「DGsとカルテル」立教法学111号265頁以下(2024)
「景表法上の不実証広告規制の合憲性」立教法学111号367頁
「電力カルテル事件・不正閲覧問題について」
『
2023年の仕事
■2023年の私の仕事について
「デジタルプラットフォームとマスメディア」立教法学108号2
『経済法総論』(有斐閣、近刊)---- 立教法学に連載した「経済法序説(1〜6・完)」
■2022年の私の仕事について
『経済法総論』の執筆だけで終わってしまい、
「ドイツ・フェイスブック事件」日本エネルギー法研究所報告書1
https://www.jeli.gr.jp/
「新型コロナウイルスと経済法」日本経済法学会年報42号139
■2020年の私の仕事について
舟田正之「経済法序説(6・完)」立教法学101号341-
■ 2019年の私の仕事
1. 「経済法序説(5)」立教法学100号185頁以下(2019)
→経済法序説
2. 「東電相場操縦事件」日本エネルギー法研究所報告書『
3. 「ドイツ・フェイスブック競争法違反事件」法律時報91巻9号(
→詳細版
1.「取引開始時における優越的地位の濫用」立教法学98号92
2.「携帯電話契約と独禁法」日本エネルギー法研究所月報254
http://www.jeli.gr.jp/
2018年4月〜5月、公正取引委員会「
3.「東電相場操縦事件」日本エネルギー法研究所報告書(201
2017年の私の仕事」
「2017年の私の仕事」
1.「判批:新潟タクシー運賃カルテル事件=東京高判平成28・
2.舟田正之=土田和博(編著)『独占禁止法とフェアコノミー』
このなかで、次の論文を執筆しました。
舟田正之「『公正な競争』と取引の自由」前掲書3頁以下
4.「判批:NTT東日本事件=最判平成22・12・17」
5.「事業法と独禁法---- NTT東日本事件と新潟タクシー事件を素材として」立教法学96
6.「取引開始時における優越的地位の濫用」立教法学97号掲載
なお、本年6月に、次の本が出版されました。
金井貴嗣=土田和博=東條吉純(編)『経済法の現代的課題』
http://www.yuhikaku.co.jp/
本書の編者、執筆者、有斐閣の皆さまに厚くお礼申し上げます。
2.「携帯電話の料金その他の提供条件」公正取引788号42頁以下
3.「経済法序説(4)」立教法学94号197 頁以下
4.「電力会社と移動通信キャリアによる『セット割』」日本エネルギー法研究所報告書『電力自由化による新たな法的課題---- 独占禁止法・競争政策の観点から』3頁以下
1.舟田正之「経済法序説(2)」立教法学91号118頁以下(2015年)
2.舟田正之「経済法序説(3)」立教法学92号234頁以下(2015年)
3.舟田正之「日本の電力改革---- 発送電分離および小売全面自由化を中心として」日本エネルギー法研究所報告書『独占禁止法・競争政策の観点から見た日本と諸外国の電力市場改革』1頁以下(2015年)
4.舟田正之「協同組合による価格カルテルと団体協約---網走管内コンクリート製品協同組合事件を検討素材として」立教法学92号170頁以下(2015年)
5.根岸哲・舟田正之『独占禁止法概説』(有斐閣、第5版、2015年)
1.舟田正之(編著)『電力改革と独占禁止法・競争政策』(有斐閣、2014年)
これは、日本エネルギー法研究所における近年の共同研究の成果をまとめたもの。参加していただいた諸氏には心からお礼を申しあげたい。
私が書いたものは、それ以前の論文をアップデートしたものも含まれている。
今後の電力改革を見る上で、ここにあるような地道な研究が基礎となることを希望する次第です。
2.舟田正之「スマートフォンのサービス構造と通信市場の適正化」現代消費者法25号12頁以下(2014年)
今年の春から、総務省「ICTサービス安心・安全研究会」消費者保護ルールの見直し・充実に関するWGに、アドホック委員として参加したことから、自分の意見をまとめたもの。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_anshin/
特に、ここでSIMロック解除が決まったことを高く評価している。これを書くに当たっては、同研究会での議論や担当された総務省の方々、各キャリアの皆様にも貴重なご教示を頂いた。ここで厚くお礼申し上げます。
2.舟田正之「経済法序説(1)」立教法学90号1頁以下(2014年)
これは10数年前から、ある出版社と「経済法総論」を書くという約束をしていたので、以来断続的に研究を続けていたのですが、定年退職してようやく時間がとれるようになったので、まずは雑誌に連載することにしたもの。
構想だけは気宇壮大みたいですが、実力が伴わない悲しさで、不格好な論文になりそうです。
