祥吾の後ろにいた真裕美が、祥吾に続いて冬野に近づいた。手に持っていた菊の花をそっと冬野の上に置く。その姿を見つめて祥吾は、真裕美は何を考えているのだろう、と思った。それを聞くことはしなかったが、真裕美が涙を拭っているのを目にして、少しホッとした。