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4.切符の購入

 中国の駅では一般的に改札の入り口と出口は完全に分離されているようで、広州東駅でも入り口がホームの上にもうけられた待合室などのある橋上駅舎より階段でホームに下りるようになっているのに対して、出口は駅のホームより地下通路を通ってでる様な造りになっている。列車の本数が少なくまた列車ごとに改札を行うのでこのようなつくりの方が都合がよいのだろうか。広州東駅は最近になって広州のターミナル駅として建設された駅でほんの6ヶ月前までは国際列車などは広州駅より出発していた。そのせいか地下通路はまだ工事中でコンクリートがむき出しになっているし、駅前広場もタイルを貼る工事を行っていて埃っぽい。駅前も建設中のビルばかりで商店などはほとんど見あたらない。地下通路をくぐっていくと駅の入り口でる。地下通路と書いたが地下通路は地上と同じ平面で列車は築堤の上を走っているらしい。日本のように高架になっているわけではないようだ。出口の左側には切符売り場があった。切符売り場は列車ごとにもうけられており各窓口にはその窓口で発売している列車の発車時間が掲示されている。早速、九龍(香港)行きの窓口を探したがそこには深セン行きの列車の窓口しかない。国際列車はどうも別の窓口で発売されているらしい。窓口を探しているうちに「到九龍(九龍行き)」という文字と矢印のかかれた看板を発見した。矢印の先には駅舎の2階への階段とエスカレーターがある。多分2階に発売窓口があるに違いないとあがってみると、2Fのフロアーに100mほどの長さの廊下の一面にずらっと窓口が並んでいた。これだけずらっと窓口が並んでいると迫力がある。「さすが中国4000年の歴史・・・・何でやねん」と一人つっこみをしながらよく見ると開いている窓口はその一部である。とにかく切符を買って明日の足を確保せねばならない事を思い出し九龍行きの切符売り場を探すと程なく見つかった。切符売り場では、当日と2日先の切符まで発売されていて、香港行きの窓口は香港ドル用の窓口と人民元用の窓口に分けられている。中国国内では香港ドルと人民元はほぼ同じレート(1香港ドル=1元)で通用する。ここでも人民元で買った場合と香港ドルで買った場合で値段の違いは無いように見えた。また窓口の周りにはダフ屋がたむろしていて「だおな〜り〜(どこまで行くの)」としきりに話しかけてくる。しかし、こちらが言葉をよく理解しないと察するとさっさと離れていった。どうも中国人相手のダフ屋らしい。しばらすると自分の番が回ってきた。例のごとく列車番号と枚数や等級を紙に書いて見せると難なく購入することができた。窓口の中を見てみると指定席の管理は列車名と号車と座席の番号の印刷されたシールが座席の数だけ用意されており、切符にそのシールを貼り付けて発券、シールが無くなるとその列車は売り切れといった具合である。その窓口で発券される列車は1日4本でかつ2日先までの券しか発見しないから12種類、等級の別(座席の等級は2種類)を入れても24しか種類がないのでこのような管理で十分なのであろう。合理的な発券方法である。ちなみにこの列車の指定券は香港でも買えるので、全体としてどのようなシステムになっているかは興味のあるところである。

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