3.舟田正之「多摩談合(新井組)事件の最高裁判決平成24・2・20について」立教法学90号219頁以下(2014年)
4.舟田正之「談合の『実効性』-----『競争の実質的制限』・『当該商品又は役務』との関係」立教法学90号237頁以下(2014年)
これら2本は、「経済法判例研究会」でもしばしば取り上げられている談合と課徴金の関係についてまとめたもの。
1.タクシー専門誌のインタビュー記事「独禁法適用除外は? 一定の効果あろうが違憲の疑いも」交通界2013年6月24日号
本ウエッブサイトの5月9日付け「タクシーの低額運賃規制」の延長上。タクシーの減車を促進し、低額運賃規制を強化するために、いわゆるタクシー特措法の強化改正の議論がなされているなかで、これには強い疑問があると述べたもの。
その後、2013年秋の第185回国会において、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成21年6月26日法律第64号の改正がなされた(平成25年11月27日法律第83号)。施行は平成26年1月27日。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr2_000021.html
特に注目されるのは、次の諸点。
(1)公定幅運賃制度の導入(16条)
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000066.html
(2)主として、「減車」のための「共同事業再構築」を容易に行えるよう制度整備
(3)独占禁止法適用除外(8条の4)。
2.「ソーシャルゲームと競争秩序----グリー対DeNA損害賠償請求事件を素材として」法律時報85巻11号78頁以下(2013年)
これに加え、本ウエッブサイトの9月30日付け「ソーシャルゲームと競争秩序---補遺」に、本論文に書かなかったことを掲載。
3.「道路運送法と独占禁止法によるタクシーの低額運賃規制」根岸哲先生古希『競争法の理論と課題』(有斐閣、2013年)497頁以下
本ウエッブサイトの5月9日付け「タクシーの低額運賃規制」に若干の修正をしたもの。
4.「消費税転嫁対策特別措置法の意義と問題点」公正取引756号7頁以下(2013年)
本法案の参考人として、2013年4月24日、衆議院経済産業委員会において、本法案に賛成の意見を述べ質問に答えた。会議録は次を参照。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
その後の議論もふまえ、論文としてまとめたもの。
2013年は、こうして振り返ると、公表されたものは昨年同様、貧弱なものにとどまっています。これは、電力改革について共同執筆になる単行本、それに、前からの「経済法総論」の執筆に傾注したためです。
前者は、舟田(編著) 『電力改革と独占禁止法・競争政策』(有斐閣)が近日発売されます。
後者は、その一部をこの春に「立教法学」に掲載予定です。
2012年の仕事
1.「独禁法違反の法律行為」行政判例百選(第6版)30頁以下(2012年)
2.「委任の範囲(1)--- 農地法施行令」行政判例百選(第6版)104頁以下(2012年)
3.「東京電力の料金値下げ注意事件について」公正取引744号47頁以下(2012年)
4.「<最終講義>1972年〜2012年 私の研究と『経済法』の軌跡」立教大学・法学周辺40号4頁以下(2012年)
5.「グリー対ディー・エヌ・エー損害賠償請求事件に係る意見書」(未公表)
なお、1年ほど前に公刊した私の著書に関し、石岡克俊さんに下記の書評を書いて頂きました。通り一遍の紹介・世辞ではなく、力を込めて読み書いていると思われる文章で、身に余る思いです。
石岡克俊「[書評]舟田正之 著『放送制度と競争秩序』─「経済法的考察方法」とその用い方」公正取引742号75頁
2011 work
2011年の仕事
1.単著『放送制度と競争秩序』(有斐閣、2011年) 最近10数年の間に、放送に関して公表した論文に、今回かなり手を入れてまとめました。
それ以前にも、かなりの数の論文をまとめているのですが、今回はそれらは収録していません。
また、昨年(2010年)、放送法は大きな改正がなされたので、それに関しても簡単に触れてあります。
2.インタビュー記事「道運法と独禁法が相互補完的に昨日する仕組みの構築を」交通界2011年8月8・15日合併号6頁以下
これは、既に本ホームページの「経済法時事話題」に掲載しています。
3.舟田正之・伊藤隆史「互換品インクカートリッジ特許侵害訴訟と独占禁止法」法律時報84巻1号97頁以下(2011年)
皆さん、最近、パソコン用のインクジェット・プリンタに装填するカートリッジがすぐ減ってしますことに気がつきましたか?
