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Session 22 「カウボーイ・ファンク」 爆弾魔・TBを捕まえたスパイク。だがそこにライバル賞金稼ぎ・アンディが現れた。何故かスパイクをTBと間違えて捕まえようとするアンディ。お陰でTBは逃げてしまった。次の爆破目標に向かうビバップだが、そこにもまたアンディが現れ・・・。 |
脚本 信本 敬子 作監 川元 利浩 メカ作監 後藤 雅巳 絵コンテ 岡村 天斎 演出 森 邦宏 |
感 想 |
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爆弾入りテディベアを展望室に仕掛け、下りのエスカレーターで満足げに笑う男。だが、その肩にさきほど仕掛けたはずのテディベアをつきつけられる。 「忘れもんだぜ」 「う、わ、わたしは見ての通りのいい歳のオヤジですよ。あいにく子供もいませんし」 「あんたのだなんて、言ってないぜ」 「ああ、お客さんの・・・ じゃあ、預かって・・・」 しかし、テディベアは上りエスカレーターの手すりに乗って、上へと。 「どうだい、一軒行かないか? ベッドに入るにはまだ早いだろ」 「わたしは早寝早起きなんでねぇ」 「規則正しい生活なら、うってつけの場所があるぜ。三食ボディーガード付きで、タダっていうホテルだ」 「予約も無しじゃ無理でしょう?」 「ふんっ。ホテル“刑務所”だよ、テディ=ボマー!」 「う・・・それは遠慮したいな。スパイク=スピーゲル」 と、なんとなくアメリカン・ハード・ボイルドっぽい始まりです。(^^;; いや、このセリフのやりとりはいいですね。いや、すごくワザとらしくってベタなんですけど、こういったことを堂々とやっちゃえるところがスゴイです。背景やキャラの作画もしっかりとしているし、演出も大真面目に「茶番」を演じさせているからこそ出来るんでしょうね。(ちなみに作監は川元さんですね。さすがにキャラがしっかり描き込まれてる) 今回ホンを書いている信本敬子さんて、この「カウボーイビバップ」のシリーズ構成もなさっている立派な脚本家なんですが、わたしは正直言って、この人が担当した「悪魔を憐れむ歌(Session #6)」の出来が個人的には失敗だったと思うので、少し不安でした。 信本さんは、もともと現代劇、しかもアニメではなく実写ドラマな人なので、SFアニメという世界には不向きなのでは、と思っています。「悪魔・・」では、そのストーリーのかなり重要な部分がまさに「エスエフ」でしたが、それをいかに「SFアニメ」として描くか、がわかっていなかったように思います。 で、今回の「カウボーイ・ファンク」。 最高傑作です。(^^;; いや、SFじゃなかったのが良かったと思う。(笑) 無理してエスエフしないで、自分のフィールドでもっと良いホンを書いてください。 前回(Session #21)のメイファも、ある意味で狙ったキャラでしたが、今回のアンディは反則的なキャラです。(^^;; この土壇場で、これほどのキャラを出すかぁ? 「ワイアット=アープと呼んでくれ」 なに考えてんだ?(^^;; いきなりテディとスパイクを間違えて大ボケかまして。 「それは・・・わたしの勘。インスピレーション」 言ってろ。 「ウエイト!」「デンジャラス!」 おかしな英語使うんじゃない。(^^;; 「馬はまだいいとして」 「いいのぉ?」 「カウボーイ姿のカウボーイってのはひねりがなさすぎる」 「そういう問題かしら」 「いっそ、サムライだった、とかなぁ」 「まだ信じられるか」 伏線じゃねえか。これ。(^^;; ちなみに、カツラかぶったアインも反則だぁー。 ふたたび現われた爆弾魔テディ=ボマーを追うアンディとスパイク。おお、レバーアクションライフルを片手装填? いや、ショットガン? グレネード・ランチャー? で、結局犯人そっちのけで、ふたりして撃ち合って、あげくは街の破壊活動を。(笑) ああ、アイキャッチがすごい。(^^;; ゴージャスだが、悪趣味なアンディのお船。そう、彼は金持ちの御曹司なのね。 「特製のさなばがんっ!シチュー」 どんなんだ?(^^;; フェイはまずそうに食べてたけど。 「キミの瞳に・・・・映ったボクに乾杯」 馬鹿。