それから龍麻の言うとおり、壬生は時間の許す限り、実戦にも旧校舎潜りにも参加していた。
確かに技は相手に大ダメージを与え、戦力として申し分はなかった。それに、僕は事情を知らなかったが、藤咲くんが囚われた時に彼女を逃がしてくれたのは壬生だったという。しかも愛犬の手当てもしたようで、その一件から彼女自身は勿論のこと、彼女と仲がいい高見沢さんにも受けがいい。そして、その話を漏れ聞いた織部姉妹や本郷さん達にも好印象を与えたようだった。
マリィが無愛想な彼を怖がっていたくらいで、ほぼ女性陣には受け入れられる。それはその怜悧な美貌がものをいっているに違いない。そして無口ゆえに余計な軽口を叩かないと言うところも信用される点であるだろう。
彼はもくもくと多くを語らず、ただ敵を倒すことに集中している。かといって他人に目を向けないわけではなく、戦闘中、他人の動きにも注意を払っているようだった。そして根っからの求道者であると感心に思うのは、仲間の使う技を見て研究しているところだった。
悪いやつじゃない。僕はそう思うようになっていた。むしろ、彼が側にいても僕にとって苦痛にならない人間であることは確かで、それから考えると彼という人間を評価していた、ある一点を除いては。
「紅葉、いくよっ!」
「ああ。」
呼ばれた壬生が龍麻の前にいる敵の側面に陣取った。
「陰たるは、空昇る龍の爪…。」
「陽たるは、星閃く龍の牙…。」
「表裏の龍の技、見せてあげましょう…。」
「秘奥義・双龍螺旋脚!」
ごうっとおびただしい光が唸りを上げて立ち上っていく。その光が収まる頃にはそのあたりにいた敵が一掃されているのだ。
僕が唯一、壬生の気に入らない点はそこにあった。龍麻と二人だけで方陣技が出せるのである。
僕もいくつかの方陣技を出せるが、龍麻と二人でというものはない。僕らの仲間で龍麻と二人だけで方陣技を出せるのは今のところ美里君と壬生だけなのだ。
あのあと10日ほどの間に判明したことは、龍麻は壬生と同じ人から武道の手ほどきを受けたらしい。そのせいで彼らの技が似ているのだという。そして、僕が玄武であるように、壬生は陰の龍、龍麻と表裏をなすものであることもわかった。
僕は四神の一でしかないのに、壬生は龍麻と対の存在である。対であるがゆえに、方陣技も出せるし気も似ていて、互いの存在が本人同士もそれと気付かないうちに共鳴をしてしまう。
壬生のそこが気に入らない。僕は壬生に嫉妬をしていたのだ。
その日も、実戦訓練で旧校舎に潜っていた。20階ほど制覇してから引き上げてきていつものように入手したアイテムとお金の分配をしているときだった。地下の暗がりではわからなかったが龍麻の頬に少し目立つ切り傷があり、血が凝固してどす黒い線を作っていたのと、袖まくりをしていた腕からも傷があるようで幾筋もの血が滴って、生乾きになって赤黒く変色していた。
「龍麻、怪我してるじゃないか。」
僕の言葉に龍麻はちらりと腕をみる。
「あ?ああ、こんなのたいしたことじゃない。」
「ダメだよ、もし何かあったら…。」
「平気だって。」
「龍麻は無茶しすぎだ。さっきだって、あんなにいるのなら僕に任せてくれればよかったのに。」
いつもそうなのだ。自分の身などかまわずにまず他人。それは立派な心がけだと思うけど、でも、僕はもっと自分の身を大切にして欲しいと思っている。
「私が一番近かったから。受けるダメージも少なくて済むし。」
困ったように眉間にしわを寄せて龍麻は言い訳をした。だからといって、クリティカルでも受けたらどうする気だったのだろう。ザコとはいえども数が多かった。それならば多少距離はあったが僕が一掃しに行った方が良かったのではないだろうか。
そう思って龍麻に注意をすると龍麻は困惑の表情を浮かべる。
「戦闘が長くなると他の人まで怪我をしますよ。」
不意に低い声が頭上から降ってきて顔を上げると壬生が龍麻の後ろに立っていた。
「それに、申し訳ないですが如月さんよりも龍麻のほうが耐久力があるし生命力もある。龍麻が処理にあたるのが一番だったと、そうは思いませんか?」
「しかし…。」
確かに壬生が言うのは当たっている。情けない話だが、オトコの僕よりも龍麻のほうが生命力も耐久力も、ついでに言うと攻撃力も上なのである。だから、僕が行くよりも龍麻のほうが早く決着をつけられたかもしれない。それは正論なのだ。
「無論、龍麻が心配なのは分かります。けれど、龍麻だってバカじゃない。ちゃんと我が身の安全くらい考えているはずです、そうだろう?」
