日本映画レビュー

いまいち 普通 まあまあ なかなか 佳作 傑作 最高
No.タイトル評価監督キャスト内容レビュー
--- 日本映画 ---外国映画アジア映画アニメ
001明日の記憶
堤幸彦 渡辺謙
樋口可南子
香川照之
大滝秀治
萩原浩原作のベストセラー小説の映画化。不治の病・若年性アルツハイマー病に侵されていく働き盛りのサラリーマンとそんな夫を支え続ける妻の感動のドラマ。 若年性アルツハイマーという重たいテーマと「トリック」の堤幸彦監督の組み合わせに正直不安がありましたが全くの杞憂で感動する作品に仕上がっています。まず主演の渡辺謙ですが、自身の過去の病気での経験も活きているのでしょうが、まさに迫真の演技で圧倒されました。日本アカデミー賞主演男優賞獲得は納得です。またそれを支える妻を演じた樋口可南子の凛とした演技も素晴らしいです。その他の脇役の方々も見事な演技だったと思います。特に大滝秀治はちょっと怪しい爺さんを演じたら当世随一ですね。
002阿修羅城の瞳 滝田洋二郎 市川染五郎
宮沢りえ
渡部篤郎
樋口可南子
時は文化文政。活気溢れる江戸の町で人を喰らう鬼が存在した。そんな鬼を滅ぼすために組織された「鬼御門」。その副長を務めた"鬼殺し"の異名を持つ男と、恋をすると鬼になる女との哀しい恋を描くアクション時代劇。 期待しないで観たのですが結構楽しく観ることができました。CGが安っぽいのは予算の問題だと思うので目をつぶれば、全体的によかったです。市川染五郎ってけっこういい役者なんですね。将来的には父親を超えるような気がします。また宮沢りえはやっぱりすばらしい女優さんです。注文をつけるとすればもうちょっと時間が短い方がよかったかと思います。
003雨あがる 小泉堯史 寺尾聰
宮崎美子
仲代達矢
黒澤明の遺稿脚本をゆかりのスタッフ・キャストが映画化した山本周五郎原作の時代劇。剣の達人ながらなかなか出世できない浪人の姿を描く感動作。 黒澤映画の雰囲気はよく出ていましたが、ストーリー的にもこじんまりとした内容で地味な印象を受けました。主演の寺尾聰はまずまずの印象ですが、殿様役の三船史郎は外見は父親(三船敏郎)とよく似ていますが、迫力がないというか、演技がいまひとつで・・・。宮崎美子はよかったですね。「何をしたかではなく、何のためにしたかが大事」というセリフが印象に残りました。
004ICHI 曽利文彦 綾瀬はるか
大沢たかお
中村獅童
窪塚洋介
盲目の女旅芸人に市はチンピラとのいざこざの中で浪人藤平十馬と出会う。十馬は市を助けようとするものの手が震えて刀を抜けない。そんな時市は仕込み杖を一閃し、チンピラをあっさり倒してしまう。 綾瀬はるかの座頭市と聞いて、アイドル映画?を覚悟して観たのですが、意外や意外、様になっていて面白かったです。大沢たかおの演技はいまいちでしたが・・・。ぜひ、続編を期待します。
0051980 ケラリーノ・サンドロヴィッチ ともさかりえ
犬山イヌコ
蒼井優
1980年の東京のある学校を舞台に、夫とケンカして別居中の教師、元B級アイドルで英語教師を目指す教育実習生、自主制作映画でヌードになるか悩んでいる女子高生の3姉妹が引き起こすドタバタ劇。 無茶苦茶笑えるということはないですが、結構、笑えるシーンがありました。特に長女役の犬山イヌコが笑わせてくれます。YMOのライディーンが懐かしいですね。
006いぬのえいが 犬童一心
黒田昌郎
佐藤信介
中村獅童
伊東美咲
宮崎あおい
いぬを主軸にしたエピソードを6人の監督がリレー形式でつづっていくオムニバス作品。アニメやミュージカル、感動のドラマなど様々な物語が紡がれていく。 犬好きでない人はあまり面白くないかもしれませんが、犬好きの人にはたまらない作品だと思います。メインの物語である「ポチは待っていた」が一番好きですね。ラストのエピソード「マリモ」は泣けと言わんばかりでずるいです。
007いま、会いにゆきます 土井裕泰 竹内結子
中村獅童
武井証
死んだはずの妻が1年後に記憶喪失の状態で戻り、期限つきながらも死に別れた家族と再び生活を共にする姿を描いた、感動のヒューマン・ドラマ。 単なる黄泉がえりものかと思っていたら・・・。なるほど、ですね。それで「いま、会いに行きます。」なんですね。後半を見てようやく意味がわかりました。だた、この映画が元で主演の二人が結婚したという先入観で見てしまったのでストーリーに単純に感情移入できませんでした。できればその事実を知る前に観たかったですね。
008運命じゃない人 内田けんじ 中村靖日
霧島れいか
山中聡
2005年カンヌ国際映画祭で4賞を受賞し話題を集めた異色コメディ。平凡なサラリーマンが体験する一夜の物語が、彼を取り巻く複数の人物の視点からパラレルに描かれ意外な真実を導き出す。 これ面白いです。マジで。時間軸をずらして多角的に見せるという手法は「パルプ・フィクション」や「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」と同様ですが、低予算映画としてはかなり頑張っています。練りに練られた脚本があってこその作品ですね。役者もほとんどしらない人ばかりで新鮮でした。
009大奥 林徹 仲間由紀恵
西島秀俊
井川遥
杉田かおる
テレビの大ヒット時代劇を映画化。絵島生島事件をベースに、将軍の寵愛をめぐって繰り広げられる陰謀と抗争の中で翻弄される禁断の恋の行方を絢爛豪華に描き出す。 菅野美穂、木村佳乃、高島礼子、浅野ゆう子といった豪華な女優陣の演技が見ものです。その中でも特筆すべきは杉田かおるですね。だてに芸暦が長いだけではありません。微妙な心の動きを表情の演技で見せてくれます。男優陣も脇役の及川光博、岸谷五朗が頑張っています。ただ、映画じゃなくてもTVのスペシャルでもよかったような気もします。
010おくりびと 滝田洋二郎 本木雅弘
広末涼子
余 貴美子
吉行和子
遺体を清め棺に納める納棺師として働くことになった主人公の成長と周囲の人々の人間模様を綴るヒューマンドラマ。モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞。 滝田監督って、いい作品とダメな作品がはっきりしてるのですが、これは壬生義士伝と並んでいい作品です。良質な作品が世界で評価されるのは嬉しいです。