(^^;; ご存じだとは思いますけど、「キミの瞳に乾杯」てのは、映画「カサブランカ」でハンフリー=ボガードが言ったセリフです。 「同族嫌悪」 言いえて妙ですな。(^^;; よくこんなセリフ思いついたもんだ。 テディ=ボマーの本名、TED BOWER(テッド=バウワー)。 うーん、なんか元ネタあるんかなぁ? アジ演説なんか、どことなくアカっぽいですよねぇ。んで、起爆スイッチはピース・マークだし。 ほっといたら、太陽の塔にでも登っていたのかも。(笑) せっかく「BIG SHOT」へ送ったメッセージも、最後まで読んでもらえなかったし、踏んだり蹴ったりのSessionでした。(このSessionだけのキャラだろうが) みたび、テディを見たアンディ。 「お前は誰だ? フー・アー・ユー?」 記憶力ないんか?(^^;; だいたい、このビルへ来たのはテディが目当てだったんじゃないのか?(^^;; そのテディは、フェイのパンチ一発でノックアウト。最初からそーしろよ。(笑) でもって、ゴチンと机を一発やっただけでビルを壊してしまうスパイク。お前は李 酔竜かい。 新しい生き方・・・ ムサシにジローマルですか。ロケット団でもやるつもりですかい? まさかと思ったけど「SEE YOU SPACE SAMURAI...」てのまでほんとにやるとわ。(^^;; <追記> テディ=ボマーの元ネタについて「ユナ=ボマーではないか」というご指摘を受けましたが、そもそもユナ=ボマー(Una Bomber)のBomberといのが「爆弾魔」という意味であり、ユナ(Una)も大学や航空会社を狙う、という意味からつけられたニックネームであったのに対し、テディの場合、つづりは「TEDDY BOMMER」であり、共通しているのもボマーという「読み」だけでしたので、安易にその類似を指摘することは避けています。 テディについて疑問に思ったのは、彼の本名「TED BOWER」にもしかしたらなんらかのネタが仕込んであったのでは、と邪推したからです。 <さらに追記(^^;;> で、その後またまたリサーチしました。「ユナ=ボマー」でなく、「ユナボマー」で検索するべきでしたね。 彼の本名がセオドア(テッド)=カジンスキーであること、そして、逮捕時の彼の顔写真が髭だらけだったこと、彼の犯行声明文が「文明批判」であったこと、など、寡聞にして知らないことが多くありました。 最初にメールにて指摘をしていただいた方からも、いろいろと情報を寄せていただきました。「TED BOWER」という名前とのかかわりなど、わたしが疑問に思ったことの解明にはいたりませんでしたが、テディがユナボマーをモチーフとしている、というのは可能性はかなり大きいですね。わたしの勉強不足でした。m(_ _)m |
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Session 23 「ブレイン・スクラッチ」 ネット上で活動している「スクラッチ」という電子宗教団体があった。脳をスキャンして人格をデータ化し、ネット上で生きられるようにする、という教義だったが、行方不明者などが多発し、教祖・ロンデスに賞金がかかる。早速フェイは抜け駆けしてスクラッチに潜入するのだが・・・。 |
脚本 佐藤 大 作監 竹内 浩志(スタジオ・ライブ) メカ作監 後藤 雅巳 絵コンテ・演出 武井 良幸(チャッピィ) |
感 想 |
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いきなり、洗脳ビデオがごとき映像。淡々と語られる魂の救済。 やばい! わたしのDNAがイエロー・シグナルを送りつけてきます。 核となるストーリーはそこそこ単純。ドクター・ロンデスと名乗る教祖をまつるカルト教団「スクラッチ」。その教義から自殺する信者が続発し、ついにはロンデスに賞金がかけられる。先駆けで教団へ潜入するフェイ。そのフェイが消息を断ち、ジェットやスパイクも独自に調査を進める。そして、ロンデスなる人物は実は存在せず、植物人間となったある少年ハッカーが作り出した「夢」がすべての原因であったことがわかる。 で、“ヤバイ”というのは・・・ 【ヤバイその1】 スクラッチの信者たち・・・ヨガを取り入れたらしいその修行風景。ゆったりとした独特の信者服。勧誘活動。