僕の言わんとすることがわかったのか、壬生が言葉をつなげる。そうだろうか、安全を考えているだろうか。いつもだったらそれでは引き下がらなかったと思うが、そのときは、壬生の助け舟にほっとした顔をしている龍麻が視界に入って、僕は仕方なく引き下がることにした。別に、僕は龍麻を追い詰めたくてこんなことを言っているわけじゃないのだから。
「ほんとに大丈夫だから。心配してくれてありがとう、翡翠。」
「龍麻がそう言うのなら…。」
人のために無茶をする、そんな性格の龍麻が心配で。僕が何度言っても龍麻はそれを改めようとしない。僕だって、蓬莱寺だって、美里くんだって龍麻がいなければならないのに。君という存在が僕らにとってどれだけ大事であるかわかっていない。君だから僕は力を貸すことにしたというのに。
言葉にしてもそれは龍麻の頭の中を素通りしていく。僕らは君だから集っているのに、その重要性をまったく関せずいつも無理をする。言ったところで、また煙たがれるのがオチだな。そう判断した僕はそれ以上を諦めて、仕方なく家路についた。
大事件が起こったのはクリスマスも近くなった頃だった。僕は援護の要請を受けて彼らの地元、新宿の中央公園に出向いた。戦闘自体は問題もなく無事に終了したが、僕はそのまま帰路につくのをためらっていた。
「…如月さん。」
不意に壬生が声をかける。その顔がひどく深刻である。
「ああ、君も感じたか。」
そう。先ほどから恐ろしいほどの殺気を感じている。今まで感じたことのないほどの殺気。僕はそこから身動きできずにその殺気を発しているもとを探っていた。すると、いつの間にやら龍麻の前に一人の男が現れたのが見えた。
龍麻から少し離れたところにいた僕らはその男が殺気の源だとわかっていても、それをとめることが出来なかった。ゆっくりと、男は刀を振り上げて、そして龍麻を、斬った。
血で染まる龍麻の制服、崩れる体、まるで悪夢のように、けれどもはっきりと、そしてスローモーションのようにゆっくりとコマ送りをしているかのように見えた。側にいた真神の連中でさえ男の発していたものすごい殺気にあてられたのか身動きひとつできないでいた。
「龍麻!!!」
僕は壬生と龍麻の下に駆け寄った。男はいつのまにか姿を消している。
龍麻の体はすでに血塗れでかなりの量を失血している。呆然としている僕らの隣で壬生はしゃがみこんで冷静に龍麻の傷口を見ると、制服や手が血塗れになるのもかまわずにそっと龍麻を抱き上げた。
「病院、どこだ?」
彼は驚くほど冷静に蓬莱寺に尋ねる。
「あ、ああ。こっちだ。」
そうして僕らは龍麻を桜ヶ丘中央病院に搬送した。すぐに傷口の処置のために手術が行われる。手術が終了した後も院長と高見沢君とが龍麻の病室に入ったきりになった。
「壬生、制服が…。」
龍麻をおろしたあと、鉄臭さにあたりを見回すと壬生の制服は血塗れになっていた。気付いた僕が言うと壬生は学ランを脱ぐ。
「ああ、かまわないですよ。血塗れになるのはいつものことだから。」
そう言って彼は無造作に水道の水で血を流した。あらかた流してしまうと固く絞って、ロビーの椅子にかけておく。
「そんなんで大丈夫なのか?」
「うちの制服はしみになりにくい繊維で出来ているんです。ついでに言うと形状記憶でもあります。…仕事柄ね。」
それきり僕らの間からは会話が途切れてしまった。
僕はその間、先ほどの光景を脳裏でプレイバックしていた。ためらいもなく、まるでごみでも切り捨てるが如く龍麻を切り捨てた男。あの異様なまでの殺気から彼が一連の事件の主犯である事は明らかだった。見た限りでは龍麻の命がつながる可能性は非常に低い。…手術室に運び込んだときには痙攣さえ起こっていた。
「どなたかっ、A型の方、輸血をお願いしますっ!」
看護婦の要請でその場にいたA型の人間が集められる。僕のほかに何名かが龍麻に輸血するべく血を抜いた。
…龍麻は、助かるだろうか。嫌な考えがふと脳裏を掠める。もし、龍麻がいなくなってしまったら僕はどうするのだろう。玄武として、黄龍を守らなければならなかったのに、僕は一体何をやっていたのだろう。あんなにあっさりと龍麻を切らせてしまうなど、僕は玄武として失格だ。…それ以前に、僕が身代わりになればよかったのだ。そうすれば龍麻がこんな目にあわなくても済んだのに。こんな酷い目にあわせてしまったのは僕が未熟だからだ。…僕が身代わりになっていれば…。
カチリ。
その物音に気付いて顔を上げると、隣では壬生が携帯電話でどこかに電話をしているようだった。