011男たちの大和 YAMATO 佐藤純彌 反町隆史
中村獅童
仲代達矢
松山ケンイチ
戦艦大和の壮絶な運命を描く辺見じゅんの原作を佐藤純彌監督が映画化した戦後80年記念作品。温かい人間ドラマの傑作。 さすがに東映がお金をかけただけあって戦闘シーンの迫力はなかなかのものでした。特に大和が沈没に至る終盤は圧巻で、戦争の凄惨さ、悲惨さが伝わってきました。ただ、実際には3000人以上がなくなっており、映画以上に凄惨だったようです。
012ALWAYS 三丁目の夕日
山崎貴 吉岡秀隆
堤真一
小雪
堀北真希
東京タワーが完成し、白黒テレビが出始めた昭和30年代を舞台に、人情味溢れる下町の人々の心温まるエピソード満載の感動作。 2006年日本アカデミー賞受賞作品。前評判通り非常に楽しめる映画でした。堤真一をはじめ主要キャストの演技も素晴らしかったですね。笑いあり涙ありの素敵な日本映画を観たって感じです。また昭和33年当時の東京を再現した映像がすばらしいですね。セットとCGを上手く使って素晴らしいファンタジーの世界が作り上げられていました。
013ALWAYS 続・三丁目の夕日
山崎貴 吉岡秀隆
堤真一
小雪
堀北真希
前作から1年後の昭和34年。鈴木オートでは事業に失敗した親戚の娘、美加を預かることに。しかしお嬢様育ちの美加と一平は喧嘩ばかり。一方、一度は淳之介を諦めた川渕が、再び茶川の元に現れる。淳之介を渡したくない茶川は、再び芥川賞に挑戦しようと決意する…。 冒頭のゴジラ出現にびっくり。あとは前回と同様に下町の人情喜劇が繰りひろげられるのですが、前作を見ていないとわかりずらい点が多いと感じました。145分の上映時間はちょっと長すぎですが、面白い作品であることは間違いありません。このままシリーズ化してもらいたいですね。
014陰陽師 滝田洋二郎 野村萬斎
伊藤英明
真田広之
小説、漫画から一大ブームを巻き起こした陰陽師の劇場版。平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明が妖怪の跋扈する闇の世界に挑む姿を描く。原作は夢枕獏。 狂言師である野村萬斎の安倍清明がハマリ役です。この人以外にこの役が似合う役者さんは、そういないのではないでしょうか。悪役の真田広之も凄みというか迫力があっていいですね。ただそれ以外のキャスティングはやや疑問です。特に源博雅役の伊藤英明はちょっと原作のイメージと違うような・・・。全体的にはよくできてると思いますが、原作と比較するとうーむ・・・。キョンキョンと清明が絡むシーンがエッチです。
015陰陽師U 滝田洋二郎 野村萬斎
伊藤英明
中井貴一
夢枕獏原作の「陰陽師」の続編。今回の悪役は中井貴一が演じる。平安の時代、都では夜闇を鬼が跳梁し身分貴き者たちを襲うという怪異が相次いでいた・・・。 野村萬斎の魅力は今回も素晴らしいですが・・・。どうして邦画は原作を超えられないんでしょうか?悪役の中井貴一も前作の真田広之と比較すると迫力不足でイマイチでした。脚本には原作者の夢枕獏も参加してるようですが、原作は短編なんで切れのよさがあるんですが、2時間の映画にすると間延びしてしまうようです。章立てして短編を重ねるような作りにするとよくなるような気がします。深キョンの半裸(後姿)が見どころ?
016隠し剣 鬼の爪 山田洋次 永瀬正敏
松たか子
吉岡秀隆
緒形拳
山田監督が「たそがれ清兵衛」に続き藤沢周平作品を映画化した本格時代劇。幕末の小藩の下級武士を主人公に、身分を越えた恋や命を懸けた戦いを丁寧に描いた作品。 「たそがれ清兵衛」とよく似たというか同じようなストーリーなので目新しさはありませんが、山田監督らしく丁寧に作られており、いい映画であることは間違いありません。ラスト隠し剣はちょっと意外でしたが、最後まで楽しめました。ただ、松たか子の下働きの百姓娘役はきれい過ぎて似合わないと思いました。
017隠し砦の三悪人 樋口真嗣 松本潤
長澤まさみ
阿部寛
椎名桔平
黒澤明監督の名作のリメイク。時は戦国。小国・秋月の城が隣国・山名の侵攻を受けて陥落。そんな折、山名軍から逃げ出した金掘師の武蔵と木こりの新八は、偶然から秋月の隠し金を発見し… 黒澤作品と比較するのはやめて、新作のアクション時代劇(冒険活劇)という見方をすればなかなか面白く観ることができました。宮川大輔が笑わせてくれました。
018亀は意外と速く泳ぐ 三木聡 上野樹里
蒼井優
岩松了
ひょんなことからスパイとして活動することになった平凡な主婦が体験するユルくて奇妙な奥様スパイの日常をユーモラスかつシュールに綴る脱力系コメディ。 このところ蒼井優の出ている作品をたくさん観てるんですが、コメディもいいですね。もちろん主演の上野樹里はさすがです。この人はシリアスな役よりもコメディの方があってると思います。で、肝心の映画の内容は、やっぱり脱力系ムービーですね。フフフという感じでユルーク笑えます。
019がんばっていきまっしょい 磯村一路 田中麗奈
真野きりな
中嶋朋子
松山の高校に入学した少女が、ボートといううち込めるものを見つけ、1人の経験者もいない1年生ばかりで新規の女子部をたち上げた。 青春っていいですね。70年代の高校生ってまだまだ素朴で純粋だったんでしょうねえ。ブルマ姿も新鮮です。(注:ブルマフェチじゃないです)全体的にさわやかな後味の残る作品です。改めて田中麗奈って魅力的だと思いました。
020キサラギ
佐藤祐市 小栗旬
ユースケ・サンタマリア
香川照之
小出恵介
塚地武雅
1年前に自殺したアイドル・如月ミキを追悼するため、ファンサイトを通じて知り合った男性5人が集った。なぜ、彼女は自殺したのか?その真相を探りはじめると意外な展開が・・・ 自殺か他殺かを巡る推理ドラマという点で男女の違いはありますが、木曜組曲と似ているのですが、あちらは真面目なミステリー、こちらはコメディです。まるで舞台劇のように1つの部屋に集まった5人だけで映画は進んでいきますが、謎解きの部分と笑いが見事に融合しテンポがよくあっという間に時間が過ぎました。塚地はもちろん、香川照之が笑わせてくれました。
