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5th
 【 truth 】
 
 多分、国語の授業だったと思うが「"事実"と"真実"の違いを説明しなさい」と言われたことがあった。
 そういえば似ている。響きも見た目も。しかし「事」と「真」の字の違いに、重さの違いを感じた。で、
 結局出した答えは「"事実"は現実に起きたことがらで、"真実"はその裏の事情まで含めたもの」。
 
 例えば、居眠りが原因で車が中央分離帯に正面衝突したとする。この場合ニュースでは事実のみが
 伝えられるはず。懐かしい(?)言い方をすれば、5W1H。When、Where、Who、What、Why、How
 (いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どうやって)を伝えるのだ。ここで一応、「なぜ」という点には
 「居眠りをしていて」と説明があるはずだが、しかし、大抵居眠りの原因についてはノータッチだ。
 私はそこにこそ、真実を感じる。
 
 寝不足だった? ならば前日遅くまで、飲み過ぎたのか、TVを見ていたのか、仕事をしていたのか。
 飲み過ぎ? 何か仕事でイヤなことがあったのだろうか。 いや、家族の事で悩みがあるとか?
 TVを見ていた? 何を見ていたのだろう。どうしてもその時に見ないといけなかったのか?
 
 仕事だったのか。なぜ寝不足になるまで働かなければならなかったのか。急ぎの仕事があった?
 失敗したものを取り返すため? 自分の capacity を越える仕事を持った? わがままな客のせい?
 それとも――初めから、物理的に時間が足りなかったのか。
 
 うまくこなせなかったという事実だけを見て、それだけで部下を怒る上司。あなたは、その裏にある
 真実に心を配るべきだ。そして、怒るな。諭せ。怒るだけならば、この私にだってできる。あなたが
 ただ怒っているだけの時間は、部下に返してやれ。
 
 手遅れにならないうちに――。
 
30 Mar 2001
 

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