ハッとして葵は目を覚ました。
「また、あの誰かに邪魔をされる。いったい、あれは誰?」
葵は呟いた。
「でも、子供の顔だけはしっかりと覚えましたわ。さあ、いったいどこの誰かしら」
葵は楽しそうに笑った。きっと、子供の正体はそれほどの時を置かずに判るだろう。葵はそれを確信していた。ただ、最後に必ず邪魔をするあの青年は、いったい誰なのか。
葵の夢見は、必ず起こりうる未来。葵はそう信じていた。だとすると、あの青年に絶対に邪魔をされるのだろうか。そして、いったいどちらが勝つのだ?
葵は冷たく微笑んだ。
「波豆以外の誰が勝つというのでしょう」
冷たい呟きが、一人の部屋の中に響いていた。
←戻る・続く→