複数ある隠れ家の中核だという。
 背丈の5倍もあるコンクリート壁が、モスク(イスラム礼拝堂)や馬場を備えた広大な敷地を囲む。北と西に小高い山が迫り、南は小麦畑。対空砲が装備され、最新兵器で武装した私兵200人が盾となる。
 私兵はアラビア語の暗号で敵味方を見分ける。「近づく者はだれであれ殺してよい」。ウサマ氏を庇護するイスラム原理主義勢力、タリバンの最高指導者オマル師は、「客人」に治外法権を認めているのだ。
  ◆  ◆  ◆
 ウサマ氏が張りめぐらす世界規模のイスラム・ネットワークを警戒する米政府は、逮捕につながる情報に500万ドルの懸賞金を掛け行方を追う。身柄引き渡しを拒むタリバンには国連制裁が科せられた。
 米タイム誌は米政府当局者の話として逮捕計画の存在を報じた。「米中央情報局(CIA)の支援で、パキスタン工作部隊がアフガンに潜入、逮捕する作戦だったが、実行されなかった」との内容だ。
 「真相は違う」とタリバン情報筋が反論する。ウサマ氏暗殺を狙ったとみられる策謀が実際に相次いだというのだ。昨年8月、タリバン特別警察に偽装し、正門に近づいた4人のアフガン人が射殺され、12月には山側から検問を突破したパキスタン人2人が私兵に挟撃された。ともに未遂に終わったが、追手の執念をうかがわせる事件だった。
  ◆  ◆  ◆
 「ウサマ、こっちに来い」。パキスタンのイスラム武装組織「ハルカト・ムジャヒディン」を率いるファズドラ・ラフマン・ハリル氏(37)が5歳の4男を呼んだ。昨年末にインディアン航空機を乗っ取り、ウサマ氏との密接な関係が指摘されている組織だ。
 ウサマ氏は、90年の湾岸危機をきっかけにした米軍のサウジアラビア駐留を、「聖地が異教徒に踏み荒らされた」と反発、アフガン内戦時代の反共から反米に転じた。聖地奪還の呼び掛けにイスラム過激派が共鳴し、英雄ウサマの名を我が子につけることが今も流行している。
 「この子もジハード(聖戦)に身を捧げてくれるだろう」。ラフマン氏は誇らしげに語った。
  ◆  ◆  ◆
 「ウサマ氏を引き渡せば国際社会の目も変わる。なぜ、こだわるのか」。3月13日、訪日中のザヒド・タリバン政権外務次官に日本外務省の担当官が疑問を呈した。「テロ関与の証拠がない」が答えだった。
 タリバン情報筋が解説する。「ウサマ氏の資金力と人脈から得られる支援は貴重だ。しかも、国際的に非難されるだけ、イスラム原理主義勢力からは尊敬の目で見られる」。
 ウサマ氏は相手の弱点を熟知している。荒廃、腐敗、スキャンダル、凶悪犯罪――欧米社会の病根に弓を引く。そして、米政府がウサマ包囲網を強化すればするほど原理主義者の間で名声が高まる。米国の強硬姿勢はイスラム過激派の結束を強め、ウサマ氏の「砦」をより堅ろうにする逆効果を生んでいる。【「宗教と政治」取材班】 =つづく[2000-04-17-23:46] 267
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 04/17@<START2>ロシア下院批准 米NMD阻止が狙い(毎日新聞)

 ロシア下院は14日、米露間の核兵器大幅削減を目指す第2次戦略兵器削減条約(START2)を批准した。調印から7年目でようやく批准にこぎ着けたが、米側が受け入れがたい付帯条件が付いており、両国の交渉が今後難航するのは必至の情勢だ。ロシアと米国の受け止め方と今後の交渉の行方を探った。
 ロシア下院がSTART2を批准した背景には、米国の米本土ミサイル防衛(NMD)開発を阻止するための「切り札」とする対外的理由と、財政難から現在保有する核弾頭さえ維持するのは難しいという国内事情の2つがある。
 ロシアはNMD開発に伴い、米国が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正や破棄を求めていることに強い危機感を抱いている。ロシアの核戦略はABM条約を前提に成り立っており、NMD配備でロシア側は不利な立場に追い込まれる。ロシアは「NMDが配備されれば、対抗するミサイルを開発する」と警告するが、今のロシアに冷戦時代の軍拡競争を再現する経済的余裕はない。米政府がNMD配備に関する決定を下すタイムリミットが迫るなか、配備阻止への有効な手段が見つからず、手詰まり状態に陥っていた。
 そこで、下院は今回の批准に合わせ、「米国のABM制限条約順守が条件」という付帯決議を採択した。「米国がこのままNMD開発を進めて世界の戦略的安定を破壊する責任者となるか、それともNMDを断念するか」(プーチン次期大統領)という”踏み絵”を米国に突きつけたわけだ。
 また、財政難が続くロシアにとって、START1が規定する6000個の核弾頭の維持は困難という事情がある。START2の3000〜3500個に減らせば2010年までの核弾頭の維持費は7500億ルーブルと、START1枠内の9500億ルーブルより大幅に削減できるといわれる。ロシアが保有するSS―18など旧式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)はすでに耐用年数を超えており、さらに延長して使用するのはコストがかかるうえ、極めて危険でもある。このため、START2を批准して老朽化した戦略核の廃棄を進め、浮いた予算を新型ICBM「トーポリM」の配備や通常兵器の近代化に回すほうがいい、と国防省などは主張していた。
 さらに、START2枠内の核弾頭維持も財政的に難しいといわれ、ロシアは次のSTART3交渉で核弾頭数を1000〜1500個に大幅削減することを提案しているほどだ。
 START2批准問題では、共産党など保守派が「核戦力の低下につながる」と最後まで抵抗した。しかし、プーチン氏は「START2を批准しても、ロシアの核兵器は敵を何度も確実に破壊できる」と反対派の懸念を打ち消し、「批准することがロシアの国益にかなう」と強調した。
 ロシア国内には「米国のNMD配備は不可避」(軍事筋)との見方が強い。その場合、ABM修正問題で米国からどれだけ譲歩を得られるかがポイントとなる。プーチン氏は「ボールは相手側にある」と語り、5月末か6月初めとみられるクリントン大統領との会談で米側の出方をみる姿勢を示した。今秋の米大統領選で対露強硬派の共和党政権が誕生することも想定し、現大統領との間で決着させたいと望んでいるのは間違いない。【モスクワ・田中洋之】
 米側からみると、ロシア下院によるSTART2批准は、NMDの配備と、その前提となるABM制限条約修正に「待った」を掛ける内容で、核軍縮における「米露協調」よりも、プーチン政権の露骨な「NMDつぶし」の意図を浮き彫りにするものだった。
 だが、米国内でNMD配備要求が下火になる気配はない。米上院のヘルムズ外交委員長(共和)のスポークスマンは、ロシア側の付帯条件によって米国がNMD配備を控えると考えたのなら、プーチン氏の「悲しむべき誤り」と語り、あくまでNMD配備を求める決意を明確にした。
 共和党主導の米議会にはもともと、NMD配備にロシアの意向は関係ない、との空気が強く、共和党保守派は、ABM条約はソ連崩壊の時点で無効になったと見ている。ロシアが条約修正に応じないなら、米国はABM条約から脱退すべきだ、と主張する議員も少なくない。
 だが、米国が脱退した場合、プーチン氏が警告するように、長年積み重ねてきた米露の戦略核合意は一気に崩れかねない。米カーター政権下で軍備管理軍縮副局長を務めた「軍備管理協会」のキーニー会長は「ロシアがABM条約修正に応じる姿勢を見せない限り、クリントン大統領は配備の決断を下さないだろう」と予測する。
 「米国の条約脱退は災厄につながる。中国はパキスタンなどへの核関連支援を拡大する可能性があり、米国の同盟国も落ち着けなくなる。政治的功績が欲しいクリントン大統領が、任期の終わりに来て、そんな事態を望むだろうか」というのだ。
 NMD配備についてクリントン大統領が決断するのは7月以降。仮に「配備せず」と宣言すれば、共和党は「ロシアの圧力に負けた」と反発、11月の大統領選でゴア副大統領陣営の弱みになるのは避けられない。6月にも予想されるNMD迎撃実験が成功すれば、配備に関する決断を先送りするのも難しくなるだろう。
 結局、クリントン大統領としては、プーチン次期大統領との会談で、ABM条約修正とNMD配備問題の妥協点を模索。第3次戦略兵器削減条約(START3)の本格交渉を開始して政治的得点を狙うことになりそうだ。
 クリントン政権は、共和党主導の議会にあおられる形でNMD開発を推進してきた。昨秋、ヘルムズ委員長ら共和党強硬派の反対で、上院が核実験全面禁止条約批准を否決した時、大統領は「新たな孤立主義の兆候」と批判したが、声高なNMD配備要求にも同じ「兆候」は指摘できよう。孤立主義か、対外関係重視の国際主義か。プーチン政権下のSTART2「条件付き批准」は、米歴代政権が直面してきた問題を、任期の残り少ないクリントン大統領に厳しく提起することになった。【ワシントン・布施 広】
 ABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約は、米国と旧ソ連が1972年に結んだ。ABMを保有することで先制核攻撃の誘惑が増し、核抑止理論が崩れるとの懸念から、ABM基地をそれぞれ国内1カ所に限定している。
 NMD(米本土ミサイル防衛)は、米本土全体をミサイル攻撃から防衛する構想。98年8月に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が弾道ミサイルの「テポドン1号」を発射実験したことなどから、コーエン米国防長官は99年1月、NMDを含む弾道ミサイル防衛(BMD)構想の開発加速を表明した。
 NMD導入には、ABM基地の増設が必要だが、ABM制限条約で1カ所に限定されているため、米国はロシアに条約修正を要求している。だが、ロシア側は弾道ミサイルの抑止力が損なわれることを懸念し、反対している。中国もロシアに同調して反対を表明している。【杉尾 直哉】[2000-04-17-23:46] 274
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 04/17@重債務貧困国の債務救済問題でNGOが攻勢強める(読売新聞)

