綾歌は椅子をギィーッ、ギィーッと不気味な音をたてさせて揺らした。 綾歌には、今もあの時話していた第三者の正体が判らなかった。それが本当にいるのかさえも……。 ただ、自分が東京に呼んだ二人の正体だけは判っていた。諸見の子供だということが。そう、綾歌は知っていたのだ。 だが、それを綾歌は粃に話してはいなかった。