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ゆらりと女の体が揺れた。女の白い体が男の上に倒れ込んだ。男は目を閉じている。
女の右手が男の首を撫で回した。その手を男が掴む。
「細いな、女の手は」
女は少し痛そうに眉をひそめた。
「俺を殺してみるか?」
男が笑いながら言った。男の緩めた手から、女は自分の手を外そうとはせず、
「殺して欲しい?」
と真顔で言った。
男は女の髪を掻き上げた。そのまま女の首に手を掛ける。少し力を込める男に、女は彼をジッと見下ろした。
「絞殺は……綺麗じゃないわ」
男は女の首から乳房に手を動かした。
「女は、綺麗なまま死ぬべきだな」
男がまじまじと女を見つめて、
「綺麗だな、お前は」
と言って、視線を窓際のクリスマス・カクタスに移した。
「花も、綺麗なまま死ぬべきだ」
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