バリオ・GPS固定用ウェストバッグ 其の参 情報提供者:自分
前回に引き続き今回は、現在私が使用している最新バージョンを紹介したいと思います。
ただしバリオとGPSの装着方法は前回とほぼ同じなので、重複する内容はなるべく省略し、その他のポイントについて書いてみようと思います。(このため最初に前回の「バリオ・GPS固定用ウェストバッグ 其の弐」に目を通してから読んでください。)
まずはウェストバッグに何を選ぶか、です。このページのタイトルから言えば、バリオ・GPSが固定できるものなら何でもいいことになりますが、今回はウェストバッグそのものにもスポットを当てたいと思います。
そして私がウェストバッグに求めた条件は、以下のものでした。
○一眼レフ2台が入ること
撮影好きな私の場合、大抵一眼レフカメラを持ってテイクオフに登ります。フライトしながらの空撮の場合もありますし、地上から他の機体や景色を撮影することも多いです。 当然、レンズ1個では対応できない場面も出てきます。
そこで交換レンズを1〜2個入れておいたり、あるいはレンズ交換の手間を省くために別のカメラボディを用意しておきたいことを考えると、一眼レフ2台は入る大きさが欲しいところです。○カメラを衝撃から守ること
カメラは精密機械ですので、運搬中の衝撃などからカメラを守ってくれるよう、厚めのパッドが入ったものが望ましいです。
それに一眼レフ2台というのは結構重いですから、頑丈そうなものを選びます。パッド入りのウェストバッグは大抵しっかりとした作りをしているので、その点では安心です。○空中でカメラの取り出しが容易にできること
方法にもよりますが、空撮ではフライト中にカメラをウェストバッグから出し入れする場合があります。そんな時のために、ウェストバッグの蓋が簡単に開閉できる構造になっていなければなりません。
具体的に言うと、蓋がチャックだけで開閉できるもの。なおかつその開口面積が大きいものが、特にカメラの収納時に有利です。 さらに蓋が手前側でなく向こう側に開くような構造であるのが理想です。(蓋が手前側に開いてしまうとその蓋が邪魔になって、特にフライト中の姿勢においてウェストバッグの中がよく見えません。)○上蓋は完全に閉まること
カメラは衝撃だけでなく埃にも弱い精密機械ですが、テイクオフやランディングは埃っぽい場所であることが多いです。 また常に風が吹いていますので、上蓋をバックル等で留めるだけのウェストバッグだと内部に塵埃の進入を許し、余分なトラブルが発生する可能性もあります。そこで撮影時以外は内部を密閉できるもの、要するにチャックで蓋を完全に閉めることができるタイプが望ましいです。○上面が平らであること
ウェストバッグ上面にバリオ・GPSを装着しますので、それらを置くスペースが必要です。もちろんバリオ・GPS等を装着した状態で、上蓋を開閉できなくてはなりません。○内部の仕切りが自由にできること
複数台入れたカメラやレンズがお互いにぶつかるのを防ぐために、間仕切りを自由にレイアウトできると便利です。○外観
派手過ぎず、地味過ぎず。好みのデザインをどうぞ。以上の条件に合致したものとして私が選んだのが、米国ロゥプロ社のカメラ用ウェストバッグ「ニューオリオン」です。ヨドバシカメラなど、大型のカメラ店であればどこでも入手できると思います。実売価格は4〜5000円程度かと思いました。
さて、次にバリオ・GPSの装着についてです。これは前回のと同じく、アングル材を介して取り付けます。
ウェストバッグのベルクロも、黒い木綿糸で縫い付けます。「ニューオリオン」は上蓋にもパッドが入っているので、そのまま表から裏へ糸を通すわけにはいきません。ベルクロと、表面のナイロン生地だけを縫うように針を通すのはチト面倒ですが、根気よくやって下さい。予めマチ針でベルクロを仮止めしておいた方が無難です。
あとここでのポイントは前回と同じく、縦方向に補強用のベルクロを縫い付けておくことです。(もちろんアングル材側に付けた縦方向ベルクロに対応する位置に、です。)ただし「ニューオリオン」は上蓋が向こう側に開くタイプであるため、前回のようにウェストバッグ手前側面にベルクロを配すと蓋が開かなくなってしまいます。
そこで上蓋への補強用の縦方向ベルクロは、写真のように縫い付けます。チャック部分の手前までしか縫い付けることができませんので、数cm余分な部分を残し、ベルクロ同士の結合力を確保するのがポイントです。
前回の方式に比べて多少不安はありましたが、現在のところこれで充分な効果を得ており、問題はありません。
ところで補足をひとつ。
現在、私が使ってるGPSはGARMIN社の etrex Summit という機種です。 これをアングル材へ装着するためには裏(電池蓋になっています)にベルクロを貼り付ける必要があります。しかしこの etrexの電池蓋、どうも両面テープの粘着性が良くありません。
たぶんそのツルツルしたゴムのような材質に原因があるかと思われますが、いちばん強力なアクリル系粘着材を使った両面テープでも、何回かベルクロを付け外ししてると剥がれてしまうのです。そこで仕方なく、接着剤でベルクロを付けてしまうことにしました。
接着剤には例のごとくセメダイン「スーパーX」を使用し、左の写真のように凸部分を避けて接着しています。
次にこのウエストバッグのハーネスへの装着です。前回はベルクロを輪にしてカラビナにぶら下げる方法を紹介しました。
これは最も簡単確実な方法なのですが、地上で歩いている時はカラビナがウェストバッグの重さで下を向いてしまうため、ウェストバッグが太股の辺りまでブラ下がってしまいます。
もちろん、ウェストバッグのベルトを利用して装着するよりもブラ下がり量は少ないのですが、今回はその不満を解消するために更に改良しました。それはウェストバッグ吊り下げ用のベルトをカラビナの中ではなく、下の写真のようにハーネスのカラビナ接続部に直接通してしまう方法です。
ベルトはホームセンターや登山用具店で売っている、1cm巾のベルトとプラスチック製のバックルを使用しました。
左がハーネス側で、カラビナの通る部分に一緒にベルトを通し、バックルも通した後ベルトを縫い付けます。
右がウェストバッグ側で、ハーネス側のバックルとワンタッチで接続できるようになってます。長さ調整が可能にする環を通しておけば、後々便利です。
最後にウエストバッグ内部についてです。このウェストバッグはベルクロで留めることによって、内部が自由に仕切り可能です。そこで私は下の写真のように左右に分けてカメラを収納しています。さらに手持ちの間仕切り用パッドを流用し、余ったスペースにフィルムや携帯電話などの小物を入れられるようにしています。上蓋裏側に貼ってある黒いものはガムテープで、カメラの電源やピントリングの固定に使います。
写真右はカメラ落下防止用のヒモを取り付けられるよう、ウェストバッグ内部に縫い付けたタブです。落下防止用のヒモの片端はハーネスに固定してもいいのですが、ウェストバッグ内部にこれを設けることにより、離陸・着陸時はしっかり上蓋を閉めておけるという利点があります。(2001.4)
もどる