また、以前は、1つのカートリッジで、どのような画質の写真なら何枚プリントアウトできます、という広告があったのですが、
今は「こんなこともできます」式だけになって、ユーザーは、コスト計算ができなくなりましたね。
もちろん、プリンタとカートリッジの品質向上もあるのでしょうが、明らかに、プリンタの競争によって儲からないので、カートリッジの価格を高くして
補填しようというビジネスモデルを、プリンタ・メーカーの大手2社が採用しているように 思われます。
これは、消費者の利益に反することですし、独占禁止法上も問題があると考え、本論文では米国の事例等も参照しながら検討しました。
これも、今回、本ホームページの「経済法時事話題」に掲載しました。
2010年の仕事
1.「あとがき」正田彬『消費者の権利』(岩波新書、2010年2月)201-206頁
2.「不当廉売を理由とする差止請求-----ヤマト運輸対日本郵政公社不当廉売等差止請求事件控訴審判決を素材として」立教法学78号31-76頁(2010年3月)
3.舟田正之=金井貴事嗣=泉水文雄編『経済法判例・審決百選』(有斐閣、2010年4月)全288頁
4.「公共の利益」『経済法判例・審決百選』(有斐閣、2010年4月)16-17頁
5.「日本的取引慣行はどう変わるか----『不公正な取引方法』を刊行して」書斎の窓593号17頁以下(2010年6月)
7.「公取委の審判制度----消費者・国民の立場から」法律時報82巻4号69-71頁以下(2010年6月)
根岸哲・舟田正之『独占禁止法概説』全448頁(有斐閣、第4版、2010年7月)
この年の夏のある朝、起きてみると、座骨神経痛が急に悪化し、これ以降、足腰の痛みで歩行困難になりました。
前年からの「経済法概論」を執筆のための研究は、細々と続けていますが、治療に膨大な時間をとられています。
1.「不当廉売における原価の算定方法と構成要素――ヤマト運輸対日本郵政公社(不当廉売等差止請求)事件控訴審判決」ジュリスト1374号91-95頁(2009年3月)
2.『不公正な取引方法』(有斐閣、2009年10月)全627頁+27頁(「はしがき」「目次」)=654頁の厚さだけは誇れますが--- (読む人の迷惑を考えろ、という声が?)
