綾歌は暗闇に一人でいた。
「冬野殿、そなたにだけは会いたくなかったのにの」
 綾歌は低く呟いた。
「いや、これもすべて決まっていたことなのか……」
 綾歌の脳裏は、諸見の姿を今でも鮮やかによみがえさせる。
「諸見殿……」
 と綾歌は呟いた。


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