021嫌われ松子の一生 中島哲也 中谷美紀
瑛太
香川照之
伊勢谷友介
「下妻物語」の中島監督が不器用ゆえに転落の一途を辿る壮絶な人生の中にあってどこもまでもまっすぐで一生懸命な松子の姿をCGを駆使した多彩な映像表現でポップに描き出す。 主人公、松子の一生は真面目に描いたらどうしようもなく暗く哀しく重たいストーリーなのですが、まるでおとぎ話を観てるような感覚で観ることができました。監督の演出力と主演の中谷美紀の演技力の賜物だと思います。他と比較のしようのない佳作です。
022空気人形 是枝裕和 ぺ・ドゥナ
ARATA
板尾創路
業田良家の短編漫画を映画化したラブファンタジー。ファミレスで働く冴えない男が所有するダッチワイフが、ある朝、心を持った。人形は町に出て、レンタルビデオ店で働き始める。 ダッチワイフが主人公の映画ってどうなるのかと思ったら、冒頭から板尾のエロシーンから始まって、おいおいと思っていたら、ペ・ドゥナが動き出してからは幻想的な雰囲気になって安心しました。悲しいお話です。
023熊本物語 三池崇史 平幹二朗
根津甚八
原田芳雄
熊本を舞台にした三池崇史監督の歴史・伝奇ロマン三部作。愛する家族を守るため戦った人々の勇姿を描くオムニバス作品。 低予算の割にはよくできていると思いますが・・・。博物館や公民館などで上映するために作られた映画です。主演の女優さんが・・・ちょっと・・・です。3作目はミニ大河ドラマという感じでなかなか見応えがありました。でも竹中直人が豊臣秀吉を演じているのには笑いました。
024クワイエットルームにようこそ
松尾スズキ 内田有紀
大竹しのぶ
蒼井優
28歳のライター佐倉明日香はある日目覚めると白い部屋に拘束されていた。そこは精神病院の女子閉鎖病棟の通称”クワイエットルームと呼ばれる保護室だった。 非常に重たいテーマをコメディタッチで描いた作品です。特に前半は爆笑シーンの連続で大笑いさせてもらいました。「鼻水」が最高でした。後半になるにつれ笑えるシーンが減って謎解きっぽくなっていきますが、最後まで飽きることなく見ることができました。傑作とまではいきませんが、久々のヒットですね。
025珈琲時光 候孝賢 一青窈
浅野忠信
小林稔侍
余貴美子
2003年東京。台湾から戻ったばかりのフリーライター陽子は、神保町の古書店の物静かな二代目主人肇のもとを訪ねた・・・ のんびりとした作品です。電車の風景がいい感じで不思議な映画ですね。演出のせいかと思いますが、一青窈はすごーく地味(殆んど素で演じたらしい)です。小津監督の生誕100年を記念して作られたそうで、イスタンブール映画祭で金賞を受賞しました。
026五条霊戦記/GOJOE 石井聰互 浅野忠信
永瀬正敏
隆大介(
弁慶と義経の戦いを描くハイパー時代劇。平家武士が惨殺される怪事件が相次ぎ鬼の仕業という噂が。鬼を斬れというお告げを受けた弁慶は五条へ。 正直期待はずれです。派手な殺陣のシーンもたくさんあるんですが、どうも迫力を感じません。あまりにも人を簡単に斬っていくからでしょうか?
027ごめん 冨樫森 久野雅弘
櫻谷由貴花
國村隼
ひこ・田中の同名小説を冨樫森監督が映画化。小学校6年生の少年セイが大人へと成長する姿を瑞々しく描く。 関西弁の独特の世界がいい味を出してます。両親役の國村隼、河合美智子もいいですね。そして主演のセイ役の久野君。ちょっととぼけた憎めない顔した男の子。それが、後半の剣道着を着たままナオに会うために自転車で爆走する時の顔はすごく凛々しくいい男に見えました。誰しも経験する男としての成長の一ページをユーモラスにそして爽やかに描いた秀作です。
028さくらん 蜷川実花 土屋アンナ
菅野美穂
木村佳乃
安藤政信
江戸の吉原を舞台に、遊郭「玉菊屋」に連れて来られた少女が、成長して吉原でもトップの花魁となるまでを描く。 原色を多様した派手な映像が印象的な作品です。菅野美穂や木村佳乃が体当たりで濡れ場を演じています。まさかここまで演じてくれるとは思っていませんでしたのでちょっとびっくりです。さて主演は下妻物語でヤンキーを演じた土屋アンナ。この作品でもぶっとんだキャラクターを見事に演じています。そしてこの映画の最大に見所、ではなくて聴き所は椎名林檎の音楽ですね。これが一番印象に残りました。
029座頭市 北野武 ビートたけし
浅野忠信
柄本明
天才北野武監督が金髪という一風変わった出で立ちで座頭市をリメイク。盲目の居合の達人・座頭市は親の仇を探す姉妹と知り合い、彼女たちの復讐を手助けすることに。痛快時代劇アクション。 座頭市といえば勝新のイメージが強かったのですが、それほど違和感なく見ることができました。想像していた以上に笑いの要素が多くて、一歩間違えばコントになっちゃうんですが、ぎりぎりアクション・コメディという感じですね。映画は楽しければいいんです。それ以上を求めては駄目ですね。
030サマータイムマシン・ブルース 本広克行 瑛太
上野樹里
与座嘉秋
「踊る大捜査線」の本広克行監督が俳優陣を迎えて映画化した青春SFコメディ。ある大学のSF研究会のメンバーが突然現れたタイムマシンでクーラーのリモコンを取りに過去へ戻るが・・・ 最初は話がわかりにくくていまいち面白くないのですが、理解するに従ってどんどん面白くなっていきます。やっぱりタイムトラベルものは面白い!。バック・トゥ・ザ・フューチャーが好きな人は楽しめること間違いないです。
031ザ・マジックアワー
三谷幸喜 佐藤浩市
妻夫木聡
西田敏行
ギャングのボスの愛人に手を出してしまったホテルの備後。ボスに殺されそうになった際に咄嗟に伝説の殺し屋“デラ富樫”を知っていると嘘をつく。連れて来れば許すとの条件を出された彼は、デラ富樫を探しまわるが見つからない。そこで売れない三流役者・村田に富樫を演じさせることを思い付くが…。 三谷作品は初めてじっくり観たのですが、いや、面白かったです。脚本がよく練られていて最後まで楽しめました。それにしても佐藤浩市っていやあすごい役者ですね。
032自虐の詩 堤幸彦 中谷美紀
阿部寛
遠藤憲一
西田敏行
