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平成28年3月法雨抄

明治大正期における日本の法学会の先達穂積陳重(ほずみのぶしげ)は「祖先祭祀(さいし)と日本法律」の中で(続「歴史のいのち」より)
祖先の霊を礼拝し、これに酒饌(しゅせん)(お神酒やご馳走)を供えて、これを祭るの習俗は、その由(よ)って来る所、祖先に対する敬愛心(けいあいしん)に存して、恐怖心(きょうふしん)に縁由(えんゆ)するものにあらざるなり。
と述べて、西欧諸国において、祖先の霊を祭るのは霊魂に対する恐怖心によるものである、とする西洋の学者の説には服しかねる、と反論しているのです。洋の東西をとわず、子孫の繁栄を願った先祖に、敬愛の念を抱(いだ)かない者がありましょうや。
今月は、自らを謹み、先祖の御恩に謝する聖(せい)なる週間を含む彼岸会(ひがんえ)の月です。素直な気持ちで先祖様への報恩の供養をいたしましょう。
日蓮大聖人祈祷抄(きとうしょう)に曰く
卑(あや)しの畜生(ちくしょう)なんども恩をば報ずることは候ぞかし、況や人類(じんるい)おや。


平成28年3月 敬愛の念




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