パソコンをホームシアターに活用しよう


3.まずは、試し  本当に使えるのか?

 では、実際の設計に入ってみます。
 一番の命題は、お金をかけないこと!(笑)
 という訳で、現在使っているパソコンをばらし、使えるパーツは流用して、コストを浮かせることにします(インターネット等に使うパソコンは余ったパーツなどで組み上げる予定)。
 まずは使っているパーツの点検。
 使用しているCPUはセレロンの533。残念ながら河童コアの物でもなく、かなり非力ですね……ソフトDVDプレーヤーの要求は満たしているものの、果たして使えるかどうか、という所でしょうか。試してみましょう。
 マザーボードは、ABITのSE6。インテル815Eチップセットを搭載し、ATA100、PC133に対応しているもので、これは間違いなく使えますね。うふふん♪
 ハードディスクは、7ギガの物と12ギガの物を2台使っているので、この内の1台をDVDパソコン用に使うことにしましょう。容量は少なくても全く問題がありませんので、7ギガの方を利用しましょうか。
 メモリは128メガのPC133対応品を利用していますので、これもこのまま流用できますね。
 ビデオカードとサウンドカードは815Eオンボードチップを使っていましたので、それぞれ別途購入の必要がありそうです。内臓チップのグラフィック能力では不安がありますし、サウンドカードもデジタル出力付きのカードでないとドルビーデジタルが再生できませんので。
 これらの状況を勘案すると、必須なのがDVD−ROMドライブとビデオ及びサウンドカード、そしてPCケース、キーボード、マウスということになりそうです。
 しかしその前に、本当にパソコンによるDVD再生が綺麗なのか、それを試してみましょう。本体を組んでしまって「やっぱり専用機のほうが良かった」なんてことになったら目も当てられませんので(笑)。
 そこで、とりあえずDVD−ROMドライブとサウンドカードを購入して、映像とドルビーデジタルの試験をしてみることにしました。
 選んだパーツは、DVD−ROMドライブが日立製「GD−7000」という製品のバルク品。PCのDVD専用掲示板でも再生中の静粛性に優れていると言われていたので、これを選択しました。お値段8,980円なり。
 サウンドカードは、バルクではなく一応箱には入った正規品にしました。が、聞いたこともないメーカーの品(笑)……。48KHz出力の光出力端子つき(ものによっては96KHzで光・同軸付きのものもあるのですが、3万円以上と高価ですしアンプが対応していないのでこれで十分)で、一応店頭では「ドルビーデジタル及びdtsに対応」なんて書いてあったのですが、説明書には「dts」の文字が見あたらない怪しげな物です(笑)。ただ、サウンドチップとしてヤマハのYMF−754を積んでいるので、それなりの音は出してくれる……、はず(笑)。これは5,980円でした。
 そしてそれらを、使っていたパソコンに組み込んで、プロジェクターとアンプにつないでみました。
 再生に使ったデコーダーソフトは、サウンドカードに付属してきた「WinDVD2000」というソフト(バルクのため、DVD−ROMドライブには付属してこなかったんです)。
 その結果……。
 シーンによって若干のコマ落ちが感じられるものの、その映像自体は素晴らしい映像が出てきました。専用機ではジャギーやクロスカラーが強く出ていた場所も、すっきりと輪郭が描かれ、とても落ち着いた映像を出してくれたのです。
 その想像以上の映像に、正直驚きました。プログレッシブ出力の映像ということもあるのでしょうが、基本的に映像が違いすぎる!
 サウンドは、きっちりとドルビーデジタル再生を行ってくれました。dtsの音声も、重く響かせてくれます。音質については、落ち着いてから試してみないと専用機との比較は出来ませんが、なかなかのもの。
 ともかく、これはいける、と非常な手応えを感じました。
 よし、本格的に作ってみるぞ!
 そんな決意を固めたのでありました。

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