業田良家原作の4コマ漫画の映画化。無職で甲斐性無しのダメ男・葉山イサオと、彼に献身的に尽くす女・森田幸江の物語を描く。 嫌われ松子に続いて中谷美紀が薄幸の女を演じています。壬生義士伝でも男に尽くして最後に自害する女の役でしたが、本当に不幸な役が似合う女優さんですね。さて、本作ですが、原作は4コマ漫画なので果たしてどんな映画になるかと思ったら、以外とまともな作品になっていました。最後には泣くほどではないですが、ちょっとジーンときました。。
033静かなるドン 鹿島勤 香川照之
喜多嶋舞
倉田保昭
新田たつお原作のコミックを映像化したOVA。女性下着メーカーに務める関東最大の暴力団の跡取息子静也。父が殺され総長になった彼は・・・。 原作もヒットし中山秀主演でテレビドラマ化もされましたが、香川照之主演のこのシリーズが一番です。なんたってばってん荒川が男役というのがすごい!(熊本県民にはすごく違和感があります)しかもいい味出してます。もちろん主演の香川照之(若い!)の演技もいいですね。このシリーズ好き。
034SHINOBI 下山天 仲間由紀恵
オダギリジョー
沢尻エリカ
椎名桔平
山田風太郎の「甲賀忍法帖」の映画化。17世紀初め、徳川家康の命によって戦うことを命じられた伊賀と甲賀。それぞれから選ばれた5人の強者には、伊賀の朧、甲賀の弦之介もいたが、ふたりは愛を誓った仲だった。 前評判があまりよくなかったので期待せずに鑑賞したのですが、結構、はまりました。子供の頃、テレビアニメでサスケとか見てたんですが、忍者同士の戦いが実写で立派に作れる時代になったんですね。感慨深いです。確かにハリウッド作品に比べるとちゃちぃCGかもしれませんが、HEROやLOVERSとはそんなに差がないと思います。もっと、長い時間をかけて忍者の戦いをじっくり見せてもらいたいと思いました。ラブストーリーとしては悲しすぎますね。
035下妻物語 中島哲也 深田恭子
土屋アンナ
宮迫博之
嶽本野ばらの同名小説を映画化した女の子青春コメディ。ロリータファッション命のマイペース少女が、ひょんなことから全く対称的なヤンキー娘と出会い、一緒に小さな冒険を繰り広げる。 冒頭の宮迫のオナラのシーンでまずは大爆笑!土屋アンナが登場してからは、フカキョンとの絶妙なズレまくりの関係に引き込まれクライマックスはおぅ!って感じで盛り上がりました。脇にも芸達者な役者を揃えておりくすり笑いの連続。でも一番のツボは水野晴男氏の登場シーンですね。やられちゃいました。それにしてもフカキョンって現実離れした役が似合いますね。邦画ならではの傑作だと思います。
036呪怨 清水崇 奥菜恵
伊東美咲
市川由衣
老人介護のボランティアで郊外の一軒家を訪れた女子大生やこの家に関係する者が次々と戦慄の暗黒世界へと引きずり込まれていく…。 派手さはないですが、おどろおどろしいというか、暗い怖さがあります。梅津かずおの漫画のような世界ですね。きれいな女優さんばかりなのは個人的に○です。
037修羅雪姫 藤田敏八 梶芽衣子
黒沢俊男
西村晃
両親の復讐のためにだけ生まれてきた雪が、4人の仇を探し出し次々と復讐を果たしていく娯楽アクション作品。タランティーノのKILL BILLの元ネタとなった作品。 小池一夫原作、上村一夫作画の漫画の映画化。修羅雪姫という作品なくして「KILL BILL」という作品は生まれなかったといっても過言ではありません。まさしく原型がここにあります。復讐のためだけに生きる主人公雪を演じる梶芽衣子がとても美しいです。梶芽衣子が唄う主題歌(KILL BILLでも使用)も必聴です。
038スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ 三池崇史 伊藤英明
伊勢谷友介
桃井かおり
壇ノ浦の戦いから数百年後。とある山村の伝説のお宝を探し求め、義経率いる源氏と清盛が指揮する平家が抗争を繰り広げていた。全編英語の和製西部劇アクション。 石橋貴明、香川照之、木村佳乃などかなり豪華なキャストです。さらにあの巨匠タランティーノまでが出演しています。そしてエンディングテーマはなんと北島三郎大先生が熱唱。三池崇史がやりたいことをやってしまった感がある、まさに何でもありの映画です。
039蝉しぐれ 黒土三男 市川染五郎
緒形拳
木村佳乃
藤沢周平原作の名作を映画化。江戸時代の東北地方の小藩を舞台に、とある下級武士の生き方を、日本の四季折々の美しい風景を織り交ぜながら描いた人間ドラマ。 同じ藤沢周平原作の「たそがれ清兵衛」等の山田監督作品と比べるとセリフが方言ではなく標準語になっていたり、テンポがいまいちだったりしますが、映像の美しさ、原作の素晴らしさは本作の方が上だと思います。父の遺体を乗せた荷車を必死で運ぶ主人公文四郎と、親に関わるなと言われながらも文四郎と一緒に荷車を押す幼なじみのふくの姿に涙が溢れました。本作品にはお笑いの世界から二人キャスティングされているのですが、ふかわりょうはよかったのですが、今田耕司はちょっと本作には合わなかったような気がします。
040それでもボクはやってない 周防正行 加瀬亮
瀬戸朝香
山本耕史
「Shall we ダンス?」以来、11年ぶりに周防正行監督が撮った社会派作品。通勤電車で痴漢に間違えられた青年の裁判を描く。 最初から最後まで物語にぐいぐい引き込まれて観ました。痴漢で捕まったらこうなるんだということがよくわかりました。監督は周到に調査して作り上げられたのでしょうね。痴漢に限らず冤罪は本当に怖いですね。本当に他人事ではないと思います。
041太陽を盗んだ男
長谷川和彦 沢田研二
菅原文太
池上季実子
普通の物理教師がアパートで原爆を製造し、国家を敵にまわした孤独な戦いを開始する。パワー溢れる娯楽アクション。 日本にこんなすごい映画があったなんて!!知りませんでした。79年の作品なので音楽や風景に古さを感じさせますが、無茶苦茶パワフルでエネルギッシュな快作です。それと昔の作品なんで当たり前ですが、登場人物がみな若い!特に端役ですが、西田敏行の変貌ぶりにはびっくりしました。ジュリーは全盛期で不思議色気が溢れているし、文太兄いはターミネーターばりのど迫力です。日本映画史上に残る極上のエンターティメント作品と言えるのではないでしょうか?
