読者からの手紙 2

阿部 様

 学生、この弱き立場 --キャンパス・ハラスメント--
のページを拝見しました.

 事例をみたり,あなたの指導教官は大丈夫? のページを見たりして,
 思い当たることがいくつかありました.

 そこで,これらのページに関係する話題を
 二つ書きたいと思います.
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こんな一言がコミュニケーションを妨げる原因になっています.
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 私(学生)が教官との会話のなかで,
 「気分が悪いな・・・」と感じた一言を下に記します.
 私が女性だから気にしてしまうのかもしれませんが・・・
 みなさんはどう思われるでしょうか?
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 ””内は私が個人的に不快感を覚えた一言 
 []内は私の感想・意見です.

  ・奨学金を返済する必要,または免除職につく必要があるので
   「安定した(期限付きでない)職を得たいと思います・・・」と
   言ったら,”彼氏に結納金を払ってもらえば”などの冗談を言う.
   
   [結納金で払い終わる額でもないですし,今すぐ結婚する予定もないんですが(^^;)]

  ・外出した際,男子学生に”あの人(女性の方)をどう思う?”
   という質問をする.

[これに関しては,私はそばできいているだけなのですが,それでも
    なぜか気分が悪くなります.言われた男子学生自信も気分が悪いそうですが,
    先生との関係を考えるとはっきり不快であるという表情は出来ないそうです.]

  ・”これをいうとセクハラと言われるかもしれないけど・・・”
   という枕詞で会話を始める.

   [予めそのようなことを言いますよ・・・という前置きでもありますし,
    まあ適当に受け流してよ・・・というための免罪符でもあると思います.]
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上のような言葉を度々きくと,学生の私としては,
「そんな事を言う暇があれば,もっと研究について話して欲しい.」
という気持ちになります.

本人に悪気はないと思うので,上記のような話に関しては無視することにしています.
しかし,普通の話や研究の話の途中に上のようなことを言われると,
話しの流れ上無視するわけにもいかなくなり,適当にかわすことになります.
かわしたら,”すぐそういう風にかわそうとする・・・”という返事がかえってきます.
こうなると,「こういう下らないことに気をつかいたくないなぁ.」という気持ちになり,
頭の中では教官と会話をすることは,研究をしていく上で大切であると
わかっていても,話をするのが億劫になってしまいます.

「上記のような会話が原因で,しまいには会話すること自体が嫌になり,
コミュニケーションが円滑に行われなくなってしまう可能性がある.」
ということを教官の方に認識して頂きたいと思います.

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いずれ先生の立場になるであろうときに備えて・・・
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 このページを見る前と見た後では,気持ちの持ち方が変わった気がします.
 先生も1人の人間ですし,完璧ではない.
 お互い悪意はないのに人間関係が悪化してしまう.などなど
 
 それと同時に,自分もいずれは教育者になることを考えると,
 その時には自分が加害者になりかねない.と身が引き締まる思いがします.

 特に今は修士の学生に対して,研究に関する指示を出す立場にもあるので,
 自分の言ったことや,渡した資料について 全て自分の研究ノートに記しています.

 これで,「言った,言わない」「渡した,受け取っていない」などの
 意見の食い違いでお互い嫌な思いをすることが減らせると思うからです.
 そしてノートに書くことによってもう一度自分の発言内容を冷静に考える
 時間が出来るため,意味のない,いい加減な発言が極力減らせる.というメリットが
 あることにも気づきました.
 
 今,私は博士後期課程に在籍していますが,このノートをつける習慣は
 将来教育・研究者になったときにもきっと役に立つだろうと思います.