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来たる冬に向けて

 1999年10月29日

 だいぶ寒くなってきました。雪虫が飛び回っています。10月17日には我が家の周辺でも初雪が降りました。部屋の中ではすでにストーブが活躍していますので、温度は23℃程度で寒くはないのですが、実はこれが悩みの種になっていたりします。

 北海道の最近の住宅は、高気密・高断熱というつくりになっていて、できるだけ室内の温度にかたよりができないようになっています。温度の低いところがあると、そこに湿気が集中し結露となって家が長持ちしなくなるからです。

 ストーブは居間にひとつ置いてあるだけなんですが、台所、洗面所、玄関、ベッドルーム、納戸のいずれも20℃を下回ることがありません。

幼虫は冬の寒さを体験する必要があるのか?

 カブトムシの幼虫の飼育について私が今までに読んだ範囲の資料には、冬を経験しない幼虫がきちんと蛹になり羽化するのかどうかという話題にふれたものがないのです。植物では寒い時期を過ごさないと花芽がつかないという種類のがあるというのは知っているのですが、カブトムシではどうでしょう?

 もしも、冬を経験しない幼虫が蛹にならないとしたら、どれくらいの温度で、どれくらいの期間を過ごせば蛹になるのでしょうか?

 実は学研の「カブトムシ・クワガタのひみつ」には、卵が秋に孵化しないように冷蔵庫に入れ、その後温室で幼虫を飼育すると5月には成虫になるという説明があるのです。しかしこの説明もどう解釈したものやら判断に困ります。卵の時期に冬を経験しているからそれでいいのか?卵を冷蔵庫に入れるのは孵化の時期を調整するためで、その後寒さを経験させなくとも成虫になるという意味なのか?

 北海道とひとくちに言っても広いのですが、私の住んでいる周辺では最低気温が氷点下10℃くらいまで下がることもありますので屋外に出すというのはマットの凍結という意味で無理そうです。

 ああ、いったい私はどうしたらいいのでしょう・・・。いっそ寒さを体験させずに無事に成虫になるかどうか実験してみましょうか・・・。


その後わかったこと (11月14日加筆)

 先日、ニフティの昆虫フォーラムを覗いてみて、札幌でカブトムシを飼育していてすでに蛹になった幼虫がいるという発言をみつけました。やはり春まで待たずとも蛹になることはあるのだということがわかりました。

 3日ほど前、「カブトムシ かいかたそだてかた」(岩崎書店、文/三枝博幸、絵/たかはしきよし)という本を図書館で借りてきて読んだのですが、幼虫をずっと20℃以上の部屋で飼育していると、越冬しなくても冬のうちに蛹になり成虫になるそうです。しかもその成虫は寿命が短めであると書かれています。(この本は子供でも読めるような体裁になっていますが、けっこう詳しいですね。クロネコヤマトのブックサービスに発注してしまいました。^^;

 またその本には、4月の下旬に冬越し後の幼虫を冷蔵庫などで冷やすことで幼虫のままの期間を延長でき、その場合暖かくなってからおよそ1ヵ月後には蛹になるということも書かれていました。しかし「冬」の期間は何日くらい必要なのかは書かれていませんし、おそらく「冬」になる前に幼虫が十分成長している必要はあるのだろうと思うのですがそれについても書かれていません。

 これらのことがわかったので、我が家の幼虫達も部屋の窓際の足元に移しました(先日3齢になったばかりの1匹はそのままです)。今までケースを置いていた場所は朝20℃、昼間は23℃くらいだったのですが、部屋のドアを閉めてできるだけ暖かい空気が入らないようにしたこともあって、新しい場所では朝17度、昼間20℃くらいになっています。

 しかしすでに蛹化しているのがいるのではないかという不安もあり、ケースの中のチェックを兼ねてマットの交換をすることにしました。前回の交換から2週間以上経過しているのでタイミングとしてもいいかもしれません。

 マットの交換のとき、普段ならいきなり「ガバッ」とやるのですが、今回はそれをやらずに、上のほうから少しずつ慎重にマットを削っていくように掘っていきました。もし蛹室が作られていたらそれを壊したくなかったからです。

 しかし、あと5cmというところまで掘り進んでも、みつかった幼虫は1匹だけ。そのケースには6匹入っているはずなので、残り5匹はどうしたんだ?・・・と思ってケースの下から底を見ると、全員が底に集まっているのが見えました。この時点で、少なくとも蛹室を作っているのはいないということはわかったのですが、それにしても掘り始める前に底を見たときには1匹も見えなかったのに・・・。掘っているという気配を感じたのか音でわかったのか知りませんが、これにはとても感心してしまいました。


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