フッと顔が朧気に浮かんできて、すぐに消える。 (あれは……誰だ?) 再び、朧気に現れる。男……いや、少年? (私は彼を知っている?) 再び、今度ははっきりと少年の姿が見える。にっこりと微笑むその邪気のない笑顔に、合点がいった。 (ああ、やはり私は、彼を知ることになる。彼の最期に私はいたから。私が初めてこの《力》を使った過去に、彼の未来が重なったんだ) 網膜を焼く真白な光の洪水。
真白い、輝くような光の渦……その中に彼らはいた。
「あなたの過去を私は知らないし」
そして、少年と青年が交差し、そしてさらに、少年の未来と青年の過去が交差するのだ。 時は逆行する。ほんの少しだけ。今を現すためにほんの少しだけ……。
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