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opus introduction interview
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BTTB関連インタヴュー・ダイジェスト第1弾

古館「坂本さん畳の上では死ねねぇでしょうねぇ」
教授「・・・・・・・ハイ、わかってます。せいぜいいい音楽つくります」


「おしゃれカンケイ」(12/6放送 日テレ系)
<番組の性質上、話題は教授の婚姻歴が焦点。教授自身もすべてをはっきりさせる決心だったようで、むしろ問わず語りだった。僕的には何人ご子息がいるのか、というあたりには、関心なかったですけど(^^;; だた、そうして告白してはっきりさせておくあたりが、まるで身辺整理でもしているような感じで興味深かった。>

司会の古館に例によって「世界のサカモト!」とか言われちゃって、登場。番組前半は、教授のワールドワイドな音楽活動とそのギャップとしてのダウンタウンの番組出演などに言及。 (教授の中では、お笑いと音楽活動に位階はないんだけどね。)

お笑いの坂本龍一
94年 ”ごっつええ感じ”に飛び入り出演のビデオが流れる。ダウンタウンとトリオ漫才をやった時の映像だ。ハゲかつらをかぶった教授はセリフをカミまくり。
古館 「やっぱりねぇ人間っていうのはね。あるジャンルでステイタスになった時にいじめてもらわないとバランスとれないんじゃないですか?」
当惑する教授・・・・・・・。つい渡辺満理奈に「・・・・・・どうですか?」とふってごまかす。
古館の洞察力というのは、いつもこの程度だ。お笑いを今時、一般人ですら、単純に次元の低いことと考える人は極少ないのに。

世界の坂本龍一
教授の活動範囲の振り子の大きさを提示するため、次にバルセロナ・オリンピックの開会式で音楽監督をつとめたことや、アカデミー受賞へと話題は移る、といった具合に相も変わらぬ誤解を助長するような演出。「世界のサカモト」ってやつですね。
教授「オープニングのプロデューサーに聞いたんです。地中海文明といえばヨーロッパの一番基本の部分じゃないですか。なぜ、そんな大事なところを日本人の僕に頼むんだと聞いたら、地中海を表わせるのは、おまえしかいないって言うのね。やっぱりな。俺のラテンの血がそうさせたんだなと思って(笑)」
古館 「(オリンピックの音楽監督としての)ギャラとかはすごいんですか?」
教授 「ギャラはね。ええっと1ドル」(会場から驚きの声)
教授「そもそも契約書って、お金のやり取りがないと成立しないんですね。その最低額ということで一ドル、ほとんど奉仕ですね。」

オスカー像はどこに?
教授 「日本の僕の事務所の棚にポンって置いてあるんです。あれって金色じゃないですか。なぜか同じ時期に僕のホテルにサルの置物があったんですよ。同じ色なんで乗っけてみたんですが、そしたらぴったり同じ色なのね。それ以来両面テープでつけてます。(オスカー像につける)プレートも後から送られてきて、自分でボルトで取り付けるんですが、面倒なので、それも両面テープでつけてます(笑)」
そして、サル付きオスカー像がスタジオに登場。教授の言ったとおりマジで同じ色だった。まったく色的には違和感なし。でも教授のオスカー像の台座に鎮座するそのサルは、中心に堂々と屹立するオスカー像をまるでおちょくっているよう・・・・・教授独特の諧謔でしょう。

教授が嫌いな音楽は?
そんな質問が観覧者から飛び出す。(ああいうのってしこみじゃなかろうか?)
教授 「日本の音楽は意識して聴いたことがないので、情報はほとんど娘(美雨さん)から受けてます。娘がいいと勧めるのは聴いてます。たとえばLUNA SEAとか(笑)」
古館 「じゃあLUNA SEAとか聴いていいと思ったりとか?」
教授しばらく首をかしげて、うーむと唸り「よくわからないですね(笑)」

古館 「嫌いなアーティストなんかいるんですか?」
教授、一瞬言葉につまってみせて、「います」(笑)
古館 「・・・・・どういう人ですか?」
例によって、個人名はピヨピヨという音で伏せられ、イニシャルだけがテロップで表示される。最初に教授があげたのがC&Aだった。誰だろ?”チャゲあす”だろうか?今ひとつ判然としない。誰か教えてください。
教授 「そういう日本人のこころ的なものって、僕嫌いなんですよ。僕は、勝手にジャンルとして神道系って呼んでるんですけど・・・・あっ!もっとわかりやすいので言えば、喜多郎っているじゃないですか。なんていうか、外国人の日本コンプレックスをこちょこちょってくすぐってるわけでしょ。」
ふふふ、喜多郎はわかったぞ(笑)サンストの頃から嫌いだったもんなー。西洋人の誤解に根差したオリエンタル趣味に媚びたインチキ音楽家って多いですよね。

戦メリ権
番組は、お決まりの展開というべきか、教授のピアノ生演奏というはこびになる。曲目はまたしても戦メリ。もっといいピアノ曲がたくさんあるのに。
教授 「毎年スタッフを集めて忘年会をやるんですよ。戦メリ権っていうのがあって、それはね、それが当たったら僕がその人の家に行って、その人のためだけに戦メリを弾くっていう・・・」
スタジオの照明が落とされ、教授がグランド・ピアノに向かって戦メリを弾く。この光景テレビで何度観たことやら。僕としては、「嵐が丘」や「リトル・ブッタ」の方が名曲だと思っているので、ちょっと不満。今回の演奏はゆっくりめのテンポではじまり次第に熱を帯びて早くなっていくものだった。

