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OFF
7th
 【 reaction 】
 
 C3H5(OCOR)3 + 3NaOH → C3H5(OH)3 + 3RCOONa
 脂肪+水酸化ナトリウム(苛性ソーダ) → グリセリンと、脂肪酸ナトリウム、いわゆる石鹸ができる。
 この反応を鹸化(けんか・石鹸になること)という。高校の化学で習った。
 
 超文系の私が、理系科目である化学を選択した。だがそれは、同時に代数・幾何、基礎解析という
 頭の痛い数学の授業も受けなければならないということだった。そんな無茶な道を選んだのは、
 女子クラスになる確率の高い文系クラスに行きたくない一心でのこと。女が多い場所は苦手なのだ。
 
 ある日、化学の先生が言った。「海で石鹸を泡立てようとしても無理なんだぞ」―― え? どうして?
 まぁ、化学なんだから何か化学反応が起きてるに違いないのだが、雑談なので黒板に化学式を書く
 気配も無く、話は教科書へと戻って、先に進んでいった。
 
 しかし、テストにも将来にもあまり関係なさそうなその話が、未だに引っかかっていた。あぁ、あの時
 先生に聞いていれば・・・。仕方ない、調べるか。調べずに書ける物だけを書くはずだったが。
 
 海水というよりも、カルシウムイオンやマグネシウムイオンが含まれる水かどうか、といった事らしい。
 それらは石鹸の分子に反応すると、石鹸カスという水に溶けにくいものを作る。これが泡立ちの
 邪魔をするようだ。同イオンを含む、硬水や温泉でも同じ結果が得られることになる。お試しあれ。
 
 最後に1つ、先生の名言を。「世の中に起こる変化は全て、化学反応だ」―― 素晴らしい。同感だ。
 化学式で表せるものはもちろん、それが難しい人の感情や心などにも言えるのではないか。何かを
 見聞きして感動したり、壁にぶつかって痛みを感じたり、悲しみをこらえきれず泣いてしまったり、
 誰かにつられて笑ったり。そしてそれは、周りの空気までも変えるという、さらに大きな反応を起こす。
 
 ゆき+化学+代数・幾何、基礎解析 → 女子クラスへの決心。翌年私は、理科の無いクラスにいた。
 
5 Apr 2001
 

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