御母衣家。 現当主の母ということではあるが、実質的な当主であった冬野の告別式だけに、参列者は絶えなかった。 祥吾は真裕美を連れてその列に並んだ。 邑楽家当主としての席はあるのだが、真裕美の席はないため、あえて列に並んだのだ。 ふと、祥吾は通夜の席を思い出した。