「ターミネーター2」は、これまでにいくつかのバージョンのDVDが発売されてきました。 その中で、究極とも言えるのが2001年9月21日に発売された「スペシャル・コレクション ターミネーター2特別編」というDVD。 このDVDは、様々な映像特典やメイキング、静止画による制作資料等々、これでもかといわんばかりの情報を詰め込んだ、コレクターズアイテムの決定版ともいえるディスクです。 しかし、このディスクの一番の目玉は、そうした資料でもメイキングでもありません。 新たに編集された、「劇場公開版」とも「特別編」とも違う、第3のバージョンの「ターミネーター2」が収録されているということこそが、このディスクの最大の価値であると言っていいと思います。 「究極版」とも呼ばれているこの第3バージョンの「T2」。 ここでは、そのバージョンについて書いてみたいと思います。 |
隠しコマンド
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有名なので知らない人はいないと思いますが、一応コマンドの話から。 本編ディスクをプレーヤーに入れてしばらくすると、右のメニュー画面になります。 ここでは「劇場公開版」と「特別編」のどちらかを選択するようになってます。 |
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「劇場公開版」を選択すると、このようにエンドスケルトンの左目が点灯します。 |
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「特別編」を選択するとエンドスケルトンの右目が点灯。 コマンドは、この「特別編」のメニューで入力します。 |
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この「特別編」のメニューの右下に注目。模様が入った五つのボックスがあります。 これ、実はローマ数字。上から「VIII」「II」「IX」「IX」「VII」と書いてあります。 82997……そう、英語表記で97年8月29日。劇中の「審判の日」です。 これがコマンドになります。 その順番で数字を入力していくと、入力を受け付けるたびにそれぞれの数字が「THE」「FUTURE」「IS」「NOT」「SET」と文字に変わっていきます。 下の写真のように、全ての数字が文字に変わったらコマンド入力成功です。 コマンドは早すぎず、遅すぎず入力する必要があります。前のコマンドが入力されて、文字が現れたら次の数字を入力する、というタイミングでやればいいようです。 ちなみに、プレーヤーによっても数字の入力方法が若干違うようです。 PCでの再生だとそのままテンキーで数字を入力、PS2では「08」「02」「09」「09」「07」と入力すると受け付けてくれます。 |
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コマンドの入力が完成すると、エンドスケルトンの両目が点灯します。 |
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「拡張特別編再生」という項目がメニューに現れ、これを選択すると拡張特別編が始まります。 さぁ、第3の「ターミネーター2」を体験しましょう! |
「ターミネーター2 拡張特別編」概要
この「拡張特別編」では、「特別編」よりも更にシーンを追加して編集し直してあります。 特に大きく変わったのはラストシーン。 このバージョンでは、ラストは「審判の日が起きなかった未来」の公園で、サラ・コナーがジョンと孫に囲まれ、過去のターミネーターとの思い出を録音機器に吹き込んでいるというラストを迎えます。 そう、この編集では、映画「ターミネーター2」は「サラたちが未来を変えた戦いのレポートだった」という形でまとめてあるのです。 |
未来の公園で、ターミネーターとの思い出を綴るサラ・コナー
このまとめ方には、個人的には実は納得いっていません。 このラストは、サラたちが作中で行った行為の「結果を限定してしまう」ラストです。その結果、作品そのものの幅を狭めてしまうラストであると思います。 その点で、「劇場公開版」や「特別編」で使われたラストが、その後のサラたちの未来を限定してしまわず、作品として観客の想像力に幅を持たせることができたため、良いラストだったと思います。そちらを選択していたのは正解だったと言えるでしょう。 個人的には、「ターミネーター2」の決定版はやはり「ターミネーター2 特別編」であったと思うのですが如何でしょうか。 ただ、こういったシーンを撮影していたということは、つまり「ターミネーターの物語は本当に今作で最後」というキャメロン監督の意志があったということです。 その意味で、現在製作中の「ターミネーター3」は、やはり作るべき作品ではなかったのではないかと思うのですが……。 まあ、完成して観るまでは何とも言えないことですけど、生みの親であるキャメロン監督の意志を全く無視した続編というのは、やはり残念でなりません。 |