3.「弔辞」公正取引705号36頁以下(2009年7月)--- 正田彬先生のご葬儀のときに述べたもの。
4.「正田彬先生の人と業績を振り返る」ジュリスト1388号56-65頁(2009年10月)
5.「(協同)組合の行為」根岸哲編『注釈独占禁止法』(有斐閣、2009年12月)551-562頁
その他、(すべて私の個人ホームページに掲載しています)
1.「独占禁止法改正案についての参考人意見」
2009年5月28日、参議院の経済産業委員会における陳述。
2.「タクシーの「低運賃」規制は原点は今でもMKタクシー判決」
4月から8月まで、国土交通省においてタクシー運賃制度研究会に参加。そこでの議論を踏まえ、私の意見をまとめました。
3.『金曜討論 周波数オークション』産経新聞2009年12月11日付
「携帯電話事業者間の接続------『ぶつ切り料金』と『エンドエンド料金』」立教法学75号185-214頁(2008年3月)
根岸哲・舟田正之『独占禁止法概説』(有斐閣、第3版第2刷補訂、2008年3月)
「『独占禁止法等の改正案に関する意見」について』ジュリスト1357号2-5頁(2008年5月)
「市場支配力のコントロール」、「電力市場における市場支配力のコントロール」日本エネルギー法研究所報告書『新電気事業制度と競争政策』(2008年9月)1-41頁
これは、2007年にジュリストに掲載した2本の論文を加筆・修正したものです。
1.「市場支配力のコントロール---本連載を始めるに当たって」ジュリスト1327号110〜116頁(2007年2月)
2.「放送番組のインターネット配信と著作権」立教法学73号265-280頁(2007年3月)
3.「電力産業における市場支配力のコントロールの在り方」ジュリスト1335号95-105頁(2007年5月)
4.「ぶつ切りとエンドエンド料金」(2007年9月20日)舟田HP掲載。
日本通信とドコモの接続についての法的問題点を洗い出したもの。いずれ、何かの形で論文として公表したいと思っています。
昨年の後半は、公表した業績はなしということになります。この間、『注釈 独占禁止法』の「協同組合」、舟田・長谷部編『放送制度の新展開』有斐閣(2007年刊行予定)に所収する予定の「日本における放送制度改革」、それに、これまでの論文を集めた単行本、『不公正な取引方法の研究』に取り組んできました。
今年こそは、最後に挙げた単行本を公刊したいと思っております。
1.「防衛庁石油製品談合刑事事件=東京高裁判決(平成16年3月24日)について」立教法学70号161―192頁以下(2006年)
2.「独禁法違反の法律行為」行政法判例百選T28〜29頁(有斐閣、第5版、2006年5月)
3.「委任の範囲(1)---農地法施行令」行政法判例百選T94〜95頁(有斐閣、第5版、2006年5月)
4.「次世代ネットワークと規制システム---接続規制・ドミナント規制・NTTに対する構造規制を中心に」ジュリスト1318号150-157頁(2006年8月)
5.「公正競争阻害性の再検討---優越的地位の濫用を中心に」公正取引671号49-56頁(2006年9月)
6. 根岸哲・舟田正之『独占禁止法概説』(有斐閣、第3版、2006年)
7.「優越的地位の濫用の再検討」公正取引674号10-18頁(2006年12月)
このうち、4の電気通信についての論文は、当時、NTT規制の見直しが政治的争点になっていた頃にまとめたもの。同時に争点になっていたNHK問題など、放送に関する研究も少しずつ行ってきたので、これは新年早々にまとめる予定。
5と7は、日本経済法学会の昨年のシンポジウムのテーマであった「優越的地位の濫用」について、私も前から考えてきたことなどをまとめたもの。
1.「防衛庁石油製品談合刑事事件=東京高判平成16・3・24-----入札談合における基本合意・個別調整と「相互拘束」・「共同遂行」の関係を中心にして----」ジュリスト1288号142-146頁(2005年4月)
※これは,内容を再検討・加筆して,「防衛庁石油製品談合刑事事件=東京高裁判決
(平成16年3月24日)について」立教法学70号161―192頁以下(2006年)に掲載しました。
2.「経済法判例・審決例の動き」平成16年度重要判例解説(2005年6月)
