Jaco Pastorius Big Band



  ジャズの世界に何人か存在するそれまでの常識をくつがえした天才の一人ジャコパストリアスが結成したビッグバンドです。一般のビッグバンドとは少し編成が違い,普通のビッグバンドとして聞くと「?」と感じるかも知れません。かといっていわゆる「ぴぎゃーぼろぴれ ぱら ぴほ」というフリー系のビッグバンドでもありません。ソロスペースが多いのと,ジャコのベースがフューチャーされていることが普通のビッグバンドとの違いでしょうか。
 「ジャコの」ビッグバンドということで,ジャコのベースプレイにばかり耳がいってしまいがちですが,むしろバンド全体の方に興味がそそられます。特にホーンセクションの音を聞くと普通の編成のビッグバンドとの違いが分かります。これはホルンとチューバが入っているためと思われます。コンティニュームの美しさ,リバティーシティーの躍動感,エレガントピープルの鋭さ,いずれも普通の編成のビッグバンドでは表現しにくいように思われます。特にエレガントピープルを演るなら絶対にホルンが必要だと思います。ダイナミックスの付け方も,普通のビッグバンドとは違うようです。
 とにかく滅茶苦茶かっこいいです。初めて聞いたとき(高校1年生)のはtwins2でした。ソロの多さでアルバム全体の評価はイマイチに感じたのですが,エレガントピープルにはやっつけられました。「絶対これやりたい!!」と思ったものです。アレから13年。いまだにやってません。トホホ。しかし,チキンは僕の所属するWest Winds JazzOrch.でも一度やりましたし,出身高校OBBandでは定番曲です。
 Jazz Life誌に「ジャコのビッグバンドの生ライブを見てプロになろうと思った」という管楽器プレイヤーがいると書いてました。その気持ちが良く分かります。ほんと生で見たかったなぁ...。せめてライブビデオでも良いから見たいなぁ...。


 アルバムはあまり枚数が残されていません。活動期間もそう長く無かったようですし...。しかし,これだけのアルバムが残されていることに我々は感謝すべきなのでは無いでしょうか。(良くあるアルバム解説の言葉調)

WORD of MOUTH

 このアルバムは持ってないし聴いたこともありません。しかし,雑誌等を見るととんでもなくすごいアルバムのようです。オリジナルLPには参加ミュージシャンのクレジットが無いそうです。「全てのミュージシャンを無名化して全てをジャコパストリアスの音楽と一体化させようとしていたのだろうか」とはJazz Life誌の特集に書いてあった言葉。聞くところによると,このアルバム,ジョーザビヌル(当時ジャコが所属していたウェザーリポートというバンドのリーダーです)に内緒で作ったそうです。参加ミュージシャンも口コミで広まっていったことからこのタイトル名がついたとか。

Twins 1&2(invitation)

 元のタイトルでは,1&2はローマ数字ですがもし文字化けすると嫌なので,こういう表記にしました。昔LP時代にはこのタイトルで2枚組で発売されていたのですが,CD時代になってベストセレクション形式で1枚もの『invitation』になって発売されました。しかし,削られた曲も聞きたいという要望が強かったのでしょう。1999年12月にCD盤が発売されました。
 これはこのバンドがオーレックスジャズフェスティバルで来日したときのライブアルバムです。会場の熱気がそのまま伝わってきます。きっと観衆はそのとき目の前で起こっている『事件』に釘付けだったに違いありません。歴史的名盤(名演)の誕生する瞬間を見ているのだ,という意識がきっとあったことでしょう。
 ちなみに,このバンドに参加しているバストロンボーン奏者にビルライケンバック氏の名前が見られます。
 ビッグバンド関係者へのオススメ曲は
Twins 1
#2    Soul Intro./The Chiken
#4    Liberty City
#5    Three Views Of A Secret
Twins 2
#4    Elegant People
です。
 

Birthday Concert

 ジャコビッグバンドの初ライブの音源です。Three Views 〜のソロはマイケルブレッカーです。上記Twinsとはメンバーが若干違うようです。ウェザーリポートを脱退し,いよいよ自分の音楽を作ろうと,自分の誕生日に旗揚げしたジャコビッグバンド。このアルバムでは途中ハッピーバースデイのメロディが流れるなど温かいムードが流れています。

ホームBig BandTromboneTrombone Ensembleコロ助のオススメリンクライブ告知全然違う話題