042たそがれ清兵衛
山田洋次 真田広之
宮沢りえ
大杉漣
幕末の山形、2人の子供と老婆の世話をし細々と生きる清兵衛。ふとしたことから剣の腕が立つことが知られ藩命で上意討ちの討ち手に選ばれてしまう… 2003年日本アカデミー賞受賞作品。主演の貧乏侍役の真田広之がいいですね。さすがに基礎が出来ているというか殺陣のシーンも迫力があってかっこいいです。また宮沢りえは本当にいい女優さんになりましたね。存在感が素晴らしいです。山田監督って寅さんシリーズの印象しかなかったんですが、こんな時代劇も撮れるんですね。日本映画史に残る作品だと思いますが、注文をつけるとするとクライマックスの戦いのシーンが暗すぎてわかりにくかった点が気になりました。
043ただ、君を愛してる
新城毅彦 玉木宏
宮崎あおい
黒木メイサ
堤幸彦監督の「恋愛寫眞」をもとに『いま、会いにゆきます』の市川拓司が書き下ろしたアナザー・ストーリーを映画化した作品。 あまりヒットしませんでしたが、『いま、会いにゆきます』より断然、こちらの方がいいです。主演の二人の空気というか雰囲気がとても素敵です。ストーリーとしてはベタな恋愛映画なんですが、ストレートに描いてある分心に響きました。それにしても宮崎あおいの存在感、演技力には脱帽です。垢抜けない幼い感じの女の子から素敵な大人の女性への成長を見事に演じきっています。特にメガネを外した瞬間はそれまでと同じ女の子?と思うくらい美しく輝いて見えました。って、監督の意図に見事にやられたってことですね。切ない映画を見たい方にはおすすめです。
044誰も知らない
是枝裕和 柳楽優弥
YOU
北浦愛
実話を元に母親に置き去りにされた4人の子供たちが大人たちに知られることなく兄妹だけで生きていく姿を丁寧な筆致で描く。 映像、音楽、挿入歌、いずれもすごく印象に残る作品です。子役達の演技(といえるかは微妙ですが・・・)が素晴らしいし、無責任な母親役のYOUも適役だと思います。もちろんカンヌ映画祭最年少で主演男優賞を獲った柳楽優弥の存在は光っています。ストーリーとしては見た後で色々と考えさせられました。テーマは違いますが「火垂るの墓」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と「やりきれなさが残る」作品ということで共通する部分があると思います。テーマ曲の「宝石」はいい曲ですね。
045弾丸ランナー サブ 堤真一
田口トモロヲ
大杉漣
銀行強盗を計画する安田、シャブ中毒のコンビニ店長相沢、ヤクザ武田の3人の不思議な逃走と追走、爆走を描くバイオレンス・コメディ。サブ監督デビュー作品。 とにかく3人が走りっぱなしの映画です。走りながらのちょっとエッチな妄想シーンが笑えました。ただ、ラストがちょっと強引すぎる感じがします。惜しい。
046憑神 降旗康男 妻夫木聡
西田敏行
香川照之
貧乏神・疫病神・死神という三人の災いの神様に取り憑かれてしまった下級武士がやがて自分を見つめ直し奮闘していく姿をコミカルに描く。 降旗監督、浅田次郎原作という鉄道員コンビに期待したのですが・・・。ネタもいいし、キャストもいいんですが、何か突き抜けるものがないというか。TVドラマ化してもっと軽い感じにしたらいいのかもしれません。
047椿三十郎
森田芳光 織田裕二
豊川悦司
松山ケンイチ
黒澤明監督の名作を森田芳光監督がリメイク。社殿の中で9人の若侍たちが次席家老らの汚職について密談していると、椿三十郎という浪人が現れる。密談を盗み聞きしていた三十郎は陰謀の黒幕を見抜き、室戸半兵衛率いる悪者の手先から若侍たちを逃がす。 黒澤版を観ているので、どうしても比較してしまうと・・・織田裕二は三船敏郎と比較すると軽くて迫力にかける。という点を除けばかなり頑張っていると思います。
048椿山課長の7日間 河野圭太 西田敏行
伊東美咲
成宮寛貴
勤務中に突然死した椿山課長。しかし彼は残された家族への未練がたっぷり。さらに生前に知らされていなかった“重大な事実”があることも判明し、あの世の役人から3日間だけ下界へ戻ることを許されるが、よみがえってみるとその姿は絶世の美女になっていた。浅田次郎原作のベストセラーの映画化。 「星願」と似たような期間限定よみがえりストーリーなんですが、3人が同時によみがえってそれが繋がっていくところが非常に面白いですね。主人公にとっては不幸な話しのはずなのに見終わったあとは何故かさわやかな気持ちになれました。
049手紙 生野慈朗 山田孝之
玉山鉄二
沢尻エリカ
東野圭吾原作の小説の映画化。兄が殺人を犯し、人目を避けるように生きる青年。ある女性の支えにより幸せを掴みかけた彼は、兄からの“手紙”を断ち切る決意をする。 殺人犯の家族の挫折と苦悩を描いた社会派ドラマです。世の中の差別というものは本当恐ろしいと改めて思いました。ただ、山田孝之演じる主人公は、沢尻エリカが好意を寄せてくれてるのにずっと相手にせず、吹石一恵を好きになるというのは自分的には理解できません。どう見たって沢尻の方が可愛いのに。最後はハッピーエンドでよかったです。
050天国の本屋~恋火 篠原哲雄 竹内結子
玉山鉄二
香里奈
香川照之
天国と地上である一つの失われた恋に奇跡を起こそうと奔走する男女を描いたラブ・ファンタジー。松久淳+田中渉によるロング・ベストセラー小説『天国の本屋』、『恋火』を基に映画化。 最初は居酒屋から天国というあまりに唐突なストーリー展開に「これは駄作かも?」と思いましたが、設定がのみ込めるに連れて話に引き込まれました。天国と地上が同時進行で話が進み、竹内結子が叔母と姪の役でどちらにでも出てるんですが、髪型や雰囲気の違いで二役をちゃんと演じ分けています。突っ込みどころは満載なんですが、全体的な雰囲気がすごくいい感じで僕的には好きな映画です。それにしても香川照之は登場シーンは少ないんですがさすが演技が上手いですね。竹内結子とのビンタ合戦シーンは最高でした。僕も竹内さんにタタカレテミタイ・・・カモ。
051東京タワー オカンとボクと、時々、オトン 松岡錠司 オダギリジョー
樹木希林
内田也哉子
リリー・フランキーのベストセラーの映画化。松尾スズキが脚本を担当。福岡から上京したボクとオカンの人生をユーモラスに描いた感動作。 オカンの若い頃を樹木希林の実の娘で内田也哉子が演じていますがさすが親子、よく似てます。違和感が全くありません。楽しく観れたのですが、感動するという感じではなかったです。淡々としてるというか、原作がそうなんでしょうか?それとも、松尾スズキの脚本なのかなー。
052トリック 劇場版 堤幸彦 阿部寛
仲間由紀
竹中直人
自称売れっ子天才奇術師の奈緒子、天才物理学者上田の凹凸コンビが超常現象を解き明かす人気TVドラマシリーズの劇場版。 TVシリーズと同じく面白かったです。奈緒子と上田のコンビも相変わらすいい感じです。たけど・・・これって別に劇場版でなくてもよかったのでは?と思いました。
053長い散歩 奥田瑛二 緒形拳
奥田瑛二
高岡早紀
松田翔太
人生に悔恨を背負った初老の男と母親から虐待を受ける薄幸の少女のふたり旅を通じ、日本人が持つ心の優しさや愛情、美しい情緒を描き出す。 幼児虐待という社会問題を描きながらエンターティメントとしても見事に成立している秀作です。海外で評価を受けたのも納得できました。子役の演技も素晴らしく、松田翔太も出番は少ないですがインパクトがありました。が、なんといっても名優、緒方拳の演技は見事。またそれを演出した奥田監督、只者ではないです。エンドロールに流れるUAの「傘がない」は涙ものです。
054楢山節考 今村昌平 緒形拳
坂本スミ子
左とん平
山奥の寒村を舞台に村の掟として70歳になる母親を捨てることに切なさを感じとまどう息子の姿を生類共棲、淘汰の自然観、運命観を込めて描く。カンヌ国際映画祭パロムドール受賞。 さすがにいま見ると時代を感じさせる映像ですが、そこに描かれているのは貧しい山村の生活と生(性)と死ですね。老婆を演じるために実際に前歯を抜いた坂本スミ子の役者魂が熱いです。
055虹の女神 Rainbow Song 熊澤尚人 市原隼人
上野樹里
蒼井優
岩井俊二プロデュースを手掛けニライカナイからの手紙の熊澤尚人が監督した作品。映像製作会社で働く智也は、ある日、大学時代の友人あおいが飛行機事故で亡くなったことを知り…。 とても切なく余韻が残る作品です。たくさんの伏線や印象的なカット、劇中劇ならぬ映画中映画など非常に繊細に丁寧に作られた作品だと思います。主演の二人の自然(に見える)演技がストーリーにリアリティを与えています。また、ヒロインの盲目の妹役の蒼井優の存在感が素晴らしいです。この年代の女優の中では抜きん出ていますね。
056日本沈没 樋口真嗣 草なぎ剛
柴咲コウ
豊川悦司
小松左京の傑作SFを33年ぶりに最新の映像技術を用いて再映画化。日本列島の沈没という危機を迎え、パニックに陥る日本国民の姿とその中で出会った一組の男女の運命の行方を描く。 日本映画の映像技術もここまで来たかという印象です。阿蘇山の噴火シーンなどはすごい迫力です。(嗚呼、熊本城が・・・。)それに比べてラヴ・ストーリーが軽薄すぎます。主演の二人では無理なんですかね。それとも演出の問題でしょうか? パニック映画ではハリウッド映画のように、男女の愛を描くより親子愛を描いた方が観てる人は共感しやすいのではないでしょうか?
