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JT腐葉土で育てた幼虫は、どんな成虫になったのか

2001年8月24日

 カブトムシ関係の掲示板などで、安心して使える幼虫のエサとしてJTブランドの腐葉土の名前をよく目にしますが、それはどうしてなのでしょう。実際のところ、園芸店やホームセンターで売られている腐葉土はローカルなブランドのものが多く、その品質もモノによってまちまちで、針葉樹が混じっているものや、殺虫剤が入っているもの、化学肥料を添加してあるもの(これって反則じゃん ^^;)など、初めて幼虫に与えるのはまるでギャンブルのようなものです。

 JT腐葉土はパッケージに「広葉樹100%」と書かれているし、全国ブランドなので割と入手できる地域が多く、しかも羽化まで育てた人が少なくないという「実績がある」ということでよく紹介されるのではないでしょうか。

 私の場合、JT腐葉土の大きい袋を買うことができる店まで車で数十分かかるし、しかもその店は冬の間在庫がなくなってしまうことから、「1シーズン通してJT腐葉土で育てた」ということがなかったんです。そこで、昨年の夏に孵化した幼虫のうち6頭だけを羽化までJT腐葉土だけで育てる実験をしてみました。この6頭はJT腐葉土の中に産みおとされた卵が孵化したので、さなぎになるまでJT腐葉土以外のものを一切食べたことがないことになります。また、蛹室もJT腐葉土の中に作り、ケースの底に土を入れるなどのことはしていません。

 途中経過は省略して、結果だけ報告しますが、6頭のうち羽化したのは5頭で、1頭は2齢のうちに死んでしまいました。そして、無事に羽化した個体はすべてメスでした。全部メスだったというのも少々驚きでしたが、それ以上に私が驚いたのは、サイズがどれも小さいということでした。どれくらい小さかったのかは画像を見てください。

 左側がJT腐葉土だけで育ったカブトムシ。右側がクヌギ粉砕系(いろいろ混じってます。しかもかなり発酵してました)のマットで育ったカブトムシです。

 このようにくらべてみると、大きさの違いがわかりますね。ちなみに容器の底にあるマス目の大きさはおよそ30mm×15mmです。

 しかし、大きさ以外には特に目立った違いはないみたいですね。とても元気があって、毎晩飼育ケースの中をブンブン飛び回ってうるさいくらいです。



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