弱肉強食、生存競争とは

 動物、植物は生き残るため、常に戦っている。より強いものが弱いものを滅ぼしている。そして、強いものが勝ち残って来たこれは半分正しいが、半分間違っています。

 説明しましょう。

 例えば、ライオンです。ライオンは強い。だから他の弱い動物を殺して食べます。まさしく弱肉強食です。だが、弱い動物を食い尽くしてしまったなら、ライオンも飢えてしまい、死んでしまいます。ある時、アフリカでライオンの病気が流行し、多くのライオンが死んだことがありました。すると草食の動物が増え過ぎて、乾季に多くの動物が死んでしまったそうです。すなわち、草食動物も、ライオンが仲間の弱いものを食べてくれるので生存できるのであり、お互いに依存し合っているのです。

 「しかし、同じ「種」の中では生存競争によって進化が行なわれているのではないでしょうか?」と言う人もあるでしょう。

 例えば、ある猿の群れがいたとします。食糧が乏しくなったとき食物の取り合いが始まり、強いものが生き残った。そして、それから強い子孫が生まれた。ところがまた、食糧の欠乏が生じたとき、また生存競争が始まり、より強いものだけが生き残った。そしてより強い子孫が生まれた。このように生存競争を繰り返しているうちに、最初の猿よりも、はるかに強い猿になっていた。このようなことも有り得るでしょう。

  だがその猿だが、その猿の中に進化論者が言う突然変異というものが起きて、それまでの猿にはなかった何かより優れた要素が生じないかぎり、その猿の群れのより弱いものが滅んだだけで、猿が猿でなくなったわけではありません。

 あなたは砂をふるいにかけたことがありますか。砂をふるいにかけて、細かいものを下にし、粗い粒の砂を残すのがふるいです。だがふるいは、砂を砂でなくすることはできません。あなたが砂を何回ふるいにかけても、砂は砂です。ただ砂を分類しただけです。

 生存競争は、そのふるいと同じです。だから生存競争では進化を説明できないのです。

適者生存について

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