057ニライカナイからの手紙 熊澤尚人 蒼井優
平良進
南果歩
沖縄の竹富島で暮らすひとりの少女。毎年誕生日に届く幼い頃に別れた母からの手紙を支えに生きる彼女と周囲の人々との交流と、少女の心の成長を描く感動作。 アイデアはいいのですが、脚本が弱いと思いました。美味しい材料はいっぱいあるのに、中途半端な料理では、素材が生きていないという感じです。非常に惜しいですね。唯一、蒼井優の素晴らしさだけは伝わりました。
058パコダテ人 前田哲 宮崎あおい
勝地涼
大泉洋
ある朝、突然シッポが生えてしまった函館に住む普通の女子高生が巻き起こす騒動をコミカルに描くキュートなファンタジー作品。 宮崎あおいのための映画です。とにかく宮崎あおいが好きな人には堪らない作品でしょうけど、そうではない人にとってはごく普通の作品です。さあ、あなたはどっち?
059ハチ公物語 神山征二郎 仲代達矢
八千草薫
柳葉敏郎
大学教授である主人が亡き後、渋谷駅で帰りを待ちつづけた忠犬ハチ公の心温まる実話を元に人と動物との交流を描いた感動の物語。 非常に有名な話ですので、おおよそストーリーはわかっているのですが、それでも涙が出ますね。悲しい話ですが、ハチは幸せだったのかもしれないと思いました。大人から子供まで家族みんなで感動できる作品です。<犬の名前がハチではなくポチだったらポチ公前交差点になってたのかなーとか、ゴンだったら、ペスだったら・・・なんてくだらないことを考えてしまいました。
060はつ恋 篠原哲雄 田中麗奈
原田美枝子
平田満
17歳の聡夏は母の古いオルゴールから藤木という男性宛の投函されなかった手紙を見つけた。病床の母のために藤木を探し当てるが、彼はすっかりうらぶれた中年男になり果てていた。藤木を改心させ、母とかつての約束の地「願い桜」の下で再会させようとするが…。 とっても切ないお話しなんですが、田中麗奈の魅力がとっても印象に残りました。真田広之がだんだんかっこよくなっていく過程は面白いんですが、田中麗奈に手を出しやしないかハラハラしてしまいました。
061パッチギ
井筒和幸 塩谷瞬
高岡蒼佑
沢尻エリカ
1968年の京都を舞台に、日本人と在日朝鮮人の高校生の対立と友情、恋愛を描く井筒監督の最高傑作。 バラエティなどでおなじみの井筒監督。あのおっさんがどんな映画を撮るんだろうと思って観ました。前半は暴力シーンが多すぎて、ちょっと合わないなーという感じでしたが、後半になるに連れて話にどんどん引き込まれまていきました。そして葬式のシーンからクライマックスにかけては思わず涙が・・・。こんなに熱い映画を観たのは久しぶりです。イムジン河をはじめ音楽の使い方も最高ですね。あのおっさんは只者ではなかったんだというのが正直な感想です。在日朝鮮人という政治的なテーマを扱ってはいますが、青春エンターティメントの傑作です。
062花とアリス
岩井俊二 鈴木杏
蒼井優
郭智博
相田翔子
親友同士の女の子2人が、記憶喪失になった一人の青年をめぐって繰り広げる奇妙な三角関係を描いた青春ラブ・コメディ。 自分は40歳を超えたおじさんですが、この少女漫画のような世界にどっぷりはまってしまいました。この映画には他の作品にはない独特の雰囲気があると思います。これが岩井ワールドと呼ばれているものなんでしょうか?タイトル通り花とアリスのW主演なんですが、この二人の演技がとてもよかったと思います。特に蒼井優はすごくよかった。決して美人じゃないし、華があるわけじゃないし、演技派って感じでもない普通で自然な感じなのに、存在感がすごいです。彼女が画面に出てるだけで釘付けになっているような気がします。特にラストのバレエを踊るシーンはフラガールでのダンスシーンに負けず素晴らしかったです。若手女優の中で蒼井優がNo.1だと改めて確信しました。
063花よりもなほ 是枝裕和 岡田准一
宮沢りえ
古田新太
香川照之
元禄の時代。仇討ちのために江戸へ出てきたぺっぴり侍青木宗左衛門を中心に、貧乏長屋で暮らす人々の生活をユーモラスに描いた人情時代劇。 「誰も知らない」の是枝監督が時代劇を撮ったということで果たしてどんな作品になるかと思ったら・・・すごく面白いというわけではありませんが、全編ほのぼのとした雰囲気の人情時代劇でした。主演の岡田君やお笑い界からのキャストがちょっと心配だったのですが、違和感なく見れました。宮沢りえ、香川照之、古田新太といったあたりはさすが期待通りでした。ただ、是枝監督らしさというのはあまり感じられず残念でした。唯一、ドキュメンタリー出身らしく長屋のリアリティはさすがですね。
064バブルへGO!!タイムマシンはドラム式 馬場康夫 阿部寛
広末涼子
薬師丸ひろ子
2007年800兆円の借金をかかえ破綻の危機に瀕した日本を救うため、財務省大臣官房経済政策課の下川路は1990年にタイムリープし、バブル崩壊を食い止め、歴史を作り変えるという仰天プランを立てる。 久々のホイチョイ作品ということで期待して観たところ、期待通りに面白い作品でした。なんといっても阿部ちゃんのコミカルな演技は最高ですね。広末も意外と可愛かったし。バブル時代を東京で過ごした人間にとっては懐かしいシーンもたくさんあってよかった。あの頃はクラブじゃなくて、ディスコだったよなー。六本木のディスコビルもいったし、たしかに給料がたくさん貰えたもんなーあの時代は。バック・トゥ・ザ・フューチャーには全然及びませんが、タイムトラベル物としては佳作の部類かと思います。細かいことは気にせずに観ることをお勧めいたします。
065必殺!3 裏か表か 工藤栄一 藤田まこと
松坂慶子
三田村邦彦
伊武雅刀
必殺!の劇場版第3弾。江戸に存在する地下金脈を巡って、闇の金融集団と仕事人が対決するが、次々と命を失っていく。人気の秀、政、竜が唯一揃い踏みした同シリーズの代表作。 どんどん追い込まれていく主水が渋いです。復讐のための暗殺という感じではなくて、巨大な闇組織と主水一味の全面戦争という感じで後半は派手な戦闘が繰り広げられます。こんなに人を切る主水は珍しいですね。
