宍道の話は、他の五真将たちにとって衝撃的なことだった。宍道の話が終わった後も、三人は無言であった。言うべき言葉が見つからない、ということであった。頓原が白緑の球体を消し去る。そして、茫然自失な三人を見つめ続けた。最初にやっと自分を取り戻したのは、やはり仁多であった。だが、頓原を見つめたままで何も言わなかった。
「新たな奈半利はもう現れている。全部で何人かは知らないけどね。俺たちがさっき会ったのは双子だった。彼らは一人ずつなら大したことがないけど、二人一緒にするとやばいよ。ところで、船通、その深滅紫の瞳に頼ることは止めたかい? この前、俺が言ったことは真実だぞ。俺たちが出雲五真将を名乗っているのは、決して伊達ではないってこと。俺はともかく、お前たちもね。それをよーく考えるんだね」
 頓原はそう言って、八雲とともに部屋を出ていった。
 残った三人は互いに顔を見合わせていた。頓原の言っていることを正しく理解しているのは誰だったのだろうか。頓原は心の中で嘆息しながら、それを考えていたのだった。


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