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8.ホテルの朝御飯

朝起きてホテルの朝食を食べにホテルのレストランへ向かう。我々が泊まっている建屋はレストランやチェックインカウンターのある建屋とは離れている。朝のさわやかな空気のホテルの庭を歩いてちょっとした散歩気分だ。ちなみにこのホテルでは、宿泊すると朝食が付いてくる。朝食のチケットをみると本館の2Fにあるカフェテリアが指定されていた。レストランへ行くと、朝から中華点心のバイキングである。ちょっと普通の人にはきついかと思われたが、チケットを渡して中にはいるとパンやコーヒー、紅茶等、何でもそろっているのでその心配はなさそうである。店内には誰も来ておらず貸し切り状態である。焼きそばや焼き餃子、焼売、包子等の点心、パンケーキ、フルーツ、スクランブルエッグ、ハム、目玉焼き、そして各種中華炒め物がテーブルの上に並べられている。大食漢の人にはもってこいだ。ウエーターやウエートレスの人たちは、ミルクはいかが、コーヒーはいかがといろいろ気を使ってくれる。ここで自分の中国語を試してみようと「ちんげいうぉーちゃーがこーぴー(そのコーヒーをくださいな)」等と言うと何と言葉が通じるではないか。同行の二人は感心している。私の中国語もなかなかのものではないかと気をよくした。食べている間にもまた種類の違う料理がバイキングのテーブルに運ばれてくる。あまり1種類の料理を多く取らないようにして、出来るだけまんべんなくすべての料理を味合うようにする。中華をたくさん食べるとだんだんあっさりした飲み物がほしくなってくる。このレストランではお茶等も用意されているので、先ほど気をよくした中国語で「ちんげーうぉーいーぺぃちゃー(お茶を1杯ください)」と聞くと「ちゃー」と聞き返される「ちゃー」というともう一回「ちゃー?」と言われる。発音がどう違うのかよくわからないがどうも私の発音に問題があるらしい。何度か漫才みたいな問答を繰り返し最後に「どぅいどぅい(そうそう)」と言うとお茶が出てきた。やはり中国語は難しい。いろいろな点心を食べてみてその味は阪急百貨店の中華点心屋さん位のレベルである。しかし、菜(つぁい=野菜)は、昨日のお店のほうが美味しいというのが同行の二人の意見である。昨日のお店は銀座アスター並?っといったところだろうか。朝っぱらからのバイキングにもかかわらず3人は腹一杯食べた。だが一人は「やっぱり朝からは食べれないね」なんて言っている。いったいどれだけ食べるつもりだったんだろう。朝食を食べ終わって、汽車の出発時間まで3時間ほどあったので、もう少し観光してから帰ろうと提案したが、列車に遅れるといけないからと同行者の一人に却下されてしまった。「遅れたら次の列車にすれば良いではないか」と言ったが「切符が手に入らなかったらどうするんだ」と少し怒っている。どうも言葉が通じないと言う不安(彼は英語は堪能であるが広州では英語は通じない)と、昨日からの私の悪行(宿を取ってなかった、切符の手配をしていなかった・・・・)がよっぽど堪えているらしい。これ以上やって同行者の胃に穴が開いても困るので駅に向かうことにした。

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