 累積債務の返済にあえぐ重債務貧困国の債務救済問題で、債務帳消しを求める民間活動団体(NGO)の活動が、七月の沖縄サミット(主要国首脳会議)に向け活発化している。集会・デモなどがサミットの際に先鋭化することも予想されるだけに、サミットの成功が至上命題の政府にとって頭の痛い問題となっている。
 世界銀行などが認定する重債務貧困国は、エチオピア、ケニアなどアフリカ諸国を中心に今年二月現在、四十か国あり、世界のキリスト教団体やNGOがカトリック教会の大聖年にあたる二〇〇〇年に、これらの国の債務を帳消しにするよう求める国際キャンペーン「ジュビリー二〇〇〇」を進めている。
 昨年のケルン・サミットでは、直前に五万人のNGO関係者らがケルンに結集し、人間の鎖を作ってキャンペーンを盛り上げたこともあり、重債務貧困国救済のため〈1〉政府開発援助(ODA)債権の100%削減〈2〉非ODA債権は90%以上削減――することで合意した。
 この合意を受け、米、英、仏などはODA、非ODA含め全額帳消しの方針を表明しているが、二〇〇〇年中に全額帳消しにすることは困難としている。先進七か国(G7)の中でも最大の債権国である日本は、「債務帳消しは債務国の自助努力を損ないかねない」として、四十年間かけて債務と同額の資金を贈与する「債務救済無償方式」で対応する方針だ。
 これに対し、ジュビリー二〇〇〇のNGOなどは、G7側の対応、特に日本の消極姿勢を不満とし、「即時」「全額」の債務帳消しを求めて活動を再び本格化させている。
 政府は十日、ジュビリー二〇〇〇の動向をにらみつつ、非ODA債権の全額帳消しと国際金融機関への拠出額の上積みという債務救済の追加措置を発表した。
 しかし、ジュビリー二〇〇〇側は、あくまでODA、非ODAいずれの債権も無条件で即時帳消しすべきだと主張し、翌十一日には大蔵省前でデモを行った。十六日にワシントンで開かれた国際通貨基金(IMF)と世界銀行の閣僚級会合の際も、約六千人が激しいデモを行い、約六百人が逮捕された。
 昨年十二月に米シアトルで開かれた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議では、NGOが環境保護などを訴えて大規模デモを会議場近くで行い、合意に失敗する大きな要因となった。このため、日本政府には「キャンペーンがエスカレートし、沖縄にNGOが押し掛ける“シアトルの二の舞い”は絶対に避けたい」(外務省幹部)との思いが強いが、ジュビリー二〇〇〇日本実行委員会の代表は、「日本の態度が変わらないなら、沖縄サミットに集まる準備を進める」と、政府をけん制している。
 G7内ではこの問題への対応についてばらつきが見られる。
 NGOとも関係が深い労働党政権の英国は、「沖縄サミットで新たに債務救済策を打ち出すべきだ」との考えと見られる。一方、債務帳消し方針について議会に慎重論が根強い米国は、ケルン合意以上に踏み込むことに消極的だ。
 日本はサミット議長国として各国間の意見調整にあたらなければならず、ジュビリー二〇〇〇側も「日本はキャンペーンの第一のターゲット」(アン・ペティフォー英国事務局長)としている。日本政府は、ジュビリー二〇〇〇の今後の活動に神経をとがらせざるを得ない状況だ。[2000-04-17-22:11] 275
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 04/17@◇NGO支援の国連機関を東京に設立へ 緒方弁務官が方針◇(朝日新聞)

 緒方貞子国連難民高等弁務官が17日、森喜朗首相、河野洋平外相と相次いで会談した。緒方氏は、紛争地帯などで支援活動にあたる非政府組織(NGO)を育てるため、国連機関「アジア太平洋地域国際人道センター」(仮称)を年内にも東京に設立する方針を示した。外相はこのセンターを、国連に設けた「人間の安全保障基金」を活用して支援する考えを伝えた。
 センターは専従スタッフをもつが、場所は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の日本・韓国地域事務所(東京都港区)に間借りする。国連職員の人材育成にかかわってきた米ウィスコンシン大と協力してカリキュラムをつくり、インターネットによる通信教育や講演会を開く計画だ。[2000-04-17-21:48] 276
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 04/17@消滅危機の「満州語」の保存活動がスタート(読売新聞)

 清朝を打ち立てた中国の少数民族、満州族の言語「満州語」が、消滅の危機に直面している。清朝創設以降、約四百年間に及ぶ、漢族文化への同化の中で、漢語(中国語)が母語に取って代わったためで、今や満州語を話せる満州族は「百人足らず」との説もある。生活言語としては、来世紀初頭に“完全消滅”する可能性も出てきたため、中国は満州族言語文化研究センターを大学に設立するなど、本格的な満州語保存活動に乗り出した。(ハルビンで 藤野 彰) 満州族の故地・中国東北地方(旧満州)の黒竜江省ハルビン市。その東南に位置する、阿城市所属の満州族農村「料甸満族郷」を訪れた。
 料甸満族郷は人口約三万のうち約60%が満州族。金代女真族の末えいとされる、典型的な満州族の農村だ。オンドルを備えた農家の構造や食習慣の一部に満州族の伝統文化がなお息づいているものの、村内では漢語が日常的に使われ、満州語は村役場の表札などに文字としてわずかに記されるにとどまっている。
 満州族の郭玉楼・郷長(村長)(50)は「満州語は年寄りの村人でさえも話せない。私の両親も話せなかった。満州族の家には家系図があるが、最も古い時代の記録は満州文字で書いてあるので、だれも読めない」と語る。
 村で唯一、満州語ができるのは、役場で民族・宗教行政を担当している関志坤さん(34)(満州族)。しかし、高校卒業後、ハルビンの研究機関で二年間学んだもので、満州語は母語ではない。関さんは「真に(母語として)満州語を使えるのは、全国に三十―五十人程度しかいないのではないか」と推測する。「満族郷」とはいえ、村の小中学校に満州語の授業は皆無で、満州語は実質的に消滅状態にある。
 満州語はアルタイ語族の満州・ツングース語派に属する言語。満州族が支配民族だった清朝時代は「国語」に位置付けられ、公式言語として用いられた。だが、圧倒的多数派である漢族の文化への同化が進み、書き言葉、話し言葉ともに衰退の道を歩んだ。専門家によると、現在、満州語は黒竜江省黒河、富裕など、交通不便な辺境の一部集落で、ごく少数の老人が話すのみとなっている。
 こうした危機的状況を前に、ハルビンにある黒竜江大学は昨年十二月、満州族言語文化研究センターを設立。満州語を言語、歴史、民族学などの面から多角的に研究し、継承、保存していくのが目的だ。
 趙阿平・同センター主任(45)(満州族、女性)は「満州語は遼寧省や吉林省ではすでに滅びてしまった。黒竜江省でもあと十数年すれば、話せる老人たちがいなくなってしまうため、消滅の瀬戸際にある。満州語を生活言語として話す社会環境はもはや中国に存在しないので、満州語を新たに普及させるのは非常に難しい」と指摘する。
 しかし、趙主任によると、満州語が中国文化に与えた影響は大きく、清代に満州語で書かれた文書・史料は全国に約二百万件(冊)もあり、黒竜江省内だけでも約六十トンもの文献が保存されているという。
 このため、二十一世紀に向けて、満州語を十分理解し、言語文化を継承していく人材の育成が急務となっており、同大では大学院生を対象にした満州語講座を、早ければ年内にも開設することを計画している。
 満州族 中国では「満族」と呼ぶ。総人口約九百八十万人(一九九〇年)。中国の計五十五の少数民族の中ではチワン族に次ぐ人口を誇る。遼寧、吉林、黒竜江の東北三省に約七割が居住するが、河北、北京、内モンゴルなど全国各地に散在しているのが特徴。姓には「金」「関」「那」などが多い。満州語の文字は十六世紀末、モンゴル文字を基に作られた。[2000-04-17-21:45] 283
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 04/17@紛争予防をサミットで議論を…緒方貞子氏(読売新聞)

 緒方貞子・国連難民高等弁務官(UNHCR)は十七日、首相官邸で森首相と会談し、七月の沖縄サミット(主要国首脳会議)で紛争予防の問題を積極的に議論するよう要請した。
 緒方氏は、日本政府のコソボ自治州や東ティモールの難民支援に感謝したうえで、「紛争の原因を解決しないと難民問題は解決しない。サミットで紛争予防や紛争後の解決も議論してほしい」と強調。今年末に予定される退任時に、難民が中学生教育を受けられる基金を創設したい意向を明らかにし、日本の協力を求めた。
 これに先立ち行われた河野外相との会談では、緒方氏が日本やアジア太平洋地域の民間活動団体(NGO)の能力の向上を図る「アジア太平洋地域国際人道支援センター」をUNHCR東京事務所に開設する計画を示したのに対し、外相は支援の検討を表明した。[2000-04-17-20:44] 287
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 04/17@<UNHCR>緒方貞子高等弁務官 森首相と河野外相と会談(毎日新聞)

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の緒方貞子高等弁務官は17日、森喜朗首相と河野洋平外相をそれぞれ訪ね、日本の仮設住宅が使われているコソボや自衛隊が派遣された東ティモールの現状を説明した。
 緒方氏は森首相に「特に紛争後の対応が大事で、緊急人道支援がうまくいっても、次の開発援助までに時間がかかりがちだ」と指摘。九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)の紛争予防に関する論議で、日本が各国に開発援助の早期開始を積極的に働きかけるよう求めた。首相は「紛争当事国の内政との関係が問題だ」と答えるにとどまった。
 河野外相との会談で緒方氏は、アジア・太平洋地域のNGO(非政府組織)メンバーに講習会やインターネットを利用した通信教育を実施し、活動能力を向上させる「国際人道支援センター」の設立計画を説明、日本の支援を要請した。緒方氏はまた、今年末の任期切れまでに、難民の中学生を対象にした教育資金を集めたいという計画も明らかにした。【伊藤 智永】[2000-04-17-20:07] 291
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 04/17@<英露首脳会談>プーチン次期大統領 ブレア首相と会談(毎日新聞)

 【ロンドン17日石郷岡建】ロシアのプーチン次期大統領は17日、ロンドンの英首相官邸でブレア首相と会談し、二国間関係や国際情勢などについて幅広く意見交換した。西側先進国首脳との会談は先月末の大統領当選後初めて。プーチン氏は今月末に日本の森喜朗首相、5月から6月にかけて江沢民・中国国家主席、クリントン・米大統領との会談を予定しており、エリツィン前大統領時代に停滞していたロシア外交の新たな始動となる。
 プーチン氏が西側初訪問国として英国を選んだ理由についてはさまざまな憶測がながれているが、ブレア首相が先月中旬、サンクトペテルブルクを訪問したことへの答礼以上の意味があり、英露双方が長期的外交戦略の第一歩とみた可能性が強い。
 エリツィン前大統領は米国に対抗するため「多極世界外交」をスローガンに、欧州では露仏独の3国関係強化という欧州枢軸路線を打ち上げていた。ドイツにコール首相(当時)というロシアに理解ある指導者が存在したことも大きい。
 しかしコール氏やミッテラン前仏大統領が去り、新たに現れたシュレーダー独首相、シラク仏大統領を軸とする欧州は、ロシアのチェチェン紛争への批判が激しく、かつてのような関係を結ぶ余裕がない。
 結局、欧州での手がかりは、北アイルランド問題を抱え、チェチェン問題により理解があるとされる英国となる。英国側も自らの思惑で、ロシアへの接近を狙っている可能性が強い。
 その一方で、プーチン氏の現実主義路線は、欧州の背後に控える米国をにらんでいる。米国との関係強化抜きのロシアの国際的地位の向上はあり得ないというさめた計算があり、米大統領選の行方を見守るため、しばらくは英国を通じて米国との関係強化を図ろうという意向が見え隠れする。
 プーチン氏は急進経済改革派学者の大統領顧問任命▽第2次戦略兵器削減条約(START2)批准▽チェチェン紛争の政治的対話開始の示唆――などを訪英前に打ち出し、西側との協力の用意を表明した。英露両国間の「戦略的協力関係の樹立」や「相互協力関係の新段階」といった言葉も飛び交っている。
 しかし、チェチェン問題などでロシアへの批判や警戒感も根強く、プーチン・ブレア関係がゴルバチョフ元大統領とサッチャー元首相の協力関係の域に達するかどうか、疑問視する声も多い。プーチン氏の英米傾斜の新外交路線がうまくいかない場合、ロシアは中国やインド、日本など東を向くことになろう。[2000-04-17-19:40] 300
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 04/17@NGO支援センターに協力 外相が高等弁務官に表明(共同通信)

