パソコンをホームシアターに活用しよう


1.パソコンでDVDを観よう  その可能性

 パソコンでDVDを観よう!
 いつからかそんな特集が雑誌で頻繁に雑誌で組まれるようになりましたが、それを見るたび、私はどうにも胡散臭さを感じていました。
 もちろんDVD−ROMが一般的に普及してきており、CPUの能力も画面の描画能力も上がっている以上、それを利用してDVDビデオを観よう、と考えること自体は合理的だとは思います。
 しかし、それはあくまで付帯価値。ただ「観ることが出来る」ということであり、目的がDVDビデオを観ることであるならば、そのためにわざわざパソコンを立ち上げ、質の悪い再生能力と質の悪い音源で映画を観るなんて非効率的だし、面倒も多い。やはりちゃんとDVDを観ようと考えるならば、専用のプレーヤーを買った方が手軽だし、画質的にも性能的にも上のはず。
 そう考えていました。
 ところが最近、色々な映画サイトの掲示板で「パソコンによるDVD再生」を主眼とした発言が多くみられるようになってきました。それも、パソコンだけでDVDを観ている人ではなく、ハイエンドなプログレッシブDVDプレーヤーとプロジェクターを持っている人が、わざわざパソコンでDVDの再生を試みているのです。
 曰く「基礎的な画質が専用プレーヤーより圧倒的に上である」。
 これは、どういうことだろう?
 正直、疑わしい気分になりました。某メーカーのフラッグシップモデルより、パソコンによるDVD再生の方が優れているとは、にわかには信じがたい話です。
 しかし。
 別の角度から考えてみると、納得せざるを得ない可能性も見えてきます。
 というのも、テレビを主体とした映像メディアはこれまでインターレースでの表現が一般的だったのに対し、パソコンの世界では、その映像描写はずっと昔からノンインターレース(プログレッシブ)で行われていたのですから。
 そう。パソコンは、テレビとは比べ物にならないほど細密な映像描写をこれまでも行ってきていたのです。
 そんな世界で、DVDビデオがきちんと再生できるのであれば、素晴らしい映像が得られるかも知れない……。
 俄然、興味が湧きました。それがうまくいくのなら、プログレッシブプレーヤーでない僕の専用機よりは遙かに綺麗な映像を、パソコンが出力してくれるのは間違いないと思ったからです。それに、パソコンのパーツでは余っている物もたくさんあります。これを上手く使えば、思いの外安く上がるんじゃないか、なんて思いも浮かびました。
 ようし、やってみよう!
 非常に安易でのりやすい性格である僕は、非常に浅い考えで取りかかることを決めたのでありました。

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