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大沼式ペットボトル

 2000年2月23日

 幼虫をペットボトルで1匹ずつ飼育する場合の、ペットボトルの加工方法なんですが、いろいろ自分なりに試行錯誤した結果、今のところベストだろうと思っている方法を紹介します。

 私はウーロン茶の2リットルボトルを使っています。形がいびつで中が少々見えにくいという欠点はありますが、容量的に十分だし、加工が楽などメリットも多いのです。主にサントリーの製品を使っていますがキリンの製品もボトルの形状が同じです。アサヒもかなり似た形ですが微妙に違っています。コカコーラ製品はまったく違う形なのですが、同じように使えると思います。

 ペットボトルは2本使います。1本は容器本体、もう1本はフタにします。


 本体のほうは、この位置で切り取り、上のほうを捨てます。ボトルの肩より上で切ると、マットを取り出すときじゃまになってしまいます。


 もう1本のボトルの底をこの位置で切り取りフタとして使います。横から見ると溝が何本もあるのですが2本目と3本目の間で切るのが最も使いやすいようです。(詳しい理由説明は後述)


 フタのほうには穴をひとつあけておきます。この写真では5×8mmくらいの穴があけてあるのですが、もう少し小さくても大丈夫です。反対に大きいとマットの乾燥が早くなってしまうので良くありません。


 マットと幼虫を入れた容器本体に、キッチンペーパーをかぶせて、さらに上からフタをかぶせます。キッチンペーパーはコバエが中に侵入しないように、逆に入ってしまったコバエが中から出てこないようにするためのものです。たまにフタとキッチンペーパーの間から逃げられずに死んでいるコバエをみつけることがあります。(^^;)


 できあがり。(^^)v

 この2リットルのボトルは、腰のくびれた部分より上が、下の部分よりわずかに細くなっていて、キッチンペーパーをはさんでかぶせるのにピッタリなんですよね。さらに、側にある溝がキッチンペーパーを押さえるのに都合がいいんです。フタの溝が1本だとキッチンペーパーを押さえる力が弱くて幼虫が脱走することもあるかもしれません。逆に3本だとフタをかぶせるのに苦労します。


 この方法で作ったボトルはマットが乾燥しにくいので、エサを交換するとき以外はほとんど水を追加する必要がありません。しかし逆に言うと水分過多になってしまったマットはほとんど水分が抜けませんので、ボトルに入れる前にしっかりとマットの水分調整をしておく必要があります。

 私が使っているマットは、水を加えたときの重さが1リットルあたり420〜450gぐらいになるようにしています。適切な水分量は使用するマットによって違いますが、クヌギなどの朽ち木を粉砕したマットやさらにそれを発酵させたマットの場合はこれくらいでいいみたいです。マットは水を加えてから時間がたつとマットの粒子自体が水分を吸い込みますので、新品のマットに水を加えたばかりのときは「ちょっと多いかな?」と思うくらいでいいみたいです。手でにぎったとき手のひらがジトッと濡れるくらいです。十分に水を吸い込んだマットの場合は手のひらにほんの少し湿り気が残るくらいでいいと思います。マットに水を加えてから数時間〜1日おいて、それから幼虫を入れたほうがいいでしょう。

 幼虫を入れ、フタをした状態で重さを計っておけば、数日後に重さを計るだけでマットの乾燥具合がわかります。軽くなっていればその分だけ水分が抜けたということです。

 マットの上は数センチぐらい空間をあけておきます。幼虫がマットの上に出てきてあばれる(?)こともありますし、蛹になりさらに羽化して成虫が出てきたときに成虫が動きまわることもあるでしょう。

 フタにはさむキッチンペーパーはフタからあまりはみ出さないようにします。はみ出している部分が多いとマットの乾燥が早まってしまいます。

 ボトルの外側には黒い色画用紙などを巻くと中の幼虫も落ち着きますし、ボトルの壁ぎわにいることも多いので観察に便利です。実はティッシュペーパーの空き箱がこのボトルにぴったりで、箱の両端を切り取って筒のようにしたものをかぶせれば楽です。ボトルの本数が多いときにはまとめてダンボール箱に入れてしまうのがいいでしょう。我が家ではウーロン茶を箱(6本入り)で買っていますので、その箱を半分に切って使っています。


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