 緒方貞子国連難民高等弁務官は十七日午後、首相官邸で森喜朗首相、外務省で河野洋平外相とそれぞれ会談した。緒方氏は河野外相に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が進めている非政府組織(NGO)の活動支援のための「アジア太平洋地域国際人道支援センター」設置計画に日本の協力を求めた。
 外相は「大変有意義なので、(国連に設置している)『人間の安全保障基金』を活用して支援を前向きに検討したい」と述べた。
 また、緒方氏は、緊急人道支援から開発援助へ時間的な空白を生じさせずにスムーズに移行させるよう改善を要請した。
 森首相との会談で、緒方氏は主要国首脳会議(沖縄サミット)について「紛争予防、紛争後の解決についてよろしくお願いしたい」と強調。UNHCRが現在進めている難民キャンプの中学生への教育支援基金設立に日本の協力を求めた。[2000-04-17-18:25] 303
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 04/17@<メールボックス>国連で寝る場所ランキングが人気(毎日新聞)

 ◇先月離任したフランスのデジャメ前国連大使が、昼寝に向いた場所12カ所をまとめた冊子「国連で寝る」を作り、置き土産として配っていった。
 ◇各スポットを「快適さ」「照明」「静けさ」を基準にランク付けしている。図書室の雑誌閲覧室は「他人のいびきが響いてくる」という欠点はあるが「なかなか」。コーヒーとケーキがたっぷりあるEU(欧州連合)の会議室も「快適」なのだそうだ。
 ◇国連といえば、長い会議が有名で、徹夜も珍しくない。昼寝でもしないと体がもたないのか。冊子は大量にコピーされ、隠れたベストセラーになっている。【ニューヨーク・上村 幸治】[2000-04-17-18:11] 309
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 04/17@チェチェン仲介ちらつかす 司直の手迫るロの大物政商(共同通信)

 【モスクワ17日共同】長期化するロシア・チェチェン紛争で、ロシアの大物政商ベレゾフスキー氏が仲介役を果たす意向をちらつかせている。その背景には、数々の汚職疑惑で司直の手が迫る同氏が紛争調停で影響力を誇示、恩赦権限を持つプーチン大統領代行兼首相に取り入ろうとの思惑が指摘されている。
 チェチェン共和国のマスハドフ大統領は十七日までのラジオ・インタビューで、ロシア側に停戦交渉を呼び掛け、ベレゾフスキー氏を武装勢力側のバサエフ野戦司令官らと同列に扱うかのような発言をした。
 発言についてロシア紙セボードニャは、ベレゾフスキー氏自身がチェチェンを含む北カフカス地方での影響力を誇示、プーチン代行に(調停打診のため)会ってみたいと思わせるために仕掛けた可能性があると論評した。
 ベレゾフスキー氏に対しては、ロシア最大の航空会社アエロフロートが絡む海外への違法送金、資金洗浄疑惑に関してウスチノフ検事総長代行が近く起訴状を用意、同氏の下院議員としての不逮捕特権はく奪への同意を議会側に求める意向とも伝えられている。
 同氏はエリツィン前政権と癒着、政権人事にも介入してきた大物政商だが、旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身で規律を重視するプーチン新政権下で、その影響力は急速に低下。恩赦の可能性についても最高検当局者は「空想上の話」と一蹴(いっしゅう)しているという。[2000-04-17-15:57] 313
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 04/17@◇ロシア大統領代行、国際機構でベラルーシと共同歩調◇(朝日新聞)

 ロシアのプーチン次期大統領は16日、大統領当選後初の外遊としてベラルーシの首都ミンスクを訪れ、ルカシェンコ大統領と会談、両国による連邦国家創設や軍事上の協力問題などを協議した。会談後、プーチン氏は国連や欧州安保協力機構(OSCE)などの国際機構で両国が共同歩調を取る必要性を強調した。
 同氏は、ベラルーシや中国と協力して米国による弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しに反対する方針も改めて示した。また、反対派への強硬姿勢でルカシェンコ大統領が西側の批判を受けていることについても「ロシアはベラルーシの利益を欧州連合諸国などに対して擁護していく」と表明した。
 しかし、昨年暮れに調印されたベラルーシとの連邦国家創設条約について同氏は「両国には税制や関税などで違いが残る。強固な経済面の基盤なしに政治や国防の一体化は進まない」と指摘、連邦国家づくりは注意深く一定の時間をかけて進めるべきだとの姿勢を示した。さらに、「連邦国家の創設は米国など第三国への対抗を目指すものではない」とも述べた。[2000-04-17-14:00] 324
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 04/17@◇ジンバブエで黒人による農地占領拡大 白人農場主射殺も◇(朝日新聞)

 黒人による白人の農場占拠が拡大する南部アフリカのジンバブエからの報道によると、首都ハラレの東約70キロにあるマロンデラで15日、白人農場主がムガベ政権支持者とみられる勢力に射殺された。ほかにも野党メンバー2人が殺されたほか、数人の農場主が暴行を受けたり、一時的に拉致されたりしたという。対英独立戦争を戦った元ゲリラに率いられた、白人農場の組織的な占拠が2月に始まって以来、農場主側に死者が出たのは初めて。同地区では、農場主約50人が農場を放棄し、身の安全の確保できる場所に避難したと伝えられる。
 ムガベ大統領は16日、「土地の明け渡しは全体として平和裏に行われている。農場主には抵抗しないように呼びかけたはずだ」などと支持者らに語った。一連の農場占拠は、同大統領が「独立戦争を戦った者に、農地を確保する権利がある」などと語ったことから引き起こされ、これまでに約1000カ所の農場が乗っ取られたとされる。
 最高裁は土地の占拠を警察が取り締まるべきだとしているが、警察は積極的に介入する姿勢をみせていない。旧宗主国の英国は、ジンバブエに法に基づく適正な措置を求め、両国間に緊張が高まっている。[2000-04-17-10:53] 326
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 04/17@<ジンバブエ>無法地帯化した農場占拠事件現場(毎日新聞)

 【ムレワ(ジンバブエ東部)16日藤原章生】「何しに来た」――。白人農場主が射殺されたジンバブエ東部ムレワ町の「ジンバブエ元解放闘士事務所」を記者が16日訪ると、立てこもる武装集団は一斉に叫んだ。中庭にはこん棒や自動小銃を抱えた20代から40代の男女約50人が座り込み、辺りには警官も軍人もいない。ムガベ大統領が命令しない限り、無法地帯の殺害現場にだれも手を出せない。ここは法治国家ではない。
 「お前は何だ」。車で現場を訪れると迷彩服を着た40代の女性の一声でこん棒を持った男たちが出てきた。目が血走っている。「昨日(15日)の(殺害)事件について聞きたい」。そう言うと、奥の男たち10数人が「入れ、その車で来い」と扉を開けた。
 記者に同行した運転手は「やばい。危険だ」と慌てた。現場に来たのは内外記者でほかにいない。武装集団の取材は約10分で切り上げた。
 そのころ、事務所の中では前夜から捉えられた2人の白人農民が拷問に遭っていた。3時間後に解放された2人のうちの1人、スチュワート・ゲミルさんは80キロ離れたマロンデラの病院で体中のあざを見せてくれた。前夜、農場で捕まった友人の白人農民を追いかけ、最後は目の前で友人を射殺され、暴徒に殴られ続けたという。
 ジンバブエでは大統領権限の拡大を図る憲法改正が国民投票で否決された2月中旬から、「元解放闘士」を名乗る推定5000人の武装集団が白人所有の農場計1000カ所を占拠した。黒人労働者を中心に数百人が拷問に遭い、2人が死亡した。
 暴力の動機には極端な人種間の貧富の格差に対するねたみがある。だが5月に予定される議会選でムガベ大統領率いる与党・ジンバブエ・アフリカ民族同盟の敗北が色濃いことへの不満も大きい。暴徒は「白人=野党支持」とみなし「与党を支持しなければ殺す」と抵抗する黒人労働者を拷問する。実態は土地問題ではなく、選挙をにらんだテロだ。
 ジンバブエ大学のジョン・マクンベ教授(政治学)は「農場占拠事件は、人気が衰えたムガベ大統領による扇動だ」と断言する。
 殺害現場から500メートルほどのムレワ警察署は事件から丸1日が過ぎても、暴徒に近づこうともしない。16日に帰国したムガベ大統領は「私は暴力を支持しない」と語ったが、検挙に乗り出していない。独裁国家のような状態では何事も大統領次第だ。[2000-04-17-10:16] 332
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 04/17@米下院議員がイラク訪問 子供の健康影響を調査(共同通信)

 【カイロ17日共同】イラクからの情報によると、米下院のトニー・ホール議員(民主党)が十六日、バグダッドに到着した。
 一九九○年八月の湾岸危機以来長期化している国連経済制裁がイラクの子供の健康に与える影響を、人道的な見地から現地調査するのが目的。二十日までの予定で、バグダッドや南部バスラなどの病院や孤児院を赤十字国際委員会やユニセフ(国連児童基金=UNICEF)関係者らと訪問。結果は報告書にまとめ、米議会に提出する。
 米国会議員のイラク訪問は、九五年に当時民主党下院議員だったビル・リチャードソン現エネルギー長官が、不法越境を理由に身柄をイラクで拘束された米国人二人の釈放交渉のためバグダッドを訪れて以来。
 ホール議員自身はイラク政府高官との会談予定はないとしているが、赤十字関係者によると、バグダッドの小児病院の訪問時にムバラク保健相と会う可能性があるという。
 イラク政府は、約十年に及ぶ経済制裁による医薬品不足などの影響で、これまでに子供約七十五万人を含む約百二十万人が死亡したと主張している。[2000-04-17-08:32]
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 04/18@<欧州合同軍>KFORの指揮権移管 独自軍の実現に第一歩(毎日新聞)

 【ブリュッセル18日森忠彦】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州で治安維持活動を続けているコソボ平和維持部隊(KFOR)の指揮権が18日、これまでの北大西洋条約機構(NATO)から欧州合同軍に移管された。欧州連合(EU)が設立を目指す緊急展開部隊の前身となる欧州合同軍が本格始動したことで、EU独自軍の実現に向けて大きな第一歩を踏み出したことになる。
 欧米諸国はNATOのユーゴ空爆停止(昨年6月)を受けて、NATO加盟国にロシアなどを加えた国際治安部隊をコソボ域内に駐留させ、アルバニア系、セルビア人の両勢力の緊張緩和と復興支援に当たってきた。現在、36カ国約4万5000人の要員のうち、8割が欧州諸国で、当初比重が大きかった米国は6000人弱に減っている。
 EUは昨年末の首脳会議で2003年までに緊急展開部隊の設立を決めた。旧ユーゴ紛争で米国に過度に依存した経緯を反省し、欧州域内で発生した紛争解決に当たる5〜6万人規模の独自部隊だ。また、各国軍による部隊とは別に警官などの文民組織による「緊急対応機関」の併設も計画されている。
 今後はドイツ、フランス、スペイン、ベルギー、ルクセンブルクの5カ国で構成する欧州合同軍(本部・仏ストラスブール)が中心となり、英国などの欧州諸国も従来通りの形で参加する。新司令官には合同軍のオルツノ司令官(スペイン)が就任した。指揮権を委譲したNATO派遣のラインハルト司令官(ドイツ)は17日、「移管による大きな変化はない。引き続き、非合法な武力活動の抑止に全力を尽くしてほしい」と語った。
 コソボ北部では春先からアルバニア系住民、セルビア人の両勢力による衝突が続いている。一方、KFOR内部では、駐留長期化に伴い、部隊の士気低下もみられる。隣国マケドニアでは先週米兵30人が泥酔し、地元警察に拘束される事件があった。NATOから指揮権を引き継いだ欧州合同軍は、民族対立の鎮静化と多国籍部隊の統制という難題でさっそく真価が問われることになる。
 欧州合同軍 欧州独自の防衛機関として1992年に独仏合同旅団が発足。95年11月、合同軍に格上げされ、ベルギー、スペイン、ルクセンブルクも加わった。最大兵力6万人。本部・仏ストラスブール。ボスニア・ヘルツェゴビナの平和安定化部隊(SFOR)にも独自に150人を派遣。コソボには当面335人の軍人か常駐し、関係国と共同でKFORの指揮に当たる。EUは、英国なども加わる西欧同盟(WEU、10カ国)を年内に併合し、EU独自の統合安保機構を設立する方針だ。[2000-04-18-18:22] 18
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 04/18@広島の「被爆瓦」、イタリアに寄贈(読売新聞)

