バリオ・GPS固定用ウェストバッグ 其の弐 情報提供者:自分


 バリオやGPSの取り付け場所として一般的なものを思い付く範囲で挙げてみると、 なんてのがあります。最後のウエストバッグ上部に取り付けている人の割合ってそう多いものではないと思います。
 でもウエストバッグ方式には、その内部にカメラや食料、ツリーランセットなどいろいろなモノが入れられるという大きな利点があります。
 そこで以前、 ウエストバッグへの取り付けについてベルクロを使用した方法を紹介したのですが、今回はその続編として さらに細かく書いてみたいと思います。

アングル材へのバリオ・GPS取付状況
 最初にアングル材についてです。
 バリオ・GPSをウエストバッグの上面にそのまま取付けただけでは、表示が見にくいですね。そこで多少角度をつけて、ディスプレイ部がこちら側を向くように取付ける必要があります。最も簡単で手軽なのが金属製のアングルを使う方法です。

 私の場合、まずホームセンターで売っている幅5cm、長さ10cm、厚さ0.8mm程度の鉄板を2枚用意しました。ひとつはバリオ用、もうひとつはGPS用です。(鉄板の色について選べる場合は、見てくれの問題から黒色に塗装してあるのを買った方が良いです。)
 そしてそれを真ん中から折り曲げます。万力で挟んでやれば簡単でしょうが、そんなモノを持ってる人はあまりいないと思いますので、机の角などを利用し、希望の角度まで曲げてやります。

 そしてこのアングル材に、バリオ・GPSを取り付けます。
 バリオのアングル材への取付けについては、多分どのバリオにも付いていると思われる、バリオ裏面のネジ穴を利用します。
 アングル材にドリルで穴を開けてもいいのですが、もともとアングル材に開いてる穴を利用してもいいでしょう。ただしその穴はネジよりも大きいので、左上写真のようにプラ板などを使ってスペーサーを作る必要があります。私は厚さ3mm程度の発泡塩ビ板(普通の塩ビ板よりも柔らかく加工しやすい)を使用しました。
 またこの場合、バリオ付属のネジでは長さが足りなくなるので、ホームセンター等で同じ太さ・ピッチで付属のネジよりも少し長めの皿ネジも購入しておくようにしましょう。(ただし長すぎると締まり切らなかったり、最悪の場合にはバリオの基板を壊してしまう可能性があるので慎重に…)

GPS取付状況
 次にGPSです。多くのパイロットが使っているであろうガーミンのハンディGPSには、バリオのような裏面のネジ穴がありません。そこでアングル材への取付けには、ベルクロを利用します。
 まずアングル材へ、5cm巾のベルクロをしっかり接着します。(ベルクロの奥行き方向の長さは、アングル材よりもはみ出すよう長めに切断します。その方がしっかりとGPSを固定できるからです)
 このとき用いる接着剤には、金属はもちろん、ナイロン繊維も接着できる強力なやつを選ぶのがポイントです。普通の有機溶剤系接着剤では、ベルクロ(ナイロン繊維)に対してしっかりした接着力を発揮できません。
 ちなみに私はセメダインの「スーパーX」を愛用してます。金属・ナイロン・塩ビ・発泡スチロール・ゴム・布など、これ一本で大抵の接着はこなせるスグレモノです。

 GPS側へのベルクロの取付けの場合、さすがに接着剤を使うのは気が引けるので、強力な粘着材付きのベルクロを使用します。カー用品店に行けば入手しやすいでしょう。 もし無ければ、両面テープを使って代用します。(両面テープはナイロン繊維に対する粘着力が弱いのですが、前述の「スーパーX」を併用すればOKです。まずベルクロにスーパーXを薄く塗布し、生乾きにさせます。その上に両面テープを貼り付け、完全に乾くまで重さをかけて密着させておくのです。)


