美意識を持ち、その美意識に沿って生きようと努力する
そういう人間になってほしい。
美意識を持つということは、周囲の雰囲気に流されることなく、自己の価値観を持つということである。
自己の美意識に沿って生きるということは、自己実現に向けて努力しつづけるということである。
生まれた時は脳みそは皆同じというのは、真っ赤な嘘である。背の高い者もいれば、低い者もいるようにそれぞれの先天的能力には違いがあり、それが個性でもある。
はっきり言って、生まれながらにして頭のいい者もいれば、馬鹿もいるのが現実である。
しかし、後天的な努力によって頭脳は身体能力以上に鍛えることができるのである。
一度見たり訊いたりしたことをその場で覚えてしまい、すぐに応用できる人間もいる。所謂天才というやつだろう。自分にそこまでの能力が備わってないと気づいたら、その分努力するしかないのだ。
これは学力に限ったことではない。思春期はあこがれというかたちで他者を認識し、自己をも認識する。素敵な先輩。素敵な先生。かっこいい奴、そして嫌な奴。
あんなふうになりたい、でも、あんなふうにはなりたくない。誰しもが思うことなのだが、思うだけではなく、そうなるためには何が必要で、何をすべきかまで考えることが必要である。これを考えるか考えないか、素敵だと思える自分、かっこいいと思える自分に向けて努力するかしないかで人生が変わってくると思う。
思春期は外見しか見えない。いい成績、容姿のかっこよさ、豊富な知識、華麗なプレー。いずれも一長一短でできるものではない。見えない努力があるからこそかっこいいのである。
そのことを気づかせてあげるのが大人の仕事だと思う。生まれながらの美男美女がモテルとは限らないのである。
自己実現のためには学力も大切である。今、経理、人事の仕事はどんどん中国などにアウトソーシングされている。事務職の多くは人件費の高い日本人を使うよりも、外国にインターネットで伝票を送ったほうが安く、早く、しかも正確にこなせるようになっているのだ。日本人に残された仕事は、人並みの収入を期待するなら、専門職になるしかないのである。
医者、弁護士、薬剤師、新技術開発者、専門知識を持ち英語も中国語もできるセールスマン、看護士、教師、いずれも学力が必要であろう。
グローバル化とはいい響きを持った言葉かもしれないが、全世界の人と競争しなければならない社会になっているということである。中国へのアウトソーシングが始まってからたった3年で。4000社の大企業がアウトソーシングを行い、益々拡がろうとしている。今の中学生が社会に出る頃には、こらえ性がなく、努力せず、能力もないものは生きていけない時代となっているであろう。
だからこそ塾生諸君、頑張ってほしいのだ。
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