066必殺4 恨みはらします
深作欣二 藤田まこと
千葉真一
三田村邦彦
蟹江敬三
必殺!の劇場版第4弾。中村主水が属する南町奉行所に美しい奉行・奥田右京亮が着任してきたのと同時に貧しい長屋で殺人事件が起き、やがて将軍家をも巻き込む大事件へと発展していく。 あまり期待していなかったのですが、これはめちゃめちゃ面白かった。娯楽時代劇というジャンルではこれまで見た作品の中で1ですね。深作監督の力量に脱帽です。従来の必殺とはだいぶ雰囲気が違いますが、とにかく最初から最後まで飽きさせません。傑作アクション時代劇、ここに在り。
067武士の一分 山田洋次 木村拓哉
檀れい
笹野高史
山田洋次監督による藤沢周平原作時代劇の第3弾。小藩の下級武士である主人公が、妻とのつましくも幸せな生活を踏みにじられたとき、一人の男としての尊厳を懸け毅然と立ち上がる姿を描く。 日本アカデミー賞最優秀助演男優賞に輝いた笹野高史の存在感が素晴らしいです。笹野演じる中間がいなくてはこの作品は成立しないでしょう。それほど重要な役を見事に演じています。あとは健気な妻を演じる壇れいが綺麗ですね。木村拓哉は現代劇の方が生きるような気がしました。
068フラガール
李相日 松雪泰子
豊川悦司
蒼井優
岸辺一徳
炭坑の閉山で活気を失った町の再生を期して計画されたレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の誕生にまつわる実話を映画化したハートフル・ストーリー。 笑って泣ける映画です。炭鉱とダンスといえば名作「リトルダンサー」を思い出しますが、いい勝負ですね。日本アカデミー賞作品賞受賞がうなづけます。特に助演女優賞をとった蒼井優の存在感が素晴らしいです。完全に主役を喰っているというか、誰が主役なのかなという感じです。いわきのハワイアンセンターの存在は知っていましたが、こんな歴史があったとは知りませんでした。
069変身 佐野智樹 玉木宏
蒼井優
佐田真由美
東野圭吾原作の小説映画化。世界初の脳移植手術を受け昏睡から目覚めた青年・成瀬純一。退院した純一は、恋人の恵に温かく迎えられ新しい生活を始めるが、彼自身の中では何かが少しずつ変化していた。 主演の二人の熱演は素晴らしい。玉木君は非常にシリアスで難しい役をちゃんと演じていたし、蒼井優はすごく熱演してるんだけど、なんかいまいちな感じを受けました。
070亡国のイージス 阪本順治 真田広之
寺尾聰
佐藤浩市
中井貴一
福井晴敏のベストセラー小説の映画化。海上自衛隊の最新鋭護衛艦であるイージス艦を乗っ取り日本国家に空前の戦いを挑む男たちの真意と、たった一人で事態解決に立ち上がった男の奮闘をに描く。 「沈黙の戦艦」と「ザ・ロック」を足して3で割ったような作品です。前半はなかなか見ごたえのある展開で目が離せませんでしたが、後半はイマイチですね。ラストの真田広之の手旗信号はさすがに笑ってしまいました。スタッフ、キャストの頑張りは認めますが、ちょっと残念です。
071僕の彼女はサイボーグ クァク・ジェヨン 小出恵介
綾瀬はるか
桐谷健太
竹中直人
「猟奇的な彼女」、「僕の彼女を紹介します」のクァク監督が日本を舞台に描いたSFラブストーリー。20歳の誕生日に理想の彼女と最高の時を過ごした青年ジロー。しかし、突然彼女は姿を消してしまう。1年後、ジローは彼女と再会するが…。 ターミネーターを思わせる部分もあるが、未来からやってきた強い彼女にヘタレの僕が助けてもらうという話しはまるでドラえもんみたい。とにかく不思議な映画ですが、結構、楽しく見ることができました。これまで主演の二人はどちらかといえば苦手な役者さんだったのですが、この映画ではぴったりのキャスティングで魅力的です。
072星に願いを。 冨樫森 竹内結子
吉沢悠
高橋和也
「星願 あなたにもういちど」の日本版リメイク作品。函館を舞台に体にハンディを持った青年と白衣の天使の切ない恋をファンタジックに描く。 香港版のオリジナルを先に観ていましたので、比較しながら観ました。ストーリー的には殆んど同じですが、ややコメディアスな香港テイストのオリジナルに比べて前半は切ない感じがよく伝わってきてなかなかよかったんですが、クライマックスがちょっと・・・残念。オリジナルはクライマックスが絶妙で涙が溢れたんですが、それに比べると・・・。主演の二人の演技はよかったと思うんですが、脚本、演出の問題でしょうか・・・。うまく感情移入できませんでした。いい作品なんですが惜しいです。
073ポストマンブルース サブ 堤真一
遠山景織子
大杉漣
毎日を惰性で過ごしていた郵便配達員が旧友との再会を機に何かが弾けたように持ち帰った郵便物を次々と開封する。クライマックスの自転車レース?が見所。 冒頭、郵便物を配達せずに自宅に溜め込んでそれを次々と開封する主人公の姿に、これは危ない奴を描いた重たい映画なのかも?と思いましたが、全然、そうではありませんでした。ありえない展開に笑いましたが、ラストは切なくて泣けました。大杉漣がよかったですね。邦画もまだまだ捨てたもんじゃない!と思わせてくれる作品です。
074鉄道員(ぽっぽや) 降旗康男 高倉健
広末涼子
大竹しのぶ
小林稔侍
北海道の小さな終着駅で、不器用なまでにまっすぐに鉄道員としての誇りをもって生きてきた男を描いた、浅田次郎原作の小説を映画化したファンタジックな感動作。 北海道の自然は美しいですし、高倉健の存在感も素晴らしいです。またそこそこ感動できます。だた、過去の回想シーンと現在のシーンが交錯しながらストーリーが進んで行きますがその部分がどうも今ひとつという感じがします。もうちょっと演出がうまければ更なる感動を与えられたのではないでしょうか?
