虫歯にならないためのコーヒーシュガー選び

虫歯は細菌が酸を産生できる糖を1日のうちに頻回摂取することで発生します。

コーヒーや紅茶にたとえば3g程度の砂糖を(スティックシュガー1本程度)を入れたとするとショ糖の濃度は2%前後となります。この濃度の液体を口に含むと歯垢pHは歯を溶かし始める臨界点の5.5以下になるといわれています。したがって砂糖入りコーヒーや紅茶を頻回飲む習慣のある方は虫歯の危険が高いと考えられます。しかしながら人の習慣とは恐ろしいもので、嗜好品のたぐいはなかなかやめられないものです。そこで虫歯にならないためのコーヒーシュガーを検討してみましょう。


まず甘味料の分類表をご覧下さい。

甘味料は大きく分けると糖質系と非糖質系に分類されます。糖質系のもののうち歯垢細菌により代謝できる糖は酸産生能があり虫歯の原因になりえます。一般的に砂糖(グラニュー糖なども)と呼ばれているものはその本体はシュークロースであり虫歯の原因となる糖の代表格といえます。一方最近話題のキシリトールをはじめとした糖アルコールと呼ばれる糖には酸産生能がなく虫歯の原因にはなりえません。砂糖の構造異性体のパラチノースも同様に虫歯をつくりません。もう一つ異質なものとして非糖質系の高甘味度甘味料とよばれるものがあります。これは甘味度が砂糖の2万倍から3万倍ありごく微量で甘さを発揮することができ、虫歯の原因にはなりません。

虫歯をつくらないためには、この酸産生能のない糖(代用糖)を用いればよいわけですが食品として摂取するとなると話はそう単純ではありません。糖アルコールの甘味度は概ね砂糖の6割からよくて8割程度しかありません。唯一キシリトールだけが砂糖とほぼ同じ甘味度があるとあるといわれていますが、価格が砂糖の10倍程します。また高甘味度甘味料は単独で用いると独特の苦味があるといわれます。

というわけで代用糖は味とコストの点から単独で用いることができず、うまくおりまぜて使わなくてはならないわけです。


では実際にどのような甘味料が市販されているのか実例を示しましょう。これらはどれもダイエット甘味料として用いられるものです

品番

商品名

社名

成分

カロリーカット

1

エリス**

AS社

エリスリトール(98.44%)

ステビア(1.52%)  香料(0.04%)

カロリー0

2

パルス***

AJ社

アウパラテーム(1.7%)

還元麦芽糖水飴(97.7%)    香料

砂糖と同じ甘さで約1/8

3

ハーフシュ**

TO社

砂糖

ステビア    

比率の記載なし

砂糖と同じ甘さをえるのに1/2の量ですむ

4

カップシュガーラ**

NI社

砂糖

アスパラテーム、Lフェニールアラニン化合物

砂糖と同じ甘さをえるのに1/3の量で済む

(特定の商品を非難することが目的ではありませんので実名は避けました)

以上のようにさまざまな成分の甘味料が市販されていますが、大別すると糖アルコールに高甘味度甘味料を添加しているもの(品番1、2)と、砂糖に高甘味度甘味料を添加しているもの(品番3、4)に分けられます。もちろん味も普通の砂糖とは微妙に違います。

虫歯の原因になるかならないかという観点からみると、品番1、2は砂糖が用いられていないので虫歯の原因にはなりえません。一方品番3、4は砂糖が成分として用いられていますので虫歯の原因になる可能性は否定できません。

結論

虫歯予防の観点からは砂糖の含まれていない、ダイエット甘味料を用いるべきです。もちろんそういった甘味料を砂糖と織りまぜて使うのでは意味がありません。


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