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月は本当に地球の周りを回っているのかという議論をしながら、兄と酒を飲んだことがあります。旨い酒でした。この議論を思い出しながら、月の公転について書いてみたいと思います。
小学校の理科室に、太陽と地球と月の運行を模型化する手回し式の器具がありました。中心に電球があって、これが太陽です。地球は自転しながらこの電球の周りを公転します。月は地球の周りを公転しながら地球と一緒に電球の周りを公転します。分かりやすくて、よくできた教材でした。
でも、ひとつ疑問が湧いてきました。月の二重公転はどんな軌跡を描くのか、本当に地球を回っているのか、という疑問です。
月と地球が同じ大きさだと仮定してみます。月と地球はその距離38万キロを直径とする一つの円をお互いに回転しながら、太陽の周りを公転します。その公転軌道は、サインカーブのような曲線の波の形をたどるはずです。
理科室の模型を見て思い描いていた月の軌道は、地球の周りをくるくる回りながら、太陽の周りを回るものでした。
この模型の下に模造紙を敷いて、地球と月の底に鉛筆を突き刺して、その軌道を模造紙に描いてみたいと思います。当然、地球は大きな円を一つ描きます。月は小さな円を12個描きながら、それが大きな円として連なるようになるだろうと、なんとなく思っていたのですが、この月の鉛筆が円形を描くには太陽を回る軌道上で月は逆方向に戻らなければなりません。太陽を回る軌道は地球のその軌道などとは比べようもなく、月が逆方向に戻るなどはあり得ないことです。円形を描くことは出来ないのでした。
地球が月の影響を受けないこの模型の場合であっても、月と地球を同じ大きさとして仮定した場合と同じような軌道を描くはずです。
ただ、サインカーブが円運動であるように、この月の軌道の波の形もまた円運動であることに違いはありません。
実際の月と地球の重力差は1対6だと言います。大きな差ではありますが、圧倒的な差とまでは言えません。
もし月に意識があったとしたら、自分は地球を回ってなどいない、地球に邪魔されながら太陽の周りを回っているだけだ、と思っているかもしれません。
もし月世界人の文明が発達して、天動説を否定し月動説が主流となっても、地球が月の周りを回っているという地動説までは否定できないのではないかと思われます。そうして、月世界人と地球人との間で不毛な論争が続くのです。
お互いに影響を受けながら、影響を与えながら、ともに太陽の周りを回っているということで、論争を打ち切り、仲良くすることは出来ないものだろうかと思っています。
結論です。
月は地球の周りを回ってはいる、しかしこれは相互的なものであり、6対1の力関係に過ぎない。そんなところでしょうか。
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