 広島平和記念公園から出土した原爆の熱線を浴びた瓦(かわら)が、東京・墨田区の建設会社会長の橋渡しで、イタリア北部のベルーノ県ファーチェン町に来月二十七日に開館する「夢博物館」に寄贈され、被爆国・日本の痛みのシンボルが初めてイタリアで公開されることになった。
 同博物館を開くのは、一九四八年に設立され、孤児や未成年の知的障害者を受け入れている福祉施設「サン・フランチェスコの家」。
 この施設では、ユーゴ紛争の戦災孤児らも受け入れるなど、百人を超えるボランティアが、子供たちの寄宿生活や教育を支援しているが、昨年から「夢博物館」設立構想が持ち上がり、世界各国に「平和をつくるための石」を寄贈してくれるよう打診していた。
 その結果、ベルリンの壁の破片、ローマ法王の自室のテラスのタイル、ナチスの収容所の壁の破片など、千点以上の「石」が集まった。
 被爆した瓦は、広島平和資料館に多数、収蔵されている。今回寄贈されるのは、これとは別に今年になって、平和記念公園で出土した一つの瓦。
 昨年、フレスコ画の修業をしながら同施設のボランティアをしている坂田秀夫さん(65)が、友人で、たまたま現地を訪れた東京・墨田区の建設会社の会長西村清さん(65)に、相談を持ちかけた。西村さんは「広島で被爆した瓦が趣旨にぴったり」と考え、広島平和資料館に寄贈を打診。当初、同資料館は「(被爆の瓦は)日本の財産。簡単には出せない」と難色を示した。
 「だからこそ外国の人々に見てもらった方がいい」と思った西村さんは、「サン・フランチェスコの家」の実績や財政基盤についての証明書類を作り、八か月にわたり交渉を重ねた。その結果、ちょうど今年に入って平和記念公園内で瓦が見つかったため、この瓦を、広島市から寄贈してもらえることになった。[2000-04-18-15:36] 19
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 04/18@イラク国防相がロシア訪問 軍事協力を協議(共同通信)

 【カイロ18日共同】国営イラク通信(INA)は十七日、イラクのジャブリ国防相がこのほどロシアを訪問、セルゲーエフ国防相と会談したと伝えた。一九九一年の湾岸戦争の後、イラクの国防相が外国を訪問したのは初めてとみられる。
 INAによると、ジャブリ国防相は十四日から十六日までの三日間、ロシアを訪問。セルゲーエフ国防相との間で「イラクに対する不当な制裁とともに、軍事分野での両国関係を協議した」という。
 イラクが国連制裁を受けている中で、外国との軍事協力の協議を公表したのは初めて。ロシアのタス通信は、ジャブリ国防相はユーゴスラビア訪問の帰途、ロシアを訪問したと伝えている。ジャブリ国防相の外国訪問は、事前には一切、公表されていなかった。
 イラクと旧ソ連は一九七○年に軍事協定を締結、ソ連崩壊後はロシアが同協定を引き継いでいる。イラク軍はほぼ全面的にロシア製兵器に依存している。[2000-04-18-10:20] 20
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 04/18@●A・リント氏死去 元国連難民高等弁務官(共同通信)

 オーギュスト・リント氏(元国連難民高等弁務官)スイス通信などによると、14日、ベルンで死去、94歳。死因は不明。
 1905年8月、ベルン生まれ。欧州紙のアジア特派員やスイス外交官として活躍した後、56年に第2代国連難民高等弁務官に選出された。旧ソ連が軍事介入した同年のハンガリー動乱で、オーストリアやユーゴスラビアに逃れた約二十万人のハンガリー難民らを支援し、60年まで同ポストを務めた。(ジュネーブ共同) [2000-04-18-07:34] 21
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 04/18@<英露会談>両首脳「特別な関係」の構築に向けた大きな一歩(毎日新聞)

 【ロンドン17日笠原敏彦】プーチン・ロシア次期大統領が西側では初の訪問国に英国を選んだことを、ブレア英政権は「外交的な成功」と受け止め、米国や欧州連合(EU)とロシアをつなぐ架け橋となることで国際的な影響力を強めたい狙いだ。チェチェン軍事作戦で批判を受けるプーチン氏の訪英に強い反発が出る中で、両首脳は「特別な関係」の構築に向けた大きな一歩を踏み出した。
 ブレア首相は3月中旬のサンクトペテルブルクでのプーチン氏との非公式会談を受けて「彼はロシア近代化に明確な目標を持っている」と述べ、改革者としてのプーチン氏に期待を表明した。この発言は、サッチャー元首相が1980年代半ばにゴルバチョフ元大統領を「ビジネスができる相手」と評価し、西側諸国との関係を築く端緒となったことを想起させるものだ。
 欧米諸国がKGB(旧ソ連国家保安委員会)出身であるプーチン氏の評価を定めかねている中で、ブレア政権は「英国はロシアと西側諸国の架け橋になる」と公言。ロシアの政治、経済改革に向けて首相府の顧問を来月にもモスクワに派遣する予定で、積極的な対露外交のイニシアチブを握った。
 一方で、プーチン氏の招待には、野党や人権団体から「チェチェンでの人権弾圧に暗黙の承認を与える行為」と批判が噴出しているが、ブレア首相は17日の会談後の会見で「チェチェン問題でロシアを孤立させてはならない。関与により問題解決を図ることが重要だ」と述べ、実務的な関係構築が人権問題に優先されるとの立場を示した。
 英国は対露外交で、ドイツ、フランスに遅れをとってきた。ブレア政権は「欧州における指導的な役割」を外交上の目標に掲げている。ロシアは冷戦後も、安全保障を軸に欧州には重要な国であり、英国にとって対露外交で影響力を確保することは大きな意味を持つと見られる。
 プーチン氏の訪英は、欧州議会が今月上旬にチェチェン問題でロシアの資格停止の手続きを始める中で決まった。ブレア政権はユーゴスラビア・コソボ紛争では人権擁護の立場から最も強硬な姿勢を貫き、北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆を引っ張った。両紛争における対応は対照的だが、外交的な主導権を握りたいという点においては共通している。[2000-04-18-00:48] 187
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 04/18@分裂保守陣営の再結束なるか、パリ市長選へ重要局面(読売新聞)

 【パリ18日=池村俊郎】前回一九九七年の総選挙に大敗した後、分裂状態にあったフランスの保守陣営が、来春のパリ市長選に向けた候補者選びで結束を実現できるか重要な段階を迎えている。候補者選びで分裂が加速されるようだと、シラク大統領の再選戦略ばかりか、保守勢力の沈没につながりかねない。
 パリ市長は、シラク氏が九五年に大統領に当選するまでの十八年間務め、保守政党・仏共和国連合(RPR)の牙城(がじょう)と化した。
 だが、シラク前市長の番頭格で後継になったジャン・ティベリ市長の疑惑騒ぎや不人気に、保守勢力の低迷が加わり、来年三月の統一地方選でのポスト保持に赤信号が点滅し、保守陣営は危機感を強めた。
 RPR執行部の反対にもかかわらず、ティベリ氏が再選に固執する中で、RPRではフィリップ・セガン前総裁、フランソワーズ・ドパナフィユー前パリ副市長、エドアール・バラデュール元首相の有力三人が立候補を表明し、舞台裏での駆け引きが熱気を帯びてきた。
 RPRにとって、上手に候補者を一人に絞り込むことができるかどうかは、保守・中道の結束実現に大きく寄与する意味を持っている。
 シラク大統領は最近、長くライバル視して遠ざけてきたセガン氏をエリゼ宮に招き、和解の姿勢を見せた。会談内容は明らかにされていないが、セガン氏が二〇〇二年の大統領選でシラク氏の再選に向けて協力する代わりに、シラク氏がセガン氏をパリ市長選で支援する黙約が成立したともいわれる。
 一方、党本部は独自の調査を実施した上で五月までに、ティベリ氏を含む四人から「一人の正式候補に絞り込む」と発表した。これを受けティベリ氏も「党の選択を受け入れる」と軟化した。
 世論調査だと、社会党から立候補を表明しているベルトラン・ドラノエ上院議員に勝てる保守候補はセガン氏。だが、バラデュール氏ら三候補と違い、パリっ子ではない弱点を指摘する声もある。
 市長候補に最も気をもむのがシラク大統領といわれるのも、大票田のパリを制すれば、大統領選挙に有利になるからだ。候補者選びと選挙の帰すうが、自身の二〇〇二年再選戦略に深くかかわっている。[2000-04-18-22:46] 192
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 04/18@<国連人権委>中国の人権弾圧を批判の決議案が不審議に(毎日新聞)

 【ジュネーブ18日福原直樹】中国政府による表現や宗教の自由など人権弾圧を批判した米国の決議案が18日、当地で開催中の国連人権委員会にかけられたが、「決議案の採決を行うべきでない」とする中国の動議が採択され、結局不審議のまま終わった。
 動議はロシア、インド、パキスタン、アフリカ諸国などが賛成に回り、賛成22対反対18(棄権12)で採択。欧州各国や日本は反対票を投じた。米国は、天安門事件が起きた翌年の90年からほぼ毎年、国連人権委に対中人権非難決議案を提出してきたが、毎回の中国の動議採択で審議・採択されていない。[2000-04-18-22:18] 193
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 04/18@◇国連人権委で中国非難決議案は採択されず◇(朝日新聞)

 国連人権委員会(53カ国で構成)は18日、米国が提出した対中国人権非難決議案の採決をめぐって審議した。中国はこれに対し、「決議案を採決しない動議」を提出、4票差で承認され、決議案は採決されなかった。
 米国の決議案は、「法輪功」の非合法化やメンバーの大量逮捕など中国当局の厳しい措置や、チベットにおける宗教的自由に対する抑圧に懸念を表明、政治犯の釈放や司法の改善措置を求める内容。中国の動議については、米国や日本、欧州連合(EU)諸国などが反対したが、ロシアのほかアジア・アフリカの発展途上国などが支持し、22対18(棄権12、ルーマニアは欠席)で可決された。
 中国非難決議案は1989年の天安門事件以来毎年のように出されてきたが、いずれも中国の抵抗で不採択だった。96年以降は、中国が提出した「決議案を採決しない動議」が通り、決議の採決自体行われていなかった。米国は今年、オルブライト国務長官を本会議に送り込み、各国の支持を要請、中国もこれに対抗して、激しい多数派工作が繰り広げられた。[2000-04-18-22:15] 194
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 04/18@<ダライ・ラマ>敏感過ぎると日本政府を批判  ビザ発給で(毎日新聞)