ど、どこかで見たような気がするんですけど。(^^;; 【ヤバイその2】 ○のもんた?(^^;; えーと、どこかで見たことのある番組が・・・ さて、この教団と繋がりのあるアイテムとして、脳波感応タイプのゲーム機「ブレイン・ドリーム」なるものが出てきますが、このコマーシャルで使われているCG、実はインターネットなどで公募された、素人さんが一部を作成しているらしいです。エンディング・テロップに注目してみましょう。 【ヤバイその3】 篠原ともえ似のキャラクター、前にも登場しましたよね。でも、今回の内容は、某テレビ局が、或る“問題のあった”番組を再開するときの特番の内容に似ているんですけど。(^^;; 食事をする人々。コーンフレークにビールをかけるスパイク。馬鹿。(^^;; バーベキューのときもそうでしたけど、やっぱコイツは料理の才能は皆無ですな。 ロンデスについて調べる人々。ジェットはまあいつもの通りか。スパイク、あんた聞き込みにはぜんぜん向いてないね。(^^;; エド、情報が見つからなくて、困ってしまって、ふにゃーとなった顔がかわいい。(笑) 「BIG SHOT」最終回? 聞いてないって。でも、パンチはまた出てくるみたいですけど。業を煮やしてスクラッチのホームページに潜入するジェット。サポートをするエド。ここでアインが突然唸り出します。後のジェットの弁によると「高周波」により交感神経になんらかの作用を及ぼそうとしたらしいですが、高周波音域、つまるところ「犬笛」と同じく、人間には不可聴音域の音を、人間より可聴域の広いアインが気がついたのでしょう。この時点では、「アインが頭がいい」という証明にはなっていませんね。 次に、今度はアインが被験者(?)となって、「ブレイン・ドリーム」を頭につけて、スクラッチのホームページへの潜入をはかります。ここで「エドもかぶりたいー」とエドが駄々をこねるのですが、そのときジェットが「お前が信者になっちまったら、誰がロンデスを調べるんだ?」と言い返します。これって、エドの実力を正確に評価している証拠ですね。なにかとオジャマ虫あつかいされているエドですが、Session#20でもISSPのコンピューターへの進入を頼むとか、ジェットはちゃんと彼女を一人前のカウボーイ(カウガール)として見ているのでしょう。 さて、スクラッチのホームページへ入って、いろいろと検索をかけていくのですが「おお、いい調子だぞ、エド」とジェットが言ったのとは裏腹に、エドはまったく何もしていないのに、勝手に検索が進んでいっているのに怪訝な表情。この時、アインの姿が映り、しきりに首を縦横に振っているのを見ることができます。そう、「ブレイン・ドリーム」は“脳波”によってコントロールすることができるのです。つまり、アイン自らが脳波によるコントロールで一連の検索を行なっているのです。 で、すべての発端となった場所、アレス=バレー=ホスピスを突き止めたジェットは、エドをつれてそこへ向かうのだが・・・・ああ、エドが女装、いや、女の子のようにスカートをはいて、いや、女の子だったのか・・・ さて、ここからが超ヤバイ! ロンデスは言った。 「わたしは何も強制していない。奴らは・・・自分で勝手に信じ込んだ“教え”を実践しただけさ。人は何故、神を信じると思う?・・・信じたいからさ。 神が人間を作ったんじゃない。人間が神を作ったんだ。」 これは誰に向かって言っているのでしょう? われわれも、何かを信じようとしてこの物語を見ていたのでしょうか? 「架空のキャラクター」「走査線が作り出した幻影」 それを信じていたのは誰か? 「人間が作った最高でサイテーの発明・・・・テレビ! テレビは情報によって人を操り、人から現実感を喪失させていく。今やテレビこそが宗教」 何が“宗教”なのでしょう? わたしたちは、ある架空のドラマにハマりすぎたあまり、正確な判断ができなくなっていないでしょうか? そのドラマを正当化するために、否定する人を白眼視したりしていませんか? 「テレビが、こんな馬鹿げた妄想のドラマに簡単に騙されてしまう人間たちを作ったんだ」 “妄想のドラマ”とは、いったい何を指しているのでしょう? スパイクは言った。 「まるでガキだな。妄想と現実の区別がついてないのは、お前のほうだよ、ロンデス。夢ならひとりで見な」 これはロンデスに言ったのか? 