子どもさんは何人?
初め教授は、音央君を週間誌等で隠し子扱いし、しばしばスキャンダルとして報道することに反論。そう教授は全然隠し立てなんかしていない。siteSakamotoのDiaryには度々音央君との交歓の様子が記述されていて、教授ファンには周知の事実だ。

教授 「矢野さんも再婚で、僕も再婚なんです。バツイチ同士ってやつですか。最初の女性との間にも娘がいるんですよ。学生結婚だったんですけど、ものすごいもめて、離婚するまでに7年ぐらいかかったかなぁ。その最初の娘とは赤ちゃん時代に別居しちゃって、ほとんど会ってなかったんです。なんと2年前に15年ぶりに娘と再会したんですよ。何度も逢いたいって手紙とか書いてたんですけど、返事がなくて。何度目かに娘本人から返事が戻ってきて、お父さんに逢いたい、と。すっごい僕も複雑な気持ちで・・・・・・ずっと会ってなかったから・・・・・でも、まあ結構どきどきしたけど逢ったんですよね。」
スタジオが水をうったようにしーんと静まりかえるなか、古館が声をひそめて問う。
古館 「どんな気持ちでした?久々に逢って。」
教授 「(ちょっとおどけてみせて)僕、ほらラテン系だから・・・・ドアが開いて、娘と逢うなり抱きしめようとシナリオを書いていたわけ。(いざ娘さんがドアを開けて入ってくると)そういう気配を察してか、避けられちゃって、結局できなかったです。」
古館 「気まずくなかったですか?」
教授 「お互いにすごい緊張しましたけど、ホテルの部屋で2時間か3時間、ご対面ですよ。」
古館 「さすがに娘さんもお父さんとは呼べないでしょう?」
教授 「坂本さんて・・・・」
古館 「坂本さんも娘よ、とは言えないでしょう?」
教授 「あきこさんって。」
教授 「結局、子どもは4人いるんですよ。15年ぶりに再会した娘と、矢野さんの一回目の結婚で生まれた子どもがいまして、僕とは血はつながってないんですけど彼が4才の時から一緒に暮らしてきたんです。それと美雨、18才。それで7才の子(音央君ですね。)で、お互い子ども同士で会ったりしてるんです。自分でおかしいなと言うもの変だけど、親の組み合わせが全員違うの。」
古館 「私は15年以上トーク番組をやってますけれども、(自分からこのようなことを告白されたのは)初めてだなぁ〜」としきりに驚いてみせる。

最後に番組では恒例となっているらしい、親しい人からの手紙を古館が読む。美雨さんから教授への手紙。明らかに一種のお涙ちょうだい的な趣向で、普段の教授にはふさわしくないシチュエーションといえる。しかし、サングラスの奥の教授の瞳には次第に光るものがたまって、今にもこぼれおちそうだった。同時に、ズームアップされた教授の顔を見るにつけ、我がアイドルにも”老い”のきざしが確かだった。

教授 「そういえばね。美雨が13歳の時に、まあ中学1年じゃないすか。ちょっと話があるんだって家の外に呼び出して、お父さんにはねぇ、お母さん以外に好きな人がいるんだよ、って言ったの。」すかさず、渡辺満理奈が「13才なのに?」とつっこむ。
教授 「どっかで言わないとさ・・・・17.8になるまで待ってようかと思ってたんだけど、状況的に待てなくなって、まあ13・・・ちょっと若すぎて、可哀相かなと思ったけど・・・・(そうしたら美雨さんが)うん、わかったよって・・・・・」
古館 「坂本さぁん、畳の上じゃ死ねねぇでしょうねぇ」
教授 「ハイ、わかってます。・・・・・・せいぜい、あのう、いい音楽を作りますよ。」

とまあ、およそBTTBに直接言及することは、ついにありませんでした。でも、教授がプライベイトな問題についてここまで、告白する義務は全くないにもかかわらず、番組側も要求してないようなことまで、どんどんしゃべっちゃってるところが興味深い。 発言者が核心部分について、のらりくらりとかわして曖昧にしようと頑張って、はじめてスキャンダルやらが状況として成立するんだと思うが、ここまで淡々と包み隠さず告白されると、インタビューする側は毒気を抜かれちゃって、呆然とするしかない。

教授は明らかに決意してた。古館がつっこもうが、つっこむまいが、今日はすべてはっきりさせようと。そういうのは、なんか身辺整理でもするみたいだ。なんのためかといえば、やっぱり大きな創作(オペラ)がひかえているというのが、大きな理由のひとつだと思う。どんどん裸になっていかないと真実性のある表現はできない。平和や癒しということをテーマにしたオペラを作曲する音楽家が、自分の足もとの事についてすら、ごまかしをやってたら、 まやかしの表現しかできっこない。一個の苦悩する人間として出発しなきゃね。もう、教授には虚栄の世界のステイタスなんて関係ないんだ、と思う。教授独特のペルソナの向こうに、心配になるくらい研ぎ澄まされたものを感じた。


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