 来日中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は18日、東京都内でマスコミ各社の質問に答え、日本政府が「政治的活動を行なわない」との条件付きで査証(ビザ)を発給したことなどについて「敏感過ぎると思った」と述べ、日本政府の姿勢を暗に批判した。予定していた石原慎太郎・東京都知事との面会が実現しなかったことに関しては、「会えるのを楽しみにしていたが、訪日は本来、政治的なものではなかった。招待してくれた団体や日本に迷惑をかけたくなった」と胸中を語った。
 ダライ・ラマはチベット問題について「求めるのは独立ではなく、純粋の高度な自治だ」と従来の立場を示した。また、中国当局がチベット自治区の最優先課題とする「安定と団結」のために、「我々は貢献できる。反中国ではなく、民族の統一を進める立場にある」と強調した。
 さらに「中国の国際的役割はますます大きくなる。孤立させるのは間違いだ」と指摘する一方、「各国政府は人権やチベットなど基本的問題に対して強い態度で接することが重要」と外国からの直接的、間接的な支援を求めた。
 約1時間半のマスコミとの質疑は当初、記者会見として開催が予定されたが、「日中両国政府などへの刺激を避けるため」(関係筋)、記者懇談会として開かれた。
 ダライ・ラマは京都精華大学の招きで13日に来日、20日の離日まで首都圏ほか京都や静岡で講演や交流活動を続けている。【飯田 和郎】[2000-04-18-21:50] 203
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 04/18@プレステ2に輸出許可 手続き簡素化で通産省(共同通信)

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のゲーム機「プレイステーション2」が輸出規制の対象とされた問題で、SCEは十八日、通産省から輸出許可を得たことを明らかにした。SCEは今秋以降、北米と欧州で本年度内に計六百万台を販売する意向。
 深谷隆司通産相は同日の記者会見で「暗号や画像処理の点で輸出許可が必要。だが一般商品でもあり許可の手続きを簡素化している」と述べた。
 ハイテク技術の移転に関する国際的な輸出規制は、ココム(対共産圏輸出統制委員会)を改編した「ワッセナー・アレンジメント」に基づいて各国が実施。日本は外国為替及び外国貿易法で規制している。
 現在、イラン、イラク、リビア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を「懸念四カ国」として規制している。[2000-04-18-17:34] 206
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 04/18@◇イスラエル、7月7日までにレバノンから撤退完了を言明◇(朝日新聞)

 国連に対し、レバノン南部から撤退すると通告したイスラエルのヤフダ・ランクリー国連大使は17日記者会見し、撤退の期限を7月7日と言明した。また、レバノン南部のイスラエル占領地帯(安全保障地帯)を中心に展開している親イスラエル民兵組織、南レバノン軍(SLA)について「規模は3000人から4000人。イスラエル軍撤退にともない、イスラエル国内に定住することをふくめてその安全を保障したい」と述べた。
 イスラエル軍はレバノン戦争後の1985年、北部領土の治安維持のためとして、レバノン南部に「安全保障地帯」を設定。イスラエルが南レバノンのキリスト教右派を中心に組織化したSLAを配備してきた。ランクリー大使は撤退後のレバノン国境の安全保障に関し「国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)の保護と国境のイスラエル側での兵力再配備で安全を確保する」としている。UNIFILは現在、4463人の兵員が監視活動に当たっているが、国連安全保障理事会はイスラエル軍の撤退にともないUNIFILの増強を検討することにしている。[2000-04-18-16:57] 233
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 04/18@<イスラエル>国軍を7月までにレバノンから撤退 国連に通(毎日新聞)

 【ニューヨーク17日上村幸治】イスラエル政府は17日、国連のアナン事務総長に通知(16日付け書簡)を送付し、国連決議に従い、同国軍を7月までにレバノン南部から一方的に撤退させると正式に伝えた。イスラエルのランクリ国連大使も同日、撤退を「7月7日までに完了する」と具体的な日時を初めて明らかにした。
 アナン事務総長は同日、レバノンとシリアの国連大使に書簡の内容を通知し、安全保障理事会にもこれを報告した。
 同時に、撤退によって不測の事態が起きる可能性もあると判断、対応策の検討を始めた。現地では、イスラエル軍の撤退にともなってイスラム武装組織の攻勢が強まり、国境地帯が不安定化するのではとの懸念が生じている。
 イスラエルのバラク首相は先に、レバノンに影響力を持つシリアとの合意なしに、今年7月までに全軍を撤退させると表明。今月初めにはレビ外相がアナン事務総長にその意向を伝えていた。[2000-04-18-09:53] 236
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 04/18@「軍事作戦」完了とロ外相(共同通信)

 【モスクワ17日共同】インタファクス通信によると、イワノフ・ロシア外相は十七日、チェチェン共和国での軍事作戦が完了し、復興に向けた政治的段階に入ったと述べた。しかし、ゲリラ戦に転じたイスラム武装勢力の抵抗は今後も続くとみられ、外相の「作戦完了」発言は、紛争の収拾を強調し、欧米の批判をかわす狙いがありそうだ。
 米CNNのインタビューで語ったもので、外相は連邦当局が仲介者を通じ、共和国のマスハドフ大統領側との接触を続けていることもあらためて指摘した。
 一方、ロシア軍のトロシェフ司令官代行は同日、武装勢力との大規模な戦闘は終わったとしながらも「チェチェンでの戦争が終わったと言うのは時期尚早」と言明、テロ攻撃は続くとの見方を示した。[2000-04-18-09:37] 254
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 04/18@チェチェンに人権調査委、英露首脳が会談(読売新聞)

 【ロンドン17日=芝田裕一】ロシアのプーチン大統領代行(次期大統領)は十七日、ロンドンでブレア英首相と会談した。昨年末の代行就任後、プーチン氏が西側主要国を訪問し、首脳会談を行ったのは初めて。プーチン氏は、会談後の記者会見で、焦点のチェチェン共和国紛争に関し、ロシア側が、露連邦軍部隊などによる人権侵害疑惑を調査する非政府系委員会の設置を決めたことを明らかにした。
 ブレア首相とプーチン氏の会談は、先月十一日にサンクトペテルブルクで会って以来二度目で、約三時間にわたって行われた。チェチェン問題で欧米から非難を浴びるプーチン氏は、まず、ロシアに柔軟姿勢を見せるブレア政権との間で信頼関係を構築し、対欧米関係全体の改善につなげたい考えとみられる。
 英露の接近は、こうしたプーチン氏の計算と、エリツィン大統領時代に独仏中心で進んでいた欧州の対露外交の主導権を握りたいブレア首相の思惑が一致した結果とみられ、両首脳は、年一回首脳会談を定期開催することでも合意した。
 会見で、ブレア首相は、チェチェン紛争に関する人権侵害調査委員会の設置を称賛し、「今後はあらゆる人権侵害の申し立てについて、調査が可能になる」と語り、内外の批判を受けつつ、ロシアとの対話を続けたことは間違いでなかった、との立場を強調した。
 プーチン氏も「委員会の設置はブレア首相が前回要求したものだ」と語り、ブレア氏の努力を評価した。他方、「(チェチェンをめぐる)ロシア国内の見解は、西側とは大きく異なっている。西側指導者の要求は、国内では否定的に受け取られがちだ」とも述べ、設置が政治的なリスクをおかしての譲歩だったことも示唆した。プーチン氏によると、委員会には政府や軍関係者は加わらず、議会やマスコミの代表らで構成されるという。このほか、両首脳は、英企業の対露投資拡大のため、ロシア国内の経済改革と安定化を進める必要があるとの認識で一致。ブレア首相は、プーチン氏と会食した英産業界の代表らが、同氏の改革にかける熱意に対し、理解を示したことも明らかにした。[2000-04-18-02:03]
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 04/19@◎ユーゴ独立系通信社に罰金=「誤報」理由に圧力−ミロシェ(時事通信)

 【ウィーン19日時事】ユーゴスラビアの独立系通信社BETAが19日明らかにしたところによると、ユーゴ司法当局は18日、同通信が配信した記事に事実関係の誤りがあったなどとして15万ディナール(約83万円)の罰金支払いを命じた。
 ミロシェビッチ政権は政権の安泰を図るため、1998年に成立した情報統制法を次々に適用して独立系報道機関に圧力を掛けている。罰金の支払いができずに廃業に追い込まれた反政府系メディアも既に数社ある。ユーゴの平均的な給与水準は月額で数千円程度で、BETA通信に科せられた罰金は高額なものだ。[時事通信社][2000-04-19-21:24] 14
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 04/19@コソボで住民登録実施 自治政府へ向け第一歩(共同通信)

 【ウィーン19日共同】北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆終了後、国連が暫定統治しているユーゴスラビア・コソボ自治州で十九日、ことし秋の地方選挙のための住民登録と有権者登録が一部で試験的に始まる。
 約八十万人の難民の大半が帰還したことを受けて数度の延期の末に実現。混乱がなければ来週から登録作業をコソボ全域に拡大する予定で、アルバニア系住民の悲願である自治政府樹立に向けた最初の一歩となる。
 しかし、昨年六月のNATO主体の国際治安部隊進駐後にアルバニア系住民による襲撃などで州外に脱出したセルビア人やロマ人(ジプシー)の帰還が困難な状況で、今後の登録作業には曲折が予想される。
 作業を進める欧州安保協力機構(OSCE)は七月末までに作業を完了させ、十月を目標として実施する地方選を前に、コソボの人口や有権者数を明確にしたい考え。
 住民登録は現在コソボ内に住む十六歳以上、有権者登録は一九九八年一月一日の時点で住民だった十八歳以上が対象。脱出したまま国外に滞在している人の郵送登録も行う。
 アルバニア系住民の多くは脱出時にユーゴ当局に身分証明書を奪われたため、脱出前の住民台帳と照合することになる。[2000-04-19-15:07] 15
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 04/19@コソボ平和維持活動、欧州合同軍に指揮権移管(読売新聞)

 【ウィーン18日=佐々木良寿】仏、独、ベルギー、スペイン、ルクセンブルクの欧州五か国の軍で構成する欧州合同軍は十八日、ユーゴスラビア・コソボ自治州に展開する北大西洋条約機構(NATO)主導のコソボ平和維持部隊(KFOR、約四万五千人)の作戦指揮任務に就いた。KFOR全体の戦略は今後もNATOが決定するが、治安維持や地雷撤去など平和維持活動の実務については、合同軍が指揮をとる。NATO傘下ではない機構がNATO主体の軍を指揮するのは初めて。
 独仏合同旅団から発展した欧州合同軍は、欧州が二〇〇三年までに創設を決定している欧州だけの危機管理機構「緊急対応部隊」の中核的存在になると期待されているもので、コソボでの作戦指揮の成否は、欧州独自安保体制構築の試金石ともなる。
 この日任務に就いたのは三百五十人の将校で、州都プリシュティナのKFOR本部スタッフの約三分の一を合同軍の将校が占めることになった。また、合同軍のフアン・オルトゥノ中将(スペイン)が、クラウス・ラインハルト大将(独)からKFOR最高司令官を引き継いだ。[2000-04-19-11:59] 16
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 04/19@145人の集団裁判開始 セルビアの裁判所(共同通信)

 【ウィーン18日共同】北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆中にユーゴ軍兵士やセルビア警察官を襲撃したとして起訴されたコソボ自治州のアルバニア系住民百四十五人の裁判が十八日、セルビア南部ニシュの裁判所で始まった。
 ユーゴのベタ通信によると、検察側は、被告が武装組織コソボ解放軍の一派を構成し、セルビア警察官らがコソボ西部ジャコビツァで襲撃されて二人が死亡した「テロ行為」に加わったとしている。
 弁護側は被告が解放軍とは無関係の一般市民であるとして、無罪を主張している。[2000-04-19-08:41] 102
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 04/19@トルコと中国首脳、貿易拡大などで合意(読売新聞)

