歯科こぼれ話

[歯科の歴史おもしろ読本」(長谷川 正康)クインテッセンス出版社より

「歯とスパイ」ジョルジョ・プレスブルゲル 鈴木昭裕 訳)河出書房新社

歯を話題にしためずらしい小説

日光猿軍団にも虫歯(朝日新聞1997年6月4日 コラム「青鉛筆」より)

局所麻酔の歴史


義歯の歴史

エジプトには紀元前5世紀ごろ歯科専門医がいた。

紀元前2500年ごろのものと推定される義歯らしきものがGizaの墓場から出土している。

日本に存在する最も古い義歯は和歌山市成願寺の尼僧沸姫(1538年没)の木床一木造の上顎総義歯である。

柳生宗冬の総義歯は有名で「柳生武芸帳」によれば忍者の術として義歯を使い、普段は白い歯の義歯を、女性や公卿に変身するときは「おはぐろ」つきの義歯を用いたとされる。

「里見八犬伝」などを書いた瀧沢馬琴も文政十年(1872年52歳)で総義歯にしたことを日記に記している。

ジョージ・ワシントンも年義歯を装着していた。一度目のものは床は象牙で人工歯は自分の抜去歯であった。二度目のものは上顎がゴールドプレートとカバの人工歯、下顎は床が象牙で人工歯はカバの歯を彫刻したものであった。

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「歯とスパイ」

この歯が痛むとき必ず、要人が暗殺される。

そしてIS1・左下中切歯。この歯が黒ずんだとき、不倫の愛がはじまった。続々と登場してはわたしの運命を狂わせる奇人歯科医たち。すべてが<歯>のしわざなのか。(帯カバーより)

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日光猿軍団にも虫歯(朝日新聞1997年6月4日 コラム「青鉛筆」より)

猿は現在54匹 まんじゅう ようかんなど甘いお菓子が大好き。しかし、週に二、三度の歯磨きをいやがる猿が多く、「半数は虫歯に悩まされています」とのこと

歯磨きなどはしなくても、野生の猿には虫歯がないといわれています。逆に言えば甘いものを食べなければ歯磨きをしなくても虫歯にはならないのでしょうか。しかし甘いものを食べて歯磨きをしていれば虫歯にならないという保証はありません。

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局所麻酔の歴史

もし現代の麻酔薬がなかったとしたら、歯医者へ行くのはもっと恐ろしいことになっていたでしょう。

除痛法というのは古代エジプト時代からあったそうです。このころは電気魚をさわらせて割礼が行われていたとか。

近代に入り1880年代にはコカインが歯科の手術に用いられています。

1892年にドイツのA.Einhornのグループがプロカインの合成に成功し、長い間局所麻酔薬として用いられていました。

現代、主に用いられている局所麻酔薬キシロカインは、1942年にスウェーデンの研究者LofgrenとLundqvistによって発見され、スウェーデンの製薬会社アストラ社が発売しました。

その後50年以上にわたりキシロカインは局所麻酔薬の主流となっています。

日本においても大手製薬メーカーF社とライセンス契約が結ばれて、1954年から販売されている。

このキシロカインのおかげで私たちは歯医者へ行くのが、それほど恐ろしいものではなくなっているのです。

それでもやっぱり歯医者へは行きたくない!

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