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4.1Fの構造 (99年8月2日〜8月8日)


今回新築した家は2×4工法です。この工法では、1F床→1F壁→2F床→2F壁→屋根、といった順番で家を造っていきます。在来工法では、棟上げの日に屋根まで作ってしまってから壁や床を造るので、在来の工法とは随分違った建て方です。もともと2×4工法の発祥がカナダ等の雨の比較的少ない地域だったので屋根を先に造って柱などが濡れるのを防ぐ必要が無いため、この様な工法になっているのかもしれません。2×4工法が2×4と呼ばれる所以は2インチ×4インチの断面を持つ木材を用いて壁などの枠組みを作るからです。構造としては2×4材で組まれた枠組みに12ミリ程度の板厚の板を釘で止めて、面構造を作り、この面構造を組み合わせて全体の構造を支えるようになっています。(この様な構造をモノコック構造と呼ぶそうです)。この工法の特徴は

||||| 家の出来があまり職人の腕に左右されない
 この工法は元々、北アメリカの開拓地で素人でも比較的立てやすい工法として生まれたものです。構造を構成する部材をすべて釘や金具を使って止めるので、在来の工法のように、木に”ほぞ”などの比較的素人には困難な加工をする必要がありません。そのため、設計図通りに釘を打ってあれば、出来に大きな差は生じません。また打たれている釘の種類と数を確認すれば、設計通り工事が行われていることを確認できるので、手抜きのしにくい工法とも言えます。

||||| 使われる金物の数が多い
 板材を枠材に釘で締結して構造体を構成する構成になっているため、釘が在来工法の3倍程度使われています。金物が多く使われているので湿度には弱いのでは無いかと言われていますが、この工法が日本で多く使われる様になって日が浅いので、実際のところはまだわからないといったところが実状です。

||||| 地震に強い
 2×4工法では、面を組み合わせて構造を構成しているので一般的には地震に強いと言われています。メーカーさんの話でも先の阪神大震災で全壊した家は一軒もなかったとの事でした。ただし、在来工法でも地震の事を考えてしっかり作れば2×4工法と同様の強度を得られるそうです。



||| 1F床を北東の方向から |||

床の構造がほぼ出来上がっています。この床の上に”墨入れ”をして壁の枠材を組み立てます。また床には工事中に降る雨を避けるためにビニールシートが張られています。
||| 1F床の締結部 |||

床の土台がボルトで締結されています。お風呂の部分は基礎のコンクリートの上に防水フィルムを挟んで床の土台が締結されています。(写真右側)
お風呂以外の部分はゴム製のパッキンを挟んで床の土台が締結されています。(写真左側)パッキンは数十センチ毎に間隔をあけて配置されていて、パッキンの厚みだけ基礎と土台の間に隙間が空くようになっています。この隙間は床下の換気を行うために設けられています。
||| 床下 |||

床の梁は鋼製の束で受けています。束の高さは建築後に床鳴りがするなどの不具合が出たとき時に調整出来るようになっています。梁と梁の間に見えている白い部分は床下の断熱材(発泡スチロール?)です。
||| 南面、西面の壁を北東の方向から |||

南面、西面の壁を起こした状態です。2×4工法では床の上で枠材を組み立てます。床の上には組立中の北面壁が写っています。
||| お風呂付近の壁 |||

2×4の断面を持つ枠材を板材に釘で止めた構造になっています。力がかかる部分は2×4材が何本か束ねて用いられています。
||| 1F西南角の構造 |||

上部の枠材から打ち抜かれた釘の先がのぞいています。在来工法の場合釘を打ち抜くのはNGですが、2×4の場合は打ち抜かなければなりません。工事管理者は打ち抜かれた釘の先を確認することによって枠材が釘で確実に固定されていることを確認します。
||| 建物北側からの遠景 |||

1F部分の外壁が出来上がっています。外壁を立てた後に内壁を作っています。
||| 南西角外壁 |||

壁と土台を平金で締結します。基礎と土台の隙間にはプラスチックで出来たネズミ返しが取り付けられています(基礎(コンクリート)と土台(木)に挟まれた灰色の帯状の部分)。
||| 2F床の梁 |||

建物東側2Fの位置から北西の角を向いて撮った写真です。まだ床は張っていません。 1F床もそうですが梁などには2×4材ではなく2×8材(2インチ×8インチ)や2×10材(2インチ×10インチ)が用いられています。
||| 2F床の梁 |||

2F床を張った後に撮った写真です。
||| 部屋のしきり壁 |||

構造壁以外のしきり壁には構造用合板は用いられません。写真に写っている壁の骨組みに、石膏ボードが張り付けられます。石膏ボードの張り付けは内装の工事に入ってから行われます。
||| 階段部分 |||

この段階では、2Fへの階段部分には穴が空いているだけです。2Fへの階段は内装工事の終盤で行われます。

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