熱狂的すぎるが故に盲信的な、一部のビバップファンへ向けてのメッセージではないのか? そして、ロンデスは、ロニーという植物人間になってしまった少年ハッカーの作り出した妄想の産物でしかなかった。 ジェットは言った。 「全部、子供の夢だったんだなぁ・・そう、ヤツにとって夢を見るしかなかったんだ」 けれどもジェットは、ロニーを「大人の詐欺師」として、その手に手錠をかけた。 エドは言った。 「今度は、いい夢見てね」 いい夢? わたし達に夢を見ることはできるのだろうか? 自分で夢を見る術を失ったからこそ、人が作り出した「夢(妄想)」であるアニメ番組にすがりついているんじゃないだろうか? ロンデスの教団「スクラッチ」の教えは、精神の入れ物としての肉体があまりにも脆弱であるが故、その精神そのものをデジタル化して、ネットワークの中で純粋な精神として再生する「ネットへの移民」。 おい、ちょっと待てよ。それって、つまりは「逃げ」だよ。 自分の肉体が、精神の入れ物としての肉体があまりにも脆弱だなんて、言い訳じゃないかな? それは、自分が現実の世界で生きていく自信がないから、いっそ現実なんて目の前から消えてしまえばいいと思うから、だから自分のほうから現実から消えようとしているだけじゃないのか? 例えばインターネット。なるほど、たしかにモニターに向かって、ネットワークを通じて他人と話をしている時、そこにいるのは自分ではないのかもしれない。だが、モニターから目をそらせば、そこにはいつも現実が存在している。現実があるからこそ自分があり、自分があるからこそネットでの「もうひとつの自分」を作ることができる。 現実に目を背けてネットワークに逃げ込んでも、それはつまりはネットワークにて作り上げた自分をも否定する行動になるんだぞ。 |
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Session 24 「ハード・ラック・ウーマン」 自分の過去の断片を思い出したフェイは、エドを連れ、手がかりを探しに地球へと向かう。だが着いた場所は何故かエドが昔いた修道院。そこでエドは別れた父親の消息を聞く。フェイは思い出の場所らしいところにたどり着くが、そこで出会ったのは・・・。 |
脚本 横手 美智子 作監 菅野 宏紀 メカ作監 後藤 雅巳 絵コンテ 岡村 天斎 演出 山田 弘和 |
感 想 |
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タイトルは、かのキッスの名曲。ハード(過酷)なラック(運命)の女、といったところでしょうか。 さてさて、例のぷちフェイが未来の自分へ送ったビデオですが、どーやらフェイは何度もこれを見直していたようです。ん? でも、代金を支払わなかったから、ジェットが持っていたんじゃないかな? やぱし、イカサマ賭博で巻き上げたのか?(^^;; でまあ、ビデオに映っているマーライオンに反応を示すフェイ、どうやらそれを知っているらしい(?)エド。無理やり聞き出そうとするフェイ。って、マウス・トゥー・マウスなんかしてどーすんだ?(^^;; で、オンナども(おお、エドも入るのか(^^;;)は、無理やりビバップを地球へと向かわせてエドの言うところの「ミズジャー」を探しに・・・・と思ったら、ゴミ溜めの中の街へと来てしまったオンナども。 「エド、見つけられっけ?」 見つけたのは、昔エドがいた孤児院のお子様たち。どうやらエドは、食事をするために意図的にここへ寄ったらしいですね。ふたりは、ここでエドの父親が彼女(彼女、なんだよな(^^;;)を探しているのを知る。 「会えるといいんだけどねぇ。人間、絆ってのは大事にしないと」 孤児院のシスターの言葉に、ただただ黙って聞き入るフェイ。自分にとっての「絆」とはなんなのか、どこにあるのか・・・ ところがどっこい、絆は以外な所に落ちていた。ビデオに映っていたマーライオンのある場所に来たフェイは、そこで、自分の過去を知るサリーと名乗る老婆と出会う。これがフェイの記憶を呼び覚ますきっかけになったのか・・・ 一方、エド父アップルデリー。どーゆー訳か賞金をかけられ、ジェットとスパイクは彼の居場所を突き止めようとする。