イチョウとケヤキが大きな影を作っていた。八坂、八浜と室戸はその側にいた。頓原たちが来るのを待ち構えているのだ。
「頓原だけをどうにか離したいな」
 八坂が言う。他の二人は大したことはない。問題は、頓原なのだ。
「私が迷宮に誘い込もう」
 室戸が言った。八坂の顔にパッと喜色が浮かんだ。
「そうか、その手があったな。そして、その手で叩く」
「だが、時間的な余裕はないぞ。頓原ならば、私の迷宮を壊すかもしれない」
 浮かれる二人を叱るように、室戸はそう言った。
「時間との勝負ね」
 八浜が頷いた。
「いいじゃない」
 そう言って八浜が笑った。


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