=コロ助のオススメ=

これを聴きなさい!!のコーナー



4回目は向井さんの2年半越しのプロジェクトです。ビッグバンドのようでビッグバンドでない べんべん コンボのようでコンボでない べんべん それは何かと訪ねたら はっ向井滋春Super4Brass 向井滋春Super4Brass  べ〜んべ〜ん

第4回目<2001年3月31日>

Super 4 Brass/向井 滋春<ZIZO SHCZ-0007>

 向井さんが2年間あたためてきたプロジェクトのアルバム。前作である「Stance」と違いセルフプロデュースです。元々は東京のジャズクラブ『アルフィー』の何周年記念かなんかの企画物がレギュラーかしたそうです。最初のコメントにも書いていますが,ビッグバンド的要素とコンボ的要素両方を楽しむことができます。
 唯一欠点と言えることはマイナーレーベルからの発売のためほとんど店頭に並んでいないということです。タワーレコードは扱っていますが,他のショップでは見たことがありません。こんなすごい作品をメジャーレーベルはどこも扱ってくれなかったそうです。今時のジャズはこういうハードなやつはダメなのでしょうか?癒し系でないと売れないのでしょうか?そういう音楽業界が日本の音楽をダメにしていくんですよ!!というわけで,そんな本作品にスポットを当てたのがあじさい(zizo)レーベルだったというわけです。
 絶対に損しませんからこれ買って下さい。

 んで,皆様にお願い!!

 zizoレーベルのホームページから通信販売で購入することは可能ですが,できればお近くの大きなCDショップに行って「向井滋春のSuper 4 Brass頂戴!!」と注文して下さい。お店で買うことによってこういう音楽の需要があるということをショップの人に分かってほしいのです。そういう人がたくさんいるとこういう音楽がもう少し日の目を見ることと思います。こういう地道な努力が日本のジャズ界を救うのだ!!
 というわけで,面倒臭いかも知れませんが,ぜひ,お店で注文して下さい。間違ってもCD−Rでコピーなんてしちゃダメよ!!3000円ぐらい払いなさい。けちけちしてたら日本の経済は上向きにならないぞ!!

本アルバム向井滋春使用楽器

Trombone:KING 3B Yellow/Mouthpiece:Bach 7C
(on NEARNESS OF YOU) CONN88H/Mouthpiece:YAMAHA 48
 CONN88Hはテナーバスと思われます。クラシックのプレイヤーの方がよく使われているようです。テナーのマウスピースですが,最近はMukai9Cというシグネイチャーモデルのマウスピースは使っていないのでしょうか。Bach 7Cは僕がBACHのLT16Mを買ったときについてきた最も標準的なモデルとパンフレットに書いてあったモデルです。
 向井さんもテナーバスを使うのか,と驚きました。以前ある掲示板で7ポジションまで届きにくいのでテナーバスを使おうと考えたことがあるけど重いからな...,という発言を見たことがあります。今回のテナーバス使用は音域拡大のための使用と思われます。

アルバムの聴き所

1.4管アレンジがかっこいい

 過去の向井さんの曲を4ブラス用にアレンジしてあるのですが,テーマだけのヘッドアレンジでは無く,途中にはソリがあったりバッキングリフがあったりとかなり手のこんだアレンジです。「アドリブを譜面にしてハーモナイズする」という一見簡単そうですが,滅茶滅茶難しい手法です。アレンジ書くのもややこしいけど演奏するはもっとややこしそうです。しかし,リードとなるトランペットの岡野さんはすばらしい演奏で4管を引っ張っています。

2.トロンボーンソロ

 セッションなんかの向井さんは,ほんと暴れん坊といいたくなるようなアバンギャルドで魂むき出し,みたいなソロを吹かれることが多い(と思う)のですが,もちろんクールで抑制のきいたソロを展開することもあります。バラードでは典型的な『スウィートトロンボーン』というよりは少しほろ苦さを感じるかっこいいバラードが聴けます。んで,このアルバムではそういう『魂むき出し』ではなく,やんちゃではちゃめちゃな中にもクールで冷静なムードを感じます。具体的に何がそうなのかというと説明できないのですが,1曲目を聴いてもらえばその意味が理解していただけるのではないかと思います。

3.アンサンブル

 上でも少し触れていますが,ビッグバンドのようなアレンジで,そのアンサンブルワークは聴きごたえがあります。単にフレーズをはもっている,なんて思ったら大間違いです。ソロ部分ではバッキングをしていますが,バランスが良くてはまっています。アドリブの中でこういうフレーズを吹くことはあるかも知れないけどアンサンブルとしてこういうフレーズを吹くのはとても難しいことだと思いますね。それをいとも簡単に吹ききっているのはさすがです。
 このバンドのライブを見るにはやっぱり東京行かないとダメでしょうね。そう簡単にいけないよねぇ...。全国まわってほしいなぁ
 

収録曲

参加ミュージシャン

1.On Reflection
2.Three In One
3.Just Smile
4.Purple Field
5.Is It True
6.Nearness Of You
7.Sister Sherill
8.Lady's Blues
9.Berlin
10.Life of the Party
Trombone
向井 滋春
Trumpet
岡野 等
A.Sax
緑川 英徳
T.Sax
岡 淳
Piano
今泉 正明
Bass
山下 弘治
Drums
田鹿 雅裕

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