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外国のカブトムシ・クワガタについて

2001年4月24日

 私が子供のころ、外国にいるヘラクレスオオカブトという大きなカブトムシの写真を雑誌や図鑑で目にして「すっげー」などと言っていたものですが、そのヘラクレスやコーカサスなど外国産の大型カブトムシやクワガタが、昨年の夏、全国のデパートやペットショップで数千円という値段で売られているのを目にした人は少なくないだろうと思います。

 これら外国の昆虫は一昨年までは専門ショップや通信販売でしか買うことができなかったのですが、これはいったいどうしたことなのでしょう?

 実は日本では植物防疫法という法律があって、農作物などに被害をもたらす可能性がある動植物を外国から持ち込む(輸入する)ことを禁止しています。該当する動物を「有害動物」と呼んでいますが、もともと日本国内に生息していないもので「有害でないと認められた」以外は全部「有害動物」という扱いになっています。

 1999年11月下旬、クワガタやカブトムシのうち約40種類が有害動物ではないことが認められ、正式に輸入が認められました。これを契機にデパートやペットショップに外国の大型カブトムシが氾濫したというわけです。

 ところで、これらの昆虫が有害かどうかは、積極的に調査されているわけではありません。ある人が「この昆虫は有害ではないと思うので輸入を認めて欲しい」という請願をしてから有害かどうか調査しています。

 また、輸入の際、検疫で有害動物が発見されると没収となるわけですが罰則はありませんし、なんらかの理由ですでに国内に入ってしまった有害動物を飼育・所持することはこの法律の対象外なのです。(おそらく動物の飼育・所持については各自治体の条例によると思います。)これらのことから、植物防疫法を「ざる法」だと批判する人もいます。

 それにしても、9月以降になるとデパートから昆虫達は姿を消してしまいました。カブトムシの生息地である赤道近くの国々は年中気温が高いので季節に関係なく輸入は可能なはずですが、なんで夏休み期間だけしか売っていないんでしょうかねぇ。昆虫専門ショップでは年中店頭に並んでいるんですよ。


リンク: 農林水産省 植物防疫所 ホームページ 「外国からのカブトムシ・クワガタムシの持ち込みについて


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