6th |
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【 bridge 】 |
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皮膚の表面の角質層が変化したもので、ケラチンという硬いタンパク質でできている爪。切ったって |
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痛くないのだから、体毛同様、死んだ細胞のかたまりである。ということは、前々から言われている |
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「爪は呼吸をしている」 という考え方は間違いだろう。マニキュアを塗ると重く感じるのは確かだが。 |
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爪を武器として使う動物は少なくない。かつては人間も、そういうことに使っていたのかもしれないが |
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いつの間にかその必要は減り、今では細かい作業をするために不可欠な存在となった。色や形で |
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健康状態をも示してくれるというし、飾る部位でもあるだろう。手足に力を込められるのも爪のおかげ。 |
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ただしその爪も、死んだ細胞ゆえに1度痛めると元には戻らない。巻き爪の原因になりやすいという |
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深爪にも要注意だ。爪切りを使わずヤスリでのお手入れがお勧め。スクエア・オフという、四角く、 |
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角に少しだけ丸みをつけた形にすると、強くて折れにくい爪になる。 |
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ここまで語っているクセに私は爪を切るのが嫌い。伸びてると分かっていても放っておくことが多い。 |
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だって、切ってもどうせまたすぐに伸びてくるんだもん―― と、少し妙な言い訳をする私の手を取り、 |
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パチンパチンと爪を切り出した人がいた。 |
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2桁になるか、ならないかの年齢で、既に爪は自分で切っていた。久しぶりに、そして親ではない人に |
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爪を切ってもらう時、異常に緊張した。爪切りは一応、刃物だ。違う所まで切られてしまわないように |
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身動きもせず、いつしか呼吸までもが小さくなったものの、心臓だけは跳ねていた。 |
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「吊り橋の実験」というものをご存知だろうか。拍数の上がった状態が、恋愛感情を生み出すという |
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結果を出したものである。それを知って気付いた。あの時、間違いなく私は吊り橋の上にいた。 |
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1日に 0.1mm 〜 0.15mm 伸びるといわれている爪。―― 次は、誰に切ってもらう? |
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4 Apr 2001 |
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