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カブトムシ飼育容器内に発生する
困った連中の傾向と対策

2000年7月5日
一部改訂: 2000年11月17日

 カブトムシを飼っていると、いろいろな細かい生き物がわいてきます。こいつらがなかなかうっとうしいんです。うっとうしいだけで人間に害があるのかないのか・・・、それはよくわからないんですが、カブトムシを飼っていて病気になったという話は聞いたことがないので大丈夫なのではないでしょうか。

  1. コバエ
  2. ダニ
  3. トビムシ(?)
  4. カビ

 で、これらのものが全然発生しないようにすることはできません。なぜなら、そういう環境はカブトムシにもなんらかの悪影響があると思うからです。しかし「発生しにくくする」ことや、「仮に発生しても『大量に増殖』するのを防ぐ」ということはできると思います。

1.コバエ

 小さいハエが飼育ケースの中に湧くことがあります。2〜3mmくらい…と前に書いたのですが、種類によっては0.5mmぐらいのもいるということがわかりました(私の家ではそれほど小さいのは見たことがないのです)。カブトムシのケースに発生するコバエは何種類かいますが、ケースにマットを入れて放っておくだけでも発生してしまう種類もいます。コバエが大量発生すると部屋の中を飛びまわるのでとてもうっとうしく、同居家族のひんしゅくを買ってしまいます。

 ハエはもともとケースの中にいなくても、外から飛んできてマットに卵を産み付けたりしますので、ハエがケースの中に入っていかないように工夫すれば大量発生を防ぐことができます。そのためにはケースのふたのところに新聞紙を1枚はさみます。新聞紙では見た目に美しくないと思う人は別の紙でもいいかもしれませんが、けっこう汚れるのも早いですし、コスト的に新聞紙がベストと思っています。ちなみにマルカンが「虫よけシート1番」という商品名のシートを販売しています。試しにオス1頭を入れた小プラケに「虫よけシート1番」を使ってみたんですが1晩でシートに穴を開けられてしまいました。(ToT)

 ふたに紙をはさむ前にハエが卵を産みつけていたらケースの中でハエが発生してしまいますので、すでに何日かカブトムシを飼っているケースに新たに紙をはさむ前にマットをまるごと交換したほうがいいかもしれません。でもつがいで飼っている場合はマットにカブトの卵があるかもしれませんので・・・そういう場合は特別な対策が必要かもしれません。

 もうすでに、部屋にたくさんコバエが飛び回っているぅ…という場合は、飛び回るコバエを減らしたいですよね。私は飼育部屋の壁に「アロマシート」という商品名のハエ取り紙を貼ってみたことがあるんですが、それなりに効果があるみたいです。(「コバエキャッチャー」という商品名のトラップも売られていますが私は使ったことがありません。)

2.ダニ

 ダニの大きさは1mmもありません。うちの花壇では赤いダニもよく見ますが、カブトムシのケースに発生するダニ色は白っぽいものが多いです。形はほとんどまん丸で、歩くのが遅いのが特徴です。

 私の経験ではエサ皿の穴の底やエサ皿の裏側に集まっていたことや、ケースの壁の内側についていたカブトムシのおしっこのところに集まっていたことがあります。こういうダニのエサになるものがあると急に増殖してしまうようです。ダニがカブトムシの体についていることがありますが、あれはたぶんカブトムシに付着したエサの残りカスなどをダニが食べているのではないでしょうか。ダニが直接の原因となってカブトムシが死ぬことはないと思いますが、死んだあとの遺骸にはダニがびっしりついていることがあります。

 カブトムシの体についているダニが気になる場合はカブトムシの体に水道の水をかけながらやわらかめのハブラシや筆などでダニをこすり落とします。

 ところで、ダニには羽がなく飛ぶことはできませんのでコバエのように勝手にやってくるということはありません。つまりダニが発生したということはマットに最初から棲んでいたか、カブトムシの体にくっついていたか、入れたのぼり木やエサ皿についていたか・・・なんらかのルートで侵入したはずです。ですからダニの発生を防ぐにはまず侵入ルートを絶つことができれば楽だというわけです。昆虫飼育を趣味としている人はたいてい専用に電子レンジを持っていて、朽ち木やマットを「チン!」とやっている人が多いようです。カブトムシ成虫を買ったり貰ったりしたときはケースに入れる前に水道の水をかけたほうがいいでしょう。

 フジコンのホームページに、ダニの増殖を抑えるにはマットに木炭を細かく砕いたものや「くん炭」を混ぜるとよいという話が書いてありました(同社には「防ダニミスト」という商品もありますが)。そこで私はケース内にダニをみつけたらくん炭をスプーンでマットの上にまいています。根絶やしにはできませんが、ダニが増える様子はないみたいです。

 ダニが大量発生してしまったときの対策ですが、マットやエサ皿をまるごと交換するのが手っ取り早い方法です。このときケースはきちんと水洗いします。心配なら熱湯消毒というのもいいかもしれませんがケースの耐熱温度を確認し、また火傷などしないように注意しましょう。カブトムシにもダニは付着しているはずですから水をかけながら筆ややわらかめのハブラシで洗い流します。

3.トビムシ(?)

 ダニと同じようにエサ皿に発生する虫で、大きさはダニより少々大きく形も紡錘形なのでダニと違います。それに動きが速く、刺激を与えるとピンピンと跳ねてあっという間に姿を消してしまいます。

 実は私はこの虫の正体も知りませんし、対策もわからなくて困っています。

4.カビ

 カビも生き物です。菌類ですからキノコの親戚みたいなものです。普通の植物で「茎」や「根」に相当する部分は「菌糸」と呼ばれ、種子に相当するのが「胞子」と呼ばれます。キノコの場合、八百屋の店頭などに並んでいるいわゆる「きのこ」は普通の植物の「花」に相当する部分で「子実体」と呼ばれ、裏側のヒダヒダのところから胞子を飛ばします。そして、キノコの本体は一見根のように見える「菌糸」の部分なのです。

 ホームセンター等で売られている朽ち木や昆虫マットはシイタケを栽培に使ったあとの木材を利用して作った商品が多いので、ときおりシイタケ菌糸が生きていてそれが育って白いカビのようになることがあります。この白いカビは放っておいて問題ありません。どんどん増える場合はケースの中が湿りすぎであろうと思います。

 エサ皿やのぼり木に青いカビや黒いカビがはえることがありますが、空気中に浮いていたり人間の手に付着していた胞子が成長したものでしょう。以前、灰色のカビで、霧吹きの水がかかるとパッと胞子を飛ばすのが生えたことがあったんですが放っておいたら1ヵ月もしないうちにいつの間にか消えていました。

 カビはあまりひどくない限り私は気にしないことにしていますが、どうもカビにも勢力争いがあるみたいで、違う種類のカビが同居することはないみたいです。なので、エサ皿やのぼり木をほんのりと湿らせたマットの中に10日間くらい埋め込んでおくと、マットの中のシイタケ菌が表面に付着するのか青カビや黒カビが大量発生することはないみたいです。しかし埋め込むマットを湿らせすぎると逆効果になりますので注意してください。


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