○8月1日(日)
3時に起床。洗顔していると 間もなく到着する旨の船内アナウンスがあった。外はまだ真っ暗だが、町の明りだろうか、陸地と思われる方向の所々から光が見える。
水溜まりに雨の波紋が見えた! その瞬間、絶望的な気分にさせられた。
その作業が終了したのか、最初に下船する4輪車の列がゆっくりと動き出した。我々ライダー達も、誰かれともなくエンジンを掛けはじめる。いよいよ、再び夢の大陸を走ることができる。
外に出るとやはり小雨。暗い気分の中、それでも内地とはまるっきり違う雰囲気の中、走り出す。一緒にフェリーでスタートしたライダーと信号待ちで一言二言話す。
そのまま国道を北へ走り、滝川市を目指す。いつの間にか雨は衰えてきている。 午前7時過ぎ、滝川市から国道38号に入る。途中でガソリンを入れ、8時10分に芦別→美馬牛へ至るダート(道道509号)を走る。上富良野へと続く道、千望峠での眺めは素晴らしい。森を抜け走っているとパッと視界が開け、広大な田園風景が広がる。広く快適な舗装道路がゆるやかなカーブを描きながらその中へと下っている。そして俺はこの雄大な景色の中へと進んでいった。
1年ぶりの上富良野、ラベンダーはその花の季節を終え、美瑛へと続く国道からはあの鮮やかな紫色を望むことはあまりできなかったが、お約束の観光名所拓真館に寄った時に、その姿を見ることができた。
次に、初日だしたまには贅沢な風呂もいいかということで白金温泉ホテルの露天風呂へ1000円も払って入ってみる。嬉しいことにこの露天風呂は混浴であり、たまたま居合せた女性とご一緒できたのだった。湯は茶色で、舐めてみると鉄っぽい味がする。やっぱり温泉はこのくらいの色がついてなきゃ。
同じツーリングライダー同志、すぐに打ち解け、旅の話に花が咲く。ただ、独特の雰囲気が感じられるキャンプ場常連の人達とは、最初はとても話しづらい感じがある。コツは向こうが一人になって、さびしそうにしてる時がいいと、その人も言っていた。彼は去年、会社を9ヶ月でやめてプー太郎になり、大阪から九州、四国とまわりここまできてハマったそうだ。
そのCBR400氏から美瑛町内の風呂の場所を教わったりした。今、他の多くの常連は青森・ねぶた祭りのため内地へと南下しているそうだが、そう言う彼もそろそろ行くと言っていた。 警察による現場検証を見ながら、目撃の老夫婦らと事故の原因・背景・怖さなどについての話をする。この辺は事故が多いらしい。やはり、景色に見とれての一時停止無視が多いようだ。車と車の事故ならともかく、バイクと車の衝突事故ではどちらの被害が大きいかは考えるまでもない。ライダーである我々は、常に周囲に気を配って走らなければならないのだと再認識させられた。 夕方、次々とライダーがやってくる。その中で、近くにテントを張った大阪のジェベル250黒部氏、SR氏と夕食のジンギスカンを囲む。ソーセージなどもつまみに酒盛り。木立の間から見える夕日が美瑛の丘に消えてゆき、小麦の穂がオレンジ色に染まる。丘のまち、美瑛の美しさは評判以上だと思う。 その夜は飲み、語り、夜のセブンスターの木を見に行ったり(ただし徒歩のため片道40分くらいかかったが。かなり疲れる。)と、楽しい北海道初日の夜を過ごした。
[本日の走行:265km, 消費ビール:1.5L]
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