=コロ助のオススメ=

これを聴きなさい!!のコーナー



3回目は村田さんの最新作です。これを聞かずしてトロンボーンを語るな!

第3回目<1999年7月22日>

HOOK UP/村田 陽一<VICJ-60388>

 村田陽一さんの初ソロアルバムです。これだけ国内国外で活躍されているのに本人名義のソロアルバムはこれが初めてなんですね。驚きです。サウンドの方はもっと驚きです。とにかくファンクのかっちょいい曲が全編繰り広げられています。N.Y.SESSION,L.A.SESSION,ATLANTA SESSIONと3つのセッションから成るこのアルバムですが,僕は全体を通して統一感がありプロデュースの勝利だなぁと感じました。参加ミュージシャンはすごい人ばかりですが,皆さんお友だちだそうで村田さんのワールドワイドな活躍が伺えます。
 よく言われるトロンボーンはコンテンポラリーミュージックでメインになるには不利な楽器だ,という話はこのアルバムからは感じられません。それは,村田さんのトロンボーンの技術的なことも要因の一つかも知れません。しかし,それ以上にアレンジ,作曲ということが1番の要因であると思います。全ての曲においてメロディーをとっている楽器が自然にサウンドしているように感じました。

アルバムの聴き所

1.曲がいい

 どの曲もかっこ良くてすぐにでもまねしたくなる曲ばかりです。#1のイントロを聴くと「かっこえ〜なぁ〜」の一言しか出ません。2曲を除いて村田さんの作編曲です。こういう曲が書ける人ってそうはいませんよ。

2.トロンボーンソロ

 村田さんのトロンボーンソロはアウトすることはあまりありませんが,インサイドでとてもかっこいいフレーズを吹いておられます。そのフレーズが計算されているのかどうか分かりませんがツボに入りまくっています。パッパラパッパラ吹かなくてもかっこいいフレーズはできるんだよ,という模範解答のようなソロがたくさんあります。

3.プロデュースの勝利

 上でも少し触れていますが,これだけたくさんのミュージシャンを使い三か所でのレコーディングであったにもかかわらず,アルバム全体に統一感があります。これは,まさにプロデュースの勝利という他は無いでしょう。中には村田さんが演奏に参加していない曲まであります。この演奏は村田さんが村田陽一という人間の「HOOL UP」というアルバムをプロデュースするためには必要な演奏だったのでしょう。この曲は極端な例かも知れませんが,全体的に村田さんは自分自信をとても客観的に見て,まるで別の人をプロデュースしているような感覚でこのアルバムを作っていたのではないかと思います。
 

収録曲

参加ミュージシャン

Trombone
Yoichi Murata
1.ACCESS
2.POSITIVE SIGN
3.EVERYBODY(KNOWS IT'S ALL RIGHT)
4.THE CHICKEN
5.LET ME GROOVE
6.READY FOR YOUR LOVE
7.THEME
(from"After New Year's Eve with David Sanborn")
8.WHEN YOU LEAVE
9.CARRY ON
10.TWO WOODPECKERS
11.FAR AWAY

N.Y.:#1,#6,#7,#11.
L.A.:#2,#8,#9,
Atlant:#3,#4,#5,#10,

N.Y.SESSION

Drums
POOGIE BELL
Bass
Anthony Jackson
Guiter
Hiram Bullock
rhodes,
hammond B-3 organ,Vocal
Ricky Peterson
Perc.
Don Alias
A.sax
David Sanborn
T.sax
Bob Mintzer

L.A.SESSION

Drums
David Garibaldi
Bass
Francis Rocco Prestia
hammond B-3 organ
Chester Thompson
Trumpet
Greg Adams
Chuck Findley
AS,TS,BS
Johnny Bamont
Vocal
Donna Taylor

ATLANT SESSION

Trombone
Fred Wesley
Drums
John "JABO" Starks
Clyde Stubblefield
Bass
Will Lee
Guiter
Bruno Speight
hammond B-3 organ
Jason "T.C." Bryant

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