3.「NTT東西の加入者回線網の接続料認可に対する取消訴訟」メディア判例百選(有斐閣、2005年)214頁
4. 「独禁法改正―審判手続を中心に」日本エネルギー法研究所月報174号(2005年6月)
5.「電力適正取引ガイドラインについての検討」日本エネルギー法研究所報告書(2006年公刊予定)
6.「競争対抗料金---研究ノート」日本エネルギー法研究所報告書(2006年公刊予定)
昨年の研究の中では、上記の1.5.6.の3本が主論文ですが、研究休暇をもらった年にしては成果が少ないと反省。独禁法についての過去の論文をまとめた単行本を出版、という目標は今年に持ち越しになりました。
この他に、新司法試験の「経済法」プレテスト問題作成と採点にかなりの労力を費やし、また、独占禁止法改正についての勉強に時間をかけました。後者については、手続についてごく短い、上記の4.をまとめただけですが、かなりの量の研究ノートは作成し、論文に直す作業にとりかかりながら、今のところ中断しています。
1.「独禁法上の『事業者』」判例タイムズ1134号69〜78頁以下(2004年1月)
2.「放送のデジタル化」InfoCom Review 33号2〜3頁以下(2004年3月)
3.「課徴金制度の強化----補足的メモ」立教法学65号145〜196頁(2004年3月)
4.「経済法判例・審決例の動き」平成15年度重要判例解説(2004年6月)236〜239頁
5. 「談合と独占禁止法」日本経済法学会年報25号24〜73頁(2004年9月)
6.「公取委の審判事件記録開示」稗貫俊文・今井貴編『競争法の現代的諸相 厚谷古希記念(下)』(信山社,2005年)905〜928頁
昨年も,電気通信や電力,放送などの特定分野についての研究はほとんどなく,独禁法の研究に集中しました。通信・電力・放送の3分野については,研究会等では継続的に勉強していますが,その成果は,科研費の報告書に書いた他は,まだまとまっていません。本年度以降の課題です。
これら6本の仕事のうち,1.3.5の3本が主論文です。
3. 「課徴金制度の強化----補足的メモ」は,補足的とありますが,実際には,その前年12月に出た,「課徴金制度の強化にむけて」NBL774号8頁以下(2003年12月)のもとになった長文の論文です。
5.「談合と独占禁止法」は,経済法学会で報告したもの。かなり力を入れて書いたつもりです。
6.「公取委の審判事件記録開示」も,「公取委審判事件記録閲覧謄写許可処分取消請求事件」ジュリスト1236号107-110頁(2002年12月)を再度取り上げた修正版です。
a. 根岸哲・舟田共著『独占禁止法概説』有斐閣(第2版、2003年6月)
b. 「経済法判例・審決例の動き」平成14年度重要判例解説(2003年6月)
c. 「課徴金制度の強化にむけて」NBL774号8頁以下(2003年12月)
d. 「BS放送のデジタル化に関する検討会」(座長:舟田)
報告書平成15年12月17日 http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/031217_2.html
e. 「NHKのホームページ・サービス」立教法学64号152頁以下(2003年12月)
f. 「課徴金の強化」12月29日付け読売新聞朝刊掲載記事
昨年は、公表した業績はすべて独禁法関係でした。
b. 「経済法判例・審決例の動き」----ジュリスト別冊の平成14年度重要判例解説の経済法欄の編集は、根岸哲先生からバトンタッチで初めての経験。1年間の判決・審決から選ぶのが大変、また担当者を誰にするかも結構気を遣って大変でした。さらに全体の解説は、1つ論文を書くほどのエネルギーを要しました。しかし、私の勉強にもなり、有り難い経験でした。今年も既に作業が始まっていますが、最近の傾向として、経済法関係でも、公取委の審決だけでなく、判決が続々と出て、ようやく裁判で法的な解決をしようという傾向が強くなったなという感想です。
c. 「課徴金制度の強化にむけて」とf.「課徴金の強化」は、1年以上続いた公取委での検討の成果をまとめようとしたもの。その補足のための論文を立教法学65号(2004年3月公刊予定)に掲載します。
d. 「BS放送のデジタル化に関する検討会」報告書は、業績ではありませんが、この報告書をまとめるために、かなりの勉強・議論をしました。取り纏め役でしたので、すぐ論文などの形を取ることはできませんが、いずれ何かの形で研究に生かせればと思っています。