このオヤヂ、細かいことは気にしないどころか、細かいことは考えることすら出来ない男のようで、まさに「この親あってのこの娘」(娘でいーんだよな(^^;;)といったところでしょうか。 変わってフェイ。シャワーを浴びていてついに蘇った記憶。宇宙旅行、シャトルの事故、亀裂の入った窓、亀裂の向こうの月・・・・そして鮮血。彼女はどうやら、二十歳くらいの時にシャトルの事故がもとでコールドスリープすることになったようで、それ以前はどうやらマレーシアあたり(おそらく華僑?)の裕福な家庭で育ったようですね。 シャワー室を飛び出し、廊下でスパイクとぶつかるフェイ。何かしゃべろうとするがどうしても声にならない。「ご、ごめん・・・あたし・・・・行かなきゃ」ただそれだけを言うとふたたび駆け出すフェイ。この時のフェイの表情と、林原の演技がヒジョーにいいですね。この、何かしゃべろうとする、しゃべりたいが、どうやってしゃべっていいのかわからないもどかしさ、という感じがよく出ています。声だけの演技でよくこれだけできるものです。 そして、ビバップ号を出ていくフェイ。 「自分の居場所、思い出したの」 「あんたも、待ってる人がいるんだから、居場所があるんだから、探していくといいわ。それが一番いいものなんだから」 エドに向かって言うフェイ。 人生ってのがそもそも、自分の「居場所」を探すための旅みたいなものなのか。ビバップが自分の居場所だった訳ではなく、そこは仮の宿にすぎなかった。でも、またいつか、そこが自分の居場所になるかもしれない。ただ、今は、今の自分が必要とする居場所が見つかった今は、そこへ行くしかない。 そしてエドも・・・ エドおやぢ、アップルデリー。彼は荒廃していく地球の地図を作りつづける「変なおじさん」であった。 「混乱が支配するこの地球で、われわれがピース的な平和とノン混乱を取り戻すには何が必要だと思う? それはマップ! 地図だ。そう、幸せは地図に乗ってやってくるんだ」 さすが、あなたはエドのおやぢです。(^^;; アップルデリーが賞金首だと思っているジェットとスパイクは、「ごたくは結構」とばかりにオヤヂを捕まえようとするが、このオヤヂ、めっちゃ強い。まず、いきなり卵を銃に投げつけて使用不能にし、続いてスパイクの攻撃をものともせず受け流す。どなたかがどこかで「スパイクと互角」と仰っていましたが、とんでもない、スパイクを凌駕しておりますぜ。 さあ、このままスパイクはぶざまな姿をさらすのか、と思いきや、ふたりの間に割り込むように、海よりはい登ってくるビバップ号。そう、エドが動かしている。 「フランソワーズっ!」 おお、女の子な名前だったのね。(^^;;>エド とかいいながら「息子」って何考えてんねん。>エドおやぢ しかし、父は、今し方落ちたいん石にて変わってしまった地形の地図作りのために、またしても娘を置いてどこかへ行ってしまうのであった。 今度はまたフェイ。(忙しいな(^^;;) 丘へと続く道を賭け登る少女。そしてフェイの今の姿がオーバーラップ。少女の姿がだんだん成長した姿へと変わっているのが、演出の妙か。 けれども、そこにはもちろん、何も残ってはいなかった。 かつては屋敷があった場所、そして自分の部屋があった場所の地面に、棒きれで線を引き、ベッドに見立てて横になるフェイ。自分が見つけたかった「過去」は、やはりすでに過去の世界のことでしかなかった。そこにはもはや、過去すらも残っていなかった。 フェイの言葉に触発されたのか、それとも父との再会が彼女の心を揺さぶったのか、いやいや、やはり気まぐれなのか、エドもビバップを後にする。誰よりも早くそれに気付いたアインは、自分もビバップを去り、エドとともに旅立つことを決意する。何度も何度もビバップ号を振り返りながら・・・ アインは何故ビバップを出ていったのか。そこが彼にとっての「居場所」になっていたのではなかったのか? 雨露を避けられる場所。かろうじて食事にありつける場所。けれども彼はエドを選んだ。普通の犬だったらどうだったかわからない。けれどもデータ犬である彼は、エド←→ジェット+スパイク を天秤にかけてみると、自分はエドに「ついていてあげなければいけない」と判断したのではないだろうか? 果たして、過酷な運命を背負うのはフェイかエドか・・・ 茹で玉子をやけ食いするオトコどもふたりが、むなしい、というか、こっけい、というか。 |