「壬生です。…申し訳ありません、龍麻が、重傷を負いました。」
開口一番に彼は冷静にそう言った。
「現場は新宿中央公園です。斬った相手は柳生宗崇と名乗ったそうです。武器は刀です。」
狼狽など微塵も見せずに彼は淡々と誰かに今の状況を報告している。
「今、桜ヶ丘中央病院にいます。現在治療中ですが、状況はあまり思わしくありません。怪我の程度はかなりひどく、僕が見ただけでも内臓に傷が達していました。それと出血多量で輸血中です。」
斬られたのが龍麻だというのに、壬生はそんなことはお構いなしに、そう、まるで仕事の報告のように淡々と語る。その冷静さがなんだかひどく冷たく思えてむかむかする。
「どこに電話を?」
僕は携帯電話をしまう壬生に尋ねた。
「館長に。…館長は龍麻の師匠で、後見人なんです。」
「後見人、か。」
壬生がうなづく。そういえば、龍麻は養父母を亡くしてから新宿で一人暮らしをしている。当然、未成年だから後見人がいるのだが、それがまさか拳武館高校の館長だとは思いもしなかった。拳武館の館長、確か、鳴瀧といっただろうか。人物も武道の腕も傑出した人だと聞いたことがある。いずれにせよ、その人が龍麻の師匠であり、後見人だということは。僕はやはり、壬生に対して感じた初対面の印象を否定することが出来なくなっていくのを感じた。
「入院するなら、手続きをしなくてはですから。」
続けて壬生が冷静に言う。どうしてこの男はこれほどに冷静なのだろう。
「冷静だな、壬生は。」
「病院には慣れていますから。」
僕の皮肉にも気付かなかったようで、そのまま真面目に返答する。そういえば、壬生の母親は病気で長いこと入院をしているのだ龍麻が言っていたのを思い出した。
暗殺者という職業柄、こういったことに慣れているのだろうか。何度もそうしていると例え怪我をしたのが龍麻であろうともここまで冷静に振舞えるようになるのだろうか。
僕には無理なようだ。
龍麻のあれだけの傷を見てしまって狼狽しないはずがない。いつも無であれと僕に言い続けた祖父の言葉は今は頭の中には存在しない。龍麻に何かあったら、そう思うだけで僕は気が遠くなりそうだった。
「…傷は、かなり深かったな。」
沈黙が苦しくなって独り言のように僕は呟いた。
「ええ。…生存確率は少ないですね。あとは龍麻の生命力次第ですか。」
あくまで壬生は冷静に言う。どうして、そんなにあっさりと生存確率が低いなどということが言えるのだ。それは龍麻が死んでしまう可能性が高い、そう言っていることと同じなのに。
「どうしてそんなに平然としていられる…?」
思わず出た僕の言葉は僕の内心の苛立ちが含まれていた。
「客観的に事実を述べただけです。」
あっさりと言って返した壬生の言葉に僕の目の前に熱風が吹き荒れた。
「おまえはっ!」
瞬時に僕は無意識に壬生の胸倉を捕んでいた。
「龍麻が斬られたんだっ!その意味がわかっているのかっ!!」
もし、龍麻が失われるようなことになれば、この世界は闇の力に支配されてしまう。僕らは偶然ではなく、必然的に龍麻のもとに集ったのだ。それを阻止せんがために。
勿論、僕は如月家の使命を全うするために龍麻に力を貸す気になったのは事実だった。しかし。今では、それだけではない、龍麻が自分の中で、使命云々よりももっと大きな存在になっていたから、これほどまでに悔しく、腹立たしい、そして情けない思いをしてるのだった。
「意味などあるんですか?龍麻が斬られたのは龍麻が弱かったからか、もしくは龍麻の意思で斬られた。それだけでしょう?」
まるで龍麻が悪いとでも言わんばかりの壬生の言葉に、僕はらしくもなく逆上してしまった。そして怒りに任せたまま壬生を殴ろうとした。壬生は自分でも僕を怒らせているとわかっていたようで、すばやくかわす。それが僕の怒りをなおさら増幅させる。
「龍麻に何かあったらどうなると思ってるんだっ!」
僕とは正反対に壬生はきょとんとした顔をして、それから何か考えるような仕草をする。何事かを考えている壬生の顔は緊迫感はほとんどない。
「龍麻は、治りますよ。」
彼が発した言葉はそれだった。それは当たり前とでもいいたげに、自然に彼の口から発せられて、医者でもない彼の言葉に僕は不信感を思い切り抱いた。
「ねぇ、如月さん。龍麻は、約束を守るほうですか?それとも、平気で破る?」
一体、壬生はどうしてしまったというのだろう。なんでこんな非常事態にそんなことを聞くのだろうか。それでも僕は不機嫌そうな声で答えてやる。