昨年は、一昨年(2001年)に続いて、放送関係の論文等に偏ってしまい、独禁法の研究がまた不十分だったことが残念です。
放送については、上に挙げたほか、公刊されたものではありませんが、ATPシンポジウム2002にパネリストとして参加し、コメントをある会報に載せたこと、またNHKの独禁法上の問題などもまとめ、さらに今年10月22日から総務省「ブロードバンド時代における放送番組制作に関する検討会」の座長として、放送事業者と番組プロダクションの取引関係・権利関係について議論をしています。参照、http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/021022_2.html
また、科研費に基づく共同研究(代表 正田彬氏)の一環として、9月末から2週間ほど、欧州の電力と電気通信の調査を行い、さらに国際原子力法学会の理事会に出席しました。特に、英国の電力取引所制度の実情については、今後の日本の電力自由化にとって参考になる知見を得ました。また、EUの新しい電気通信指令についても、特に「市場支配的事業者」規制の下での携帯電話の接続料金およびユーザー料金の制度と実態を調査しました。これらについても研究を深め、まとめたいと思っています。
a. 「公取委審判事件記録閲覧謄写許可処分取消請求事件」ジュリスト1236号107-110頁(2002年12月)
b. 「マスメディア集中排除原則の見直し-----一試案」立教法学62号1-50頁(2002年11月)
c. 「マスメディア集中排除原則の見直し試案」月刊民放2002年11月号10-21頁(2002年11月)----これは前記bの抄録です。
d. 舟田「放送産業と経済法」日本経済法学会編『経済法講座第1巻 経済法の理論と展開』(三省堂)274頁―309頁(2002年10月)
e. 「環境規制と独占禁止法制」大塚直・北村喜宣編『淡路剛久教授・阿部泰隆教授還暦記念 環境法学の挑戦』」日本評論社(2002年4月)324-340頁
f. 判例評釈「公正競争阻害性――安全性と公正競争阻害性」独禁法審決・判例百選(第六版、2002年3月)122-123頁
昨年は、以下のように、電気通信と放送が多く、独禁法については毎年行っている座談会が1つと判例評釈が1本あるのみでした。
電気通信と放送については、放送関係の論文があと1編既に原稿を出したものがありますが、そろそろ1段落とするつもり。 今年こそ独禁法について、これまでの論文を集めた単行本を出したいと思っています。
・
判例評釈「個人信用情報センターと独占禁止法」ジュリスト1200号202ー205頁
(2001年4月)
・
「IT革命推進のための電気通信審議会第一次答申について」ジュリスト1198号
52-58頁、1199号48-61頁(2001年4月)
・ 座談会「最近の独占禁止法違反事件をめぐって」公正取引608号2-19頁(2001年6月)
・ 「特殊法人等の情報公開制度」・小早川光郎・宇賀克也編・塩野先生古希記念論文集『行政法の発展と変革』(有斐閣、2001年6月)739-764頁以下
・ 「放送産業と経済法――補足的覚書」立教法学59号(2001年9月)205-253頁以下
・
舟田・長谷部恭男編『放送制度の新展開』(有斐閣、2001年11月)第2章「日本における放送制度改革」(舟田執筆部分)42-107頁
2000年の仕事
■昨年(2000年)の公刊された業績
・「電力の自由化・競争導入に関する法的検討」立教法学54号75頁以下(2000年2月)
・根岸・舟田共著『独占禁止法概説』有斐閣(2000年4月)
※読者の皆様には、申し訳ありませんが、以下の2点は内容上の間違いでした。
いずれも立教の学生からの指摘で発見しました。 あつくお詫び致します。
訂正個所
(1)113頁、後から2行目
「独占的状態」の定義で、「当該1年間において、「一定の商品」……の合計額が
500億円を超える市場であること」とありますが、この「500億円」は、
「1000億円」の間違い。
(2)189頁、最後の行
東芝昇降機サービス事件につき、「原告の行為を不当とした」とありますが、
「被告」の間違い。
・「『官製談合』と独禁法」立教法学56号99頁以下(2000.
