パソコンをホームシアターに活用しよう


11.サウンドカード挿し換え  これにて完成!

 前回までで、映像出力に関わるビデオカードについて、一応の決着をつけました。
 そこで今度は、次のステップとして、音響に関わるサウンドカードを挿し換えてみたいと思います。なんといっても、YAMAHAの安価な音源チップを積んだ、あまり聞いたことのないメーカーのカードを使っている訳ですから、これをもう少しちゃんとした製品に交換したいと思ったのです。
 しかし、一口にサウンドカードといってもその製品は数多くあり、どのカードを選択するか、非常に迷うところです。特に、今回は最初の選択時と違って、「とりあえずデジタル出力が出来る製品」ではなく、「値段は少し高めになってもいい音が出て、長く使える製品」を求めているのですから、その吟味をきちんとしなければなりません。まぁ、そうはいってもメドは3万円前後程度ですけどね。
 しかし、パソコンパーツの宿命として、ビデオカードの映像もそうですけど、サウンドカードの音も店頭で実際に視聴してみるなんてことが出来ない製品です。それ故、どんな製品が評価が高いのか、事前にネット上などで情報を収集することが大事になりますね。
 パソコンのサウンドカードといえば、最も有名なのが「サウンドブラスター」でしょうか。その上級製品ならばデジタル入出力端子を備えており、ドルビーデジタルやdtsにも対応しています。音質や使い勝手など、製品としての評価も高く、パソコンで使うには安定した製品であるといえます。
 ところが、ネット上のサイトや掲示板の記事を読んでみると、ことDVD再生に関してはサウンドブラスターシリーズの評価はあまり高くなかったのです。これは恐らく、普通パソコンではゲームやネット上の音楽などが目的となり、メリハリのはっきりとした派手めの音が好まれる傾向があるのに対し、DVD再生では映画鑑賞などが主な目的となるため、メリハリよりも音の解像度の高さが求められる傾向にあることが原因ではないかと思います。
 では、サウンドブラスターシリーズを除いた場合、他にどんな製品があるのか?
 ここで、私は「迷光の間」というサイトで紹介されていた、「M AUDIO」というメーカーの「DELTA2496」という製品を購入することにしました。実はこの「迷光の間」というサイト、日本で恐らく初めてHTPC(Home Theater Personal Computer)という言葉を持ち込んだPOLARISさんという方が運営されているサイトで、私もこのDVD再生専用パソコンを組み始めたときから、ずいぶん参考にさせて頂いていました。そして、そのPOLARISさんご自身が使って褒めていらっしゃるサウンドカードであるということで、私は「DELTA2496」というカードの購入を決めたのでした。まぁ、安易といえば安易すぎる選択ではありますけど、いろんな海外のHTPCフォーラム等から情報を得てらっしゃるPOLARISさんの選択ですから、生半可な知識しか持っていない私があれこれ迷うよりもずっと確かなハズ、と思ったのであります。
 という訳で、ネット上で「DELTA2496」を安く売っている店を探し、注文。1週間ほどで、商品が我が家にやってきました。
 早速カードを挿し換えて、ドライバ等のインストールとユーティリティーの設定を完了。
 そして、DVDビデオの再生をしてみました。
 その結果。
 音の臨場感が、明確に上がりました。
 もっとも、音と言ってもサウンドトラックではなく、サウンドエフェクトの方。つまり、画面の背後に流れる音楽ではなく、電話の呼び出し音とか雨音とか虫の音とか、そういった効果音の音が以前に比べて綺麗に聞こえるようになったのです。
 もちろん、サウンドトラックの聞こえ方や音のサラウンド感も若干上がったようには感じるですが、効果音ほどの差は感じられませんでした。しかしこれはサウンドカードのせいというよりも、私の再生環境のチープさによるところが大きいと思われます。このサウンドカードは、名前の通り「96kHz24bit」の信号を出力できるのですが、私のAVアンプは残念ながらその高解像度の信号には対応していません。このため、カードから出力される信号をきっちりと再生してくれていないのです。
 しかし、効果音の質が上がっただけでも、臨場感が格段に上がりました。これは大成功だったと思います。
 あとは、AVアンプを「96kHz24bit」対応品に買い換えればもっと効果的なんですが……これはあと数年後かなぁ……。

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