薄暗い部屋。
 綾歌のいるところであった。
「御母衣家の冬野殿、やはり来るのか」
 僅かに苦しげな声で綾歌は呟いた。粃と喋っていた時とは、打って変わって表情も苦しげであった。
「何故そのようなことを……」
 綾歌の声が湿って響いた。


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