8月)
※以下の4本は、業績とは言えませんが、挙げておきます。
・「コンピュータ法学最前線 法の学び方はどう変わるか 立教大学法学部」
法学教室2000年7月号146頁以下
・「情報公開は組織の内と外をつなぐ」 立教経済人クラブ会報2000.10.20号
・座談会「特殊法人の情報公開」 ジュリスト1187号((2000.10.15号)
・「通信インフラの設置・利用のあり方」
行政&ADP(行政情報システム研究所、2000年10月号1頁以下)
■この他、原稿を提出済みのものとして、
・「特殊法人等の情報公開制度」塩野先生古希記念論文集
・ 舟田・長谷部編『放送制度の新展開』(仮題)
後者も、原稿は集まっているのですが、公刊は遅れます。
これは、3年間の科研費による共同研究の成果をまとめたものですが、文部省(学術振興会)の研究成果の出版助成に関する規定で、原稿の提出期限(助成申請期限)は11月なのに、出版社に引き渡すのは3月の助成期間が終わってからという制限があるためで、出版助成制度の欠陥を痛感しました。
・「電気事業における託送と『公正な競争』」正田古希祝賀
独占禁止法と競争政策の理論と展開505-523頁以下(三省堂、1999年12月)
・判例評釈「豊田商法と公取委の不作為責任ーー豊田商法国家賠償大阪訴訟」
ジュリスト1169号111頁以下(99年12月)
・「経済法の性格、独占禁止法の目的、独占禁止法の体系」丹宗暁信・厚谷襄児編
『新現代経済法入門』27頁以下(1999年10月)
・判例解説「独禁法違反の法律行為」行政判例百選・(第4版)99年2月
・判例解説「委任の範囲(1)農地法施行令旧16条」行政判例百選・(第4版)99年2月
こう並べると、今年も数はやや少ない。弁解になりますが、昨年2月に母が亡くなり、しばらく元気がなかったこと、独禁法の概説書を仕上げるのにかなり苦労したことのせいです。
概説書は、ようやく再校が終わり、今年3月頃には、根岸・舟田共著『独占禁止法概説』有斐閣として上梓の手はずです。苦労した割には、最初意気込みと違ってたいした本にはなっていないかなと弱気になっていますが、こう書くと、共著者である根岸先生に失礼ですね。
この他、昨年は、NTTドコモの割引料金制が電気通信事業法・独占禁止法に違反しないかという問題にかかわったこと、電気事業審議会の下部組織に参加して電気事業の一部自由化にかかる制度化の審議に参加したこと、特殊法人の情報公開の立法作業にかかわったこと、放送・CATVのデジタル化につき引き続き各種の研究会等で研究を継続したこと等々、相変わらず霞ヶ関に通うことが多かった1年でした。
今年は、独禁法の不公正な取引方法に関する論文集と、「経済法」の体系書にとりかかるので、これ以外の仕事はなるべく少なくするつもりです。
・「多チャンネル時代の放送番組規律ーーー「多チャンネル懇」報告書の検討ーーー」
成田頼先生古希記念『政策実現と行政法』(有斐閣、1998年1月)
・「放送衛星のデジタル化と規制システム」立教法学49号(1998年3月)
・「競争政策」日本マルチメディア・フォーラム編
『マルチメディアの現状と展望'98』産業調査会(1998年3月)
・「持株会社ガイドライン・金融会社の株式保有ガイドラインに関する意見」
立教法学50号97頁以下(98年7月)
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5冊 と 今後の予定 |
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この1年は、多くのバラバラのテーマをそのときどきにコマ切れでこなし、と言うより、それらの仕事に追いまくられてばかりで、おおいに反省!!