075壬生義士伝
滝田洋二郎 中井貴一
佐藤浩市
夏川結衣
中谷美紀
浅田次郎のベストセラー小説を映画化。幕末を舞台に無名の新撰組隊士吉村貫一郎を主人公に愚直なまでに愛する者のために生き抜いた一人の男の波瀾の運命を描く。 2004年の日本アカデミー賞受賞作の本作品ですが、近年の邦画ではベスト10に入る傑作だと思います。これまで中井貴一という俳優は、あまり上手いと感じたことはなく、好きではありませんでしたが、この吉村役で完全に見直しました。トーンを抑えて話す南部訛りのセリフが実にいい味を出しています。家族を食べさせるために故郷を離れ新撰組に参加し、生き抜いていく男の姿を見事に演じています。主演男優賞も納得の演技です。また斉藤一役の佐藤佐藤浩市、吉村の妻しず役の夏川結衣等、周りの役者さんも皆素晴らしい演技を見せています。特にぬい役の中谷美紀のはかなさが強く印象に残りました。吉村と娘の橋の上での別れのシーンから後半は涙が溢れて仕方ありませんでした。
076地下鉄(メトロ)に乗って 篠原哲雄 堤真一
岡本綾
常盤貴子
大沢たかお
地下鉄から東京オリンピックに沸く昭和39年に迷い込んだ営業マンの真次。彼の話を誰もが聞き流す中、恋人のみち子だけは信じてくれた。そんなある日、彼は彼女と共に戦後の闇市が広がる昭和21年に紛れ込んでしまう。浅田次郎原作の感動作の映画化。 所謂、タイムスリップものなんですがタイムスリップする手法が明確ではなく、しかも都合のよい時代へ移動するので突っ込みどころは満載です。しかし細かい部分にこだわらずに見れば主役の愛人役の岡本綾の幸薄そうな演技と切ないラストはとても余韻が残りました。もし、自分が同じ状況になったらどうするかを考えさせられる作品です。
077木曜組曲 篠原哲雄 鈴木京香
原田美枝子
富田靖子
豪華女優陣が共演したミステリー。謎の薬物死を遂げた女流作家・重松時子を偲び、毎年5人の女たちが時子の館に集っていた。そして今年、彼女たちの元にある告発メッセージが添えられた謎の花束が届く。 日本を代表する女優陣の演技が素晴らしいです。ミステリーとしては、そんなに緊迫感がないのがちょっとマイナスかもしれませんが、謎解きとしては面白いですね。あと、食事のシーンが多いのですが、料理がみな美味しそうです。
078山桜 篠原哲雄 東山紀之
田中麗奈
篠田三郎
藤沢周平による原作を映画化。辛い結婚生活を耐え忍ぶ女性が、かつて縁談を断った実直な侍と山桜の下で偶然出会い人生の光明を見つけ出す。 藤沢周平原作ということで、山田洋二の3部作や蝉しぐれのレベルを期待したのですが、いま一つでした。主演の二人は悪くないので、脚本か監督の力量ですね。
079ユリイカ(EUREKA) 青山真治 役所広司
宮崎あおい
宮崎誠
バスジャック事件の現場に遭遇し、生き残った3人。彼らの過去から逃れられない苦しみと、新たに発生した連続殺人事件を絡めて、心の再生を描く感動作。 バスジャック事件で生き残った元バス運転手と兄妹、同じように殺されかけた経験を持つ兄妹の従兄弟の4人の共同生活と周囲の人々がモノクロの映像で静かに淡々と描かれています。3時間半を超える作品ですが、何が起こるか予測できない微妙な緊張感があり飽きずに最後まで見ることができました。救いようのない世界の中で宮崎あおいの存在に唯一心が癒される気がしました。福岡が舞台なんですが、後半はラストシーンを含め阿蘇のシーンがたくさんでてきますので、熊本人としては嬉しいですね。
080ゆれる 西川美和 オダギリジョー
香川照之
伊武雅刀
実力派2人を迎えて贈る上質の人間ドラマ。ある出来事をきっかけに都会へ出た弟と田舎で家業を継いだ兄の対照的な兄弟間に巻き起こる心理的葛藤を巧みな構成で緊張感いっぱいに描く。 2時間の上映時間があっという間に感じました。本当は何が起こったのか?兄貴は偽善者なのか?と観ているこちらの気持ちも揺れていました。監督が2年かけて書き上げた脚本ということですが、非常に繊細に緻密に兄弟、周囲の人物の心情を描写しています。主演のオダギリジョーもよかったのですが、兄役の香川照之は本当に素晴らしい役者だと改めて思いました。それとキム兄の粘っこい検察官役も意外とよかったですね。ガソリンスタンドで無人のホースが水を噴出しながらゆれるシーンはD・リンチの「ブルー・ベルベット」のワンシーンを思い出しました。
081妖怪大戦争 三池崇史 神木隆之介
宮迫博之
豊川悦司
いじめられっ子の少年タダシがひょんなことから正義の味方となり、日本の妖怪たちと力を合わせ悪霊軍団に立ち向かう。 何気に出演者が豪華です。さすが人脈が豊富な三池監督。ですが、特殊メイクのおかげで誰が誰だかわかりにくいです。その中では岡村演ずる妖怪「小豆洗い」がいい味を出してました。突っ込みどころ満載ですが、みんなで楽しんで作った感がすごくする映画です。それにしても・・・川姫の濡れたフトモモが・・・たまりません。僕も膝枕されてみたい。
082黄泉がえり 塩田明彦 草なぎ剛
竹内結子
石田ゆり子
哀川翔
梶尾真治原作のラブ・ファンタジー。生者と死者との優しき想いが前半は群像劇として描かれ、後半は川田と葵のドラマに焦点が絞られていく。 原作者が熊本出身なので阿蘇が舞台なんですが、熊本県民として突っ込みたくなるシーンが多々あります。ま、それはおいといて全体的によかったです。主演の草なぎ君と竹内結子が好きなんでそれだけで満足です。RUIの歌も長い、長過ぎるけど・・・まあ許しましょう。ただ、全体的に間延びし過ぎという感じはしました。
083リング 中田秀夫 松嶋菜々子
真田広之
中谷美紀
見た者は7日間で確実に死ぬという呪いが込められたビデオテープの恐怖を描いた鈴木光司原作による大ヒットホラー。貞子が来る・・・。きっと来る。 近年のジャパニーズ・ホラーの代表的作品です。怖いのは怖いのですが、淡々と進む展開でホラーというよりはサスペンスという感じがします。でも、やっぱり貞子の登場シーンはかなり怖いですね。若い頃の竹内結子もちょっとだけ出ています。
084ワンダフルライフ 是枝裕和 ARATA
小田エリカ
寺島進
死者が天国へ辿り着くまでの7日間に最も大切な思い出をひとつだけ選ぶ、という設定を通して人生の意味について見つめ直す不思議な感覚のファンタジー作品。 亡くなった人達が思い出を語るシーンが印象的です。俳優さんだけではなく素人の方も混じっているようなんですが、それらの方々が語る思い出が本当にリアルで聞き入ってしまいます。またそれを見ながら自分の一番の思い出はなんだろう?って自問しました。ストーリー展開としては淡々と進んで行くので感動するというほどではありませんでしたが、見終わったあとも考えてしまう作品です。
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