 【イスタンブール19日=桜井考二】中東諸国を歴訪中の中国の江沢民国家主席は十九日、トルコのデミレル大統領とアンカラで会談した。トルコ国営テレビなどによると、両首脳は二国間の貿易拡大などで合意し、三議定書に調印した。
 具体的な合意内容は公表されていない。デミレル大統領は会談後の共同記者会見で、「両国は、貿易・投資・観光の各分野で、関係を強化する意思を持っている」と述べた。
 一方、江主席は「両国はシルクロードの再活性化に向けて協力しあう」と発言した。これは、トルコ東部のカルス市とグルジアの首都トビリシ市とを結ぶ鉄道敷設計画に中国が協力することを意味する発言と受けとめられている。
 また、江主席は会談で、トルコからの輸入額を現在の年間四千万ドルから今後は三億ドルに拡大したい意向を示した模様だ。
 デミレル大統領は十九日、江主席にトルコ最高勲章である国家栄誉勲章を授与する予定。
 江主席は二十一日までトルコに滞在する。[2000-04-19-22:39] 136
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 04/19@◇「内戦の資金源」アンゴラのダイヤ密売阻止で安保理決議◇(朝日新聞)

 アフリカ南部のアンゴラで続く内戦を激化させる要因となっている、ダイヤモンドの密売を阻止しようと、国連安全保障理事会は18日、アンゴラとのダイヤ取引の監視を強める決議案を、全会一致で採択した。やみのダイヤ取引は、反政府勢力「アンゴラ全面独立民族同盟」(UNITA)が武器を調達する資金源になっている。
 安保理は1998年から、アンゴラ産のダイヤ取引を禁止する制裁を加えているが、密売されたダイヤがアフリカ各国を経由し、世界最大のダイヤ原石市場を持つベルギーや東欧などに流れていると指摘されてきた。
 決議により、5人の専門家による調査チームが発足。違法取引の実態を調べ、10月18日までに国連アンゴラ制裁委員会に報告、11月18日までに制裁決議に違反した国に対し適切な処置をとるなどとしている。[2000-04-19-16:33] 143
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 04/19@◇「窓」―トルコの鞄◇(朝日新聞)

 トルコの古都イスタンブールを訪ねたのは四年前だ。
 地元の知人とバザールに出かけ、トルコ語が記された手提げかばんを買った。
 すると、知人が少し真顔でこう言った。
 「これを持ってギリシャに行かない方がいいよ。意地悪されるといけないから」 トルコとギリシャは当時、犬猿の仲だった。
 ギリシャはキリスト教の国であり、西欧文化の源流でもある。イスラム圏のトルコとは文明が異なるし、歴史的な支配被支配の関係もある。
 加えて、エーゲ海に浮かぶ島の領有権争いや、ギリシャ系とトルコ系に分断されたキプロスの問題など、最近まで激しい利害衝突が続いてきた。
 知人の「助言」は、そんな緊張関係を映したものだ。
 宿敵の関係に変化が起きたのは昨年夏だ。地震に見舞われたトルコに、シミティス首相のギリシャが人道支援を行い、続いて発生したギリシャの地震でトルコがお返しをした。
 その後、雪解けムードの中で組織犯罪の防止、海運業での協力、合弁事業の促進など九項目の協定文書が交わされた。
 シミティス首相は九日に投票された総選挙で勝って政権を維持することになった。この際ぜひ、トルコとの対話を加速してもらいたい。
 トルコは欧亜両大陸にまたがる。その昔は、東ローマ帝国もあった。欧州の仲間入りは念願であり、欧州連合(EU)への加盟をめざしている。そのためにも、ギリシャとの関係改善は必要条件である。
 国連は二十一世紀元年を「文明対話の年」と位置づける。来年は私も文明の十字路に位置するギリシャを旅しよう。無論、あのかばんを手に提げて。
 知人も今なら、きっと喜んでくれるだろう。<文>[2000-04-19-14:00] 157
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 04/19@人種間緊張の緩和呼び掛け アナン国連事務総長(共同通信)

 【ニューヨーク18日共同】アナン国連事務総長は十八日、ジンバブエのムガベ大統領と電話会談し、黒人による白人敵視の空気が広がっている同国の現状に懸念を表明し、緊張を和らげるよう求めた。
 国連報道官によると、大統領は十九日に白人農民の代表と会うと述べるとともに、黒人市民による白人農民殺害事件の発端になった農地占拠問題を解決するため、二十四日に代表団をロンドンに派遣する意向を示したという。
 ジンバブエでは十五日、白人農民の農地を占拠していた黒人市民が白人農民を射殺する事件が発生している。[2000-04-19-10:40] 160
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 04/19@<ジンバブエ>政治学者、ジョナサン・モヨ氏、報復容認の考(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク18日藤原章生】ジンバブエで黒人の「元解放闘士」らによる白人農場占拠が続いている問題について、同国の政治学者、ジョナサン・モヨ氏(43)が17日、ハラレのホテルで毎日新聞と会見し、「ごう慢な白人が報復を受けるのはやむを得ない」と事態を容認する発言をした。モヨ氏はムガベ大統領が率いる与党・ジンバブエ・アフリカ民族同盟の選挙担当で、大統領演説などを下書きする参謀の1人だ。一問一答は次の通り。
 ――白人農民が射殺されるなど、無法状態が続いている。大統領は農場占拠を止めさせるべきでは。
 ◆農場占拠は民主的なデモだ。80年に白人政権(旧ローデシア)から独立を勝ち取った元解放闘士たちは白人に土地を返せと言っている。70年代、抵抗する黒人を殺した白人が今も平然と生きているからだ。外国の報道陣はなぜ、闘士の気持ちをくみ取らないのか。
 ――政府は黒人による復讐を認めるのか。
 ◆政府は残虐な白人に対する復讐を理解している。南アフリカの白人は黒人に謝罪したが、ジンバブエの白人は謝罪も和解もせずムガベ大統領をばかにする。彼らに人権はない。
 ――元解放闘士の憎悪はわかるが、土地の没収は国家がすべきでは。
 ◆20年たっても土地問題は何も解決していない。もはや交渉するような事態ではない。我々は白人に罪を償えと言っているだけだ。ドイツはユダヤ人に今も戦後補償を続けている。それなのに英国、国際機関、援助供与国は、みな白人の味方になり、農地を黒人に返させようとしない。
 ――標的は農民個人ではなく英国ではないのか。
 ◆だが、民衆の運動を止めることは出来ない。我々にとっては外国人(白人)よりも市民(元解放闘士)の方が重要だ。もし市民の欲望を阻めば、暴力は全国に広がる。
 ――国内約7万の白人の5万人はジンバブエ人だ。
 ◆違う。彼らはジンバブエで違法の2重国籍を持つ英国人だ。経済利権のために居座っている。白人はごう慢だ。今でも我々の独立を認めない。ここの白人はみな、南アや英国の高校、大学で教育を受け国に貢献しない。それでも土地は持ち続ける。政府はそんな連中を擁護できない。[2000-04-19-10:35] 161
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 04/19@<国連安保理>アンゴラ反政府勢力制裁の効果的実施を求め決(毎日新聞)

 【ニューヨーク18日上村幸治】国連安全保障理事会は18日、内戦が続くアンゴラの反政府勢力「アンゴラ全面独立民族同盟」(UNITA)に対する制裁が破られている問題を議論し、制裁の効果的な実施を求める決議を全会一致で採択した。
 決議は、国連のアナン事務総長に対し、5人までの専門家で構成する監視機構を設置し現地の情報を収集したうえ、10月18日までに安保理に報告するよう求めている。さらに、11月18日までに、UNITAに対して追加の制裁措置を取ったり、制裁破りに協力している国々に対して何らかの行動を取る用意があると警告している。
 国連が先月まとめた報告は、UNITAが南アフリカのブローカーを通じて、ブルガリアから兵器を輸入したり、周辺諸国の指導者にダイヤを密売して武器などを購入していると指摘し、アフリカの関係国や取り引きの舞台となっているベルギーなどを批判していた。
 国連安保理は1993年、UNITAが国連監視下で行われた選挙の結果を無視して戦闘を再開、同国を内戦状態に陥らせたと非難し、UNITAへの武器や石油の輸出を禁じる制裁を決議していた。[2000-04-19-10:30] 168
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 04/19@NATO拡大に強硬姿勢 プーチン氏(共同通信)

 【モスクワ18日共同】ウクライナ・セバストポリのロシア黒海艦隊を訪問したプーチン・ロシア次期大統領は十八日、「北大西洋条約機構(NATO)のロシア領土への接近に反対する」と厳しい口調で述べ、NATOの東方拡大に強硬姿勢で臨んでいくことを示した。
 プーチン氏は、三月初めの英BBCとのインタビューでは「ロシアの将来のNATO加盟の可能性を排除しない」と発言し、NATOに対し柔軟であるかのような姿勢を示したが、NATO拡大に反発する軍関係者を前に、持ち前の国益主義者的な発言をしたものとみられる。
 プーチン氏によると、BBCでの発言の後、「NATO側からは即座に否定的な回答が返ってきた」という。[2000-04-19-09:02] 182
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 04/19@◇独CDU―「女の子」だからこそ◇(朝日新聞)

 ドイツのコール前首相は、その女性のことをメーチヒェン(女の子)と呼んでいた。
 力量を認め、閣僚にもしたが、一人前の政治家と認めたわけではない。そんなふうに思っていたのだろう。
 その「女の子」に、コール氏が残した大きな負の遺産を清算する役目が託される。皮肉なめぐり合わせだ。
 四十五歳のアンゲラ・メルケル氏がこのほどドイツの保守政党、キリスト教民主同盟(CDU)の新党首に選ばれた。
 旧東独出身の女性で、党員歴は十年しかない。党内で主流のカトリックではなく、プロテスタントで離婚の経験もあるなど、保守の本流にすれば異例ずくめの人事である。
 千人余りの代議員による党大会で九六%の支持を得た。みんなでこの人をもり立てるほかはないほど、党の状況は深刻である。
 見方を変えれば、窮地にあるなかで、党をあげて根本から出直す姿勢を見せた、ともいえる。もとより成否は今後の問題だが、意欲は買ってみたい。
 コール前首相にまつわる不正献金事件が党に存亡の危機を招いた。前首相は一九九三年からの六年間に、百五十万―二百万マルクの献金を秘密口座に隠したことを認めた。
 この金はどこからきたのか。党内からも強く説明を求められたが、前首相は「相手方への信義」を理由に、何も明かさない。
 政党法は一定額以上の政治献金の報告を義務づけている。そこには過去の反省がある。
 ヒトラーもひそかに経済界から資金の提供を受けていた。そういう癒着を防ぐためにも献金はガラス張りに、というのが制度の精神である。それを、CDUの党首を二十五年も務めたコール氏自身が踏みにじった。
 コール氏を継いで党首となったショイブレ氏にも、院内総務のときに政治献金の不適切な処理があった。これも明るみに出て、もはや党首の座にはとどまれない。
 「党はコール離れをしなければならない」と、有力紙への寄稿で最初に言い切ったのが、幹事長のメルケル氏だった。「家父長」と評され、四半世紀にわたって党内を仕切ってきたコール氏の手法から脱却するのでなければ、党に未来はないというわけだ。
 メルケル氏は物理学者から旧東独の政府報道官に転じた。ドイツ統一後に彼女を女性青年相、次いで環境相に据えたのはコール氏だ。その恩人を批判するのかと、党内の有力者たちの態度は初め冷ややかだった。
 だが、一般党員の反応は違った。各地で開かれた党の地方集会でメルケル待望論が高まってゆく。他に先んじた「勇気ある発言」が高く評価されることになった。
 九〇年代前半のイタリアで、政治腐敗の大規模な摘発があった。今では上院議員となったディピエトロ元検事が次のようにいう。
 政治腐敗の構造はよく似ているが、両国の違いも大きい。イタリアの政党は法改正で新たな逃げ道をつくろうとしたが、ドイツでは政党が自己改革をめざす、と。
 あるいは、ほめすぎかも知れない。CDUの「再出発」の行方を見守りたい。[2000-04-19-00:32]
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 04/20@◇米国防長官の諮問委が2正面戦略見直しを提言◇(朝日新聞)

