パソコンをホームシアターに活用しよう
12.本格HTPCへの道 増設してみる
私のDVD再生専用パソコンを、本格的なHTPC(Home Theater PC)へと進化させたい!
そんな以前から考えていたことを、やっと実践してみることにしました。
目指すのは、「ホームシアターの中核となりうるパソコン」。
これまでのようなDVD再生のみだけでなく、キャプチャカードを使ってスカパーのHDDレコーディングを行ったり、レーザーディスクやVHSビデオテープの映像を取り込んでプログレッシブ化するラインダブラーとしての働きをこなしたり出来るパソコン。
それを目標として、拡張を行いたいと思います。
そのためには、現在のDVD再生専用パソコンに何を補強すればいいのか?
それを考えてみると、大体3つの強化ポイントが上げられます。
まず重要なのは、キャプチャカード。
これについては、友人の情報やネット上の風聞から、カノープスの「MTV2000」という製品以外に選択はありませんでした。この製品は他メーカーの競合製品に比べて高価でしたが、「プロユースの製品に搭載されているチップを搭載している」という友人からの情報に、値段の差は頭から吹っ飛んでしまいました。
そう、この部品に関しては、値段を削って安い製品を買うことよりも、高い品質の製品を選ぶことが重要なのです。キャプチャの品質そのものが、HDDレコーディングの品質、ラインダブラーとしての品質を左右することになります。この品質が低ければ、レコーディング機器としてもラインダブラーとしても使えないPCになってしまい、確実にこの「HTPC計画」は頓挫してしまうことになるからです。
それに「MTV2000」については、画質のみならず、キャプチャ用ソフトや、テレビ録画のCM部分を後から簡単にカットできるソフトなど、付属してくるソフト類の評判も高かったので、購入後の使い勝手の点でも安心感がありました。
幸いなことに、丁度カノープスの「MTVキャンペーン」期間中で、それまで45,000円くらいで売られていたこのカードが39,800円に値下がりしていました。
条件的にもタイミング的にもバッチリだったので、私は「MTV2000」を購入することにしたのでした。

「MTV2000」カードとしてはかなり大きいです
次に、ハードディスク。
現在、このDVD再生専用パソコンに積んでいるハードディスクは7ギガバイト。これでは、とてもビデオキャプチャなど出来たものではありません。増設は必須となります。
そこで、60ギガバイトのハードディスクを購入、増設してやることにしました。
ですが、ただ増設する訳にはいきません。
実は、ハードディスクに録画した後、保存しておきたいデータはDVD−Rへ書き出しておきたいと思っているんですが、DVD再生専用パソコンには必要以上のハードを増設したくありません。それにこのDVD再生専用パソコンにはモニターもなく、プロジェクターだけしか繋いでいないため、DVD−Rへの書き出しという作業には不向きです。DVD−Rを焼く度にプロジェクターに灯をともし、スクリーンを下ろし……などとやるのはあまりに非効率的ですから。
そのため、DVD−Rドライブは普段ネット巡回やホームページ更新などを行っている作業用パソコンに取り付けることにしているんですが、そうなると、DVD再生専用パソコンから作業用パソコンへ、キャプチャしたデータファイルを渡してやらなければならなくなります。
最初はDVD再生専用パソコンをサーバー化して、データを作業用パソコンと共有できるようにしようと考えたんですが、そうなるとDVD再生専用パソコンにLANカードやら何やらを増設しなければならず、ケーブルも2台の間に引いてやらなければならなくなります。それは、出来れば避けたいことでした。
そこで、モバイルラックを使うことにしたのです。
5インチベイに取り付け、中のケースにハードディスクを入れて、ハードディスクを簡単に取り外し出来るようにするPCパーツ。これを2台のパソコンに取り付け、DVD再生専用パソコンでスカパー録画をした後、そのハードディスクを抜き取り、作業用パソコンに差し込んでDVD−Rに書き込むという方法をとることにしたんです。
という訳で、ハードディスクの他に、モバイルラックを二つ用意することにしました。

60ギガのハードディスク

これがモバイルラック

このように、内側のケースにハードディスクをセット
そして最後に。
一番重要で基本的なこととして、使用OSをWindowsMeからWindowsXPへとアップグレードする必要がありました。
MTV2000で、「標準画質」でキャプチャした場合、30分で1ギガ強の動画ファイルが出来ます。つまり、2時間の映画だと4ギガ以上のファイルになる訳です。
ところが、Windows98/Meは、4ギガ以上のファイルは扱えないOSなのです。つまり、映画のキャプチャに関する限り、WindowsMeというOSは「使えないOS」なのです。
対してWindows2000/XPは、その4ギガという壁のないOSです。このため、映画をキャプチャすることを考えればWindowsXPにアップグレードする必要があったのです。
そういう訳で、「WindowsXP ホームエディション アップグレード版」を購入。
これで、全ての準備が整ったことになります。

「WindowsXPアップグレード版」
余談ですが、今回の追加投資の一覧は以下のようになりました。
「MTV2000」39,800円
「60Gハードディスク」10,800円
「モバイルラック」980円×2台
「WindowsXP ホームエディション アップグレード版」12,800円
合計で65,360円。
家電で売られているDVDレコーダーよりも、若干ですが安く上がりました。一応、予算の目安が家庭用DVDレコーダーだったので、何とか達成です。ほっと一安心。

今回のパーツを増設したDVD再生専用パソコン
これでHTPCと胸を張って言えるかな?
さて、次はこの出来上がったHTPCを「使えるHTPC」とするべく、色々と試しながら設定をいじってみたいと思います。
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