8.霧多布


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○8月5日(木)

 今日も5時に起床。目覚し時計など使わなくとも、明るくなると自然に起きることができる。
 前日に仕入れておいたカップやきそばで朝食とする。まあ本来ならこういう不健康な食事は避けたいのだが、慌ただしい朝にはこんな簡単かつ手抜きのメニューしかないのが本音といった所だ。

 そして二日間行動を伴にした岩波氏らと別れるのはつらいが、限られた日程の旅ではそうも言っていられない。6時45分にこの居心地にいいキャンプ場を後にする。
 道道135号を下るにつれ、先に雲がかかっている。昨日、屈足の食堂のオバチャンと話しをしたときに、十勝(平野)は天気が悪い…と聞いたが、その通りのようだ。岩松で左折し、霧の中を進む。
 しばらくすると霧は晴れてきたが、曇空。道道35号(現在は国道274号)をひたすら東へ走り、士幌へ。夏だというのに結構寒いので、途中の店でホットコーヒーと菓子を買い、小休止。さらに東へ進んでゆくと、だんだん空が明るくなってくる。本別町の勇足で利別川を渡り、国道242号に出るには1時間弱かかったが、そのころにはようやく青空が広がってきていた。
 点々と雲の浮かぶ空の下、そこから太平洋目指し国道392号に入る。ひたすら山の中の道。店もスタンドもない。
 ようやく白糠町で太平洋に突き当たる。海岸沿いの国道38号で釧路に入ると車が増え、トムラウシの山の中から出てきた俺は戸惑ってしまう。前後を車に囲まれ、信号で何度も止まりまがらなんとか抜け出すと、そのままの進路で厚岸町を経由し道道1020号へ。太平洋を右手にのぞみながら快走するはずだったのだが、天気がイマイチなので景色もそうではない。

 13時に琵琶瀬展望台に着く。
 ステッカーなどを買い、あげいも(200円)を買う。目の前に一望できる霧多布湿原を見ながらあげいもを食う。うまい。
霧多布周辺にて  その後、海沿いの道を行ったり来たりしながら景色の良い所を探しまわるが、これといったポイントを見つけられないまま本日の宿泊予定地である霧多布岬キャンプ場へ。海の見渡せる見晴らしの良いサイトで、おまけに無料ときている。北海道には、こういった内地では考えられないような充実した、かつ無料の(あるいはタダ同然に安い)キャンプ場が多い。

 空いているスペースとしては一番見晴らしのいいらしい所にテントを張り、まずは買い出し、そのあと風呂だ。
 近くの町へ行き、スタンドで給油した後、向かいのスーパーでトマト、きゅうり、肉などを買い込んだ。つづいて風呂なんだが、買い物をしながら聞くと、町中にある銭湯は本日休みとのことだった。だが、ここで諦めてはうまいビールが飲めないというもの。ちょっと遠くてもいいから他に入れる所はないか聞いてみた。
 すると、「浜中の榊町という所にあるホテルで入れるよ」との返事。
 これは有難い。ただ、少し遠いようなので場所を聞いていると、買い物に来ていたおばさんが、帰るついでにその付近まで誘導してくれると言うではないか。そこでその好意に甘えることにし、おばさんの車のあとについて走る。
 目指す浜中観光ホテルは浜中町目指してしばらく走り、榊町という所で左折し海沿いから離れ、坂を登りきった左側にある。ここで450円払ってフロに入る。17時頃にはテントに戻ってきて、ビールを飲みながら寛いでしまう。

 空はどんより曇り。気温14℃。
 夜は近くのテントのライダーと酒を飲む。俺はブタ焼肉+菓子+きゅうり+トマト。明日の朝飯にと、ジャガイモを三つ煮る。

  [本日走行:415km, 消費ビール:1L]




○8月6日(金)

キャンプ場の朝  4時起床。今日はカラスの鳴声で起こされる。天気がいい。コーヒーを沸かし、じゃがいもを暖めて食べる。
 4時55分、港外に出て待機していたコンブ船が一斉に動き出した。競い会うように一直線に漁場へ向かうのが傍観できる。
 6時半、昨晩語り合った柏のセロー吉田氏、ニンジャ750氏に別れを告げ、今度はオホーツク海目指し、晴れの下出発。浜中町を抜け、道道1020号へ。このあたりから雲が多く、寒い。ひたすら距離を稼ぐ。

多和平
 別海町経由で弟子屈方面へ。牧場の中の長い道を通り、まずは見晴らしの良い展望台があることで有名な観光地、多和平へ。その展望台からは360度景色が見渡せる。すぐ脇にキャンプ場もあり、芝生で良さそうなサイトだった。ただ、眺めについては雄大な景色に見慣れているせいもあり、こんなもんかなあという感じもする。

からまつの湯  さて、そこから少し戻り養老牛方面へ。去年行きそびれた、からまつの湯に入るためだ。清里方面へとむかう道道を右折し、ダートへ。見晴らしのいいジャリ道を数キロ走った左側にそれはある。脇に小川が流れていて、以前行った、鹿追にある菅野温泉キャンプ場の露天風呂を思い出させる。素朴な感じの手作りの無料露天風呂だ。

 川の流れる音を聞きながらとても良く暖まった。特に今まで寒かったもので、余計に極楽だ。空は快晴で、雲ひとつなかった。




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