 さて今度はバリオ・GPSが取付けられたアングル材の、ウエストバッグへの装着です。

 まずアングル材へのベルクロ取付けは簡単、接着剤で接着するだけです。一番上の写真にあるように、アングル材を二つ並べ、その巾よりも長めのベルクロを使用します。
ウエストバッグへベルクロを縫付ける
 ウエストバッグへのベルクロ取付けについては、両面テープ等を使うより縫付けてしまった方が簡単確実です。このとき使う糸は、目立たぬよう黒(ベルクロと同じ色)を使うといいでしょう。

 この縫う作業が、けっこう大変です。 というのもウエストバッグの生地は丈夫で厚いので、針を通すのにかなりの力が要るからです。できるだけ細い針を選ぶと、多少は作業が楽になると思います。
 また、縫ってる途中でベルクロが曲がってしまわないよう、最初に位置決めしたらマチ針でベルクロを仮固定しておきましょう。

 左がベルクロの縫い付け例です。ウエストバッグ上面右側の黒いベルクロがバリオ・GPS取付け用、左側の青っぽいベルクロはストップウオッチ用です。(なぜ青いかというと、たまたまそのとき黒ベルクロの手持ちが無かっただけなのでした。)

 ところで写真の例には、ウエストバッグ上面以外(つまり側面)にもベルクロが縫い付けてありますね。このベルクロが今回のポイントです。
バリオ・GPS取付け状況
 右の取付け後の写真を見て下さい。

 アングル材を介して載ってかっているバリオ・GPSは、それなりの重さがあります。
 一方、テイクオフ・ランディング時にはウエストバッグを装着した状態で走る必要があります。走ると当然ウエストバッグは揺れ、その上に載っているこれらの器材はアングル材を介していることもあり、さらに激しく揺れます。すると次第にベルクロが剥がれてゆき、しまいにはバリオ・GPSが脱落してしまうことが予想されます。
 そこでこの揺れによるベルクロ剥がれを防止する必要が出てきます。写真の、ウエストバッグ側面(写真では灰色の面)に付いているベルクロはそのひとつの解決策です。

 つまり器材の揺れによる剥がれが起きないように、上面ベルクロの短辺方向(これは器材が大きく揺れる方向です)に補強用のベルクロを配しているのです。これにより器材がいくら揺れても、ベルクロが持ち上げられ剥がされることが無くなるという仕組みです。一度お試し下さい。

 なお、ベルクロには凸・凹というか、オス・メスというか、A面・B面があります。仮にトゲトゲの引っ掛かり形状を持つ面をA面、ふわふわしてる面をB面とします。 で、A・B面の組み合わせであればどちらをどこに使っても構わない筈ですが、私としてはウエストバッグ縫い付けのベルクロはB面の方が良いと思います。
 何故ならA面はその構造上ざらざらしていて触ると痛いうえに、糸クズ等を引っかけて見てくれが汚くなる場面が多いからです。そこでウエストバッグ上面という目立つ場所に縫い付けるベルクロは、B面の方が良いなあと、個人的に思ってる次第なのであります。(ウーム、我ながらじつに細かいコダワリだ…)


ハーネスへの取付け状況
 では、バリオ・GPS等が取付けられたウエストバッグを実際に装着してみましょう。
 ふつうウエストバッグはその名の通り腰に付けます。しかしハーネスの種類やセッティングによっては、ウエストバッグを腰に巻いたままだと胸ベルトやクロスベルトに干渉して邪魔になる場合があります。
 そんな時はハーネスのどこか適当なベルトを利用してウエストバッグを装着するしかないわけですが、大抵ウエストバッグの重みでダラリと下がってしまいます。

 そのままではとうぜんテイクオフ・ランディング時の邪魔になるし、また見た目もよろしくありません。そこでウエストバッグの両端にベルト状のものを付け、カラビナにそれを通すことによって「ウエストバッグぶら下り状態」を防止します。

 写真の例ではベルクロを利用して輪っかを作り、カラビナに引っ掛けています。 カラビナ部から吊り下げるタイプのウォーターバラストと同じ仕組みというわけです。(2000.4)




もどる  次へ