 2025年までを見据えた米国の安全保障政策を検討している国防長官の諮問委員会は19日、冷戦後の米軍の兵力構成や戦力展開の基本になってきた2正面同時対応戦略の転換を求める報告書を発表した。朝鮮半島とペルシャ湾岸を念頭に、ほぼ同時に大規模な武力紛争が起きた場合、どちらにも勝てる戦力を世界規模で配備する、というこの戦略では、機動性を欠き、コソボ型の地域紛争介入や平和維持活動など、これから増える様々な事態に対応できない、と指摘している。また、将来、朝鮮半島が統一した時は、核武装を抑えるために一定規模の米軍が統一朝鮮にとどまるべきだ、と提言した。
 2正面対応戦略は、東アジアでの10万人兵力の展開など、米軍戦力の規模や構成を決める際の前提となっている。ブッシュ前政権時代にまとめられ、クリントン政権が踏襲した。しかし、限られた国防予算のなかで、米軍が旧ユーゴスラビアや中米、アフリカなどに出動する機会が格段に増え、人員や訓練の不足も指摘されるにつれ、議会や国防専門家の間では、もはや時代にそぐわない、との声が強まっていた。
 ハート、ラドマン両元上院議員が委員長を務める「21世紀国家安全保障委員会」には、国防長官や下院議長、北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官などを歴任したメンバーが加わっている。米軍の前方展開戦力の削減圧力が高まる、と予測した昨年9月の中間報告に続く、今回の第2次中間報告は、「唯一の超大国」の軍の任務や戦力構成をめぐる論議に火をつけそうだ。
 報告書は、米軍に必要とされる能力として、米国と同盟国を守る核抑止力▽ミサイルやテロなどから本土を守る力▽大規模戦争に勝つ通常戦力▽地域紛争などに機動的に派遣できる戦力▽人道支援や治安維持のための部隊――の5つを挙げた。そのうえで、「新たな軍事技術が他国に拡散するなかで、21世紀には米軍を効果的に配置するのは難しくなる。米軍はもっと柔軟に動けるようにしなければならない」と強調した。
 その一方で、米軍が世界のあらゆる紛争に出しゃばるのはやめるべきだ、と指摘し、国内情勢を注視すべき重要国として、メキシコ、コロンビア、ロシア、サウジアラビアを例示した。@他国と共同した軍事介入に乗り出す基準としては、同盟国の安全や世界経済に重要な資源の獲得が危機にひんしたり、大量破壊兵器の脅威が高まったりした場合などを挙げた。
 アジア政策では、米軍駐留の継続のほか、「中国の強大化につれ、米中の競争が強まる可能性がある」と指摘した。そのうえで、ロシアやインドとともに、中国を「新たな国際秩序に組み込む」よう、政治、経済的な関与政策を行うべきだ、と述べた。[2000-04-20-13:46] 9
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 04/20@中国海軍司令官が訪米 兵器売却見送りで圧力?(共同通信)

 【ワシントン19日共同】ワシントンの外交筋は十九日、中国の石雲生海軍司令官(中将)が訪米中で、コーエン国防長官らと今週会談したことを明らかにした。
 司令官の訪米は、米国が台湾軍事代表団にイージス艦売却の見送りを通告した時期と一致するため「米政府は司令官から要請されたのではないか」(共和党上院議員筋)との見方も出ているが、スローコム国防次官は「米政府が中国の指示で安全保障問題について決定することはあり得ない」と否定している。
 外交筋によると、司令官は十七日、ワシントンでマイヤーズ米統合参謀本部副議長らと会談、十九日には米太平洋軍司令部があるハワイも訪問した。
 中国軍幹部の訪米は今年一月の熊光楷副総参謀長に続くもので、昨年の在ユーゴスラビア中国大使館誤爆で中断した米中軍事交流が着々と復活していることを示している。[2000-04-20-10:30] 10
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 04/20@コソボに安保理調査団(共同通信)

 【ニューヨーク19日共同】国連安全保障理事会は十九日、国連が暫定統治するユーゴスラビア・コソボ自治州に二十八日から二日間、調査団を派遣することを正式に決めた。
 調査団はバングラデシュのチョウドリ国連大使を団長に、理事国九カ国の大使らで構成。州外に脱出したセルビア人の帰還を促すため、アルバニア系住民による暴力行為の実態などを把握するのが目的。[2000-04-20-10:15] 11
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 04/20@<セルビア人>コソボ内で内部分裂 国連仲介への参加波紋(毎日新聞)

 ユーゴスラビア連邦セルビア共和国コソボ自治州に残った少数派セルビア人が内部分裂し、対立が深刻化している。中部グラチャニツァに本拠を置くセルビア人政治組織・セルビア国民会議は今月初め、昨年9月からボイコットして来た国連仲介の行政機構・コソボ暫定管理会議への参加を決めた。これに対し、強硬派は「交渉参加はアルバニア系住民主導のコソボ独立を容認するものだ」と強く反発し、武装デモを展開した。交渉派はアルバニア系ではなく同胞との対立に直面し、国際治安部隊(KFOR)の保護を受けるという複雑な情勢となっている。【ウィーン・福井聡】
 国民会議の有力メンバー、ヤニイッチ師らは「コソボに残る少数派セルビア人は、国際社会と穏健派アルバニア系住民と協調するほか、生き残る道はない」として交渉参加を決めた。ただし、(1)セルビア人の安全確保(2)昨年来コソボを去った約20万のセルビア人の帰還促進――など条件付きのオブザーバー参加で、「3カ月後に結果が出なければ参加を中止する」という。
 北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆が終了した昨年6月以降、コソボのセルビア人はアルバニア系住民の報復対象となり、不安定な生活におびえてきた。国民会議は暫定管理会議の「構成・運営がアルバニア系住民寄りだ」と批判したが、不参加のままでは自分たちの公的な発言の場がないとのジレンマの中で参加を決めた。
 これに対し、アルバニア系住民との対立が激化しているミトロビツァ地区の同国民会議のイワノビッチ議長は「現時点で参加すれば(コソボの)セルビア人問題は忘れられてしまう」と強硬に拒否する。グラチャニツァの強硬派支持者も「祖国を空爆し、同胞を殺害したような(西側)組織とどうして協調できるのか」と反発している。
 グラチャニツァのセルビア人地域は昨年来、アルバニア系住民による報復から守るためKFORが厳重警備してきたが、7日には交渉参加への反対集会を開いていた強硬派セルビア人約200人とKFORスウェーデン部隊が衝突する事件が起きた。強硬派はヤニイッチ師らを「反逆者」と呼び、武装攻撃も辞さない構えで、セルビア人社会は緊迫が続いている。
 セルビア国民会議内の強硬派、イワノビッチ・ミトロビツァ地区議長はこのほど毎日新聞との会見に応じ、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)が今秋予定している初の地方選挙への不参加を表明した。国民会議はコソボ北部のセルビア人住民が多い3州に強い影響力を持ち、3州が不参加となれば国連は事実上選挙を実施できない。
 イワノビッチ議長は選挙参加の条件として、国連に(1)現状の正確な把握(2)危険な状態にあるセルビア人救済の実行(3)コソボを去ったセルビア人の帰還計画の実施時期の提示――の3点を要求し、現状では「アルバニア系強硬派による攻撃が続き、セルビア人帰還計画も具体化していない」として今秋選挙不参加を表明した。
 コソボで選挙が実施されれば、人口の9割以上を占めるアルバニア系住民側の圧勝が予想され、セルビア人にとっては事実上「アルバニア系のコソボ独立容認」に道を開くと映る。
 同議長の不参加表明に対し、ワヒドゥラUNMIKミトロビッツァ地区管理者は「3条件には様々な努力を続けている。セルビア人帰還は、ユーゴ連邦のミロシェビッチ政権が政治的に阻んでいる。議長は反対強硬派を説得して選挙に参加すべきだ」と呼びかけている。[2000-04-20-02:47] 12
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 04/20@<変容するイスラム>「故郷」に散った息子が誇り チェチェ(毎日新聞)

 3月3日、トルコ・イスタンブールのモスク(イスラム礼拝堂)で葬儀が営まれた。だが、埋葬されるはずのウフック・カイナールさん(25)の遺体はなかった。ロシア軍とイスラム武装勢力の戦闘が続くロシア南部チェチェン共和国にムジャヒディン(イスラム聖戦士)として入り、戦死したのだ。
 一家は19世紀にチェチェンからトルコに移住してきた。100年以上の歳月を超え、故郷に散った青年。「同胞のために戦った息子を誇りに思う」。母レフラさん(55)の目に涙が光った。
  ◆  ◆  ◆
 「結婚したい人が見つかった。ここで一緒になる。金を送ってくれないか」。昨年11月、ウフックさんから突然、電話があった。チェチェン入りして2カ月。戦闘が激しさを増したころだ。
 レフラさんはチェチェン支援組織を通して400ドルを送金した。だが、母親は「結婚話は嘘。『武器が足りない』と言えなかったのだ」と察していた。この電話が最後の会話になった。「今年初め、ダゲスタン共和国近くの村で爆死した」と、最期を目撃した友人は証言する。
  ◆  ◆  ◆
 トルコでは、数団体のチェチェン支援組織がウフックさんのようなムジャヒディンを「派兵」している。「チェチェンの同胞を救え」と呼びかけ、イスラム教徒としての連帯感情をあおりたてる。使命感に駆られた若者は「ジハード(聖戦)」に身を投じる。
 ウフックさんにとってきっかけはボスニア内戦だった。イスラム教徒殺戮の惨状を映すテレビ画面に涙した。ロシア軍がチェチェン共和国に進攻した第1次チェチェン紛争(1994〜96年)に馳せ参じ、今回は2度目だった。
  ◆  ◆  ◆
 チェチェン共和国のマスハドフ大統領はロシアに対するジハードを宣言。民族独立闘争の色彩を薄め、「イスラム対ロシア」の対立構図をあえて強調した。
 第1次紛争ではチェチェン側兵士6000人中、300人がイスラム諸国からのムジャヒディンといわれる。武器購入資金もイスラム教徒からの寄金が中心だった。劣勢のチェチェン武装勢力が国境を越えた「イスラムの連帯」を利用しているのは明白だ。
  ◆  ◆  ◆
 支援の波はトルコにとどまらない。中東各地には、19世紀に戦火を逃れてきたチェチェン難民の子孫が暮らす。
 ヨルダンのチェチェン系住民は約1万5000人。チェチェン紛争に終止符を打ち、独立達成が共通の願いだ。首都アンマン近郊のチェチェン移民の街ザルカでは、昨秋以来、難民約2000人に住宅などを提供している。
 アブドラ国王もイスラム勢力に配慮、今月2日、「チェチェンの人々の苦境軽減を熱望している」と、ポケット・マネーから人道支援資金約1000万円を差し出した。
  ◆  ◆  ◆
 「イスラム世界防衛のために戦う人々に手を差し伸べるのもジハードだ」。聖地メッカとメディナを抱えるサウジアラビアの対チェチェン「共同救援委員会」のマギド事務局長が力説する。
 委員会はイスラムの聖なる月、ラマダン(断食月)期間中、約12億8000万円の義援金を集めた。イスラム封じ込めを狙うロシアの思惑とは裏腹に、チェチェン紛争をきっかけにイスラムの連帯が強まっている。【「宗教と政治」取材班】[2000-04-20-01:36] 15
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 04/20@強制送還取り消し求め提訴 迫害恐れるエチオピア人(共同通信)