「約束は、絶対に守る性質だった。」
「それなら尚更。」
言い切った壬生に僕は腹が立った。一体、約束がどんな意味があるというのだ。今はそんな下らない話をしている場合ではないことを彼だって分かっているはずなのに。
「何の話かは知らないが。そんなことより、現に龍麻は斬られて傷ついて、命さえ危ないんだっ!君がいうように龍麻があいつよりも弱いんだったら、僕たちが…」
僕の言葉を、壬生は分かった分かったとでもいうように後を続ける。
「かばえば良かったとでも?そんなことは…。」
しかし、すぐあとに見慣れない男が入ってきて壬生の後ろに立ち、僕から壬生が奪った言葉をさらに彼が奪う。
「無駄だ。君ごときでは確実に死体が1つ増えるだけだ。」
初対面の人間にいきなり侮辱されたという悔しさに頭にぱぁっと血が上った。
「なっ…。」
男は30代後半だろうか、40代だろうか。随分とがっしりとした体格をしていることからも何かやっている人だとすぐに察知できる。それに彼から放出されている気が一般の人のそれとは随分性質が異なっている。ただ、その性質からもその人がどんな人だか僕にはすぐに理解できた。
壬生が向き直ると軽く礼をする。
「龍麻は?」
「まだ治療中です。…早かったですね。」
「割と近いところにいたからな。」
壬生とその男の会話からもそれが拳武館の館長であることは容易に想像できた。
男は僕を悲しそうに見る。
「相手の過小評価と自分の過大評価は死につながる。敵を知り、己を知れば百戦危うからずだよ。」
先ほどとは打って変わって優しげに言い含めるような口調だった。
「柳生は、君一人が向かっていってどうにかできる相手じゃない。それに、君にもしものことがあったら、せっかく龍麻が助かったって龍麻はきっとひどく悲しむだろう?違うかね、如月くん?」
「それは…。」
確かに、龍麻の性格ならばそうだろう。自分よりも他人を優先させる人だから。たとえば、もし今意識があったとしたら、自分の瀕死の状態よりも僕や蓬莱寺のかすり傷を気にするような人だから。
「柳生を倒すために誰かが犠牲になるなど馬鹿馬鹿しい。そんなのは、弦麻だけで充分だ。」
苦々しい顔で、まるで悪夢を思い出したかのようにその男が呟いた。あ、と僕は思い出す。弦麻。龍麻の実父。柳生と相打ちをするために中国で命を落とした。
だからといって、龍麻が犠牲になるくらいなら僕が喜んで犠牲になるのに。
「おや。懐かしい顔があるねぇ。いひひひひ。」
聞きなれない声にはっと我に返って顔を上げると目の前には窮屈そうな白衣に身を包んだ巨体の女が一人と、その後ろに高見沢さんが控えている。会話の内容から、拳武館の館長と、この大女は知り合いのようだった。
「で、龍麻はどうなんだ?」
「危機的状況は回避したが、いくら驚異的な生命力を誇る黄龍といえどもあれじゃ2,3日は動けまい。」
「では、助かるのだな?」
「誰に向かってものを言っておる?」
不機嫌そうに答えた返事に、僕は大きく安堵の息を漏らした。
良かった。とにかく命さえ繋がってくれれば。僕は世界中のものに感謝をしたい気分になった。
「壬生。」
「はいっ。」
拳武館の館長が傍らに控えている壬生を呼ぶ。
「龍麻が気付くまでの間、ついていなさい。異常があったら即刻連絡するように。」
「はい。」
「院長。すまんが、代わりに私の弟子を置いていく。」
「ここは結界が張ってあるからほぼ大丈夫だろうが、これだけ似てれば何かのときは役にたつ。当然、この坊やも何か出来るんだろうね?」
「私の弟子の中では一番の腕前だ。」
「そりゃ結構だ。高見沢、案内してやりな。」
「はぁーい。」
院長は高見沢に指示を出すとそのまま巨体を医局へ動かしていった。
なるほど。再度の襲撃に備えるというわけなのか。確かに壬生の気は龍麻のそれに似ているから、一瞬の時間稼ぎにはなるかもしれないが。
「壬生君、何かあったら私たちにも連絡をしてくれるかしら?」
病室に向かおうとする壬生に美里君が頼み込んでいる。
本当だったら僕がついていたいぐらいなのに。
僕は美里君の頼みを承諾している壬生に嫉妬をしていた。側にいて少しでも早く龍麻の目覚めを見たい。ちょっとずつでも容態が安定していくのをこの目で確認して安心したい。
ただ兄弟子だというだけで龍麻の側に控えていられる壬生をうらやましく思う。
…しかし、今の僕は平静を欠いていて自分でもひどく不安定な状況にあるのがわかる。悔しいが、今日は仕方がない。
僕は諦めて帰り支度をはじめた。
|