魚梁瀬は立ち上がった。奈半利の王の執務室であった。側には物部の姿がある。 「物部、後は頼むぞ」 魚梁瀬が物部に言った言葉は、その一言だけであった。物部は言葉を発さず、ただ頭を下げた。 そして、魚梁瀬は東京へ出てきた。