 本国で迫害される恐れがあると日本への難民認定を申請したが退けられたエチオピア人男性(26)が二十日、「帰国すれば拷問される恐れがあるのに、難民認定しないのは拷問禁止条約に違反する」などとして、法務大臣と大阪入国管理局の担当者に、難民不認定と強制送還の処分取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 代理人によると、男性は近く強制送還される可能性が高く、強制送還の執行停止も申し立てた。
 訴えによると、男性はエリトリア系エチオピア人。アフリカ北部のエリトリアとエチオピア両国は武力衝突を続け、エチオピア政府は国内のエリトリア系住民を弾圧。男性も一九九八年七月、家族を警察官に殺害されたという。
 男性は同八月に短期ビザで来日。翌月難民申請したが認められなかった。異議申し立ても退けられ、滞在期限が過ぎ、大阪入管に収容された。
 国連や非政府組織(NGO)などからエリトリア系住民の迫害が報告されており、日本も批准している拷問禁止条約は、拷問の恐れがある時に他国への送還を禁じている。男性側は「生命、身体の危険にさらされるのは確実で、強制送還は条約違反」と主張している。
 代理人によると、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も男性の処遇に強い関心を寄せ、日本側の対応が条約違反の可能性が高いと指摘する意見書提出も検討しているという。
 大阪入国管理局の話 訴状を見てないので、現段階ではコメントできない。[2000-04-20-20:23] 20
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 04/20@<江沢民主席>過激派のテロ防止でトルコと共同声明(毎日新聞)

 【北京20日坂東賢治】20日の中国各紙によると、トルコを訪問中の江沢民国家主席は19日、トルコのデミレル大統領と会談し、イスラム過激派のテロ防止に協力することなどを盛り込んだ共同声明を発表した。トルコでは中国新疆ウイグル自治区のトルコ系ウイグル族の独立勢力を支援するグループが活動しており、海外からの支援を封じ込める狙いがあるとみられる。
 声明はあらゆる形式のテロに反対を表明し、共同で組織犯罪対策などを進めることを明記した。さらに「あらゆる形式の分裂主義や宗教過激主義を含めた違法活動」を相互に取り締まることも盛り込んだ。中国は新疆へのイスラム過激派の浸透を防ぐため、中央アジア各国とも同様の合意をしている。
 江主席はまた、19日夜の同大統領主催の夕食会の演説で、特に宗教・民族問題を取り上げ、「民族間の分裂を挑発し、対立をあおるやり方は歴史の潮流に反する」と強調、「両国が相互の国家主権擁護、領土保全、民族の統一について共通認識を強めることが重要だ」と訴えた。[2000-04-20-20:06] 54
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 04/20@「朝鮮」統一に備えた戦略の必要性指摘…米国防委(読売新聞)

 【ワシントン19日=林路郎】コーエン米国防長官の諮問機関で、今後二十五年の米国の国家安全保障戦略のあり方を検討している「国防委員会」は十九日、第二回報告書「国家戦略を求めて」を発表、「米国は、朝鮮半島統一のシナリオに備えた計画を策定すべきだ」との見方を示した。
 報告書は「韓国」「北朝鮮」という国名を一切使わず、「朝鮮」が統一された場合の東アジア安保を想定。一定の米軍を朝鮮半島に駐留させることで地域の安定を図り、同時に朝鮮半島の非核化を維持すべきだと提言した。
 東アジアについては、「中国の国力増大と共に、米中の競争が激化する可能性がある」と言及。中国との建設的関係構築の一方で、台湾問題の平和的解決の重要性を指摘。さらに、「日本との間で対等な戦略的パートナーシップと、より自由な貿易協定の締結を目指すべきだ」と述べた。
 また、米国本土や同盟国に対する大量破壊兵器による攻撃に対する防御を、最も優先度の高い問題と位置づけ、「全米ミサイル防衛(NMD)と戦域ミサイル防衛(TMD)を配備すべきだ」と提唱した。
 報告書は、中国が核戦力を増強している実態について触れ、第二次戦略兵器削減条約(START2)以後の核軍縮戦略を構築するためには、核戦力の規模・能力を評価する新たな基準を設けることが必要だと訴えている。同委員会は来年二月までに最終報告書をまとめる方針。[2000-04-20-12:55] 61
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 04/20@<米世界戦略>2正面作戦は時代遅れと指摘 21世紀安保委(毎日新聞)

 【ワシントン19日布施広】米国防総省の諮問機関「21世紀国家安全保障委員会」は19日までに、米軍が世界戦略の基本とする「2正面作戦」は時代遅れになったと指摘、核抑止力から小規模の早期展開部隊まで多様な軍事能力を通じ、さまざまな局面に対処する態勢を作るよう提言する報告書をまとめた。
 2正面作戦は、例えばペルシャ湾岸と朝鮮半島での同時発生的な紛争に対処し、勝利することを想定したもの。冷戦終結後、在外米軍の規模が縮小され、各地の平和維持活動に米軍の参加が求められる中、同作戦の遂行が難しくなっていることは、米軍幹部も議会証言などで認めている。
 報告書は、2正面作戦を基本とする戦力構造を維持した場合、「今後増えるとみられる多様で複雑な緊急事態に対処する能力」を保てないと指摘。大量破壊兵器の拡散や米国に対するテロ攻撃などに対処するため、(1)米国と同盟国を守る核抑止力(2)小規模な紛争に迅速に対応できる部隊(3)米国内での人道支援組織――など5項目に重点を置くよう提言した。
 また、戦域ミサイル防衛(TMD)や米本土ミサイル防衛(NMD)の配備を支持する一方、米国は紛争に対する「際限のない関与で消もうしてはならない」と警告、欧州諸国が独自の防衛政策を持つことに理解を示した。東アジア・太平洋地域の安全保障は日米同盟を「礎石」とすることを確認した。
 さらに、米国がインドやパキスタンの核兵器能力を廃棄させられるとは考えにくいと指摘。第2次戦略兵器削減条約(START2)以降の核軍縮は、ロシアや中国の動向のほか、今後とも核保有国が増えることも念頭に置いて進めるべきだと提言した。[2000-04-20-12:28] 71
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 04/20@国連レバノン軍増強へ(共同通信)

 【ニューヨーク19日共同】アナン国連事務総長は十九日、レバノン南部からのイスラエル軍撤退に伴い、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の大幅増強が必要になるとの見解を示すとともに、ラーセン中東和平特別調整官を来週、二カ国のほかシリア、エジプト、ヨルダンに派遣すると述べた。
 UNIFILは現在、約四千五百人の兵員が監視活動を実施。事務総長は具体的な増員数を明らかにしなかったが、イスラエル関係筋は安全確保のためには七千人まで増やす必要があると指摘している。
 イスラエル軍は一九八五年、南部国境沿いの幅十―十五キロを「安全保障地帯」として事実上占領しているが、同国政府は七月までの撤退を表明している。[2000-04-20-10:19] 88
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 04/20@<「ポト派法廷」>カンボジア政府と国連、主導権争い(毎日新聞)

 「キリング・フィルード」といわれた住民大虐殺を指示したカンボジアのポル・ポト元首相が死亡(1998年4月15日)して2年が経過した。国連は、ポル・ポト派元幹部の虐殺罪を裁く特別法廷の早期設置を目指しているが「どちらが裁判の主導権を握るか」という基本的な問題でカンボジア政府との対立が続いている。双方は米国上院議員の仲介などで妥協点を探っているが「カンボジアと国連の意見の食い違いを埋めるには時間がかかる」(ラナリット下院議長)というのが政界の共通認識だ。特別法廷設置のための国会審議が20日から予定通り始まるかどうかも極めて微妙な情勢だ。【プノンペンで薄木秀夫】
 カンボジアのフン・セン首相は先日、キューバで開かれた発展途上国「77カ国グループ(G77)」首脳会議に出席した際、国連のアナン事務総長、ジョン・ケリー米上院議員と会談した。帰国後の17日、首相は、同議員が、法廷設置に関して最大の対立点になっている検察官の構成問題について仲介案を示したことを明らかにした。
 仲介案は、カンボジア側が主張していたカンボジア人と外国人による2人の共同検察官制を採用。だれを訴追するかについて検察官が対立した場合、判事5人が最終判断するという案だ。
 フン・セン首相は、これを「受け入れ可能だ」との姿勢を示した。だが、判事5人の内訳は、カンボジア人3人、外国人2人といわれ、訴追対象の選定について「カンボジア主導」の内容になっているのは否めず、仲介案を国連がそのまま受け入れる状況ではない。
 さらに、検察官の役割についても対立が深い。カンボジア側は「起訴にあたっては、国連検察官とカンボジア検察官の意見の一致が必要」と主張しているのに対して国連側は、国連検察官が独自に起訴できるよう求めている。
 フン・セン首相はケリー米上院議員の仲介案を評価したものの、同案は検察官の役割に触れていないため事態打開の決定打にはなりそうもない。
 訴追対象の範囲についても、歩み寄りはない。国連側は「国際法廷で歴史の奥に閉じ込められていた大虐殺の真相を明らかにしたい」と主張し、20人以上のポル・ポト派元幹部を訴追する方針を示してきた。
 これに対し、カンボジア側は、国内融和を最優先にし、特別法廷を国内に設置、国連の影響を排除しながら裁判をリードしていく、との姿勢だ。
 注目される被告人について、フン・セン首相は、タ・モク元参謀総長ら数人を対象にしたい意向で、最高幹部だったイエン・サリ元副首相については「すでに死刑判決を受け、恩赦も決まっている」との理由で訴追対象からはずすとみられる。
 こうしたカンボジア側の姿勢に対し、3月にプノンペンを訪問した国連代表団は、外国人判事の増員▽捜査判事に外国人を入れる▽外国人判事の選任権を国連が持つ――などを要求した。
 今後、「ケリー仲介案」をたたき台に、協議が続く見通しだが「過去の清算よりも国作り」と主張するフン・セン首相に対し、国連がどこまで譲歩を引き出せるかが「ポル・ポト裁判」実現のカギを握っている。
 ▽カンボジアの現代政治史に詳しいチュラロンコン大学アジア研究センターのワチャリン・ヨンシリ研究員に、カンボジア政府の立場や特別法廷の行方などを聞いた。
 フン・セン首相は、ポル・ポト派幹部に恩赦を与え、ポル・ポト軍を政府軍に組み入れるといった「和解」による国家統一を進めてきた。これが同派に対するカンボジア政府の基本方針で、特別法廷もこの方針を逸脱しない範囲で行いたいのが、フン・セン首相の本音だ。
 国連提案の特別法廷は「国民虐殺の真相を関係者の断罪によって白日の下にさらす」姿勢に基づいており、フン・セン首相は受け入れることができない。国連とカンボジア政府が合意に達するにはまだ相当の時間がかかり、年内に特別法廷が開廷するのは困難だ。
 ポル・ポト派に対するカンボジア国民の憎悪はいやされておらず、国民の大部分は特別法廷を望んでいる。しかし、国連提案のような法廷を望むのかというと口をつぐむ。同派に強硬姿勢を取れば、政府に協力しているポル・ポト派幹部が再び政府と戦うことになる、と真剣に恐れているからだ。
 イエン・サリ元副首相らポル・ポト派幹部は、自治権を確立しているパイリンでの経済的権益を維持することに関心を持っている。フン・セン首相は、タ・モク元参謀総長らパイリンの権益に影響しない少数の幹部を裁くだけで終わらせたいと考えている。【バンコク・小松 健一】[2000-04-20-02:47]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
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