系図
やがて、湊屋は羽場家を出て駕籠に揺られていた。
「与吉」
湊屋が呼ぶと、駕籠に従っている丁稚が、
「はい、旦那様」
と答えた。
「湯谷寺、ほら、あの古寺におられる槇原四郎様に伝言してきておくれ。明日、お暇でございましたら、両国橋の湊屋にお立ち寄りくださいとな。判ったかい」
「はい」
丁稚は元気良く答えると寺のほうへと駆けていった。
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続く→