(もっとも、ここ数年同じようなもので、同じ反省を繰り返していますがーーー)。
以下、それらの中からいくつかを列挙しておきます。
こう並べると、研究休暇なのに、ずいぶん少ない。もっとも、このほかに2本の論文が印刷中であり、また、単行本『独占禁止法概説』を少しずつ書いている時間がかなりになったからーーーというのは言い訳のようです。量が多ければいいというものではありませんが、質でも誇れるものとは到底言い難いので、やはり年とともにペースが大幅にダウンしているのでしょう。
・「『NTT分割』に関する法的諸問題」立教法学46号1頁以下(1997年)
・「放送の多チャンネル化と競争秩序」郵政研究所編『有料放送市場の今後の展望』10頁以下
(日本評論社、1997年4月)
・参議院自民党「報道等に関するプロジェクトチーム」の会合での意見陳述(97.1.31)
「多チャンネル懇」報告書について基本的に賛成の意見を述べる。
「多チャンネル時代の放送番組規律」成田先生古希記念論文集『政策実現と行政法』
(1998年、有斐閣)513頁以下に掲載
・参議院商工委員会における参考人意見陳述
独占禁止法9条改正案に反対の意見陳述。
官報第140国会 参議院商工委員会議事録16号掲載。
これをもとに私の意見を、私のホームページに掲載。
そのうち、一部を論文「持株会社の一部解禁について」ジュリスト1123号21頁以下に掲載。
・「不当廉売となる原価の基準」独禁法判例・審決百選(第5版、1997年)150頁
以 上
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・金子・実方・根岸・舟田共著『新・不公正な取引方法』
(青林書院新社、1983年)
・根岸・舟田・野木村・来生共著『独占禁止法入門』
(有斐閣、1983年)
・舟田・黒川編『通信新時代の法と経済』(有斐閣、1991年)
・単著『情報通信と法制度』(有斐閣、1995年)
・舟田編著『公益事業の多角経営と法規制』(第一法規、1995年)
※ただ、残念なことにこれらはほとんど絶版です。
そこで、今、以下の3冊を書く予定を立てています。遊びたくなるのを抑えるために、(大げさですが)今から、ここで、予定だけでも公表しておきましょう。
(1)舟田『不公正な取引方法の研究』(有斐閣)
独禁法における「3本の柱」の1つとされる「不公正な取引方法」について、以前書いたものをもとに、内容も修正・充実し、(論文集ではなく)若干の体裁を整えて、体系的な単行本を出したい、と思います。
不公正な取引方法に関しては、従来、今村先生に代表される「私的独占」の補完・予防規定説と、正田先生による濫用防止説とがあり、近年は根岸先生のように両者を総合して説明する立場が有力ですが、私の立場は基本的には後者(濫用防止説)に近いものです。
これを初めて打ち出したのが、前掲の共著『新・不公正な取引方法』と、後掲の「不公正な取引方法と消費者保護」加藤・竹内編『消費者法講座』(1984年)で、ドイツの独禁法の研究を基にして、理論的な体系化を図ったものです。
その後、日米経済構造協議などを契機として、「日本的取引慣行」がクローズアップされ、そこでの議論の中で、後掲の諸論文を書きました。それに、近年新しい議論を引き起こした事件に関する研究を加えて、本にしようと考えています。
(2)根岸・舟田『独占禁止法概説』(有斐閣)
これは、根岸哲先生との共著で、今の時点での判例・審決・学説の客観的な概説をししようとするものです。
(3)舟田『経済法』(有斐閣、法律学大系)
これはもう5、6年前からの約束ですが、独占禁止法の部分は松下先生が書き、私はそれ以外の経済法を扱うという企画。昔の金澤先生の『経済法』の現代版ですが、僕がここまで元気に生きて書いていられるかどうか、もうわかりまひぇんねぇーー。(有斐閣の担当の方、ごめんなさい)
1. 経済法一般 |
・「ドイツ『経済制度』理論史」(1)〜(7)
国家学会雑誌88巻8・8号〜90巻9・10号(昭和50〜52)
・「『経済制度』と経済法理論」
経済法20号17頁以下(昭和52、1977年)
・「職業の自由と”営業の自由”」
ジュリスト592号30頁以下(1975年)
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2.規制一般に関するもの |
3. 電気通信・情報 |
4. 放送 |
5. 運輸 |
6. エネルギー等 |
・「公益事業の規制緩和−−−電力を中心として」
ジュリスト1044号193頁以下(1994年)
・「電気事業と独占禁止法」
日本エネルギー法研究所報告書『公益事業における新規制』
(1997年)
7. 特殊法人 |
8. 独占禁止法関係 |