〜日々ギモン?!〜



▼2 甲子園の風は老人ホーム


■初めての衝撃■
8月某日。今日は「博打打ち弟子の人」に競輪に連れていってもらう日なのだ。
(なぜ弟子の人なのかというと、ただ単に旦那・玉吉のいろいろなことに関する弟子の人なのでそう呼んでいる)

今のところの競輪のイメージと言えば「中野浩一」「橋本聖子」「古館伊知郎」高松競輪の
「ごめんなさいねぇ〜のCM」とか「ギャンブルレーサー(マンガ)」とかそのくらい。
「まぁ、ちょっと競馬場よりもオヤジが多いかな〜?」
くらいの気持ちで迎えに来た弟子の人とともに、開催2日目の甲子園競輪へと向かったのだった。

地下鉄→阪神電車を乗り継いで甲子園前へ付く。
向かいの道路の向こうに憧れの「阪神甲子園球場」がそびえている。
あぁ、コレが甲子園。
この間まで夏の甲子園大会が行われ、今阪神vs横浜戦が行われている。
7回ラッキーセブンに「ジェット風船」が飛び交う甲子園かぁ・・・・・。
あぁ、ツタが這っている様はドカベンで見たのと同じだぁ・・(うっとり)
思わず見とれてしまう私。 イカン、今日は競輪なのだ。

気を取り直して競輪場へ向かうバスを探す。
(競輪や競艇は駅前から無料送迎バスが出ているのだ。ファンサービスの一環なのか?)
あった。探すまでもなかった。何のことはない片手に競輪新聞(?)を持ったオヤジの後を付いていけば
自動的にバス乗り場へと導かれるのだ。発車直前のようなので慌てて駆け寄り一歩足を架ける。 

「うっ」

思わず心の中で呻いてしまった。
おやじなのだ。車内全体が。
一人暮らしで年金暮らしのおじいちゃんが大半を占めているのだ。後は少しやくざな感じのするおじさん(おにいさん?)。
女性は私だけ。
「イカン、ここで動揺を悟られてはイケナイ!いかにもなれている風な感じを出さねば!!」
(なぜ自分がこんな風に思ったのは今でもギモンなんだけど・・・)
「もう慣れてますよ〜」的な感じを出すためにきょろきょろせずに気怠そうに窓の外を見る振りをした。
しかし、オヤジ臭い。なんていうか、オヤジ特有の汗と昔流行ったマンダムみたいな香水(?)もしくは
オロナインの様な匂いの混じり合った何とも言えない空気が充満している。
何分くらいで着くのだろう・・・10分以上かかるのか??だったら今すぐ帰りたい。
そんな気持ちになってしまうくらいブルーになってしまった。しかし、行かねば。
弟子の人の死に様をこの目で確認しなくては甲子園まで来た意味がない。
そんな気持ちでオヤジ臭克服することにした。
やがてバスは走り出し、10分もしないうちに競輪場へ着いた。
先を争うように下車して思わず深呼吸。
どうやら無意識のうちに呼吸数を減らしていたらしい。体って正直だ。


next→


日々ギモン?!トップに戻る

ハムスター小屋に戻る